走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

悩める後輩よ、一歩前へ

2006年09月09日 08時05分11秒 | その他
 役所の他部署にいる後輩が久しぶりに訪ねてきた。
 深刻そうな顔をしている。
 そして、ポツリと「○○企業について知りたいんですけど。」
何を突然聞くのかと思った。
 「どおしたん?」
 「率直に聞くんですが、私、○○企業に向いていますか?」
内心、は・はあ~ん。そういうことか。いくら3月まで私が経済部署にいたからといって、彼がその企業風土に適するかどうかまでは、さすがにわからない。
 「どうかなあ。その企業の将来性については、自分なりの主観は言えれるけど、あくまでも主観やからなあ。聞いて、どうするん。」
 「真剣に考えてみよかなあと。」
 「奥さんは、なんて?」
 「ええんやない、と」
 「ふ~ん。仕事、うまいこといってないん。」
 「・・・・・」
 「まあ、ええ。今晩、時間ある?」
 「はい。」
 「じゃあ、用事が2件はいとるけん、9時でもええかなあ?」
 「はい。」

 いったん別れ、その日の夜、じっくりと話をしてみた。
やはり、仕事の悩みからの転職相談であった。
思うようにいかないこと、どのように具現化していいかわからないこと、そして適切な指導をしてくれる上司がいないこと。
彼の言うことには、なるほどと納得のいくことばかりであった。
実に優秀な人材であり、期待する後輩の一人である。
 一方、彼を納得させるものがない。ただひたすら、お得意の精神論しか言えない。(実に情けなく、こういうときの自分の無力さを改めて知ることとなる。)
 「失敗を恐れてない?」
 「いいえ。」
 「じゃあ、誰かが目標をつくってくれると思っていない?」
 「・・・」
 「社会に出てからの目標って、全部自分が決めないと。まち全体のことやからって、自分なんかが決めてええんやろか、そんな不安から、目標を決めれない壁にぶつかることがあるけど、自分もあったけど、それは何もしないと同じじゃあないん?それて、かえって市民に迷惑をかけてることになるんじゃあ、ないんやろか?」
 「・・・」
 「誰かが一歩踏み出せば、その是是非についての議論がスタートすると思うんよ。でも、そのときの議論はどちらかという、攻撃や中傷誹謗めいたものになることが多いんやけど、本当はそのことが怖いんで、一歩前へ踏み出せないと違うんかなあ?」
 「・・・」
 「企業もそんな人間いらんと思うよ。そんなで来てもろたら、えらい迷惑やよ。一度逃げたら、ずっと逃げてしまうことないん。踏ん張ってみて、がんばれたら、いつでも伸びる(成長する)企業を紹介してやるから。それから、何でも相談のってやるよ。」
 「はい、もう少し考えてみます。」

 そういう自分も、転職を考えたことは数限りなくある。
 でも、踏みとどまったのは、直面する壁を乗り越えてからと思い、乗り越えられると、またがんばろうと思って、はや30年近くの歳月が流れただけである。
仕事は、いつでも変われる。
でも、自分が信じられないのに、誰が信じてくれるかということである。

 そういえば、誰かの言葉に
 「信じるということは、相手への期待ではない。自分への決意である。」というのが、ありました。そのとおりだと思います。