虹の架け橋

2004年の44歳から綴ってきたブログ。塾長として、男として、父親として、そして爺として、感じたことを記した記録。

中学成績評価について

2006-07-21 | 塾長日記
●中学校成績評価について(情報提供)
中1の保護者様から「中学の通知表評定に納得がいかないのですが・・」の問い合わせが入っていますので、ご質問された方には説明をさせて頂きました。ご存知の方も多いとは思いますが、これも情報の共有をさせて頂きます。
[成績評価について] ※中学校保護者向け配布文書を引用させていただきます。
■絶対評価について
かつて行われていた「相対評価」では、生徒全体の中で平均的な位置にある生徒の力量を「B」とみなし、これを基準にAやCをつけました。つまり他の生徒との比較で成績をつけました。
これに対し「絶対評価」は学習内容の「このことがこのレベルで達成できればB」(B=おおむね満足できる姿)という到達点を決めてそれを基準にAやCをつけます。こちらは本人の到達度で成績をつけます。
■評価の手順
①「観点の評価(A・B・C)」をつけます。各教科には学習の内容が大きく分けて4つ(観点)があります。(国語は5観点)その観点について前述の方法でA・B・Cをつけます。その際、材料となるのは「話す、聞く、考える等の姿」や「小テスト、ノート、発表質問、調べ学習、仲間との協力、提出物、持ち物の準備、授業参加意欲」です。こうした細かな項目について日常的に評価を繰り返し蓄積していきます。期末テストの結果だけでなく、毎日の授業における姿が評価の材料となります。それをもとにして、一つ目の観点は「A」、二つ目の観点は「B」というようにつけたのもが「観点の評価」です。
②教科の「評定(1~5)」をつけます
①でつけた各観点のA・B・Cの合計で得点化します。(別表参照)
Aは3点、Bは2点、Cは1点とし、その合計で1~5の評定をつけます。
■重み付け(観点によって重要度が違う)について
原則として上記の基準に従って「観点の評価」をし、そのから「教科の評定」を導きだします。但し、教科の特質上、特に重要な観点には重みをつける場合があります。たとえば体育では運動技能を最重要観点として重みをつけています。同じようなことが他の教科(数学、英語)で行われます。このように重み付けをした観点にAやCがついた場合、別表の「得点と評価」の線が崩れることもでてきます。
■成績の生かし方について
先にも触れましたが、絶対評価は本人の到達度の評価です。他人と比べたものではありません。「B」のラインに届いているかどうかが、相対評価よりもはっきりします。生徒への評価は教師の指導評価でもあります。より多くの生徒がBやAの評価となるようより良い指導に心がけます。どうかご家庭でも「B」は「おおむね満足できる姿」であるという見方を大切にしてあげてください。そして、更に「A」の姿になるためのアドバイスや援助をしてあげてください。
※別表と各教科の重み付けは来月の塾通信に記載してあります。
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貴重なご意見をありがとうございます

2006-07-11 | 塾長日記
今回の学習報告書に関して、「塾のなかの様子が良く分かる」「家族で子どもと話をする題材になって良かった」などご意見を頂き本当にありがとうございます。その中で貴重なご質問をいただきましたのでご返答させていただきます。

①平均プリント枚数
この学習報告書は、一斉クラス指導と個別クラス指導両方が網羅できるようにシステムが組み込まれています。一斉クラスの場合は教師立案カリキュラムに従って進行していきますのでカリキュラム進捗状況を教師や塾長の私が掌握しておればなんら問題ないことです。ところが個別指導は個人によって進み具合も異なります。どうしてもこの教材進行状況を把握する必要が出てきます。一斉クラスの場合はお母様の仰られるように報告書として重きを置く観点にはなっていないのも事実です。反面、個別指導ではこれは外すことのできない項目になっていることもご理解くださいませ。
②質問回数
この項目は質問回数だけではなく、授業中の挙手回数も含めています。学校授業でも挙手は教師側が意識する項目であると思います。授業に積極的に関わろうとする姿勢のひとつの表れが「挙手・質問」になってきますので、塾の授業内でも重視しております。また「質問がないことはいけないことなのでしょうか」の質問に関してですが、教師の説明で一発理解ができればそれは理想であるわけです。新単元に入る場合、何らかの疑問、質問を持ち、それをクリアしていくことでより深い理解に繋がると考えます。通り一辺倒の理解ではなく、より深い理解力を望んでいますのでこの「質問・挙手」項目は今後も重視していきたく考えます。
③学年平均印字の必要性
お子さんが在籍しているクラスの学習健康状況をお知らせする意味で印字しています。今回の学年平均印字を見ると、正八角形に近づいてはいますが、自立学習(言われたこと以上の取り組みを自ら進んで実行する)が欠けていることが分かります。まだ1ヶ月集計データですのでデータ量が不足しているのも事実ですがこれが3ヶ月、半年と蓄積するともっとそのクラスの学習健康状態が明確になると思います。
④総評と評価の項目のずれ
総評はこの数値ならばこのコメントというような自動システムではありません。すべてアナログで今回は塾長として上野が全塾生のコメント入力を行いました。規定のコメントフォーマットはありますがすべて一人ひとりに合わせて文書を書き込んでいます。今回は英語を覗きにしたお子さんへの総評になっていることも事実です。教科によってグラフも異なっていると思います。教師基準も若干の敷居の高低があることも事実です。これは教師の特性、魅力でもあると思いますので敢えて今回はそのまま出力いたしました。今後、ミーティングを行っていく中で「ものさしの基準化」もテーマにしていくことも必要になってくると思います。

今回、この学習報告書をお渡しする最大の目的は、保護者様から「塾での子どもの様子をもっと知らせて欲しい」と言う声に応えたい一心で行ったことです。まだまだ始めたばかりの稚拙な帳票かもしれませんが、保護者様からのご意見を参考にさせていただき、更に充実した月次報告ができますよう今後も努力して参ります。
貴重なご意見を本当にありがとうございました。今後とも宜しくお願い申し上げます。
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中1期末英語を検証して

2006-07-04 | 塾長日記
保護者様
いつもお世話になっています。今回の期末試験を終えて、詳細分析資料は次月の塾通信でお伝えしますが、どうしても私の気持ちが納まりませんのでこの文書を同封いたします。まずは昨年と今年の中1、1学期期末英語得点の分布をご覧ください。

<分布図略>

17年度上野塾在籍生25名と18年度上野塾在塾生25名の分布対比グラフです。昨年度は塾生の84%が80点以上の得点を取っています。今年度は52%が80点以上といった結果になっています。平均点も昨年度が87.7点、今年度が70.6点です。
今年度のI中学の期末問題を分析すると、
①リスニング問題(挨拶文含む) 配点:14点
②アルファベット大文字、小文字 配点:5点
③教科書内単語(名詞)・・・ブランクにアルファベットを入れる 配点:5点
④会話文(Are you ………? Yes, I am. / No, I am not.) 配点:7点
⑤天気・日付・曜日・体調の質疑・・・選択肢から選ぶ問題 配点:8点
⑥整序英作文(並べ替え問題)・・・記号にて表記 配点:12点
⑦一般動詞英作文 配点:6点
⑧自分の立場で返答する(名前、年齢、好きな教科など) 配点:20点
⑨自由英作文(指定単語にて紹介文を3つ) 配点:12点
⑩道案内(Go straight this street and turn left at the first corner.など) 配点:11点

まずは①~④まではどこの中学でも出題される問題。ベーシックな問題です。①~④は確実にできなければならない問題です。⑤は学校の授業内で行われる英会話を聞いておればできる内容。それも全英作ではなく記号選択だから容易な問題と言えます。
⑥の整序英作文は記号で書くべき問題なのか英単語を並べて書く問題なのか一瞬迷う問題と思いますが、問題に「意味の通じる文章にしなさい」とあるので、英文で書くのが正しくなります。これを記号で表記すると12点を落とすことになります。
⑦一般動詞の英作文は大文字、ピリオド、クエスチョンマークに注意して記入すべきことです。続いて自分の立場で質問に対する返答問題。名前、年齢はこの時期に必ず出る問題ですが1問のウエイトが大きい問題です。年齢のthirteenやtwelveは大丈夫だったでしょうか。続いて情報に基づいた英作文3つ。これは日ごろからの訓練が必要です。期末勉強がしっかりできていた者はできたはずです。
最後の問題。この道案内の問題は学校授業で行われたのでしょうか?本来は中2の2学期に登場する内容です。最後の問題は「自分が理解できたこと」を相手に伝えるための英文を2語で答える。これはI see .ですが、混乱しやすい問いになっていることも事実です。
私は学校の期末問題の是非を言っているのではありません。指導内容の理解度を測る良い問題と思いますが、生徒側に問題の意味を読み取る読解力があったかどうかにポイントがあり、それが今回の中1英語得点の分布に繋がっていると思います。
塾で英語を指導させていただく者として、上野塾の塾長として今回の中1期末英語得点は私の23年の塾教師実績で最悪となったことも事実です。
以下、お約束いたします。

・期末を決して軽視しない、期末テストをなめない、やる気のある中1集団に変えます。
・9月よりクラス分けを実施し、苦手な者はトコトン指導いたします。必要があれば日曜日も教室に来させます。
・力のある生徒はどんどん伸ばします。そういった学習環境、レベルを保持します。

私の力不足で塾生に満足した得点を取らせてやれなかったことも事実です。この悔しさは二度と塾生たちに与えてはいけませんし、私も味わいたくありません。
気を引き締めて「本当に厳しい上野塾」で暫くは走る決意です。何卒、宜しくお願い申し上げます。
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