能登のみなさん こんにちは
昨年夏、イスラエルから攻撃を受けるパレスチナ・ガザを思って創作を一つ書きました。毎週一回、何回かに分けてご紹介させてもらいます。約1年前の作品です。よろしければご覧ください。SNSなので、一回が長いのは読んでもらえそうにないので細切れになります。ご容赦ください。
停戦を破ったイスラエルのガザ攻撃が続きます。パレスチナで今起き起きていることに関心を持ってください。声を挙げましょう。「イスラエルはガザ攻撃を止めなさい」
木曜日の授業は一時限目から。少し早く大学に来て、まだ静かな学食で自販機のアイスラテを飲むのが好きだ。一日が始まる前に自分をほっとさせる。しかし今朝は違う。昨夜、SNSで見かけた動画をスマホで再び見ている。胸のざわめきが続く。
「日南希(かなき)、おはよう」
背後から声をかけられた。丸テーブルの前に座る僕が、右後ろに顔を向けようとしている間に、春は僕を驚かすようにテーブル左側の椅子にすっと腰かけた。彼女も木曜日は朝一番の授業を取っている。今日は水色と白のストライプ柄のシャツを肘の所で折り返し、薄い紺色のデニム、靴は紫のコンバース。僕の背丈を気にしてか、あまりかかとの高い靴を履かない。青系のコーディネートは春の定番だけど、毎日シャツやパンツを替えてくる。サイズ感がぴったりで、デニムも脱色が均等。だらしなさをみせない。僕はというと、このごろはずっと濃紺のデニムに白いポロシャツ、それにグレーのカーディガン。代わり映えがしない。洗い替えは持っているけれど。
「おはよう。春にしたら早いね。いつもギリギリなのに」
「なんか一本早い電車に乗ってしまって。日南希はいつも早めに来てるから。ここならいるんだろうと思って」
「そうなんだ。まだ少し時間があるから、ちょっとこの動画見てくれない」
スマホを手渡した。
続く
②はこちらをご覧ください。
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