ファンタジアランドのアイデア

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登山ブームからビジネスチャンスをつかむ  アイデア広場 その414

2018-10-28 17:51:47 | 日記

 尾瀬にハイヒールで行ったり、雨具を持たないで山に入る野外愛好家の方は、この文章を読まない方が良いかと思います。2017年の7~8月の夏山シーズンに、山岳遭難が全国で611件発生しました。山での遭難が、3年連続で600件を超えているのです。そのたびに救助隊や捜索隊が、危険を冒して出動しています。遭難者の年齢を見ると、60代以上の方が51%を占めています。中高年の方が、危険を顧みず登山を行っていることがわかります。山登りは、危険が伴います。危険を承知で行うわけですが、その危険以上にやりがいや達成感を得る遊びでもあるようです。
 事故に遭おうと思って、山に登る人はいません。事故が起これば、本人がまず困ります。遭難者を救助する人達も困ります。登山の事故は、自己責任が世界の常識です。でも、日本の山登りは、登山者の自己責任を問えないの現実があります。警察が救助に向かうのは当然で、ヘリコプターで救助されることも当然とうそぶく人もいるようです。でも、事故を起こさないように細心の準備をして、慎重な山登りをする中高年も多いのです。彼らは「登山に絶対の安全はない」ということを理解しています。慎重な登山家の心配事は、万が一事故に遭遇した場合、他人に迷惑をかけずにどのように自分の命を守るかということになるようです。
 そこで、本人の救助にも役立ち、救助隊にも利益になる仕組みを考えてみました。良心的な登山家を対象にした救急搬送隊を、24時間体制で稼動する仕組みを想定してみました。この救助は、民間企業が行うビジネスになります。登山やハイキング人口は、800~1000万人といわれています。60歳以上の中高年が行う運動の中では、常に2位から3位にランクされる人気のある野外活動です。おそらく100万人程度の中高年の方が、この種の野外活動を行っていると推定されます。この方達の中で、「万が一事故に遭遇した場合、他人に迷惑をかけずにどのように命を守るか」を考えている方が対象になる保険を作ります。この保険は、事前に登山保険などの名目で年会費で集めます。JAFの制度を応用したものと考えていただければ、分かりやすいかもしれません。
 保険金を事前(当日でも可)に払った方が、山に登るときにはスマホにソフトを入力します。このソフトは「みちびき」に対応したGPS機種で、誤差が数cmという優れものです。発信器をの役割もあり、登録者の登山移動状況が一目瞭然でわかる仕組みです。危険な箇所には、発信器を設置し、事前に把握できるようにしておきます。ドローンを山の数カ所に設置し、ドローンから山の状況を撮影した画像を随時提供するサービスも行います。スマホの電池が切れたときには、ドローンの設置場所が電力補給場所になるような仕組みです。もちろん、太陽光パネル発電で、常にドローンの飛行とスマホの電力確保は行われるようにしておきます。そのような体制を整えておけば、今までよりは安全な登山が可能になります。それでも、事故は起きます。7~8月は600人ですが、年間を通すと3000人程度の遭難が起きています。これが半分になれば、大成功でしょう。
 民間の山の監視員は、位置情報から歩行の速度や地形の急峻に対応した登り方などを見て、体調を予測します。頻繁に休息を取るグループがあれば、疲労のためについて行けない人が出ていることが疑われます。通常より異常な歩き方や休息の取り方が頻繁になれば、ドローンのカメラで状況を把握することも可能になります。回復可能なら山登りを続けてもらい、体力的に無理ならば下山してもらうようなアドバイスを行います。山登りする人は、自分の安全を常に把握してもらえるという安心感を得ます。最悪の場合、救助してもらうこともできるわけです。でも、雪崩や鉄砲水などの突発的災害には、対応できません。山の事故は、防ぎようのない場合もあります。
 保険会社からの要請で、救助する人達の確保が次の課題になります。山小屋で生活している山のベテランが、その役割を担うならば、合理的配置になります。でも、それだけでは、救助隊員としては不足です。麓の別荘の管理人や林業の従事者、そしてスキー場の従業員などが候補に上がります。もっとも都会から村に移住し、冬はスキー、夏は山登り、春は山菜とり、秋は紅葉というサイクルで楽しんでいる方も候補になるでしょう。自然が好きな人達に、山の素敵さを体験してもらいながら、お金を稼ぐ場を提供してもらえることも可能でしょう。人に迷惑をできるだけかけずに、山登りを楽しみ、山で生活する人を支援するような仕組みを構築していくことになります。もし、このような仕組みで、警察や消防、そして行政組織の予算が節約できたら、その節約できた費用の幾分かを、保険会社にリターンしてはどうでしょうか。
 余談ですが、外国人は自然を愛し、自然と接することを好みます。富士山の美しい姿を見れば、登りたくなるのでしょう。外国人の富士山での遭難事故も多くなっています。。外国人観光客の増加に伴う問題点も、徐々に鮮明になってきています。重要なことは、外国人だからもてなすということではありません。旅行客から、適正な料金をいただくという意味では、外国人でも日本人でも同じようにもてなすことになります。要は、外国人観光客の受け入れに、必要以上にお金をかけず利益を上げることなのです。日本人が旅行や観光に使うお金は20兆円です。訪日外国人は、2600万人を超えましたが、4兆円程度です。どちらに比重を置くかは一目瞭然です。