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映画「おしん」山形ロケがクランクアップ。10月公開予定

2013-04-05 19:10:40 | Weblog
映画「おしん」の山形県内ロケがクランクアップ。
県産米「つや姫」の出荷期に合わせた、10月公開予定とされる。
2月5日の製作発表から、実質ロケ期間は一ヶ月半の短期集中である。
ヒロイン(浜田ここね)の春休みに合わせたのも、30年前のNHKドラマの小林綾子と同じである。
さて、製作発表会のとき、原作者橋田壽賀子の「(朝ドラ「おしん」脚本過程で、奉公期の)子役は期待していなかった」の覚めたコメントが記憶に残っている。
(1982年当時)脚本の橋田壽賀子とNHK制作者たちは、ドラマ「おしん」に「高度経済成長の中で、(日本)現代人が見失ってしまったものを提示し、問いかけよう」と意図した。
橋田は「おしん」ブームのなかでも、「辛抱ドラマ(が意図)ではない」と語っている。
奉公編は(「おしん」全編50週の6週で12%)一代記のプロローグでしか無かったのである。
日本国内を上回る視聴率を記録した世界各国での「おしん」放映。
「おしん」に魅せられた世界の放映国関係者を招き、1991年2月に国際シンポジウム「世界は、おしんをどう見たか」が開催された(NHKインターナショナル主催)。
当然のことながら称賛されたのは、日本のある一人の女性(おしん)の生涯に渡る生き方に、時代と国境を越えて共感を呼んでいる万国の評価であった。
一編100分程度に納める映画と、30年前の全297回の朝ドラ「おしん」とを対比する対象でもないのだが、週刊某紙で両方に出演している泉ピン子も、この映画と朝ドラ「おしん」との視聴者評価の行方如何に触れていた。
また、橋田が製作発表会の前日に「(発表会に)出たくない」と言い張り、ピン子に諭されて出席した旨の逸話がなされている。
奉公編だけを切りぬいた「辛抱ドラマ」は、橋田の本意ではなかったことをいまさらながら示したものかと感じ取れる。
30年前も「おしん-奉公編」に絞ったアニメ版は、全編朝ドラとは打って変わって不調に終わった。
二の舞にならないように願いたい。
裏付けの無い想像の域であるが、日本人の生涯平均年齢が伸びているが、「おしん」幼少期の精神年齢像は今より高かったのではと思う(よほどしっかりしていた)。
昨今の、カメラに向かって一様にピースサインをする無邪気な幼稚さは日本人だけだそうである。
1980年頃を境に高度経済成長後半のなかで、重厚長大から軽薄短小に産業構造の転換過程に入る。
橋田が「おしん」執筆を提案したころでもある。
産業構造だけでなく日本人そのものが軽薄短小人間に陥ってしまったのではと危惧してしまうこのごろである(お笑いバカ芸人の漫才ブームも1980年頃から始まる)。
世界が評価する「おしん」への理解が、日本人(山形県民)にはまだまだ足りない。
過般会った某市長は「おしんは、貧乏のイメージがあるからなァ」と言い切った。
が、おしん幼少期の20世紀初頭は(都市部などの一部を除き)日本中のほとんどの地域は電気さえなかった時代であることを知っているのだろうか。
某市長の生家地では間違いなく電気はなかったはずである。
わずか百年ほど前には、(世界中も)そのような時代だったのである。
それが解かる歴史観の持ち主こそ「おしん」を高く評価しているのであろう。
現在まで86の国や地域で放映されてきている。
近年、放映後発となった中南米地域でも「おしん」ブームとなっているようだ。
携帯・スマホに興じる子供たちに、祖父母・曾祖父母の時代を身近に教え伝えるのも責任世代ではなかろうか。
国際シンポ参加者の一人は「おしんという人物のイメージ、特にその民族精神、これは、全世界の共有する尊い財産だ」と語っている。

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