鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

150408 十勝川下流域

2015-04-28 21:24:25 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
一斉に飛び立つハクガンの群れ 2015年4月 北海道十勝川下流域)


 晴天にほだされて、またしても半日鳥見に出かけてしまいました。この2日で湖沼の解氷が飛躍的に進み、大部分の箇所で開水面が広がっていました。氷漬けとなった魚を求めてワシ類が集まり、狭い水面にガン類が群がる、早春ならではのミラクルは既にそのピークを越えたようです。
 季節の移ろいはタンチョウからも感じることができました。今日だけで4巣、特に探したわけでもないのに抱卵中の巣が見つかりました。ヒナの孵る5月まで、卵が水没してしまうような大規模な出水の無いことを願いたいものです。
 このところ気になっていることにカモ類の少なさがあります。例年、3月末から4月上旬は多くのカモ類で賑わい、特にオナガガモやヒドリガモは数千から万を超える群れが入ることもあるのですが、今年は種類は一通り見られるものの、数が桁違いに少ないのです。越冬地の本州以南での大量死のニュースは聞いていないので、暖かさにかまけて早く北上してしまったのでしょうか。
 沼の氷はほぼ解けましたが、ガン類やオジロワシは今月末まで楽しむことができますので、お時間の取れる方は是非見にいらして下さい。ハクガンやシジュウカラガンの大群を目の当たりにするのは、本当に夢のような気分です。ただし、車の止め方や鳥との接し方に関して、いくつかの注意事項があります。詳しくはNPO法人日本野鳥の会十勝支部のホームページを参照下さい。また、これは個人的な思いですが食事や給油、宿泊などは地元である浦幌町、豊頃町、池田町の店や施設を利用いただけると幸いです。現時点では無価値もしくは害鳥とみなされている鳥たちに、地域を潤すポテンシャルを示すことができるかもしれないからです。


確認種:ヒシクイ マガン ハクガン シジュウカラガン オオハクチョウ オカヨシガモ ヨシガモ ヒドリガモ マガモ カルガモ オナガガモ コガモ キンクロハジロ スズガモ クロガモ ホオジロガモ ミコアイサ カワアイサ ウミアイサ アカエリカイツブリ ドバト カワウ アオサギ オオバン カモメ オオセグロカモメ トビ オジロワシ ハイタカ アカゲラ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ ゴジュウカラ スズメ ハクセキレイ カワラヒワ シメ


(2015年4月8日   千嶋 淳)

150404/06 十勝川下流域半日鳥見

2015-04-19 12:25:32 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
日高山脈を背にマガンの群れ 2015年4月 北海道十勝川下流域)


 室内作業が溜まっていますが、好天と氷の状態が良いのに耐え切れず、一昨日と今日は昼前後に室内仕事を切り上げ、十勝川下流域に繰り出しました。一応、「観察会や講演のネタ&画像集め」という名目にしていますが、ほとんど遊んでいるようなモンです(笑)。
 4日は土曜日だったこともあって、三日月沼周辺には帯広はもちろん道内各地のナンバーの車が集結して、ハクガンを追いかけていました。取付道路のキャパには限界があるので、当然、路上駐車の列ができ、車から降りて三脚と大砲を広げて仁王立ちになるなどマナーの悪い方もいらっしゃいました。やはり、駐車帯と観察スペースを整備して、マナーについての啓発も図る必要があると感じました(これに関して、助成金を一つ申請していたのですが、残念ながら不採択でした)。
 今日(6日)は平日だったためか人もほとんどおらず、のんびりと鳥見を楽しめました。マガンがかなり増えてきていて、群れの中にはカリガネの姿もありました。よく利用する沼が道路側のわずかな部分しか氷が解けてないので、群れの賑やかさを近くで味わうことができ、至福の時間でした。別の沼にはアカエリカイツブリが帰って来てました。
 来週には湖沼の解氷がさらに進み、水鳥たちはより分散してしまうと思います。早春のみに楽しむことのできる、大型水鳥たちとの近距離での出会いや群れの迫力を、是非いまのうちに体験して下さい!

 2日間(どちらも半日ですが)で確認されたのは、以下の61種でした。

確認種:ヒシクイ マガン カリガネ ハクガン シジュウカラガン オオハクチョウ オシドリ オカヨシガモ ヨシガモ ヒドリガモ マガモ カルガモ ハシビロガモ オナガガモ コガモ キンクロハジロ スズガモ シノリガモ クロガモ ホオジロガモ ミコアイサ カワアイサ ウミアイサ アカエリカイツブリ カワラバト(ドバト) キジバト ヒメウ カワウ ウミウ アオサギ タンチョウ ツルシギ カモメ ワシカモメ シロカモメ オオセグロカモメ トビ オジロワシ オオワシ ノスリ コアカゲラ ハヤブサ モズ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ エナガ ゴジュウカラ ムクドリ ツグミ スズメ ハクセキレイ アトリ カワラヒワ ベニマシコ シメ オオジュリン 


(2015年4月6日   千嶋 淳)

150402-03 プライベートガイド

2015-04-19 12:08:23 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
シジュウカラガンの群れ 2015年4月 北海道十勝川下流域)


 支部会員の従兄弟の方とその息子さんを案内させていただきました。初日は穏やかな晴天で、ヒバリの囀りを聞き、日高山脈を望みながら農耕地に群がるオオハクチョウやマガンを観察するという贅沢な幕開けです。その後もタンチョウの舞を目の前で眺めたり、解氷の進み始めた沼のアイサ類を観察したりと数々の出会いに恵まれました。
 そして十勝川下流域のあるエリアで角を曲がって現れた500羽以上のガン類に双眼鏡を当てた時、この日のクライマックスが訪れました。最初はシジュウカラガンを含むガン類の群れかと思ったら、500羽以上のすべてがシジュウカラガンだったのです。この鳥の歩んで来た歴史などを解説させていただいたものの、ほとんど放心状態で目は潤んでいたかと思います。
 2日目は生憎の雨でしたが、帯広郊外でオシドリやタンチョウを観察できました。十勝川インフォーメーションセンターで、鳥の標本を手に取って見てもらい、歴史や文化にも関心があるということで帯広百年記念館も見ていただきました。初日に十分すぎるくらい野外の鳥や哺乳類を楽しんでいただけたので、2日目はインドア中心で良かったのかもしれません。
 何はともあれ、このような機会にガイドをご用命いただけるのは本当に嬉しいことです。ありがとうございました。また機会があれば、よろしくお願いいたします。2日間で確認できた鳥は以下の47種でした。


確認種:ヒシクイ マガン ハクガン シジュウカラガン オオハクチョウ オシドリ ヨシガモ ヒドリガモ マガモ カルガモ ハシビロガモ コガモ キンクロハジロ スズガモ クロガモ ホオジロガモ ミコアイサ カワアイサ カイツブリ カワラバト(ドバト) カワウ アオサギ タンチョウ カモメ オオセグロカモメ トビ オジロワシ ノスリ アカゲラ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ キレンジャク ゴジュウカラ ミソサザイ スズメ ハクセキレイ セグロセキレイ アトリ カワラヒワ ベニヒワ シメ オオジュリン


(2015年4月3日   千嶋 淳)

150320~22 濃密な週末

2015-04-15 13:23:33 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
(冠水した放棄農耕地に集う数々の水鳥 2015年3月 北海道十勝川下流域)


 濃密な週末でした。20日(金)の夜、来帯された日本雁を保護する会の呉地正行会長と数名の野鳥の会十勝支部会員で打ち合わせを兼ねた会食。翌21日(土)は野鳥の会十勝支部東十勝ロングトレイル協議会の共催による「天然記念物野鳥観察ツアー」で、25名の参加者の方々と十勝川下流域を巡り、穏やかな晴天の中、天然記念物4種(タンチョウ、オジロワシ、マガン、ヒシクイ)+ハクガンを観察できました。昼食後は呉地さんからシジュウカラガンはじめガン類について講演いただきました。夜は帯広市内のバーで懇親会。
 22日(日)は本州からいらした会員の方々をプライベートガイドの形で案内させていただきました。体の芯から底冷えするような曇天だったものの、前日の観察種に加えオオワシやレンジャク2種なども現れ、ハクガンもより近くで出会うことができました。
 人数や見方のまったく異なる鳥見を、途中打ち合わせなども行いながら連続して行うのは頭の切り替えがなかなか大変でしたが、鳥の出も良く、参加いただいた方には喜んでいただけたようで何よりです。
 2日間で確認できたのは、以下の47種でした。時間や路面の都合で海を見ていない割には多くの種類を観察できたと思います。

確認種:ヒシクイ マガン ハクガン オオハクチョウ オカヨシガモ ヨシガモ ヒドリガモ マガモ カルガモ ハシビロガモ オナガガモ ミコアイサ カワアイサ カワラバト(ドバト) カワウ アオサギ タンチョウ カモメ シロカモメ オオセグロカモメ トビ オジロワシ オオワシ ハイタカ オオタカ ヤマセミ アカゲラ コチョウゲンボウ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ エナガ キレンジャク ヒレンジャク ゴジュウカラ ムクドリ ツグミ スズメ ハクセキレイ セグロセキレイ アトリ カワラヒワ ベニヒワ シメ

 写真は21日、数年前まで放牧地だった場所が雪や氷で湿地状となった場所に集まるマガンやオオハクチョウです。10年くらい前までの十勝川下流域では春先に普通の光景でしたが、近年では灌漑や排水路の整備が進み、久しぶりに見ました。22日にはマガンがほとんどいなくなり、代わりに何種類ものカモ類で賑わっていました。


(2015年3月23日   千嶋 淳)

150318 十勝川下流域

2015-04-15 10:53:42 | 鳥・春
Photo by Chishima, J.
オオハクチョウヒシクイ(亜種オオヒシクイ 2015年3月 北海道十勝川下流域)

 報告書やコラムの執筆、データ入力・発送などで自宅に軟禁状態が続いていますが、少しだけ時間が取れたので土曜日に迫った「天然記念物野鳥観察ツアー」の下見に行って来ました。
 このところの暖かさで旧河川や一部の湖沼で解氷が進んでおり、ガン類やオオハクチョウも増えています。先週ほどではないものの、アトリやカワラヒワ(おそらく亜種オオカワラヒワ)も路肩や堆肥場に群れをなしていました。ワタリガラスの声を聞いたのに時間がなくて探せず、残念。
 十勝川河口周辺の開水面には10種類以上のカモ類や生殖羽のカワウが集まり、水鳥の見本市のようになっています。距離があるので撮影には向きませんが、風の無い日に望遠鏡で眺める分には楽しいでしょう。今季初のオシドリも見られました。アオサギのコロニーでは求愛や巣材運びが活発に行われておりました。ヒバリやムクドリの声も聞かれ、すっかり春ですね。
 雪と水と氷が溶け合って、かつての大湿地帯を彷彿とさせる早春の十勝川下流域とそこに群がる大型水鳥と猛禽類、タンチョウ。十勝にお住まいの方はもちろん、管外や道外からも大いに見に来る価値のある鳥景です。

確認種:ヒシクイ マガン オオハクチョウ オシドリ ヨシガモ ヒドリガモ マガモ カルガモ オナガガモ コガモ ホシハジロ キンクロハジロ スズガモ シノリガモ クロガモ ホオジロガモ ミコアイサ ウミアイサ カワアイサ ドバト ヒメウ カワウ アオサギ タンチョウ カモメ オオセグロカモメ トビ オジロワシ ハシボソガラス ハシブトガラス ワタリガラス ヒバリ ムクドリ ツグミ スズメ ハクセキレイ アトリ カワラヒワ シメ


(2015年3月18日   千嶋 淳)