All photos by Chishima,J.
(伸びをするゼニガタアザラシの幼獣 2006年7月 北海道東部)
それは一瞬の出来事だった。調査が終わって夕飯までの穏やかな時間。その穏やかさが一瞬の心の油断を招いたのかもしれない。詳細は省略するが、フィールドで事故にあった。
すぐに応急処置を施したが、無人島という環境にとどまり続けるのは困難な状態であることは明白だった。すでに日没が近かったが、船を出していただいている漁師さんに電話したところ、すぐに来ていただくことができ、おかげで病院での処置もすぐに受けることができた。
現在、帯広に戻り、「入院したら?」という医師のありがたいお誘いを丁重にお断りしながら、通院を続けている。順調に経過しても、全治は2~3週間。当然のことながら、8月に予定していた調査等はすべてキャンセル。春~夏シーズンの仕上げ期に、文字通り痛い怪我をした。
フィールドでの事故は、ほんの一瞬の気の緩みから取り返しのつかないことになる。今回も、もし事故がもっと遅い時間ですぐに出島できなかったら、あるいは携帯電話が普及していない時代だったら(普通に使えるようになったのはせいぜい6・7年前だ)、また事故のベクトルが僅かでもずれていたら、もっと深刻な事態に陥っていた可能性がある。
すぐに船を出してくれた漁師さんと、狼狽する私に適切な指示・アドバイスを与えてくれ、現地の事後処理を引き受けてくれた調査仲間には、心からの感謝とお詫びを表しながら、今は治療に専念したい。そして、二度とこのような事態を起こさぬことを、ここに宣言する。
オオジュリン(オス)
2006年7月 北海道中川郡池田町
緑一色だったオオイタドリの群落に、メマツヨイグサの黄色い花が咲いた。
ホオアカ
2006年6月 北海道上川郡清水町
ノハナショウブ
2006年7月 北海道十勝郡浦幌町
川原での宴会
2006年7月 北海道帯広市
炎の高さに比例して、宴席も盛り上がる。
(2006年7月31日 千嶋 淳)