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007 ゴールドフィンガー


監督 ガイ・ハミルトン
出演 ショーン・コネリー、ゲルト・フレーベ、オナー・ブラックマン、ハロルド坂田

 ジェイムズ・ボンドはさまざまな武器を持っているが、その中で最強の武器は口である。この映画では、口で危機を脱し口で世界を救った。
 ボンドはゴールドフィンガーに捕まり、しばりつけられ、あわやレーザーで真っ二つという絶体絶命の危機におちいったが、口先三寸でゴールドフィンガーをいいくるめて助かった。また、敵の女パイロットを寝返らせたのもボンドの口である。しかも、危機脱出に使ったのと、女を寝返らせるのに使ったのでは、口は口でも口の使い方が違う。
 ずいぶん久しぶりに観たが、こうして見るとなんとも、おバカ映画といえる。さすがの007も時代の流れには勝てないかな。
 うなるほど金を持っている大富豪が、なんともケチないんちきバクチをやって、アホなおっさんの金をせしめている。座る場所を変えられたらちょんバレやないの。車を使った金の密輸を摘発できないなんて、かの国の税関当局はよほどのアホやな。殺してしまうマフィアの親分衆に、手間と時間をかけて、なんで金強奪計画の説明をするのか。ゴールドフィンガーの自己満足かいな。アメリカの金が全部貯蔵されている場所。地上は軍の精鋭が警備してるが、上空はまったく無警戒のガラガラ。セスナがかってに飛んでいる。こんなんアリか?
いろいろあるが、最後の最後に敵の女パイロットがゴールドフィンガーを裏切ったのはボンドにチューされたためだなんて、あまりにええかげんやないの。ボンドのチューひとつでようけの人が死ぬか生きるかなんやな。 
それはそうとして、この映画で初めてボンドカーなるものが出てくる。アストンマーチンDB-5。いろんな秘密兵器が仕込んである。おかしかったのは、これらの秘密兵器の威力をひととおり見せてくれる。このあたりはプロレスと同じで、力道山は空手チョップを、ジャイアント馬場は16文キックを、スタン・ハンセンはウェスタン・ラリアットを必ず見せなくては客は満足せん。あないなモノを取り付けたら車両重量が増して速く走れないのでは。あんなん付けるより、車重を軽くしてもっと強力なエンジンを積んだほうがええんとちゃうん。
 と、まあ、いろいろと文句をいったが、007はこれでいいのだ。なんせ007は大人のおとぎ話なんだから。最近の007は観てないが、スカイフォールは観た。007があれではダメ。余裕がなく焦るボンドなんか007ではない。その点、このショーン・コネリーのボンドは実にけっこうなボンド。いかなる場合も遊び心を失わず、余裕でコトにあたる。男の色気がむんむん。ボンドはやはりこうでなくっちゃ。
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