ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

マニュエル・ルグリとウィーン国立バレエ団ダンサー

2015年07月05日 | 文化・芸術

マニュエル・ルグリとウィーン国立バレエ団ダンサー 沖縄限定プレミアム公演 Manuel Legris and the Wiener Staatsballett Dancers

 

沖縄限定公演!観て参りました~

演目はガラ公演で、各プログラムのハイライト・シーン。当然・ものすごーく盛り上がりました

ブラヴォーの嵐 でスタンディング・オベーションで終えた公演。休憩時間に偶然、知人と会って:「素晴らしいわね!沖縄でこんなのが観れるとは思わなかったわ!」と大コーフン!

 

会場は:いかにもバレエ関係者で溢れていました。シニョンに髪をまとめたスレンダーな子どもたちや、お洒落をした、やはりスレンダーな女性たちで一杯 。沖縄でも居る所には居るんだな というほど、これほどまでにスレンダー美女、美少女が集う機会も珍しい。

 

ま・車社会なので道を歩いてないだけで、バレエ教室とかアクターズ・スタジオ近辺には細身の美少女、美女がウロウロしてるんでしょね、きっと。

 

久しぶりにバレエを観て、バレエの世界も変わったし進化したなーと感慨深かったです。

2月に桜坂劇場で観た映画の時も感じたことだけど。

『至高のエトワール ~パリ・オペラ座に生きて~』映画オリジナル予告編

 

私世代のバレリーナといえば、むかーしのブログ(笑):ネザーランドダンスシアター に書きましたが、ともかく痩せていて骸骨のような拒食症&筋肉質体型。顔なんか骨の上に皮が乗ってる(まぁそうなんだけど:笑)感じで、すぐに「あ・バレリーナだこんな病的な体型はバレリーナに決まってる」と分かったものなんです。かつての森下洋子さんとか。

朝はグレープフルーツかコーヒー、昼はナシ、夕食が唯一の食事で、しかも微食。そしてヘビースモーカー。だいたい1日1箱は当たり前。食べれないからお腹が減るのをタバコでやり過ごすので肌も汚いんです、案外。

それが!

マニュエル・ルグリと仲間たちは:みんな健康的にスレンダーで、モデルよりは肉付きというか筋肉質で、バレリーナ歩き(アヒルのように足先が外を向いてる。予告編でのアニエスを参照)をしなければ、フツーにスタイルのいい美人という感じ。モデルほど背も高くないし。

 

ダンサーは体重、体型管理は職業のうちなので、きっと最新の栄養学を取り入れてるに違いないと思いました。

 

自分が小麦アレルギーになって、グルテンフリーの生活になって3ヶ月、身体の変化が現れ出したので、今ではほぼ:その人が何を食べているか?というのが分かります。

タバコを吸ってる人の肌質、酒飲みの肌質、肉食の肌質、というのは、自分もかつてはスモーカーで肉食をしていたのでよく分かるんです。ジャンクフードが多い人は体臭と上腕の肌質ですぐ分かる。自分が食べなくなると敏感になるんですね。「グルテンフリー」の質感というのは、これまで考えた事も感じた事もなかったんですが、ダンサー達を観て、「これはグルテンフリーでチキンか魚は食べてる体型だ」とピンときました。ヴェジだともう少し体重が落とせるとは思いますが、ツアーが多いとヴェジタリアン生活は難しい。マドンナくらいのスターにならないと、食事が調達出来ない。サラダだけじゃヴェジでも栄養失調になっちゃうし。パスタじゃ太っちゃう。植物性タンパク質メニューを増やして、もっと世の中のヴェジ率を上げないと

 

十分に美しく細身なバレリーナの体重を少しでも落とした方がいいのは、ひとえに男性バレリーナのリフトのため。体型としては人類の最高峰というほど男女両方のダンサーとも美しかったです。かつての病的な体型のバレリーナはバレエ界からは消滅した模様。

 

その人類最高峰に進化した体型で踊るバレエも、格段の進化を遂げていたのでした。

クラシックはもちろん、コンテンポラリーのスタイルも高水準で踊ってのけたのです

 

かつて・有吉京子の漫画「SWAN」でも描かれていたように、クラシックバレエとコンテンポラリー・バレエは別ジャンルで、それぞれスペシャリストのダンサーがいました。

 

オペラ座のバレリーナはコンテンポラリーは踊らないように、ベジャールやピナ・バウシュのバレエ団のダンサーは「白鳥」や「ジゼル」を踊りませんでした。たまに踊ったとしても、「ほれみたことか。やっぱりコンテンポラリー・ダンサーのクラシック作品は観れたもんじゃないな」という評価だったり、クラシックのバレリーナのコンテンポラリー作品のダンスは、やはりキレが悪くてイモ臭いものだった。両方とも基礎はクラシックバレエなのに、ナゼかそういう現象だった。

 

今年、引退するシルヴィ・ギエムも、「天才」とはいうものの、どちらかといえばコンテンポラリーに分類されると思う。特異な体質でギエムにしか踊れない作品もあると思うけど、クラシック作品はアグレッシブ過ぎに感じたことがあります。典型的なコンテンポラリーダンサー症候群。でも引退公演、観に行きたいわ~

 

アニエスにしても、マニュエル&フレンズ(笑:勝手に命名してます)にしても、コンテンポラリー特有の尖った感じはあまりないものの、ごく自然な表現で踊っているのを観て:「当時のコンテンポラリー(現代)作品が、クラシック作品になったのだな」と感慨深かったです。クラシック作品のほうも、すっきりとした佇まいで、こちらも「現代的」に表現されていると感じました。全てのクラシック作品は、かつてのコンテンポラリー作品だった、というのはバレエでも同じなんですね。

 

音楽の世界でも全く同じで、私はごく最近でこそクラシックを弾いてますが、かつてはコンテンポラリーだけ!でした。

 

現代音楽ピアニストも、クラシック音楽のピアニストより「(表現上も含めて)テクニックがない」と思われがち。基礎はクラシックで、音大だってショパンのエチュード弾いて入ったんですけどね!ショパンやベートーヴェンが上手に弾けないから現代音楽を弾いてるんだ!と思われたことも多々あったようです。まあケージとかトウシロでも弾ける曲が現代音楽のメジャー!だったりしますからね。

 

それならリゲティのエチュード弾いてみ?と思いましたけど。

面と向かって「あなたのショパンやバッハが(ちゃんと弾けるのか)聞いてみたい」と言われたことが何回もあります。

 

負けず嫌いで喧嘩っ早いのに、そんな挑発にも乗らず、ひたすら現代音楽を弾いていたのは、クラシックは年取っても弾けるから、若くて元気なうちに現代曲をいっぱい弾いて、筋力が落ちたり老眼になったらクラシックを弾けばいいと思ってたんですね。腕の故障で「老後」は思ってたよりだいぶ早くに訪れましたが。。。

 

腕も治って現代曲も弾いてみれば、なんとなく以前より「こなれた」というか、尖った感じが減って、「現代曲」というより、クラシックの作品でアヴァンギャルド系、という感じがしたんです。

 

クラシックかコンテンポラリーかで「専門」を分けるというのはちょっと違う感じがしてきましたネー

やはり私がやってることはジャズではないし(ジャズ曲も弾きますけど:笑)、クラシックなんです。

バレエを観てそう思いました。あのヒトたちもバレリーナであって、ヒップホップや舞踏のダンサーではない。

先駆的作品(コンテンポラリー)が、時代に同化して歴史になった時、「こなれた」感が出るんですね。

理想はアニエスのように:「彼女を通じてバレエの歴史が見える」と言われるようになることでしょうか。

マニュエル・ルグリが連れて来たダンサーも、古いものと新しいもの、両方が内在していて、それが未来への希望に感じました。

 

私が特に!素晴らしいと感動した女性バレリーナの背中と肩が真っ赤で、 泳いだな~ というのも見逃しませんでした!

 

沖縄を気に入って、また近いうちに来て欲しい しばらくお湯でのシャワーはヒリヒリだろうけど。

 

来週は台風が来るようなので、いいタイミングで来てくれてラッキーでした!

アンケートには:「ロビーで幕間にワインとかシャンパンが飲みたい」と書いておきました

沖縄でそんなことできる(幕間どこか演奏中にもワインが飲める)のは、宜野座のがらまんホールくらいなんです。

せっかくオシャレして(飲むつもりで)タクシーで行っても自販機の飲み物だけで。。。

世の中を「ヤザワ仕様」にしないとね!

 

 

 

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