あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

クロモジオイルの抽出体験

2024-05-24 00:35:00 | くらし
 和の香水と言われるクロモジオイルを抽出する体験をしてきました。
 もうすっかりおなじみになった石鎚ふれあいの里。行ってみると、去年、草木染めをした調理室の前に、葉っぱのついた枝がブルーシートいっぱいに積まれていました。



 天狗のうちわのような広がり方をしているクロモジです。


 正確に言うと、四国にはクロモジはほとんど自生しておらず、ここにあるのは石鎚山系に生えるケクロモジという、クロモジの仲間の木です。
 クロモジはツヤツヤですが、ケクロモジには、裏に毛が生えていて、触るとふわっとした感じがしました。



 高い木の下に生えるということで、少ない日の光を精一杯受け止めるために葉が重ならないように広がっています。
 人工林の下にも生えており、手入れのためにケクロモジを切るのだそうです。それを有効活用するために始まったのがアロマオイル作りなんだとか。
 辺りには早くも良い匂いが漂っていました。


 この葉っぱの形、広がりーシロモジによく似ています。シロモジは何度も見たことがありますが、比較的標高の低い場所に、ケクロモジは標高の高いところにあって、ちょうどロープウェイで上がった成就社あたりに両方が見られるそうです。

 まずは枝切り。剪定鋏で、葉っぱごと4.5センチの長さに切ります。細かいほど、オイルがたくさん取れるそうです。
 参加者は8人。わたしと義妹とは締め切り寸前に入れてもらえました。みんな黙々と、ハサミを動かしました。
 蟹食い状態ですねー、と講師の先生。
 
 これなんだかわかりますか?
 ぜつめ!
 え? 都会育ちの先生には意表をつく答えだったようです。
 なんでぜつめと言うんだろう?どんな字書くんだろう?しばらく頭から離れないようでした。



 押切と言うんですよね。子どもの頃、稲藁を切るのを見ていました。大人たちは「ぜつめ」と言っていました。
 何故と言われると⁇ 帰って調べましたが、それらしき言葉も漢字も見つかりませんでした。でも、確かに「ぜつめ」と言っていたのですよ。

 やつてみますか?と聞かれて、はい!と名乗りを上げたのは、わたしと義妹だけでした。
 手前の方に枝を差し込んで切ろうとしてもなかなか切れません。


 奥まで差し込んで、体重手をかけて押さえると
 このくらいの大きい枝でも切れます。それでも力がいるから、これは男性でないと。



 チョンチョンに切ったケクロモジ。



 これをぎゅうぎゅうと、釜に押し込みます。

 
 全体がわかりにくきですが、蒸留装置。
 張り切って詰め込んだら多すぎたようで、結局三分の一くらい出しました。ぎゅうぎゅうすぎると、蒸気が通らなくなるそうです。


 蒸気を冷やして、香り成分の強いエッセンシャルオイル(中段、雫💧を逆さにしたようなのビン)と、香りを含んだ水ーフローラウォーター(下の大きなビーカー)とに分けて受け止めます。




 これがエッセンシャルオイルを受け止めるビン。溜まっているの全部オイルではなくて、上数ミリ黄色がかっているのがオイルで、あとは水だそうです。


 抽出には時間がかかります。その間に、クロモジの葉でスカーフを染めました。
 私たちが行くまでに染液は煮出されて、スカーフもミョウバンち浸してくれていました。
 80度ほどの染液でかき混ぜながら煮たら


 
 取り出して水洗い。
 再びミョウバン液につけること20分、


 もう一度染液で煮て、ミョウバンにつけてしばらくおきます。
 その間に配られたお弁当を食べました。(食堂の山菜料理がよかったのになあ)

 午後、いよいよオイルを取り出します。参加者みんな中高年女性、つまりほとんどがおばあさん、固唾を飲んで見守る中、

 まず、オイルの入れ物の水を抜いてオイルだけを残します。




 取れたのはたったこれだけ。

左 フローラルウォーター 右 エッセンシャルオイル。ビーカーのそこに1センチほど。




 これを等分にビンに入れます。

 
 繊細な作業です。



 フローラルウォーターはスプレー瓶に



 お土産として持ち帰りました。販売もしていて、2mlビン一本3000円ですって!
 体験して納得のいく値段でした。クロモジIキロからたったImlしか取れないのですから。
 効能は色々あって、鎮静、強壮作用。抗菌抗ウィルス作用。お風呂に入れると血行がよくなるそうです。書ききれないので省略。
 作りたてより
しばらく時間がたつたほうが香りがまろやかになるそう。しばらく使わずに置いておきます。
 


コメント (6)
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