ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

オペラ:プーランク「声」/マスネ「マノンの肖像」

2009-10-18 23:28:09 | オペラ
10月10日新国立劇場小劇場で、プーランクのオペラ「声」とマスネのオペラ「マノンの肖像」を観た(東京室内歌劇場定期公演)。

♪♪♪プーランク「声」♪♪♪

舞台奥に、巨大な額縁が斜めにかかっている。大きな長方形のテーブルが、舞台中央に斜めに置かれている。その上には昔風の小さくておしゃれな電話機。

何と指揮者(佐藤正浩)がプロンプターを務めた!前半は結構邪魔だったが、フランス語の一人芝居は歌手にとって大変な負担なわけだから、仕方ないか。

松本美和子は熱演だが、最後まで気持ちがしっかりしている感じで、狂気のようなものがあまり感じられなかった。

♪♪♪マスネー「マノンの肖像」♪♪♪

休憩後、巨大な額縁がまっすぐになっていた(舞台美術:池田ともゆき)!なるほど・・これは面白い。こういうセンス、好きだ。
同じテーブルが、さっきは緑から黒へとクロスが変わっていったのに対して、今度はクロスなしの白。

今回の公演は原語日本初演とのこと。
この曲は初めて聴いたが実に甘美。しかもこの夜は逸材を発見できた。主役(騎士デ・グリュー)の養育している若者ジャンの恋人オロール役を演じた吉原圭子。この人は少し小柄なのが残念だが、素晴らしい美声と声量の持ち主。今後が実に楽しみだ。

ストーリーは単純だが、短い上に展開が早く、しかも音楽が素晴らしいので全く飽きさせない。

ただ、ちょっと納得し難い箇所もある。
オロールが、亡きマノンの肖像画と同じような服を着て登場し、愛をたたえると、デ・グリューは「それが君(マノン)の気持ちなのか。分かった。二人の結婚を許そう」と即納得してしまう。だがここでの彼の気持ちの変化の早さに、ちょっとついて行けないものを感じた。
何しろこちらは、あれはマノンの幽霊か?それにしては全体に明る過ぎるし・・・?と首をかしげているのに、彼は全然そんなことを疑ってはいないようなのだ・・・確か彼はまだ彼女を紹介されていなかったはず。なのにその姿を見てすぐにマノンの幽霊でなくジャンの恋人だと分かるのはなぜ?
ま、音楽が極上だからあとはさほど大きな問題じゃないけど。

ともあれこの夜は、今まで知らなかった美しい曲と才能ある歌手を発見できて、至福の時を過ごせた。





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