あなたは、池袋の乱歩邸へ訪れなすったことがおありですか。
ああ、おありなさらない。それは残念ですね。
あれは一体、どこの魔法使いが建てましたものか、
実に途方もない変てこれんな代物でございましたよ。
むろん、そんなことはない
というわけで、2カ所目は西池袋3丁目の江戸川乱歩邸を紹介する。
乱歩は1934(昭和9)年にこの家に転居。それまでは「引っ越し魔」だった乱歩だが、
この家は1965(昭和40)年に乱歩が70歳で没するまで「終の住み家」となった。
立教大の池袋キャンパスに隣接し、現在は同大の大衆文化研究センターとなっている。
毎週水・金の10時半から16時まで無料で公開されており、乱歩ゆかりの品々を見られる。
乱歩自ら意匠を凝らしたという洋風の応接間も中庭から拝見できる。
応接間の一角にはスクリーンが置かれ、乱歩が撮った8ミリフィルムの映像を流していた。
乱歩の書庫の土蔵。「幻影城」の呼び名で知られる。03年に豊島区の有形文化財になった。
さすがに普段は土蔵に入ることはできないが、入り口から蔵書の一部をおがめる。
漱石や谷崎、ドストエフスキーといった内外の大家の全集が並んでいた。
*おまけ
立教大キャンパスから乱歩邸をめざすと、こんなカワイイ案内板に出くわす。
「いけふくろう」と「うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと」のフレーズの取り合わせは
ミスマッチのような、ピッタリのような<フクロウも夜のシンボルだしね
乱歩邸から北にてくてく歩いて、いわゆる「乱歩通り」に出ると、光文社ビルがある。
1階のミステリー文学資料館では、これまたミステリーの大家である鮎川哲也展を
来年1月31日まで開催中(02年9月24日の没後10年企画)。
草稿や創作メモ、NHKテレビ「私だけが知っている」の自筆シナリオなど
かなり興味深い資料が並んでいたので、ファンの方にはこちらも一見をオススメする
<9時半から16時まで開館。入館料300円。日・月・祝日休館