ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

グルック作曲のオペラ「思いがけないめぐり会い、またはメッカの巡礼」

2009-11-23 23:38:54 | オペラ
11月15日北とぴあさくらホールで、グルックのオペラ「思いがけないめぐり会い、またはメッカの巡礼」を観た(演出:飯塚励生、演奏:レ・ボレアード)。

「ヘンリー六世」三部作を観終えた翌日だったので、もう少し余韻に浸っていたかったが、幸いジャンルが違う上に、あちらはストーリーが複雑で音楽がダメなのに対して、こちらは話はオペラらしく他愛もないが音楽が極上だったので、連日でも大丈夫だった。むしろ耳にとってはいい口直しになった。

音楽、演出、歌手、歌手の演技、振り付け(大畑浩恵)、衣裳(スティーヴ・アルメリーギ)、どれも一級品。

旋律は親しみ易く、しかも新鮮でいい曲が盛り沢山。モーツアルトがこの作品から影響を受けたそうだが、それは見ていてすぐ分かる。筋は「後宮からの誘拐」、人物像は「魔笛」へとつながっている。

ただ相変わらずアリアの後の拍手には悩まされた。前にも書いたが、話の流れを止めてしまうのでやめてほしい。

森麻希はいつもながら素晴しい美声。いつまでも聴いていたい。まさに天に二物を与えられた人だ。その見目麗しい姿をめで、その声に酔いしれる時、この人と同時代に生きている喜びを誰もが感じるだろう。完璧という言葉は彼女のためにある。

音楽が余るところでは、間を持たせるために歌手たちに意味あり気な仕草をさせたりして、演出は自由自在。全く飽きさせない。侍女たちが王子を誘惑するシーンは大胆かつ大人のムード。観客は目も耳も舞台にくぎ付けになってしまう。コミカルなシーンも多く、托鉢僧役のF.ベッティーニのサービス精神旺盛な演技が楽しい。

北とぴあ国際音楽祭は年に一度のイベントとしてすっかり定着したようだ。来秋はペルゴレージをやるとか。期待してます。



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