ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

古代福島を駆け抜けた大和朝廷の権威と権力 「ふくしま」を少し良くするアイデア その44

2017-12-31 13:48:35 | 日記
 陸奥国の一の宮は、宮城県の塩竈神社と福島県棚倉町の都都古和気神社の2カ所だけです。4世紀後半から5世紀前半の祭祀遺跡は、沖ノ島でも奈良の石上神宮でも『磐座』に代表されるものでした。大和朝廷が有力な勢力を征服したり、融和政策を推し進めるときには、神社や神宮をつくるパターンがあるのです。島根県の出雲大社が有名ですね。関東と東北の一の宮を並べてみると、武神の鹿島神宮→稲の都々古和気神社→塩の塩竈神社という順になります。鹿島神宮から水戸を通り、久慈川沿いに北上し、棚倉の都々古別神社に到達します。そこから、塩竈神社という経路をたどったわけです。ちなみに、神棚は、神社のミニチアです。そこのお供えは、まず米と塩です。都々古別神社の神事には、豊作を祈願する祭事があります。塩竃神社は、もちろん塩を神事としています。この神社がある松島湾の地域は、縄文の時代から製塩が盛んでした。縄文人が使用していた製塩土器の出土が多い地域なのです。有名な里浜貝塚を見るまでもなく、東北の各地から塩との交易が行われていたことが分かっています。松島湾に注ぎ込む川は少なく、製塩には、適した海だったわけです。当然、縄文や弥生の時代になっても、有力者がこの地域で活動していたことが理解されます。
 都々古和気神社の神域は、朝廷勢力が東北に進出してくるまでは有力な蝦夷の部族が栄えていました。武鉾山の山麓には、東北地方最大で最古の巨石祭祀遺構が残っています。沖ノ島や石上神宮の『磐座』に匹敵するものです。この地域は、大和朝廷と福島の豪族が角を交えた場所でもあるのです。都々古別神社は陸奥国一の宮として、今はその名残をとどめています。鹿島神宮―都々古和気神社―塩竈神社のラインは、権威のルートというものです。
 権威のルートがあれば、権力のルートもあります。多胡碑と那須国造碑、そして多賀城碑のラインが、権力のルートになります。いわゆる東山道が、それにあたります。多胡碑からは、渡来人の権力者が上野の地を支配していたことがわかります。多胡碑と多賀城碑の中間に、国宝の那須国造碑があります。那須国造碑の碑文から、ここを治めていた支配者は、やはり渡来人に関係する集団ということが明らかになっています。715年に、東国の相模、上総、常陸、上野、武蔵、下野6カ国の住民が、陸奥に居住する政策が取られます。この年10,000人を上る東国の人々が、陸奥に移動していくのです。宮城県北部の大崎地方の柵戸として、生活をすることになります。ちなみに柵戸は、自ら土地を開墾し、生計を立てる立場の人達です。その開墾する土地は、蝦夷から奪うことになります。10,000人という数は、これまでにない大きな移動でした。大量の柵戸の入植により、蝦夷の地に属していた大崎地方における朝廷の支配体制が強化されました。柵戸の移動と結びついた城柵の造営は、大和朝廷の拡大策の一貫でした。
 でも、この強引な政策に対して、720年蝦夷は大規模な反乱を起こします。反乱の起こった年に、朝廷はムチの政策を一転して、今の東北地方の国に対して調庸の免除を行います。このアメの政策は、3年間続きます。722年に陸奥管内の調庸制を廃止し、青年男子から布を徴収する新税制に切り替えます。新税制の税額は、従来の調庸制の負担に比べ、柵戸の税は4分の1以下に設定されています。今までと打って変わって、柵戸に新税制で課した布を蝦夷に与えるのです。でも、甘い話には裏があります。蝦夷を慰撫する一方で、大和朝廷は軍事面の強化を図っていきます。歌枕で有名な白河の関には、軍団を支える武器の製造や集積の場が用意されていました。現在の福島県の相馬地方には泉官衙がありました。泉官衙の地域は、陸奥はもちろん東国においても最新の武器とされるものを、最新の製鉄製造技術で作る製造拠点になるのです。陸奥の反乱は、幾度となく起こります。でもその都度、城柵の造営が行われ、軍事拠点と官衙の設置が強化されていったのです。古代福島は、蝦夷に対する後方基地の役目を果たしていたのです。
 東国の集団は、東山道を北上しながら多賀城を目指しました。白河の関、安達ヶ原の黒塚、信夫もちずりなどの親しまれている歌枕は、権力の北上した道でもあるのです。西行や芭蕉は、先人を慕って陸奥の枕詞を巡りました。いわゆる権力の道です。より趣のある東北を理解することを求めるならば、権威の道を巡るのも一興です。水郡線で水戸から郡山に北上すると、古代の人々の動きが分かるかもしれません。できれば、棚倉で都々古別神社を訪れてはいかがでしょうか。福島には、由緒ある神社があり、山があり、歴史があります。その名前や意味の由来を少し掘り下げると、興味深い旅情を体験できるかもしれません。



露地栽培と植物工場を融合する農業ビジネス アイデア広場 その312 

2017-12-30 17:56:51 | 日記

 植物工場の野菜は、路地栽培に比べて、細菌が少ない環境で栽培されています。この野菜は、菌付着による品質低下が少ない特徴を持ちます。そのために、日持ちも格段に良く重宝されています。味も露地物に比べ、柔らかいという評価があるようです。一方、旬の露地物野菜には、抗酸化力が非常に豊富なものがあります。抗酸化能力の衰えたシニアには、旬の野菜が求められるところです。消費者の立場化すれば、両方の野菜の良い品物だけをいただきたいと望んでしまいます。
 そこで、露地栽培と植物工場を融合した農業ビジネスを考えてみました。同じ野菜でも、健康な土壌で育った野菜に含まれる機能性成分の量や抗酸化力は大きいのです。予防医学の進歩は、野菜の効能を明らかにしています。野菜や果物には、多数の機能をもつフィトケミカルが含まれています。フィトケミカルは、紫外線、毒物、病害虫から植物自身が守るために作り出した物質です。この物質は、もともとヒトの体には存在しないものなのです。野菜や果物を通して、人は摂取しているわけです。赤いトマトは、ビタミンCの含量や抗酸化力が際立って高いことが分かっています。増え過ぎた活性酸素を無害な酸素に変える力が、抗酸化力です。活性酸素には、体内に侵入したウイルスを退治しるという良い面もあります。でも、食べ過ぎや、ストレス、タバコが原因で増え過ぎると、細胞を傷つけるようになります。肌の老化や、動脈硬化など生活習慣病の原因になるわけです。旬の季節の野菜や果物は、機能性成分の量も多く、抗酸化力の作用も高いのです。
 日本は、半導体事業から撤退する企業が増えています。半導体工場は気密性が高く、植物工場の温度管理などに多くのメリットをもたらします。ある植物工場では、カリウムの少ない野菜を出荷しています。腎臓病の患者は、カリウムの摂取が制限されているのです。患者の方に美味しい野菜を提供できます。植物工場は、温度や湿度、肥料やミネラルの補給、生育状況や出荷の時期を管理できます。このようなシステム化された栽培では、いずれ糖尿病患者の血糖値をコントロールする野菜の開発も可能になるでしょう。サプリメントの原料となる野菜や果物の出荷も、植物工場から行われるようになるかもしれません。
 今までの野菜の新種開発は、形が良くて、多く生産できる品種改良でした。でも、生活習慣病や健康寿命の知見が深まるに従って、消費者にも変化が起きています。野菜は、姿や形ではなく質の高い機能性成分や抗酸化力のあるものを求める購買層が現れました。トマトは、栽培において桃色系が主流でした。それが、赤いトマトを買う人がでてきたのです。赤いトマトのほうがビタミンCが多く、抗酸化力も高いからです。消費者が求める健康に良い野菜は、露地物だけでも植物工場だけからも、完全に供給することができません。それならば、露地物農家と植物工場がタッグを組んで、消費者の望む野菜や果物を供給すれば良いわけです。特に、老化した肌のアンチエイジング求める消費者を絞り込み、その要望にあった野菜を個々人に配送するビジネスが、浮かび上がります。消費者を中心に、露地物と工場物の生産と配送を工夫しながら、両者を融合していくことが理想の農業ビジネスになるでしょう。

福島の夜を少し豊かにするナイター競馬  「ふくしま」を少し良くするアイデア その43

2017-12-30 17:47:09 | 日記
 中央競馬開催が、福島市で年3回開催されることを驚く人たちがいます。中央競馬開催は、日本を代表する都市にのみで開催されいます。その開催が、県庁所在地とはいえ福島の小都市で行われることに違和感を持つ人もあるようです。でも、競馬通にいわせると、福島競馬には面白みがあるといいます。
 そこで、福島競馬にちょっと味付けをして、中央競馬会の売り上げを増加させ、福島市にお金が落ちる仕組みを考えてみました。福島競馬は、夏競馬を除き地方開催という位置づけです。中央の2開催が主で、福島は従という位置づけになります。これを、従の春と秋の開催をナイター競馬にするのです。午後の3時から9時までに12レースを行います。中央の2開催のレース終了後、8レース以上できる計算になります。3分の1の小さいマーケットでは、資金の回転は少なくなります。中央の2つの大きな投票と福島の小さな投票が合わされば大きなマーケットになります。多くのファンが、福島競馬で楽しむことになります。
 夜の福島競馬を楽しむ人が増えるということは、宿泊客も増えるということになります。ネット投票が大半でしょうが、競馬好きの方は、競馬場で観戦したいものです。500人でも1,000人でも県外から足を運んでもらえれば、ホテルや旅館にお金が落ちます。夕食や翌日の朝食や昼食で、さらにお金を落としていただけるチャンスが増えます。実は、大井競馬場のナイターやナイター競輪も人気を上げているのです。勤務体系が、2交代や3交代の企業もあり、深夜営業の店もあります。働く方の時間は、24時間体制になってるわけです。娯楽が労働の疲れを癒やす機能を持つものならば、労働時間を癒やすものとして、娯楽のナイター化も考慮に入れる時代かもしれません。労働時間が24時間の平準化されるならば、娯楽の時間もそれに応じて広げていく工夫が求められます。福島のナイター競馬が実現すれば、平準化を補完する機能をもつものになるかもしれません。



日本の化粧品がアジアの心をつかむ アイデア広場 その311 

2017-12-29 19:01:28 | 日記

 2016年は、化粧品の輸出額が初めて輸入額を上回った年になります。この輸出額は、5年連続で過去最高を更新して、2017年には3,000億円を初めて超える見通しになっています。輸出先では、香港が32%、中国が24%と続き、韓国11%や台湾は10%となっています。日本製の化粧品は、海外で高品質なブランドとして定着してきました。日本市場では、品質の劣る化粧品はすぐに市場から排除されます。日本の消費者は、極めて厳しい選択をしてきました。その選択眼が化粧品メーカーを育て、日本ブランドを信頼にたるものしたようです。今後も、日本ブランドを信頼するアジアの中間所得層を取り込み、この地域での収益を拡大していきたいものです。
 そこで、日本の化粧品の販売戦略を振り返ってみました。アジアからの訪日外国人が、増加しています。過去最高を更新しながら、あっという間に2,000万人を超えてしまいました。日本滞在中に購入した化粧品を、帰国後も継続して使うアジアの人々が増えているのです。訪日時に日本製に対する憧れを、各化粧品メーカーは取り込むことに成功しているようです。帰国した後でも、継続的に使用できるように販売網を整えています。例えば、中国人が韓国やタイを訪れた際にも、免税店や機内販売で需要を取り組む販売網を構築しているのです。さらに、日本の商品の強みは、皮膚を大切にしていることです。香料や防腐剤を一切使わない化粧品を販売している企業もあります。肌に異物の化粧品は使わない方が良いという理論をベースにした商品開発と販売戦略です。販売網の構築と肌に優しい商品が、アジアの中間層を捉えているようです。
 強力な販売網と商品開発に関心を持ちました。どうして、これらを可能にしたのか。このことを深掘りしました。資生堂という化粧品の大手があります。この会社は約21,000の取扱店に対してPOSレジを無償で導入したのです。60億円の投資でした。このレジの導入は、取扱店の売上げ状況を随時把握することが目的でした。結果として、売上げ状況を把握し、生産と供給の安定化を図ることに貢献できたのです。さらに、このシステムの導入は、より有用なデータをもたらしました。化粧品の購入年齢や地域による購入の動向が明確になったわけです。消費者の好みも把握でき、人々が欲しがる化粧品の開発にも貢献していったわけです。日本の先発優位は、人々が望む化粧品に関するデータの蓄積にあるともいえます。
 でも、成功の事例ばかりではありません。韓国ロッテが現在直面している不買運動などを、尖閣諸島国有化問題において日本メーカーも経験しています。いろいろな試行錯誤をしながら、アジア向けの輸出を拡大してきたわけです。化粧品各社も、訪日外国人向けの販売で、業績を伸ばしてきました。それが、輸出において5年連続で過去最高を更新という形になって花開いているのでしょう。事例にあげた資生堂は、2017年1~6月期、中国向け売上げが連結売上高の25%に達しています。現在は、中国における強さを発揮する企業になっています。

ドライバーに優しい工夫のある物流システム  アイデア広場 その310  

2017-12-28 06:43:23 | 日記

 少し前、アサヒとキリンの両社が、同じ貨物列車にビール混載して北陸地方の駅に輸送することが話題になりました。両社は、北陸地方に工場を持っていません。アサヒは吹田工場でキリンは神戸工場で製造したビールを、トラックでJR貨物の駅に運ぶのです。そこで混載して、北陸地方の駅に運び、問屋や大手スーパーに届ける仕組みです。大阪から北陸のトラック輸送を鉄道輸送に切り替えることで、ドライバー不足を補うことにしたわけです。さらに、輸送の進化は続きました。佐川急便は、トヨタ自動車専用の貨物列車を使った宅配便の輸送を始めたのです。トヨタは、中部地方から東北地方に車を輸送するために鉄道貨物を使用していました。その貨物列車の空きスぺースを使って、トラックに代わる輸送を取り入れたのです。同業種間の物流にとどまらず、異業種間でも連携してドライバー不足に対処しているのです。空いている資源を有効利用する姿勢が見て取れます。
 そこで、今後の輸送形態がどのように変化していくのかを考えてみました。今後の流通の主流は、3,000万人の活発な消費者を要する首都圏になります。この地域は、少子高齢化になっても、消費は衰えないとの見方が有力です。この首都圏を囲む圏央道に、物流施設の建設が相次いでいます。首都圏に近い場所に物流施設を作り、消費に対するリードタイムを短縮することを考えているわけです。圏央道付近の物流施設が充実すれば、次はここに適時輸送する交通手段が必要になります。ここでも、ドライバーの不足がネックになります。JR貨物の鉄道輸送は、すでに使われて効果を上げています。圏央道周辺を走る私鉄の貨物輸送を、新たに考えてはどうでしょうか。浅草から会津まで走るリバティ会津は有名です。これに貨物車両をつければ、会津の特産品は3時間弱で、圏央道の物流施設に搬入できます。ヤマト運輸は、長良川鉄道(岐阜県関市)と提携して、乗客と一緒に荷物を運ぶ実験を開始ししています。制度的には、可能な輸送システムになります。
 物流における同業種間や異業種間の連携は、ドライバー不足が原因です。その不足を補うために、モーダルシフトを活用し、現在は鉄道貨物が脚光をあびているわけです。農産物の荷主の間では、ドライバー不足でトラックの確保が難しくなっています。ドライバー不足に悩む農業生産法人や食品メーカーも増えています。そこで、異業種間の混載の発想が生まれてきます。空いたスペースを利用して、輸送を効率化していくものです。物流にたずさわる企業は、荷物の輸送情報を共有できる予約調整システムを構築することです。業者の車両稼働率を平準化させることが、収入を増やすことになります。そのためにも、輸送情報を事前に共有できるシステムが必要になります。情報は、生産者からも、現在輸送中の車からも、物流施設からも、そして消費者からも発信する仕組みをつくるのです。それらの情報から、ドライバーに負担のかからない配車シフトを作ることになります。理想的には、ドライバーが働く時間や配送量を自分の裁量で決められるシステムになれば素晴らしいと思います。効率だけでなく、人間に優しい輸送システムを構築したいものです。

順調に進むオリンピックのテロ対策  アイデア広場 その309 

2017-12-27 16:27:51 | 日記

 オリンピックやパラリンピックなどの大きなスポーツイベントをやりきることは、大都市東京の安全性を世界に示すことになります。大きな大会は、都市の総合力を集結して初めて成功するイベントなのです。2020年は、都市として東京の実行能力の高さを世界に示す絶好の機会にもなります。スポーツイべントが世界の注目を集めるにつれ、テロ防止や事故の安全対策が不可欠になりました。観客や審判、そして選手を事件から守ることが、求められるわけです。さらに、最近ではイべントの参加者に不便をかけない最小の規制で、最大の効果のある対策が求められるようになりました。開催地は、大変な負担を負うことになります。でも、これを少ない事故で乗り切り、イベント参加者に最大の満足を提供することができれば、東京の都市としての実力は高く評価されることになります。それは、海外からの旅行者だけでなく、海外の資本も日本に入ってくることを意味します。
 そこで、テロ防止や安全対策が円滑にいく方策を考えてみました。テロが頻発しているのは、イスラム圏が多いようです。エルサレム首都問題で、日本政府はアメリカと違う立場を表明しました。これは、オリンピックの開催国として良い判断でした。さらに、小池都知事はアラブに精通した政治家です。これも、大会には良いポイントになります。テロを刺激しないという環境が、大枠ではできたということです。
次に問題になるのは、対症療法になります。金属探知機で発見できないプラスティック爆弾はどうなるのかという不安があります。プラスティックやセラミックを検出する技術は進んでいます。金属探知機も大幅に小型化し、持ち運びができるようになっています。東京マラソンでは、事故を未然に防ぐために、「ランニングポリス」を導入しました。見せる警備でした。大会当日は、二つの機能を持つ自立走行型の警備ロボットが巡回することになるでしょう。小型化した金属探知機をロボットに持たせれば、競技会への危険物持ち込みを確認することができます。警備ロボットが巡回して集めたデータやSNSのデータを分析すれば、危険物の持ち込みやそのリスクを事前に知ることも可能です。
 ドローン対策も、不可欠でしょう。現在市販されているドローンにGPSをセットすれば、爆弾も化学兵器も運べるという方がいます。正確無比に飛び回るドローンは、10万円程度の市販品を少し改造すればできるともいわれています。2020年までには、技術はさらに進むとされています。それでも、距離は4km以内で飛行時間30分程度の飛行能力でしょう。この能力に対する対策を考えることになります。ドローンの部品とスマホの部品は、類似性があります。これらの部品を購入したリストと過去の行動、そして交流サイトを分析していけば、ある程度のリスク低減処置がとれます。進入禁止の上空に不審ドローンが入れば、自動的に監視ドローンが飛び上がり、侵入機の機能を奪うことも可能になります。
 オリンピックで獲得できるメダルには限りがあります。でも、オリンピックを契機にビジネスの未来を支えるアイデアが、いくらでも湧き出てくるでしょう。アイデアをビジネスに生かし、大会のレガシーとして活用していきたいものです。

先進的東京のストリートスタイル  アイデア広場 その308  

2017-12-26 17:50:57 | 日記
  

 海外メディアが、東京に注目しています。街のエリアに階級や階層が見られない点に、強い関心が持たれているようです。ロンドンのバンクスは、若者の怒りの発露として登場しました。同じ街でも階級と失業に押しつぶされそうな不安と怒りをバネのできたスタイルです。日本では、大企業の間でもジーンズにTシャツやショートパンツ姿の男女が行き交うようになりつつあります。海外メディアが注目するのは、階級や権威にとらわれない東京のスタイルなのです。
 そこで、東京のスタイルについて考えてみました。西洋では、中世以来各階級はそれぞれ独自の衣服によって識別されてきました。貴族や聖職者にとって、衣服が地位や系統などの上下階層関係を表すものだったのです。平民の間でも、職業などによって衣服が規定されてきました。伝統社会での服装は、一度決定されると最後までそのまま継続されます。これは、近代化するまでの日本をはじめアジア諸国でも見られる光景です。欧米の場合、衣服やバックなどのブランドを持つことは、それにふさわしい階層の生活レベルを持つことを意味したのです。
 欧米でエルメスやシャネルを着こなすことと、東京でこれらを着こなすことには違う意味があります。母親が娘と渋谷に出かけ、一緒に同じような「可愛い」服の買い物をしています。今の母親は娘と姉妹に見えるように、アンチエイジングに気を使っているようです。実際、それを実現することは可能になっています。欧米では、娘が母親の成熟した女性像に憧れて背伸びする図式が普通でした。「若々しさは大切だが、若作りは浅ましい」という美意識があったわけです。でも、この意識が急速に変わりつつあるのです。アンチエイジングを求める富裕層が増えています。母親と娘が姉妹に見せようとする行動様式は、日本ではとっくに行われていたのです。美意識において、西欧と日本では逆転現象を起こしているようです。
 服装が、階層や社会的地位の識別という機能を失ってきています。服装は、個人の自由に属するものになりつつあります。この自由を最も自然な形で、享受しているのが東京なのです。ルイ・ヴィトンを持つ日本人は、3,000万人いるともいわれます。高級ブランドを持つ女性が、携帯にはキャラクター付きのストラップを付けています。欧米では、決して見られない光景です。海外特派員からは、高級ブランドとストラップの融合が、日本のユニークさになるわけです。でも、少し目先の利く特派員ならば、日本の巨大な市場性に気がつくでしょう。ルイ・ヴィトンを持つ3,000万人が、消費者なのです。これほど高級ブランドを、庶民から富裕層まで持つ国は他にないでしょう。さらに、他の高級海外ブランドを持つ人達は、9,000万人といわれています。ブランドから既製品まで自由に着こなす東京のストリートスタイルには、多くの魅力と可能性を秘めています。海外だけでなく、日本の企業も可能性を利益に変えていってほしいものです。

「早くしなさい」の言葉を今より少なくする方法  奈々ちゃんとトット記者の対談

2017-12-25 20:42:14 | 日記

 子育てのお父さんやお母さんが、決して言いたくない言葉に「早くしなさい」というものがあります。分かっていても、常にこの言葉が子どもに発せられます。「早くすれば、あなたのためになるのよ」とお子さんを思う気持ちで発せられる言葉が、軽んじられたり、無視されるのです。子どもは切羽詰まると、やらざる得ない状況に追い込まれます。でも、準備不足が祟り、良い結果を得ることはありません。何か、良い方法はないものでしょうか。そこで、「早くしなさい」の言葉を今より少なくする方法を考えてみました。

記者「リビングがテレビ中心の場所から、家族それぞれが思い思いに時間を過ごす場に変わりつつあります。この変化は、どうして出てきているのですか」
奈々「家庭では、家事も育児も女性が担う状況が続いています。家庭内の仕事を効率良く進めるために、リビングの充実が進んでいるのです。母親は子どもを見ながら、家事に専心できます。リビングだと子どもも安心して過ごすことができるのです。大好きなお母さんと一緒なのですから」

記者「小中学生になっても、リビングで勉強する子ども達も増えていると聞きましたが、どういう理由なのでしょうか」
奈々「以前は、子ども部屋で辞書や参考書を見ながら勉強するパターンが一般的でした。最近はスマホ検索サイトで、分からないことはある程度分かるようになっています。お母さんのアドバイスも、勉強の進み具合を助けてくれます。リビングが、勉強にも遊びにも、コミュニケーションの場としても利用価値が増えているということです」

記者「ところで、それほど心地良い環境でも、『早くしなさい』という言葉がでてくるのはどうしてなんでしょう」
奈々「子どもの言い訳は、『後でやるよ』というものです。子どもは、長い人生を生きていません。自分で時間を管理する術を身につけていないのです。子どもは、『後でやる時間がある』と本当に思っているのです。このことを、親は理解することです。大人が、『早くしなさい』と繰り返すだけでは効果がないのです。『後でやる時間がない』ことを、『見える化』してあげることが大切です。何が今大切で、すぐに取りかかれば、望むことができることを示してあげるのです。その後に、楽しみが待っていることを『見える化』を行うことで、教えてあげるわけです。」

記者「そんなに簡単に『見える化』ができるものですか」
奈々「難しく考える必要はありません。100円ショップで、A4のホワイトボード買ってきます。そこに勉強の締め切りの時間、やるべき勉強の内容、勉強後の楽しみの3つを書いておくのです。やるべきことをきちんと書き出せば、勉強へのやる気が高まります。ボードをリビングの見やすいところにかけておくだけで、子どもの集中力はあがるものですよ」

記者「でも、ダラダラした状態からすぐに勉強に取り組む子どもは少ないですよ。その取りかかりが、最も難しいわけです」
奈々「確かに、そうですね。取り組むことにスムーズに入るには、コツがあるのです。取り組みはじめる時には、『活性エネルギー』と呼ぶ初期努力が必要なのです。このエネルギーは、物理学用語で反応を起こすために最初に必要なエネルギーのことをいいます。惰性を打ち破って、勉強に取り組みはじめるためには、一定量の活性エネルギーが必要になります。勉強しようと気持ちを決めてから、鉛筆を削ったり、ノートを出したり、教科書をだしたりすることは、活性エネルギーを多く使っていることになります。勉強をしようと決めて机に座ったときには、鉛筆もノートも、そして教科書など全て揃っていることが求められます。この状態が、活性エネルギーを少なく使うことになります。このエネルギーの使用が、少なければ少ないほど勉強にスムーズに入れます。何を勉強しようかと迷っていては「ダメ」なのです。その場で迷う、決める、探すなどの行為は、活性エネルギーの無駄遣いになるのです。机の前に座った時には、自然に勉強ができる状態にしておくのです」

記者「何となくわかるような気がします。ところで、小学校に入ると、習い事や学習塾にいく子ども達もでてきます。リビングでの過ごし方も変わってくると思うのですが。どうなんでしょうか」
奈々「各家庭にによって、習い事のある日やない日、そして土曜日曜の休日があります。パターンごとに、やるべきことをボードに書いておくのです。Aパターンの日は、家での勉強は無理だから、他の日に集中的に行うこと。Bパターンの日は、宿題を集中して行うこと。などを見える化しておくのです。個々のパターンをプレート型の磁石に書いて、貼りやすいように工夫している子どももいますよ」

記者「子ども達が夢中になるものとはどんなものですか。最近の子どもの考えがよく分からないのですが」
奈々「子どもは、そんなに変わりませんよ。もっとも、反抗期がなくなったとか、親と子どもの垣根が低くなったとかという話題は聞きますね。昆虫が大好きな子もいます。怪獣の全ての名前を記憶し、その特徴をそらんじている子どももいます。新聞のチラシにある子供服を全て切り取り、その服をジャンル別に整理している子どももいますね。最近は、中国製からベトナム製の服も増えているなどと、大人顔負けの分析家もいますよ。子どもは遊んでいるときに、いろいろ調べたり、試したり、そして工夫したりしています。遊びは、子どもの探究心を広げ、深める大切な行為です。リビングは、そんな子どもの活動を助ける場であって欲しいものです」

記者「大人でも仕事をバリバリやっている人は、スケジュール管理が上手です。子どもにはスケジュールの管理能力がありません。この管理能力をつける工夫が、ホワイトボードの利用でした。ちゃんと子ども自身がスケジュール管理をできるように、親が用意してやることが大切だということが分かりました。でも、ホワイトボードの利用だけでは、心許ないという親もいます。もっと良い方法はないのですか」
奈々「ホワイトボードの利用の延長線上に、手帳の利用があります。優秀なビジネスマンは、手帳の使い方が巧みです。小さい頃から、手帳使用のノウハウがあるとないとでは、将来を見据えると子ども達に大きな格差がでてきます」

記者「子ども達に手帳を使わせるのですか。難しいようにも思うのですが」
奈々「スケジュール管理能力は、子供の成長とともに学力の向上に直結していきます。その意味では、非常に重要なスキルになります。親が使っている手帳に関心のある子供なら、『これはあなたの手帳だよ』と渡すと喜んで受け取ります。その手帳を子供なりに、楽しみながら使うことからスキルの最初が始まります。最初から、大人のようなスケジュール管理を求めないことです」

記者「どんな使い方が、良いのですか」
奈々「小学校に入る前は、バインダー式でページなどを増やすことができる手帳が良いでしょう。ひらがなに興味を持ち始めたら、『あいうえお表』を挟めば良いのです。動物が好きになれば、動物の一覧表を挟みます。この時期の子供は、キャラクターの塗り絵が好きです。キャラクターカードを挟み、そこに色鉛筆を入れた袋をバインダーに挟めば、いつどこでもお絵描きができます。集めたシールを、手帳の袋に入れておくこともできます。子供が、ワクワクするような世界に浸ることのできる手帳を用意するのです。最も子ども自身が、自分の手帳を作ることになるかもしれません。スケジュールが複雑になる小学校入学までに、ゆっくり楽しみながら準備をしておくわけです」

記者「手帳に親しむことで、スケジュール管理の初歩が身につくことは分かったように思います。子供たちは、手帳に親しみながら能動的行動をするようになることもわかるような気がします。そして、この対談のテーマである『早くしなさい』という言葉もすくなくなるような気がしてきました。でも、より少なくするにはどうすればよのでしょうか」
奈々「トットさんは、なかなか欲張りですね。今は、親子で共通の趣味を楽しむことも珍しくありません。渋谷などでは、親子が姉妹のようなファッションで買い物を楽しんでいます。親子の対立軸も少なくなりました。優秀な子供は、夫婦仲がよい家庭に多いのです。彼らは、能動的な行動が取れるように育てられ、脳を鍛えるゲームや読書に親しんでいます。ホワイトボードの使い方や手帳の使い方は、この鍛える工夫の中に含まれるものです。手帳をつくることで、楽しいが増え、自分の力が伸びていることが実感できます。実感できるから、より良いやり方を工夫していくのです。自分で工夫している子供には、お父さんもお母さんも『早くしなさい』という言葉を控えることになりますよ」
記者「今日は、どうもありがとうございました」


化粧品原料のローズオットーを安定的に確保する アイデア広場 その307 

2017-12-24 15:32:25 | 日記
 化粧品の原料の値上げが、相次いでいます。香木のビャクダンから抽出されるサンダルウッドは、3㏄で1200円が2000円に値上がりしています。バラの花から採る「ローズオットー」の主産地はブルガリアです。このローズオットーが、中国向けを中心に値上がりしているのです。アロマの人気が上がっていることと中国人の爆買いも重なり、輸入価格が高騰しているのです。今後の化粧品を購入するアジアの消費者は、確実に増加していきます。増加に伴い、化粧品の原料が不足し、値上がりしていくことが予想されます。
 そこで、基本となる化粧品の原料が安定的に確保できる仕組みを考えてみました。化粧品の大手コーセーは、化粧品原料を秋田県で栽培しています。この自社農園を、2倍に拡張する事業を始めています。農園は、順次拡張しているところです。現在は、27,000㎡でヨモギやマロウなど45種類を栽培しています。収獲した薬草は、化粧水に配合して使用します。バイオテクノロジーを用いた品種改良にも力を入れているようです。化粧品には、多くの薬草や原料がブレンドされています。その原料を安定的に確保することが、化粧品のブランドを守ることになります。自社生産における確実な供給は当然として、世界各地からの安定的な原料確保が前提になります。その原料が、値上がりしているわけです。そこで、この原料の生産と確保を深掘りしました。
 国内でよく知られている遺伝子組み換え植物には、青いバラがあります。青いバラは元々自然界に存在しないものでした。遺伝子組み換え技術を駆使して開発に成功したものです。2004年バラの遺伝子に、パンジーの青い色の色素をつくる遺伝子を組み込んでつくりました。もっとも、このバラの成功まで実に14年の歳月がかかっています。青いバラの開発は、何の遺伝子をどこに組み込めばいいのか、など難問が存在したわけです。この難問を解くために、時間がかかりました。でも、ゲノム編集を使うと、より効果的に遺伝子のねらった場所を早く正確に操作することができます。例えば、白いカエルが、ゲノム編集でつくり出されています。これは、「白」以外の特定の遺伝子を破壊する(ノックアウト)だけで、つくり出されました。ゲノム編集を使うと、新しい遺伝子を組み込む(ノックイン)もできます。たとえば、魚のタイの肉量を大幅に増量したゲノム編集も可能になっています。
 この技術を、ローズオットーの生産に使ってみるのです。ローズオットーの精油は、バラの花200~400本から1グラム作れるといわれています。これを、50本から1グラムを取れるようなバラを作り出すわけです。ローズオットーは、ブルガリアが主産地です。この香水は、昔の貴族が愛したバラの文化が下地にあります。それなりの歴史的価値を持つものです。でも、価格から考えれば、バラの栽培が盛んなケニアやエチオピア産にも触手が動きます。品種改良したバラを、ケニヤやエチオピアの農民の方に栽培してもらいます。彼らの仕事を増やし、所得を向上させるのです。安定的な生産をしてもらい、供給を確実にします。バラの生花は、毎日のように東京や大阪に運び込まれています。この流通経路を利用します。必要な量だけ、小ロットで輸送してもらうことになります。

ドローンの活用したロボットレストラン アイデア広場 その306 

2017-12-23 17:52:32 | 日記
 

 ドローンが、寿司やハンバーグを運んでいます。驚くことに、最初に話題になったのが、イギリスのロンドンでした。ロンドンの回転寿司チェーンが、店内の客にドローンで寿司を届けるサービスを試験的に導入したのです。ドローンの新サービスが、話題を呼ぶと計算したようです。ロシアでは、ピザの宅配にドローンサービスを導入しています。このドローンは、時速40kmで空からピザを届けます。ドローンがこのように容易に使われるようになったのは、スマホの普及があるのです。スマホとドローンの部品には、共通性があります。GPSや各種のセンサー、そして高性能のリチウムイオン電池などが、スマホの普及で安価に手に入るようになったのです。ドローンが考えられないようなコストで、作れる新しい状況が生まれています。これを、イギリスやロシアの飲食業が利用したわけです。
 そこで、日本でも安価なドローンを利用したファミリーレストランの店舗運営を考えてみました。至る所に使われている部品や技術を賢く組みあわせて、独自のシステムを構築すると、利益の上がる仕組みができあがります。そのシステムに独自のやり方を加味して、店舗運営が大きな付加価値をもたらすものにしていくのです。ドローンは、人間にできない飛行能力を持っています。店を3次元の空間として、有効に使うことを可能にします。お客の出入りに使う通路、同じ通路を調理や飲み物を運びます。さらに食器の片付けに使います。面という2次元の利用です。ドローンを使えば、調理や飲み物を運ぶ空間を上空に確保できます。混み合うときでも、流れを円滑にすることができるわけです。
 お客様が来店したとき、「賢いロボット」が応対します。タブレットを渡し、テーブルを教えます。テーブルには、呼び出しボタンがあります。このボタンは、簡易AIスピーカーです。店員を呼び出すのではなく、お客のオーダーを直接聞きます。お客の話すオーダーは、AIスピーカーを通してタブレットに表示されます。その表示が、適切かどうかをお客様が確認すれば、オーダー業務が終了です。オーダーは、必要な各部所にネットで届きます。届くと同時に、調理場は料理を作ります。作るというよりは、暖めるといった方が良いかもしれません。セントラルキッチンで加工されたものを、素早く調理するように工夫されたものです。加工されたものは、ドローンが調理や飲み物をテーブルに運ぶことになります。ドローンは、人が操縦するのではなく、テーブル番号を押すだけで自動的にテーブルに飛行するように設計しておきます。ドローンの事故は、ヒューマンエラーの方が起こりやすいのです。それを避けるために、自動にするわけです。
 いずれは、調理もロボットが行うようになります。食器などの片付けもロボットが主役になるかもしれません。現在、人手不足で営業時間を短縮している店舗でも、疲れを知らないドローンやロボットが働けば、収益を上げることができるようになるでしょう。ドローンやロボットの開発は、性能重視から、コスト競争に移行しています。「ドローンやロボットは何ができるのか」を問題にする時期は過ぎています。ドローンやロボットを使って、何をすれば収益が上がるのかという経営上の課題を克服する時期になっているのです。