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5月28日(月) あかんな阪神

 どうもあきまへんな。何がって。いやあ阪神のことでんがな。昨日のロッテとの試合、杉山がKOされた時点でテレビのスイッチを切ってしもた。小生はたいてい、逆転を信じて最後まで観戦するのだが、さすがに昨日はテレビを消して昼寝した。今の阪神はどうひいきめに見ても逆転するだけの力はあるように見えへん。せいぜい金本か林のホームランで1点か2点返すのがせいいっぱい。勝つ試合はとにかく先取点取ってJFKで薄氷を踏む思いで勝つ。これしかあれへん。
どうも今年の優勝はムリみたいやね。優勝どころかプレーオフ進出の3位以内もしんどいやろ。ヤクルトと最下位争いするのが現実とちゃうやろか。
 岡田はんは選手思いの人やと思う。だから育てることは上手でも「勝つ」ことはヘタなんちゃうか。鳥谷を育てたんは岡田はんやし、いま活躍してる連中も岡田はんが2軍監督時代に育てた選手や。だからほんまは2軍監督をやるべきお人で「勝つ」ことが求められる1軍の監督には向いてへん。
確かにご自分の考えポリシーをしっかり持った監督さんや。先発のメンバーにしても相手投手の左右を一番の要素に考えて、他の要素はあんまり考えてへん。三原マジックや仰木マジックならぬ岡田マジックなんてことは要求せえへんけどもうちょっと臨機応変な選手起用をせなあかんのとちゃうやろか。こんなんやから2005年にロッテに4タテをくわされたんや。短期決戦がヘタやから奇跡が起きてプレーオフに出たとしてもあかんのとちゃうか。今考えると2005年の優勝は星野さんのまいた種が芽生えただけかもしれんな。
 それではどーする。まず井川に帰ってきてもらう。そして監督を星野さんにやってもらう。北京オリンピックの監督は長島さんにやらせとったらええのんとちゃう。本人もやりたいのやろ。あかんかったらアテネと同じ中畑にでもやらせとけ。日本のメダルより阪神のAクラス。
キャッチャーは先取点とるまでは狩野が矢野のお面をかぶって、先取点取ったら矢野が素顔でキャッチャーする。で、だれでも塁にでたら赤星のお面をかぶって、うろちょろして相手投手にプレッシャーをかける。1塁走者赤星、2塁走者赤星、3塁走者赤星、こんなんやったらごっついプレッシャーやで。投手は全員が藤川のお面かぶって1イニングづつ投げる。岡田はんに現役復帰してもろて、金本にバースの、林に掛布のお面かぶってもろてバックスクリーン3連発なんてのはどうや。

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グフの火祭り

「おじいちゃん、呼んだ」
「ああ、呼んだ。そこへ座れ」
 近郷近在の十二の村を束ねる総村長のギギに呼ばれて少年パキは緊張した。
「そんなに固くならんでもええ。まもなくグフの火祭りじゃ。今回はお前に伝令を頼むことにした」
「なんでぼくが」
「お前も十二歳になった。その資格はある。お前はワシが見込んだ子じゃ。いずれ村長、いや、ワシの後を継いで十二ヵ村を束ねる総村長になる子じゃ。お前ならできる」
「わかった。で、どの村を回るの」
「エブ、アビ、イノの三つの村じゃ」
 パキはその日のうちに出発した。この三つの村を回れば九日はかかる。山間部、砂漠、湿地帯が多く、十二歳の子供が旅をするには過酷な行程だ。
 この地方には十三の村がある。ギギやパキが住むワグ。ワグを中心として円を描くように十二の村がある。二十年に一度行われるグフの火祭りとは円周上の十二ヵ村で選ばれた村、数ヵ村で行われる。三ヵ村選ばれることがほとんどで、大昔、一度だけ十二ヵ村全部で火祭りが行われたという言い伝えがある。十二ヵ村全部で火祭りが行われると、この世の総ての人が幸せになるという。また、中心のワグを入れて五ヵ村の場合はこの世の終わりが来るとされている。どのパターンになるかは総村長のギギが神のお告げによって決める。
 もう少しで最後の村イノだ。この山を越えるとイノの村落が見えてくる。峠を過ぎて林道を行く。これで役目を終われると思うと自然に足も速くなる。その時、木の間から男が三人飛び出してきた。
「ぼうや、グフの火祭りのお使いだね」
「そうだよ」
「今回も三ヵ村でやるんだろ」
「そんなことはいえないよ」
「おじさんたちの願いをきいてくれないか」
「なに」
「十二ヵ村全部回ってくれないか。願いを聞いてくれたらこれをあげる」
 男は少なからぬお金を見せました。
「そんなことできないよ」
「おじさんたちは今回の火祭りこそ十二ヵ村 で行われると思って大金を賭けているんだ」「そんなことぼくの知ったことじゃないよ」「生意気なガキめ。痛い目にあうぞ」
「火祭りの使いのぼくに手を出すと神罰が下るよ」
「そんなことは迷信だ」
 男がパキにつかみかかろうとした。その時、天から三本の光線が降ってきて三人の男に降り注いだ。男たちは蒸発した。
「天の神様は本当にいたんだ」
 パキは腰が抜けてしばらく立てなかった。話には聞いていた。火祭りのお使いを邪魔する者は、その場で神の怒りにふれて命を落とすと。彼も今の今まで半信半疑だった。それが目の前で瞬時に三人の人間が消滅した。
 パキはグフの火祭りに対する神の強い意志と、それのお使いをする我が身の責任の重大さに身震いした。
 それから三日後、エブ、アビ、イノの三つの村では盛大に火祭りが行われた。それぞれの村の広場ではうず高く薪が積まれ、日没から日の出まで天をも焦がす勢いで火を燃やし続ける。火の周りでは人々が飲み、食い、歌い、踊り、一晩中ハメをはずして大騒ぎ。
「今回はどうだ」
「三角だ」
「そうか、この星もまた処分保留か。一度マルだったこともあるのにな」
「まだこの星の見張りを続けなくちゃならんということさ。もう一度マルが出たら合格で、われわれも次の星に行けるのだが」
「マルどころか、情報収集班の連中の話ではひょっとすると次あたりバツを出すかも知れないとさ」
「と、いうことはこの星も消滅処分か」
 地球上空のラグランジュ・ポイントにその船が停泊して四〇〇〇年が経つ。船でやって来た彼らは二班に分かれている。一班は地球人になりすまし世界各地で人類を観測して判定して中継人に伝える。中継人は地上で火を灯して船にサインを伝える。船の班はサインによって定められた行動をとる。
 マルは合格。今後はこの星の観測は不要。三角は処分保留。観測を継続。バツは不合格。ただちに星ごと消滅処分。
 新しい総村長になったパキの元に、次のグフの火祭りのお告げが伝えられた。パキの顔色が変わった。 
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