ふくろたか

札幌と福岡に思いを馳せるジム一家の東京暮らし

リングサイドで恋をして・第13話/スペイン紀行・中編

2012年09月14日 | RSで恋をして

このツアーに、リングスの4選手が参加していたことは先に述べたが、

この4選手の中で、ツアーの前後で最も印象が変わったのは田村潔司その人である。

この人には当時、Uインター×新日本の対抗戦参加を拒み、

K-1のリングで引退覚悟でパトリック・スミス戦に挑んだ後、Uを退団した経緯から、

「孤高」「ストイック」「赤いパンツの頑固者」というイメージを持っていた。

しかし、スペインで見せた奇行で、そんなイメージは見事に崩れた。

「情熱の国」だけに、行く先々の公園のベンチにお熱いカップルが多かったのだが、

この人ときたら、見つけるたびにいちいち近づいて、堂々とのぞき始める。

んで、カップルに気づかれると、脱兎の如きスピードで逃げ出してくる。

「こうやって海外でも反射神経を磨いているんだ」と涼しい顔でうそぶいていたが、

同じ行為を何度も繰り返しているその姿は、単なる変態に見えた

そして、忘れ難いのが、2月4日夜のマドリッドのイベント。

ツアーのオプションとして、本場のスペイン料理とワイン、フラメンコを楽しむ集いがあり、

ワタシたち夫婦も田村も参加した。

舞台ではフラメンコ、卓上に美味しいパエリア、隣の席に2号、正面の席に田村。

プオタにとっては至福の一夜で、気分よくワインを飲んでいると、田村が声をかけてきた。

①「顔が赤いですよ。大丈夫ですか? 水を飲んだ方がいいんじゃ?」

ああ、優しいなあ。札幌中島でのハン戦では、ハンをひいきしてゴメンよ。

そう思いながら、水の入ったピッチャーに手を伸ばしたところ、

②「ダメダメ~、ちゃ~んと水を飲まないと」(ニヤニヤ)

田村はワタシのグラスになみなみと白ワインを注いできた

・・・え??

しかし、プオタとして、あの田村が自ら注いだ酒を拒むことなんぞ許されぬ。

やむなくグラスを空けた後、延々と①と②の繰り返しが続く中で、

ワタシは田村の異名のひとつを思い出していた。

「Uの遺伝子を継ぐ男」

それはリング上のスタイルのみならず、リング外の酒席を含めた異名だったのか。

気が付いた時はすでに遅く、ワタシの意識はマドリッドの夜に溶けていったのである。


あれから15年。田村はリングスを離れ、個人のジムを持って独自の活動を続けている。

船木や桜庭といった同じ世代のU系の選手がプロレスのリングに戻っている現在、

もうひと花咲かせてほしい選手である。日明兄さんとの確執も久しく続いているが、

こちらもいつか和解してほしいと願っている。 日明兄さんと佐山が和解できたのだから大丈夫

(14話に続く)


  • ホークス

先発は四球からピンチを広げて痛打を食らい、打線は相変わらず初物に弱い。

投打に悪癖を露呈して連勝ストップ。今季の残り試合、少なくとも先発で岩嵜を見ることはあるまい

  • アパパネ引退

牝馬限定GⅠをほぼ総ナメにした希代の名牝が浅屈腱炎で電撃引退。

エリザベス女王杯のみ、2年連続でスノーフェアリーに阻まれたことが残念だ。

凱旋門賞でオルフェーヴルがその仇を討つ機会があるか?