ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

「ブレス・オブ・ライフ」

2014-12-09 16:21:10 | 芝居
10月17日新国立劇場小劇場で、デイヴィッド・ヘア作「ブレス・オブ・ライフ ~女の肖像~」をみた(演出:蓬莱竜太)。

日本初演。この秋の二人芝居シリーズの第1弾。
ロンドンで興行記録を塗り替えた話題作の由。

イギリスのワイト島にあるテラスハウス。その家の住人であるマデリン(若村麻由美)の元を、フランシス(久世星佳)が訪れる。
専業主婦だったフランシスは現在流行作家となり、夫の長年の不倫相手だったキャリアウーマンのマデリンとの回想録を書きたくて
訪れたのだ。当の夫は、すでに若い彼女とシアトルで暮らしている。一人の男を愛した二人の女の夜を徹した対話が始まる。

舞台は終始、マデリンの書斎。天井まで占める本棚にぎっしり詰まった書物が圧倒的な存在感(美術:伊藤雅子)。

マデリン役の若村麻由美がうまい。自立して一人生きるキャリアウーマンで、精神の自由を体現しているよう。とにかくカッコイイ。
フランシス役の久世星佳は始めぎこちないが、回想シーンでは挽回してきた。意外とユーモアのある役だ。

フランシスの夫マーティンと出会ったのは、マデリンの方が先だった。二人は出会った直後に些細なことで喧嘩別れしてしまい、
次に偶然会ったのは何年も後で、彼はすでにフランシスと結婚していたのだった。
それから二人は長い間不倫の関係を続け、しばらくはフランシスも二人の関係に気づかなかった…。

若い二人が初めて出会った日、キング牧師の演説を聴いたとか、時代と社会の流れが興味深い。

翻訳(鴇澤麻由子)が素晴らしい。全編を通して実に自然で流れるような、違和感のない日本語。

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