ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

宅配料金の適正化と段ボールの高騰を少し抑える  アイデア広場 その416

2018-10-31 17:18:34 | 日記
 物流業界では、値上げが続きます。トラック運賃に続き、JR貨物は、運賃10%引き上るようです。東京~福岡間(約1200km)で荷物を運ぶ場合5トンコンテナで、1個当たり6万円かかっています。それが、10%引き上げると、6万6千円になることになります。運転手不足でトラック輸送から鉄道へ貨物シフトが広がると、強気の読みをしています。強気の読みを裏付けるように、宅配便の値上げは、続いているようです。人手不一足などを理由に、ヤマトが宅配便の基本運賃を引き上げて1年が経過しました。それでも、需要は衰えていません。
 目を中国に向けると、ここでも宅配料金の値上げが相次いでいます。宅配と密接な段ボールも、値上がりしているのです。王子製紙は、段ボール原紙と段ボール製品の価格を引き上げています。段ボールの値上げは1年ぶりで、古紙や重油など原価格の上昇を転嫁するのが狙いのようです。でも、需要が旺盛だからできる値上げという見方もできます。同業の製紙会社も、段ボールの値上げに追随するとみられています。
 そこで、宅配や段ボールの値上げの理由を探りながら、そこにビジネスチャンスがないものかと考えてみました。中国の1~8月の小包数は、約300億個と前年同期に比べ3割近く増たことになります。年間600億個にせまる宅配小荷物扱い量になります。日本の年間宅配小荷物扱い量が42億個ですから、10倍を上回る取扱量になります。これほどの需要がありながら、中国の価格競争は厳しく、宅配単価は5年前に比べ2割以上も下落したのです。宅配員は、基本給とは別に荷物を1件届けるたびに約1元(16円)を受け取ることができます。弁当など飲食出前サービスの配達員の収入は、1件あたり6~10元前後です。較差がありすぎるのです。飲食出前サービスの配達員は宅配便より高く、人材獲得競争で優位に立っています。さすがに、宅配員の確保が難しくなり、値上げをする宅配業者が増えているという実情なのです。
 もう一つの話題は、「独身の日」の存在です。独身の日は、宅配個数が10億個以上になりその売上げは、3兆円を越える中国最大の商戦といわれるものです。日本の年間40億個の4分の1に当たる宅配数が、短期間で行われるのです。ネット取引の最大商戦である独身の日(11月11日)が、控え配達員の確保と待遇改善を強いることになったわけです。昨年も「独身の日」の話題では、11月11日が近づくにつれて、ダンボールが足りなくなる話題をファンタジアランドから発信しました。ネット販売が急拡大する中国の宅配事業に、ダンボールの供給が追いつかない現状があります。2015年7月に1トン5万円程度だった原紙の価格が、2017年9月には8万円超えていました。中国では、この原紙の価格が1年で70%も値上がりしているのです。ダンボールの原紙を確保する動きはますます活発になります。日本の王子製紙などは、この流れに乗っているともいえます。段ボールの高騰は、段ボールの原料である古紙の価格が高騰していることにあります。
 余談ですが、世界の世論の潮流は、トレーサビリティとエコフレンドリーです。中国政府も、環境問題を正面から対処する姿勢を示しています。環境基準を厳格に守る指示を地方政府に通達しています。エコフレンドリーは、地球に有害な物質を使っていないかという点を問題にします。段ボール生産が、不十分な排水システムの中で行われ、環境汚染を起こしていないかを危惧するわけです。中国流のトレーサビリティは、宅配員の方がブラックな労働を強いられているかどうかになるのかもしれません。ブラックな労働を助長する流通業や環境汚染でつくった段ボールを使えば、消費者からそっぽをむかれる流れになるということです。
 人手不足という中で、コストを抑える仕組みと、段ボールの再利用などが話題になっています。東京と大阪の一部の個人利用者が、決められた場所に、商品を引き取りに来てもらう仕組みを構築する計画もあるようです。荷主側と利用者の両者がコストを抑える取り組みを始めたともいえます。もう一つは、段ボールの再利用でしょう。最近の段ボールに加えられる工夫には、目を見張るものがあります。粘着テープやダンボールの端材などのゴミも発生しないように工夫されているのです。これらの工夫ができるならば、ガムテープの工夫やガムテープを貼る部分の強化によって、何度でも使える段ボールを作ってほしいものです。地球の森林資源は、枯渇状態にあります。資源に優しい行動は、賞讃される風潮にあります。同じ段ボールを3度使えば、資源の3分の1は節約されるわけです。
 

人手不足・人数合わせ・質の高い人材   アイデア三題噺 143

2018-10-30 16:24:03 | 日記

 大阪市内の繁華街では、人手不足が深刻になっています。せっかく外国人観光客が訪れているにも関わらず、人手不足のために営業が思うに任せないのです。現実には、定休日を増やしたり、単価の低いランチ営業をやめたりする店が増えています。さらに、セカンドベストと言うべき現象も出てきています。少ない人手で運営するために、店舗面積自体を縮小し、できる範囲で利益を出そうと次善の策を採用しているのです。
 三大都市圏(首都圏・東海・関西)の7月のアルバイト・パートの平均時給は、1035円でした。人手不足を背景に、2カ月連続で過去最高額を更新しています。関西地方の平均時給は、1002円になっています。地方では考えられない高額な時給です。首都圏以外で初めて1000円台に乗せたのです。アルバイト・パート職種では、警備員や物流作業といった製造・物流系が高くなっているようです。
 首都圏のコンビニやビジネスホテルを見るまでもなく、外国人のアルバイト・パートがなければこれらのビジネスは展開できないところまできています。コンビニ大手や外食企業は、技能実習制度の対象にこれらの関係者を加えるように要望しています。政府は、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入更国管理法改正案を今国会に提出します。そこには、新たな在留資格の創設で、単純労働者を含む外国人材にも裾野を超を広げる予定です。世論も、人手不足の分野での外国人労働者の受け入れについて、賛成が54%と半数を上回っています。特に、高齢者よりも受け入れ拡大には、若者ほど賛成が多くなっています。さらに、外国人労働者の日本への永住に関しても賛成が50%を超える状況になっています。
国内では、外国人労働者の受け入れる方向に加速することが予想されます。さらにこれからは、数の問題から「質」の問題に移行していくようです。日本のサービスマニュアルや商品について、経験を積んだ人材が必要になります。決して、数合わせの世界ではないのです。
 例えば、日本の外食チェーンは成長の踊り場を迎えていると言われています。日本だけでは、狭くなりつつあるのです。外国人の方に店舗運営のスキルを身につけさせ、海外展開の要員に育てる企業も出はじめています。日本での経験を積んだ中国人社員を、中国子会社に出向させ、現地の店舗を任せる手法を取り入れる企業も出てきています。中国では、内陸部の発展が見こまれています。ここに派遣しているのです。海外においても、日本国内においても、海外に飛躍する人材が求められています。それは、日本人でなくと良いのです。本人が満足し、地域が満足し、お互いの国が満足していくことが、共生社会を実現していく早道なのかもしれません。


休眠預金が6000億円・モバイル機器のスキル・外国の人材確保 アイデア三題噺 142

2018-10-30 16:16:26 | 日記

 国は2019年1月から、10年以上放置された預金を社会事業に活用することができるようにします。この預金は休眠預金と言われ、この10年間で約6000億円に増加しているのです。1年間で、600億円の休眠預金ができていることになるわけです。年間600億円のお金を、社会事業にまわすことになれば、多くの新事業がアイデアとして出てきます。もう一つのは話題は、ネットを通じて対面で電話できる「スカイプ」のようなコミュニケーションツールを使用して、授業を行う学校が広がっているというものです。海外とつないで英会話を楽しんだり、小規模校同士での情報交換に利用したりしているのです。
 そこで、年間600億円の休眠預金とスカイプを使った海外交流を融合したらどんなアイデアが出るかに、挑戦してみました。多くの子供は、インターネットを日常的に使用しています。内閣府の2017年度の調査によると、7歳は約80%、9歳90%がネット機器を利用しているということです。海外とのネットを通じたコミュニケーションは、家庭におけるネット環境があることが一因になっているようです。国家戦略として、ネットやモバイル使用のスキルを向上を図ってはどうでしょうか。モバイルを使いこなすスキルを小中高校生に身につけます。そのスキルを使って、小中高校生が相互のレベルで海外の小中学生とネット交流するわけです。
 工業科の高校生は25万人、商業科は20万人の生徒が専門の学習をしています。これらの生徒が、海外の高校生と情報交換を図る仕組みを作ります。資金は、600億円の休眠預金を使うことになります。300億円は日本の高校生が使い、残りの300億円は海外の高校に配布します。工業技術や商業に付いての情報交換や企業情報を交換していくのです。コミュニケーションツールを利用して、手軽に遠距離の相手と交流できるスキルを身につけた高校生には、比較的容易な交流になるかもしれません。海外の生徒は、日本の生徒との交流を通して、日本の実情を理解していくことになります。一定のスキルがあれば、日本では稼げるということがおのずと分かるかもしれません。
 高校卒の人材も日本経済の成長に欠かせない重要な戦力です。でも、入社してはみたものの職場になじめず、1年で辞めてしまっては、労使双方にとっても大きな損失になります。高卒者の就職後の離職率を下げることは、企業にも、本人にも、日本経済とっても良いことです。さらに、海外から技能実習制度で来日する人材も、離職率が低いことが望ましいわけです。高校時代に相互に交流をしていれば、日本の実情をも分かり、自分にあった職種を選んで来日することになるでしょう。日本の生徒も、日本の実情を教えることを通じて、外国の生徒よりより良く自国の企業を理解することになるかもしれません。最も良い覚え方は、教えることだと言われていますから。海外の労働力は、今後とも求められ続けていきます。できるだけ日本を理解した人材に来てもらいたいものです。お互いに納得のできる形で、楽しく有意義に働きたいものです。そして、儲けていきたいものなのです。


企業の利益と社会的課題解決を両立させる仕組み  スモールアイデアNO 204

2018-10-29 20:47:29 | 日記

 イギリスでは、刑務所に入った受刑者が社会復帰して、再び罪をおかした受刑者を収容するお金が1人400万円かかります。蛇足ですが、日本の受刑者にかかる費用は、一人300万円です。これは、生活保護受給者に支援する額よりはるかに高額になります。イギリスの再犯者を1,000名減らすことができれば、政府は40億円の予算を節約できます。イギリスの楽しいところは、この減らす事業を、NPOが引き受けているのです。ある事例では、民間投資家から8億円を調達して、受刑者やその家族、そして地域に社会復帰支援プログラムを実施しています。8年間の支援プログラムで、再犯率が23%も低くするという成果を上げたのです。さらに面白いことは、目標を達成すれば、行政コストの一部を、民間投資家にリターンしているのです。例えば、1,000人受刑者のうち23%が再犯をおこさない場合、40億円の23%が節約されるわけです。9.2億円が節約されたことになります。8億円を集めたNPOは、差し引き1.2億円の利益を出したことになります。投資家に8億円を返して、1.2億円を自分たちの所得にできるわけです。
 近年、投資家によっては、社会的貢献が十分ならば、金銭的リターンが市場平均より低くても良いと考える人が増えています。社会貢献の目標に到達できずに失敗しても、やむを得ないという姿勢です。再犯防止プログラムの事例では、投資家がリスクを背負っています。この事業が失敗しても、行政にはコストは発生しません。成功した場合に限り、予算より少ないお金が支出されるだけなのです。行政の関わる問題は、増加を続けています。ホームレスの問題、失業、家庭崩壊、教育格差、糖尿病予防などの社会問題に、行政は立ち向かわなければなりません。でも、効果的に対応できる方法がないようにも見えます。
 今まで、人々の目には見えていなかったものが、投資のテーマとして見える化されてきています。行政で使うお金で解決するよりも、民間で行った方が割安で、効果のある方法が開発されてきているのです。例えば、人工透析の治療費は、年間一人当たり500万円かかります。2015年、国内で透析療法を受けている患者数は32万人でした。毎年5千人のペースで、増加している現状があります。この32万人の方が、年間1兆6千億円の医療費を使っているわけです。蛇足ですが、人工透析を、利益を上げるビジネスとしてしまう医療機関もあるという現実があります。糖尿病の患者は、1,000万人と言われています。この患者が、最も重くなると、人工透析を利用することになります。糖尿病の予防や治療は、3段階あるとされます。第1段階は、メタボの段階での予防です。この段階で、止めておけば無料でしょう。第2段階は、インスリンと運動の併用による予防になります。この段階の費用は数万円です。最後に、500万円の人工透析の治療になるわけです。患者が糖尿病になる前に、努力する段階はいくつかあります。この段階で、医療機関やスポーツ団体、そしてNPOなどが減らすプログラムを提供する仕組みを認めるのです。例えば、全国チェーンスポーツジムが、運動療法により糖尿病患者の人工透析者数をゼロにした場合、政府はスポーツジムに1兆6千億円を支払うという仕組みにするわけです。国民は健康になり、仕事の生産性を上げます。税金は今まで以上に入ってきます。国民もスポーツジムも、そして政府もウインウインになるという楽しい構図ができるわけです。


いじめにたえる知恵も必要か  アイデア広場 その415

2018-10-28 17:55:10 | 日記

 文部科学省の調査で2017年度に学校が把握したいじめが、過去最多の41万件を超えとの記事がありました。2016年度から9万件増えています。内訳は、小学校の認知件数は31.7万件、中学校は8万件、高校は1.5万件した。いじめという事件は、倫理上の問題にすり替えられがちです。でも、いじめにあっている子どもが、成績で上昇することはありません。この事実からいえることは、いじめは子どもの将来を破壊する行為でもあるのです。子ども個人だけでなく、毎年42万人の児童生徒の学力を低下させている社会的問題でもあるのです。42万人の学力低下は、日本の将来を考えても、憂慮すべき問題だという捉え方も必要になります。とは言え、長い歴史上において、いじめがなくなったことはありません。
 そこで、いじめに耐える方法について考えてみました。小学校3年から4年にかけて、子ども達は仲間集団を作り、集団を操作していく能力が育ってきます。子どもに集団を操作していく能力ができてくると、いじめられっ子を作る能力も出てきます。小学生で、いじめが多くなる理由の一つになるでしょう。いじめには、排除するいじめと拘束するいじめがあります。仲良し集団が、孤立した子どもをいじめる光景もその一つです。また、仲良し集団の中で特定の子どもをいじめる光景もあります。初期のいじめは、モノを取ったり、隠したりすることが多くなります。次に、悪口、からかい、仲間はずれ、脅しなどと種類も強度もエスカレートしていきます。
 今回の調査では、小学校では7年連続で増えており、中や高は減少傾向にあります。大津市の中2の男子の自殺を境に、軽微な事案も報告され、いじめの認知数は急増しました。大きな変化は、子どもが心身の苦痛を感じる状態をいじめと捉えるという認識が共有されることになったことです。けんかやふざけ合いでも、生徒が被害を感じている場合には、いじめになります。学校現場が積極的にいじめを把握を促した結果、過去最高の件数になった面もあるようです。これは、好ましい傾向といえます。結果として、小学校の認知件数の増加とその指導が、中学や高校の減少に繋がった推測することもできます。
 新しい問題も起きているようです。学校内で把握できないいじめが、現れているのです。今回の調査では、ネットを介したいじめの認知割合が3%と報告されています。近年のスマホや会員制交流サイトの普及を考慮すると、この数字は氷山の一角という見方が多いのです。学校だけに対応を任せず、家庭や地域社会も連携して、対策をたてることになるでしょう。協力する組織や会社もあります。たとえば、写真共有サイト「インスタグラム」は、いじめと捉えられるコメントを自動で非表示にする機能を導入しています。いじめが、社会に拡散しない仕組みを設けているわけです。42万人の学習が低下する状況は、国家の損失です。国家として対策を考える時期かもしれません。いじめに関するネットの情報を収集し、AI(人工知能)でその対策を立てることも面白いかもしれません。歴史上、解決できなかったいじめを、AIが解決する事ができれば、快挙になります。
 いじめの状況は、一様でないことにも理解が必要になります。多くのいじめについて最終的にいえることは、成績の推移からいじめの有無が推察できるということです。仲間集団が成績も向上してる場合は、いじめがないと判断できます。仲間の一人だけの成績が低下している場合、その仲間集団に何かあることが推察できます。そこに、指導や支援の手をさしのべる教師がいることを希望します。調査では、いじめがこれからも増加する形で発表されるでしょう。学習塾では、ある面でチャンスが訪れたことになります。いじめられている生徒を支援すれば、学習成績の急上昇が望めます。障害がなくなり、学業に専念できる環境を作れば良いわけです。学習塾でも、良好な仲間関係の作り方などのノウハウを蓄積しておくことが望まれるところです。あの学習塾に行けば、仲間ができて、成績が向上するというブランドは得がたいものでしょう。
 最後に、余談です。ある都立高校の教師は、生徒を罵倒しながら部活動をしていました。いわゆるパワハラ的な行為だったのかもしれません。でも、教師の人柄もあったのでしょうか、生徒達は聞き流すスキルを身につけていったそうです。この生徒が就職をし会社に入ると、一緒に入社した高校生や大学生が次々に辞める事態が続きました。上司の厳しい指導や注意に、絶えられなかったようです。いわゆるパワハラ的な行為だったのかもしれません。都立高校卒業したこの生徒は、上司の厳しいと思われる指導や注意は当たり前のように受け入れていきました。後日、母校を訪れたこの生徒は、「先生の罵倒で指導されていたので、今の会社は快適です」と述べたそうです。


登山ブームからビジネスチャンスをつかむ  アイデア広場 その414

2018-10-28 17:51:47 | 日記

 尾瀬にハイヒールで行ったり、雨具を持たないで山に入る野外愛好家の方は、この文章を読まない方が良いかと思います。2017年の7~8月の夏山シーズンに、山岳遭難が全国で611件発生しました。山での遭難が、3年連続で600件を超えているのです。そのたびに救助隊や捜索隊が、危険を冒して出動しています。遭難者の年齢を見ると、60代以上の方が51%を占めています。中高年の方が、危険を顧みず登山を行っていることがわかります。山登りは、危険が伴います。危険を承知で行うわけですが、その危険以上にやりがいや達成感を得る遊びでもあるようです。
 事故に遭おうと思って、山に登る人はいません。事故が起これば、本人がまず困ります。遭難者を救助する人達も困ります。登山の事故は、自己責任が世界の常識です。でも、日本の山登りは、登山者の自己責任を問えないの現実があります。警察が救助に向かうのは当然で、ヘリコプターで救助されることも当然とうそぶく人もいるようです。でも、事故を起こさないように細心の準備をして、慎重な山登りをする中高年も多いのです。彼らは「登山に絶対の安全はない」ということを理解しています。慎重な登山家の心配事は、万が一事故に遭遇した場合、他人に迷惑をかけずにどのように自分の命を守るかということになるようです。
 そこで、本人の救助にも役立ち、救助隊にも利益になる仕組みを考えてみました。良心的な登山家を対象にした救急搬送隊を、24時間体制で稼動する仕組みを想定してみました。この救助は、民間企業が行うビジネスになります。登山やハイキング人口は、800~1000万人といわれています。60歳以上の中高年が行う運動の中では、常に2位から3位にランクされる人気のある野外活動です。おそらく100万人程度の中高年の方が、この種の野外活動を行っていると推定されます。この方達の中で、「万が一事故に遭遇した場合、他人に迷惑をかけずにどのように命を守るか」を考えている方が対象になる保険を作ります。この保険は、事前に登山保険などの名目で年会費で集めます。JAFの制度を応用したものと考えていただければ、分かりやすいかもしれません。
 保険金を事前(当日でも可)に払った方が、山に登るときにはスマホにソフトを入力します。このソフトは「みちびき」に対応したGPS機種で、誤差が数cmという優れものです。発信器をの役割もあり、登録者の登山移動状況が一目瞭然でわかる仕組みです。危険な箇所には、発信器を設置し、事前に把握できるようにしておきます。ドローンを山の数カ所に設置し、ドローンから山の状況を撮影した画像を随時提供するサービスも行います。スマホの電池が切れたときには、ドローンの設置場所が電力補給場所になるような仕組みです。もちろん、太陽光パネル発電で、常にドローンの飛行とスマホの電力確保は行われるようにしておきます。そのような体制を整えておけば、今までよりは安全な登山が可能になります。それでも、事故は起きます。7~8月は600人ですが、年間を通すと3000人程度の遭難が起きています。これが半分になれば、大成功でしょう。
 民間の山の監視員は、位置情報から歩行の速度や地形の急峻に対応した登り方などを見て、体調を予測します。頻繁に休息を取るグループがあれば、疲労のためについて行けない人が出ていることが疑われます。通常より異常な歩き方や休息の取り方が頻繁になれば、ドローンのカメラで状況を把握することも可能になります。回復可能なら山登りを続けてもらい、体力的に無理ならば下山してもらうようなアドバイスを行います。山登りする人は、自分の安全を常に把握してもらえるという安心感を得ます。最悪の場合、救助してもらうこともできるわけです。でも、雪崩や鉄砲水などの突発的災害には、対応できません。山の事故は、防ぎようのない場合もあります。
 保険会社からの要請で、救助する人達の確保が次の課題になります。山小屋で生活している山のベテランが、その役割を担うならば、合理的配置になります。でも、それだけでは、救助隊員としては不足です。麓の別荘の管理人や林業の従事者、そしてスキー場の従業員などが候補に上がります。もっとも都会から村に移住し、冬はスキー、夏は山登り、春は山菜とり、秋は紅葉というサイクルで楽しんでいる方も候補になるでしょう。自然が好きな人達に、山の素敵さを体験してもらいながら、お金を稼ぐ場を提供してもらえることも可能でしょう。人に迷惑をできるだけかけずに、山登りを楽しみ、山で生活する人を支援するような仕組みを構築していくことになります。もし、このような仕組みで、警察や消防、そして行政組織の予算が節約できたら、その節約できた費用の幾分かを、保険会社にリターンしてはどうでしょうか。
 余談ですが、外国人は自然を愛し、自然と接することを好みます。富士山の美しい姿を見れば、登りたくなるのでしょう。外国人の富士山での遭難事故も多くなっています。。外国人観光客の増加に伴う問題点も、徐々に鮮明になってきています。重要なことは、外国人だからもてなすということではありません。旅行客から、適正な料金をいただくという意味では、外国人でも日本人でも同じようにもてなすことになります。要は、外国人観光客の受け入れに、必要以上にお金をかけず利益を上げることなのです。日本人が旅行や観光に使うお金は20兆円です。訪日外国人は、2600万人を超えましたが、4兆円程度です。どちらに比重を置くかは一目瞭然です。




ムスリム過激派の動向と中国の治安 アイデア広場 その 413

2018-10-27 17:55:37 | 日記

 最近2つの報道から、連想したことがあります。一つの記事は、2015年に拘束されたジャーナリスト安田純平さんの解放が確認されたものです。現地では、アサド政権の攻勢で情勢が緊緊迫し、人質の拘束継続が負担となったようだと伝えています。この状況の中で、トルコやカタ一ルの働き掛けに反体制の過激派勢力が応じたと見られています。安田さんを拘束していたのは、アルカイダ系の過激派「ヌスラ戦線」の組織です。拘束されていた地域は、シリア内戦で最後に残った反体制派の主要拠点でした。アサド政権は、この最後の拠点を奪還するために、包囲を進め、総攻撃が近いとみられていた時期に解放されたわけです。反体制派は行き場を失い、トルコ経由で脱出を図ろうとしているのかもしれません。
 もう一つは、中国の最高決定機関である「全人代」が、自治区内の下級政府に職業技能教育訓練センターを設置するよう求めているという記事でした。中国当局は、ウイグル族など少数民族を対象に、思想教育を行う再教育施設を設置しています。この職業技能教育訓練センターは、強制的に収容し、再教育施設にあたるものとされています。中国共産党と国民党の内戦時代は、少数民族の自治を認めるという美名を掲げていました。でも、今はそれをかなぐり捨てる共産党の姿があるようです。
 そこで、これからのシリア反体制派と中国のイスラム政策がどのように関連していくのかを考えてみました。1978年から1989年にかけてソ連(現在のロシア)はアフガニスタンに侵攻していました。この侵攻に対して、ムスリムの慈善団体は、ソ連と戦うムジャヒデーンに資金を供給し続けました。熱心なムスリムは、所得の2.5%を人道的な目的のために上納する習慣があるのです。1980年代にムシャヒデーンが、やがてアルカイダ組織になったことはよく知られています。この時期、1979年にイランのパーレビ王朝は崩壊しました。アメリカが支援していた王朝が、ホメイニ氏によるイスラムの宗教勢力により敗れ去ったわけです。ソ連がアフガニスタンで敗れ、イランでアメリカ支援の王朝が敗れるという事件は、ムスリムの過激派に自信を持たせることになります。
 ソ連が、アフガニスタンを撤退した後、ムスリムの義勇兵が向かったのはボスニア内戦でした。彼らは、民族浄化の名の下で虐げられたボスニアのムスリムを救援に向かったのです。1992年のこの内戦では、多くのアラブ人がイスラム教徒側の義勇兵として現地入りして戦っています。ボスニア内戦の義勇兵にも、ビンラディンは資金援助を行っていました。一部のムスリム慈善団体は、意図的にアルカイダに資金を提供していたのです。余談ですが、資金はハワラと呼ばれる規制の緩いイスラム金融システムを通じて移動していきます。ハワラは、信頼関係に基づいているのです。世界的な送金サービスとして安上がりで高効率な金融システムといわれています。今回安田さんの解放に、トルコとカタールが関わったとの報道がありました。カタールは、液化天然ガスの輸出で得た豊富な資金を過激派支援に振り向けていると言われていました。カタールは、過激派支援をしているとサウジアラビアやエジプトから非難され、断交されている状態にあります。アルカイダは体育系ではなく同好会サークルのような間口の広いネットワークといわれています。あの崩壊したイスラム国(IS)も、以前はアルカイダの一派に属していたほどです。離合集散の激しい組織ともいえます。そのような組織に対して仲介のできる人物や国は限られているようです。今回は、ヌスラ戦線がシリア追い詰められた状況とカタールから援助を受けていた関係、そして身の安全から安田さんの解放にいたったとされています。
 アルカイダの活動は、常にムスリムが迫害されている地域に向けられます。中国のウイグル自治区のムスリムが、迫害されているとなれば、この地区にムスリムの戦士が集結する可能性も出てきます。ISやアルカイダ系のテロ組織が、次に向かう先はフェルガナ盆地と多くの専門家は見ています。タジキスタンとキルギスにはさまれたフェルガナ盆地が、次の活動拠点になるとみているわけです。この地区は、麻薬の流通経路として、資金や武器の調達に困らない地域なのです。
 ウイグル族の多くはイスラム教徒で、漢民族民族中心の中国とは異なる文化を持っています。中国当局は、ムスリムの服装や髪形なども厳しく統制してきました。当局の締め付けに、ウイグル族の反発は強まります。こうした反発については、テロなど過激思想の影響として取り締まりを強化することになります。結果として、職業技能教育訓練センターに強制収容され、ウイグル語の使用を禁じられ、思想や行動を矯正して社会復帰をさせられることになります。ウイグル族をめぐって、アメリカ議会は「空前の弾圧」として中国を非難しています。アメリカ議会は、中国が100万人のウイグル族を不当に再教育施設に収容していると非難しています。一方、中国は、このセンターが過激思想の影響を受けたとみなした人を強制的に収容する施設であり、法的根拠に基づいていると主張します。
 蛇足ですが、フランスのの国営放送は、中国の国内安定維持費が軍事費を上回ったと報道しています。中国の軍事費は18兆円と言われていますから、治安警察の維持費に18兆円をかけていることになります。このお金のいくらかをウイグル族の生活向上のために使えば、不満や紛争は防げるように思えます。自由で豊かな地域には、過激派が進出し難いものです。ウイグル族に対する北風の政策を、温かい太陽政策に切り替えてほしいものです。結果としてお互いが、ウインウインになれるように思います。



「債務のワナ」に関するメディア報道を考える   アイデア広場 その412

2018-10-26 19:55:25 | 日記

 小国を借金漬けにする「債務のワナ」の報道が、大きく紙面を占めるようになりました。中国の投資規模が巨額で、大半を融資で手当てするために、「小国を借金漬けにした」との批判的記事が増えています。実際に、スリランカは借金返に行き詰まり、整備した港湾を中国に実質譲渡しています。ザンビアに進出した中国の金属企業の鉱山現場労務環境等の悪さは常に指摘されています。債務のワナに、資源の収奪という記事が報道されています。
 そこで、この報道を少し深掘りしてみました。継続的に紙面で大きく報道される場合、その裏に何か理由があるのではないかという疑問が生じてきました。昔、湾岸戦争ではアメリカを中心としたメディアが流した記事を、日本の報道機関は世襲して報道を繰り返しました。結果として、湾岸戦争の大義名分であった大量破壊兵器はイラクに存在しませんでした。ある面で、虚偽の報道をしていたわけです。真実を報道するメディアが、なぜ間違った報道をしていたのか興味のあるところです。一般的に、アメリカ政府や議会が問題にした話題は、日本の新聞社は大きく取り上げざるを得ない立場にあるようです。これは、日本の報道の流れを見れば、明らかになることです。一方、アメリカが敵対する国々に関する報道は、アメリカ側が提供する資料をベースに報道を組み立てているようです。
 このパターンは、ヨーロッパに関しても同様のようです。ヨーロッパの主要報道機関の記事を日本は世襲する傾向が見られます。例えば、独裁者ムガベ大統領が支配したジンバブエについて、ヨーロッパのメディアは、拷問や汚職、そしてハイパーインフレについての報道を30年以上続けてきました。白人の農地を略奪し、結果として豊かなローデシアの農地を荒廃させていったという報道を繰り返したわけです。この報道に、日本のメディアも同調します。非人道的行為が繰り返されているわけですから、当然でしょう。でも、アフリカ側からの報道が非常に少ないことに違和感を抱きました。白人から農地を略奪した理由の一つは、イギリスとの約束が施行されないことにありました。イギリスとの約束は、白人の土地を補償する代わりに、ジンバブエに資金援助をするというものでした。この約束が反故同然になったために、白人の土地を黒人に配布したという経緯もあったのです。このような報道を行った日本の報道機関は、少なかったようです。
 中国によると、一帯一路沿線の64カ国向けの直接投資が、2017年に過去最高になったとの説明がありました。一帯一路の直接投資が、2017年に前年比32%増の201億ドル(2兆2千億円)になったというのです。あるアメリカのシンクタンクによると、「債務のワナ」に陥るリスクがある国としてキルギス、モルディブ、ラオス、ジブチ、モンゴル、モンテネグロ、タジキスタン、パキスタンの8カ国を上げています。一方、中国商務省によると、これら8カ国向けの投資は2017年に計22億ドルと前年より43%増えたと報告しています。
ちなみに、債務金額の多い順に、シンガポール63億ドル、カザフスタ20億ドル、マレーシア17億ドル、インドネシア16億ドルが上げられていました。この投資は、港湾、鉄道、道路などインフラ投資が多いのです。国の経済成長を考慮すれば、必要なインフラになります。成長して国が豊かになれば、借りたお金を返すことも可能です。日本も名神高速道路などでは、外国からお金を借りて作りました。そのお金は、利子を付けて返還しています。でも、アフリカ南部のザンビアは、中国の支援で整備した高速道路の建設費用の返済に窮している実情もあります。中国からの支援の受け入れに、躊躇する国も出てきているわけです。「債務のワナ」と呼ばれる問題に対して、報道の紙面が大きくなっています。
 そこで、再度少数派のアフリカの声を拾い集めてみました。中国が2001年から10年の間にアフリカに供与した融資額は、672億ドルで世銀より多いのです。イギリスやフランス、そしてポルトガルなど旧宗主国の援助にくらべ、比較にならない融資を継続的におこなってきたわけです。中国は、1950~60年代の民族解放闘争を支え、その後も良好な関係を保ってきたという歴史があります。アフリカ諸国の軍事訓練に協力し、アフリカ諸国の軍隊を整備する支援も行ってきました。この軍隊が、曲がりなりにも治安の維持に力を発揮しています。その治安の安定が、現在のアフリカの経済成長を支えているともいえます。アフリカの一般知識人は、「債務のワナは中国が最初から意図したわけではなく、結果的にワナのようになった」と好意的に解釈しています。一帯一路をめぐっては、インフラの整備資金に悩むアフリカ諸国は歓迎するムードがあります。歴史に根差す親中意識は、アフリカの諸国において見過ごせない要素になります。
 蛇足ですが、国際社会では、アメリカも中国も、そして多くの国が嘘をつきます。その嘘を大きく取り上げるか、取り上げないかは、メディアの裁量によります。そのメディアの裁量を左右する中心にいる人達の思考方式をいつか知りたいものです。


銅の価格変動から見える国際情勢   スモールアイデアNO 203 

2018-10-25 16:25:13 | 日記
 銅はベースロードメタルと言われ、経済成長に不可欠な金属です。この金属は、電線から家電製品にいたるまであらゆるところに使われています。経済成長をするときには、家を建て道路を作りビルを建てます。その過程での全てで、銅が使われています。銅の価格は世界経済の回復から、穏やかに値上がりを続けてきたのです。資源国も、消費国も経済成長の恩恵を受けてきました。この順調な銅の消費に、異変が起きているのです。2017年夏から上昇基調が続いてきた銅の価格が、今年の6 月から下落基調に転じ8月に入って下げ足を速めたのです。世界景気に敏感な銅のロンドン金属取引所が、年初から2割近く下げています。米中貿易摩擦で、中国の需要減懸念が強まったことが原因のようです。
 そこで、銅の価格にまつわる事柄について、調べてみました。銅地金の3カ月先物は、2018年8月下旬時点で1トン6100ドル前後と3カ月前より1割安い水準になっています。中国の景気悪化懸念が強まり、銅の消費が落ちるとの観測が流れたようです。この観測が、原料となる銅地金の国際相場が急落したのが引き金になったとされます。一方、日本の首都圏では、東京五輪関連やホテル建築の工事が進み、都市再開発も盛況です。銅の消費も順調に消化しています。一般に、銅地金高の影響は、幅広い製品の国内価格に影響します。以前中国経済が高速で成長していた時期は、銅不足が深刻でした。嘘か本当分かりませんが、日本の太陽光発電所の銅線が、狙われたというお話もありました。銅が高くなると、銅の盗難が多発することは事実です。また、銅の値上がりが続くと、投機筋の資金が流入してきます。すると、銅の高騰が始まり、銅の盗難も起きるというサイクルがありました。
 それでは、銅の価格が安くなると、どうなるのでしょうか。中国はタンザン鉄道を建設し、ザンビア鉱山から銅を輸入しています。1999年に、ザンビアに進出した中国の企業があります。金属企業は、鉱山現場おける労務環境の悪さが指摘されていました。ザンビアの労働者から、評判が悪かったのです。一般に、銅鉱山の採掘は、年々労働環境が厳しくなっています。これはザンビアだけでなく、チリなどでも言われていることです。でも、銅の価格が高ければ、それなりの収入が鉱山労働者にもたらされます。価格が低くなると、収入は低くなり、労働はきついままということになってしまいます。
 余談ですが、中国の膨大な資源輸入は、アフリカ経済を潤しその成長を支えてきました。これは、ザンビアだけでなく、豊かな石油資源を持つナイジェリアやアンゴラについても同様のことです。でも、大量の資源を持ち出す割りには、見返りが少ないという不満がアフリカには存在していたのです。今回、中国における銅の消費量は減ります。アフリカを潤す資金が減少することを意味します。中国人労働者の流入によって、現地人の失業率の上昇という現象もありました。このような不満が、銅の輸出が減ることによって、現れるのかどうか見てみたいところです。不満が現れる場合は、報道が事実だったことことを意味します。でなければ、報道に偽りありということになります。もっとも、アフリカ関係の報道は少ないので、注意深く見ていないと見逃すかもしれません。

スポーツジム・機能と美の一体化・スポーツウエア アイデア三題噺 141

2018-10-25 16:17:42 | 日記

 健康が長く生きることだけでなく、自己実現の手段としての位置付けという流れになってきたようです。その流れが顕著に見られる場所が、スポーツジムやフィットネスクラブです。少し前まで、スポーツジムは運動不足を解消するために、汗を流す場所でした。でも、現在は多様な人びとが、各々の目的を持って通う場所になっています。このジムに通う人達は、単に「安いから」とか「駅に近いから」という理由では選ばなくなっています。スポーツジムも女性限定にするとか、24時間営業など、要望を満たすようにさまざまな形態を設けるようになりました。
 そこで、これからの求められるスポーツジムについて考えてみました。東レパンパシフィック決勝で、カロリナ・プリスコバ選手は前評判を覆し、大坂なおみに完勝しました。プリスコバ選手は、女子テニス協会が開発したソフトウエアを利用していました。このソフトウエアは、現在進行中の試合データを表示する優れものです。もちろん、大阪選手も利用できます。プリスコバ選手は、自分のサーブの効果をを確認し、第2セットはより攻撃的になり圧倒したという展開になりました。全データはアーカイブ化されて、パソコンなどでも見られます。ショットごとに色分けし、打ったコースなどが一目で分かる仕掛けになっています。分析結果は、15秒ごとに更新され、ゲーム中でも利用可能なのです。さらに、打ったサーブの本数、ラリーに費やした時間から、体への負荷を把握することができます。体の負荷を考慮して、「今は休みをとる時期」とか、「より負荷をかけて次に備える」といったスケジュールを決めることができます。
 スポーツジムにこのようなソフトウエアを備えておけば、会員の運動負荷を把握し、適切な運動処方を提供できることになります。スポーツジムは、パーソナルトレーナーの役割を果たし始めています。大リーグなどでは、3億円以上の選手が多数存在します。この選手達の実力を発揮できるように、トレーナーが個々の選手に合った処方箋を行います。スポーツジムも大リーグのトレーナーのように、リーズナブルな値段で顧客の要望に応じるようになるかもしれません。女子テニス協会が開発したソフトウエアが、一般のスポーツ愛好家がジムで使えるものにならないでしょうか。トップの選手のように、厳密に使うわけではありません。競技レベルを低くし、より一般の愛好家に合った処方を提供できるものに改良してほしいのです。是非、普及用を開発したほしいものです。
 スポーツジムでは、ユニフォームを使用しているところもあります。このユニフォームは、可能な限り無駄を省いたシンプルなデザインになっています。スポーツウエアは、運動用に開発されています。保温にしても、汗に対する機能性についても優れた布地を使っています。ファッション性にも優れたものです。スポーツジムから、シンプルで機能的な服装を発信することができないでしょうか。歩く姿に機能美を求めるのであれば、服装やシューズには機能性を付与しなければなりません。機能美を追究するスポーツジムがあっても良いのではないでしょうか。ドイツのスポーツウエアは、頑丈で機能的だが美しくない。イタリアのウエアは、スタイリッシュだが機能性がいまいちだ。日本のウエアは、機能と美が一体化しているいう評価を得たいものです。