All Photos by Chishima,J.
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ハイイロチュウヒのオス 以下すべて 2010年4月 北海道十勝川下流域)
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日本野鳥の会十勝ブログ2010年5月5日より転載)
冬の雪が多かったためか、川の周辺に点在する沼の氷が解けるのはやや遅めでしたが、中旬にはどこも概ね解け、春の暖かい風の中、海から戻って来たアカエリカイツブリが踊りながら鳴き交わす姿を見ることができました。例年、3月末から4月頭に湖沼に集まるオオワシ、オジロワシは、解氷の遅れのためか少なめで、多数が観察された期間もごく短めでした。
ガン類の渡りは上旬がピークだったようで、マガンの巨大な群れが随所で観察されました。十勝川下流域のマガンは近年増加の一途を辿り、ここ数年は群れの分布とサイズが大きすぎて正確な数は把握できていませんが、1万羽を優に上回る数が飛来しているものと思われます。その他のガン類では、シジュウカラガンが45羽以上、カリガネが12羽、ハクガンが35羽確認されました。タンチョウは中旬までには多くの場所で1羽で観察されるようになり、抱卵に入ったことが示唆されましたが、下旬の雨や冷え込みで失敗したペアもあったようで、再び2羽で観察されるようになった場所が何ヶ所かありました。
アオジやオオジシギなど夏鳥の渡来が大幅に遅れていた感のある今年でしたが、ようやく例年通りの暦に近付いてきました。5月の十勝川下流域は、夏鳥、冬鳥、旅鳥、留鳥が入り混じり、たいへん多くの種類を観察できる時期です。同時に周辺の農耕地では農繁期を迎え、タンチョウなど多くの鳥も繁殖期で神経質になる時期でもありますので、観察の際は人や鳥への配慮をお忘れにならぬよう、お願いいたします。
この4月に十勝川下流域で、野鳥の会十勝の会員によって観察された鳥は、下記の89種でした。
アビ ミミカイツブリ アカエリカイツブリ カワウ ウミウ ヒメウ チュウサギ アオサギ シジュウカラガン マガン カリガネ ヒシクイ ハクガン サカツラガン オオハクチョウ コハクチョウ オシドリ マガモ カルガモ コガモ トモエガモ ヨシガモ ヒドリガモ アメリカヒドリ オナガガモ ハシビロガモ ホシハジロ キンクロハジロ スズガモ クロガモ ビロードキンクロ シノリガモ ホオジロガモ ミコアイサ ウミアイサ カワアイサ トビ オジロワシ オオワシ オオタカ ハイタカ ノスリ ハイイロチュウヒ チュウヒ ハヤブサ タンチョウ オオバン コチドリ シロチドリ ダイゼン タゲリ ハマシギ ミユビシギ イソシギ ホウロクまたはダイシャクシギ オオジシギ ソリハシセイタカシギ ユリカモメ セグロカモメ オオセグロカモメ ワシカモメ シロカモメ カモメ ウミネコ ミツユビカモメ ドバト キジバト カワセミ ヤツガシラ アリスイ アカゲラ ヒバリ ハクセキレイ タヒバリ ヒヨドリ モズ ノビタキ ツグミ ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ホオジロ オオジュリン カワラヒワ ベニマシコ スズメ ムクドリ ハシボソガラス ハシブトガラス
アカエリカイツブリ(夏羽)
タンチョウ
背後は十勝川の築堤。
(2010年5月5日 千嶋 淳)