えびす顔の造花卸売問屋元社長からの手紙

かすかな希望を抱いて幸せを自慢する尊大な手紙。重複掲載御免。造花仏花の造花輸入卸売問屋ニューホンコン造花提供

ペシャワール会ー教育と素朴

2004年12月26日 17時29分11秒 | ドンキホーテ
 パキスタンとアフガニスタンで医療支援を行っているペシャワール会の会報が届いた。福岡出身の中村哲医師が20年前に始め、両国で診療所運営、井戸掘削、灌漑用水路建設と活発な活動をしている。米国のアフガニスタン侵攻の際には、戦火に見舞われた現地住民への支援団体として脚光を浴びた。
 
 会報によると現地では医師ら技術者の不足に悩まされている。一部地域での復興ブームでNGOや国連が高給で技術者達を雇う為に、せっかくペシャワール会の診療所で技術を教えた医師や専門家が能力をつけるや否や高給を目指して転職すると言う。その傾向は高学歴者に多いらしい。
 中村医師は「教育水準が高いほどプライドが高く、人としての謙虚さやモラルが低いことが多い。豊かさを求めるのは人情だが、汗水流す農作業や労働など下積みの仕事を厭い、『進歩』と新しい変化に追いつかねばならぬと錯覚にとらわれている」と言う。そして「近代教育と人間的な素朴さは反比例する」と嘆く。
 
 近代物質文明においては、よりよい専門技術を持った者が重宝がられ他人より手厚く遇されるのは自明の理だ。だからこそ、現在のアメリカを頂点とする経済産業合理社会が生まれ、日本もそのピラミッドの最上部で物質的な豊かさを享受している。この社会においては中村医師の嘆きは誰も取り上げない身勝手なルール違反の論理になってしまう。
 
 ただ、思うのはこの経済産業合理主義の対極となりうる考え方、対極とならなくても機軸を異にする考え方が現代世界においてはもはや存在しえないのであろうかと言うことだ。社会・共産主義の幻はもはや崩れた。イスラムの地、アフガニスタン・パキスタンでもこうである。欧米一神教社会とは違ったはずの日本でも何をか言わんである。
 
 それなりの高学歴教育を受け、大阪生野の暖かい部屋でペシャワールからの便りを紐解きながら、それでもなおかつ、「ドンキ・ホーテでもいい、何か出来ないか」とかすかな希望を抱くのである。

 ペシャワール会への連絡は
ホームページ http://www1m.mesh.ne.jp/~peshawar/
Eメール peshawar@mxb.mesh.ne.jp
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