ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

マーロウ作「フォースタス」

2015-12-21 00:44:11 | 芝居
10月20日東京芸術劇場シアターウエストで、クリストファー・マーロウ作「フォースタス」をみた(演劇集団円公演、上演台本・演出:鈴木勝秀)。

フォースタスとはファウストの英語読みで、ヨーロッパに古くからある伝説上の人物の名。ゲーテの「ファウスト」が有名だが、これはシェイクスピア
の頃のイギリスの劇作家マーロウによる作品。
フォースタス博士は学問に身を捧げてきたが満たされず、好奇心から魔術の研究を始め、悪魔メフィストフィリス(メフィストフェレスのこと)を呼び出す。すると大魔王ルシファーとベルゼバブも現れ、擬人化された七つの大罪(傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、大食漢、怠惰、色欲)も次々に出て来る。ついに彼は悪魔と契約を結び、24年という契約期間中、あらゆる快楽をむさぼる。ドイツ皇帝カールがアレキサンダー大王とその恋人に会いたい、と言うと、そっくりのスピリットを出してやったり、ヴァンホールト公爵夫人が真冬の1月にぶどうを食べたいと言えば出してやったり。絶世の美女トロイのヘレンを呼び出したり。自分を侮辱した人間を動物に変えたり。だが契約の時が迫るにつれ、彼は悔恨、恐怖、絶望に捕えられ、最後には雷鳴轟く中、地獄へ連れ去られる。

1時間45分の芝居に仕立ててあるが、その中に原作とはまるで関係ないシーンやセリフが挿入されている。「枯れ葉女子」のシーンと「ラジオ体操
第3」のシーン。これらが残念ながら全然面白くない。ただの一人よがりで、観客を甘く見ているとしか言いようがない。
昨年見たベン・ジョンソンの「錬金術師」の時も同様のことが起こったが、あの時、客席の反応がいいと思ったのだろうか。

場と場のつながりがぎこちなく、白ける。

ちなみに衣装は紙製とか黒いゴミ袋とか、超安上がりなもの。
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