ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

親の利他性・子の笑顔・社会性の萌芽    アイデア三題噺256 

2019-07-31 21:42:47 | 日記

 乳児は、お母さんから愛情を注がれて、すくすく育ちます。それに対して、乳児は援助を受けるだけの存在のように見えます。恐竜の時代においても、親はヒナに対して身を挺して守る行為を行っていたことが分かり始めました。でも、子どもは本当に愛情を受け取るだけの存在なのだろうかという疑問が、ふつふつと湧き出てきたのです。子どもの側から、親に与えるものがないのだろうかという疑問です。
 そこで、子どもが親に与えるものについて考えてみました。多くの役者の方は、幼児と一緒に舞台に立つことを望みません。理由は、幼児が舞台の上で観客の注意と関心を、いとも簡単に役者から奪う素晴らしい才能があるからです。幼児は、ある意味でエンタテイメントを自然に発揮できる能力があります。子どもの寝顔や満面の笑みを前にすると、親は自然と愛おしさが募ってくるものです。親はその寝顔を見て、自然と笑いが出てきます。子どもは、動作であれ、言葉であれ他者の模倣によって成長するという側面をもっています。そして、最初に模倣する相手が、母親や父親ということになります。子どもは、親の笑いを見て、やはり笑いを覚えていきます。笑いは、親と子の絆を強化を促します。親と子の笑いはお互いに干渉し合って、より高い笑顔の効果を享受しているようです。
 笑いが、脳の側坐核を活性化することが分かってきました。この部分が活性化すると、ドーパミンが分泌されるのです。ドーパミンの分泌は、その人に快の感情を引き起こします。親子の笑いは、両者に快の感情をもたらすことになります。笑いには、親子を結びつける絆のようなポジティブな作用があるのです。さらに、笑いは、免疫効果のあるサイトカインやナチユラルキラー細胞の活動を高めることも分かってきました。幼児の場合、健康状態が十分ではありません。また、母親は出産したときに、体力が低下しています。そんな場合、笑いが人間の体を守るという仕組みになっているのかもしれません。
 親子の笑いは、コミュニケーション活動を促します。家族の連帯感が、コミユニケーションを通して形成されます。いずれ社会へ飛躍する準備を、家庭内で訓練するという意味を持っています。笑いは、きわめて社会的な現象であることになります。ドーパミンは、人間の意欲と密接に関連し、学習の強化因子として働きます。母親が、子どもを出産し、育てていく中で、学習能力を高めていくと言われています。そこに、子どもの間接的関与が大きく関係しているのかもしれません。
 それはそれとして、親子の親密な連帯感は、心理的な高揚感と安心感の大きな源となります。連帯感には、笑いのようなポジテイブなものがあることは事実です。親密な連帯感が社会的孤立を乗り越える有用な資源になります。家族間の絆は、多くの笑いや快の感情の積み重ねで確固としたものになります。蛇足ですが、この絆や連帯感には、ポジティブなものだけではありません。泣くとか、悲しみ、不快といったネガティブなものもあります。快不快の二分法の趣旨からいえば、快だけの環境で育てば良いとなります。でも、そうではないようです。快も不快も経験したほうが、潜在能力の高い人材に成長するようです。そういえば、人生の中で最も泣くのは、乳幼児期でした。

鉄道事故を減らす・復旧を早くする・遅延事故を楽しみに アイデア三題噺 255

2019-07-30 16:10:03 | 日記
 最近、JR貨物の車両が長くなったことに驚いています10年ぐらい前までは、目の前を「アッ」というまに通り過ぎていく貨物車両が記憶に残っています。電車待ちをしながらプラットフォームに立って駅で通過の様子を見ていると、貨物車両の形や大きさも多様になっています。鉄道貨物に対する需要が増えていることが、実感します。もうひとつ驚いたことがあります。鉄道事故が、多くなってきた点です。調べてみると、年間5000~6000件の鉄道事故が発生しているとのことです。私も首都圏の旅行中に、何度か遅延事故に遭遇しました。日本の誇る鉄道にほころびが出てきたのかと心配してしまいます。
 そこで鉄道事故を減らす方法を考えてみました。山手線は、1時間に何と24本もやってきます。この路線は、2分30秒に1本の電車が入ってくるのです。地方の駅は、1時間に1本程度です。比較にならないほど多くの電車が、次々にやってくるのです。羨ましい限りです。山手線の車両は、定員が1両につき140人のようです。これが11両編成で運行されているので、1540人が乗れることになります。もちろん朝夕のラッシュ時には、2倍程度になるかもしれないので、1編成3000人が乗る計算です。この3000人の中には、隣の神奈川県からやって来る会社員がいます。彼らは、片道平均1時間40分かかって山手線に乗ることになります。ちなみに埼玉県と千葉県の会社員は、1時間30分かけて東京にやってきます。1時間を超える通勤時間を耐え抜いた社員が、フレッシュな状態で仕事をすることはできないでしょう。さらに、1時間以上の通勤時間に加えて事故のイライラが重なれば、仕事に臨むモチベーションは低下するでしょう。最近の会社は、考えています。社員の通勤状況と意欲を、考慮する会社も出てきているのです。あるITの会社は、鉄道が止まると家に引き返してテレワークで業務を勧めています。自宅でも、デスクワークができるようにIT設備を整えている会社も出てきています。意外と、良い結果が出ているようです。
 もちろん、JRも無策ではありません。事故を減らそうといろいろな対策を工夫しています。そのひとつにコマツ方式があるようです。たとえば、JR貨物は、これまで全地球測位システムなどでダイヤ通りに走行しているかを管理していました。でも、この方式では故障が発生した際に、現場に駆けつけて車両情報の収集や原因の分析に時間がかかりました。車両情報の収集や原因の分析した後に、交換部品の手配を進めてから、部品を補充して修理を終えるという作業工程をおこなっていました。
 JR貨物は東芝の支援を受けて、車両の状況や走行のデータをリアルタイムで収集する常時監視を始る体制を整えています。車両の運転室に産業用PCを後付けで接続すれば、サーバーを経由して車両を確認できます。車両の位置情報や速度、ブレーキ操作、バッテリーの状態などが一目で確認できるシステムを構築するわけです。データ解析により、使用頻度をもとに故障前に未然に部品交換を促すことが可能になります。事故が起きた場合でも、
車庫から状況を確認し、交換部品を手配したうえで現場に駆けつけ、交換作業できる体制をつくり出すわけです。作業員の負担も、軽減できる仕組みでもあります。この仕組みを取り入れれば、線路上で車両が故障して列車の運行を止める事故は、減少していくことでしょう。でも、ゼロにはなりません。遅延事故に巻き込まれたときに、通勤通学の方は楽しく時間を過ごす工夫を日頃から考えておくこともも必要になるかもしれません。



食品開発を効率化する道具の存在   アイデア広場 その486

2019-07-29 17:03:23 | 日記

 日本の和食には、いろいろな工夫が隠されています。たとえば、昆布とかつお節、そしてシイタケは、その食材単独でもうま味を持っています。さらにこの3つを同時に使えば、それぞれのうま味成分を相乗的に高める効果を発揮します。昆布のうま味成分であるグルタミン酸塩とかつお節のうま味成分であるイノシン酸塩、そしてシイタケのうま味成分であるグアニル酸塩が、それぞれのうま味を相乗的に主張するわけです。最近、これらの成分を、数値化するセンサーが開発されました。この味覚センサーは、食品中の昧成分の強弱を数値化して、味覚を分析する装置です。味覚センサーで、商品の売上や消費者情報を解析する手法が注目されています。上手くいくと、年齢や地域の嗜好性が分かるともいいます。
 そこで、この味覚センサーの可能性を探ってみました。気候や地形が多様な日本では、食生活を構成する食品は1万2000種もあるともいわれます。コンビニのおでんが、地方によって具や味が変えてあることはよく知られています。カップヌードルも関西地区と東北地区では、微妙に味を変えていることも周知のことです。大量生産された食品が、全て同じ味で統一されているわけではないのです。もちろん、輸出するカップヌードルも各国の消費者嗜好に合わせた味になっているようです。この味付けは、経験則によって行ってきました。味覚センサーが導入されることで、経験則より以上に客観的なデータが揃うことになります。
 一方、調理は味覚成分だけで、美味しくなるというわけではないようです。料理の美味しさをつくり出すためには、ベテランシェフでも長い道のりがかかります。和牛は、世界的に人気が出てきました。この肉は、味とともに香りが重視されます。例えば、食材から漂う香りの感じ方と実際に口に入れたときの香りの感じ方は、異なっています。和牛の肉を薄く切って加熟する「しやぶしやぶ」や「すき焼き」は、和牛の香が感じられます。食べる前の鼻先で感じる香りは、食欲を増します。口の中で肉を噛んだときに口の中に広がる香は、鼻に抜ける口中香になります。肉を飲み込むときの「のどごしの香り」もあります。そして、飲み込んだあとに残る口の中の「香りの余韻」もあります。しゃぶしゃぶやすき焼きは、これらを全て包括したおいしく食べられる料理になります。
 味覚センサーの測定値を、商品売上データや消費者情報とともに解析する手法があります。その中の事例として、あげられるものがコーヒーです。レギュラーコーヒーでは、酸味の強いタイプが熟年層に好まれます。若年層は、苦味の強いタイプを好むことがわかりました。若者に人気のあるスターバックスは、販売戦略にこの傾向を受け入れているようです。味覚センサーのデータから、消費者の多様なニーズを絞り込んだり、狙いを絞ることが可能になっているひとつの事例かもしれません。もし、この味覚センサーに、香りセンサーが加わればどうなるでしょうか。味覚を味と香りの融合として捉えることが、可能になります。より客観的なデータを取り出し、それを蓄積し、分析することができるわけです。工業製品などの開発では、製品のシミュレーションは当たり前に行われています。製品をどのように作成すれば、消費者にどのように受け入れられ、使用されていくかを予測するわけです。でも、食品開発の現場では、まだ食品開発のシミュレーションが人びとの経験則で行われています。社長もしくは創業者に認められたものだけが、世に出るというパターンが定着しているようです。
 余談ですが、ポテトチップスは音が命といわれています。「カサカサ」という乾いた音が、ポテトチップスの美味さを引き出しています。それに合わせて、ポテトチップスを入れる袋の改良にかなりのエネルギーをつぎ込んでいるようです。音と美味しさの繋がりが、数値化できる「音センサー」ができれば、食品開発の大きな武器になる可能性がでてきます。優れた味覚センサーと香りセンサー、そして「音センサー」の3点セットが開発されれば、工業製品のように有効な食品開発のシミュレーションシステムが可能になるかもしれません。



アルバイト要員の確保するアイデア  スモールアイデアNO310

2019-07-27 22:02:33 | 日記

 アルバイトやパートの平均時給は、首都圏や関西で過去最高水準準で推移しています。2~3カ月おきに、アルバイトの時給が上がっている地域もあるようです。そんな中、飲食店やコンビニ行くと、必ずアルバイト募集の張り紙がしてあります。この募集の張り紙を見ると、働く人に魅力のない店と思ってしまうのです。働きやすい職場であれば、辞めないものです。条件が悪いから辞めてしまうと考えてしまいます。アルバイト定員が、止めない条件の良いお店なら、張り紙は必要ありません。
 飲食店やコンビニの他にも、人手不足で困っている業界があります。訪日外国人の需要を見込んだホテル開発が、相次いでいます。数年前までは、2000万人が目標でした。それが2018年には3000万人を超えてしまったのです。ホテルの客室数が不足する状況が、あっという間にきてしまいました。ホテルの客室数の急増に伴い、ホテル従業員の確保が追いつかなくなっているのです。特に客室清掃要員が、極度に不足してます。この仕事は、午前9時ごろから始まる午後3時までに終えるという時間的制約があります。この時間帯に多数のスタッフを確保する必要があり、同業者間の競合が激しくなるのです。ホテルのべッドメイキングなどを専門業者に外注する費用は、ここ数年で2割から5割に高騰しています。客室の清掃を担うホテルスタッフの給与が上昇を続けているわけです。
 そこで、人手不足によって困っている業界に光を当てる仕組みを考えてみました。アルバイトをしている方は、いつでも今の職場を辞めても良い条件ができています。条件の良い職場にいつでも移れる環境にあるのです。他業種との間にも、アルバイト人材の奪い合い競争が起きている厳しい現実があります。アルバイトの人材に対しては、近くにある競合する類似施設が争奪戦を繰り広げているわけです。今の状況を考慮すれば、経営者はアルバイト要員はあっさり辞めるというと覚悟を持つことです。コンビニでもホテルでも、長く働いてもらえるよう工夫を重ねているところでしょう。
 小売りや外食産業では、深夜や24時間の営業を見直しの波が広がっています。見直しをするかどうかの分岐点は、深夜営業することで得らる収入とコストのバランスになります。深夜営業を止めれば、売上げは落ちます。でも、お客の少ない時間に売り上げた金額が、人件費や光熱費より少なければ、見直しの対象になります。お客がピークになる昼や夕方にシフトして、成功したお店もありました。深夜営業を止めてピークの時間帯に集中することで、逆に売上高を増やした店もあるのです。深夜にアルバイトが不要になる分、ピークの昼と夜に従業員を増員したのです。ピーク時に増員した結果、席の案内や料理提供を迅速化しました。迅速化したことで待ち時間が減る分、食事にかける時間は増え、高額メニューや追加が増えたという嬉しい結果も出ているようです。
 時給を上げても、人が集まらない現場の悩みは深いものがあります。アルバイトをする人も、どのお店を選べば良いか迷っています。アルバイトの立場で考えると、3年間で従業員を増加させた企業は、社会や社員ののニーズを捉えて成長する会社といえます。従業員が増加する企業は、働きやすさに配慮して人材を確保する会社とみられます。遅刻や欠勤だけで評価するオーナーは、アルバイトの従業員を引き留めることは難しいかもしれません。仕事がわかってくればなお面白くなるものです。仕事の流れを支援するオーナーや先輩がいれば、長く勤めることに違和感を持たないでしょう。アルバイト要員の要望に応じた作業を、整えることもこれからは必要になります。
 こんな要望に、どう対処するでしょうか。次のお話は、ホテルの客室清掃とコンビニの2つの仕事をしたいというアルバイトの従業員に対するものです。ホテルの清掃は、午前9時から午後3時までという時間の制約があります。この時間帯を外せば、コンビニとの副業はなり立つかもしれません。一方、コンビニは午前11時から午後1時まではピークになります。ホテルとコンビニが、提携して清掃時間を9時から11時までと、1時から3時までホテルの客室作業に従事することにしてはどうでしょうか。代わりに1人当たりの客室数を少なくして、人数を増やすことにします。その補充要員は、コンビニから調達します。コンビニでは、7時から9時まで、そしてピークのお昼時間、最後に3時から5時まで働くなど柔軟な勤務時間取り入れるわけです。もう少し考え方を飛躍させると、この7時から9時、9時から11時、ピークのお昼、そして1時から3時、最後に3時から5時を1人で働くのではなく、5人で働く仕組みも考えられます。暇になった高齢者の小遣い稼ぎによいかもしれません。最も、マッチングサイトがこのような利便性を確保する知恵を出して、始めて成り立つことかもしれません。




ブランド米・美味しい米・儲かる米  アイデア三題噺254

2019-07-26 22:43:06 | 日記

 美味しいブランド米が、溢れるようになりました。魚沼産米など最高レベルに認定された「特A」が過去最多の55品目になったのです。ななつぼし(北海道)、青天の霹靂(青森県)銀河のしずく(岩手県)など55品目のお米が、特Aの評価を得ました。2018年産の出品数は154で、うち55品が特Aとなったわけです。特Aは出品全体の3分の1を占め、各県のブランド米競争が苛烈になっています。あたかも、各都道府県の名誉がかかった競争のような様相を示しています。
 そこで、ブランド米の今後の販売戦略を考えてみました。魚沼産コシカリは1989年から28年連続で取得し、前回初めて特Aを陥落したのです。魚沼産コシカリの生産者のショックは大きく、新潟県内のJAや自治体は対策検討会議を立上りました。魚沼地区は品質を保てる期間内での刈り取りも徹底したのです。食味に関わる土づくりには、投資を惜しまない方針をつらぬいたそうです。その結果、今回の特A 復活の結果につながったわけです。新潟では、魚沼産コシカリの特A復帰に歓喜の声が広がったとのことです。復活のストリーは、小売店や消費者にアピールする材料となるかもしれません。
 各県の米農家が真摯に作る美味しい米とは、どのようなものなのでしょうか。最近出回っている美味しいと評価されお米は、アミロース含量の低いものが多いのです。アミロースは、デンプンの分子です。このアミロース含量の低いお米は、冷めてもかたくなりにくくおにぎりでも美味しく食べられるという特徴があります。これが多いお米は、冷めるとかたくなり、パサパサしていまいます。日本人には、好まれないお米ということになります。高温で日射量が多い条件で稲が育つと、アミロースの含有量が低く粘りのある米ができるのです。日本のモンスーン気候には、適したお米ということができます。
 もう一つ、美味しさを作るものがあります。タンパク質の量が少ないほど米はやわらかくなり、多くなるほど食味が低下するのです。米粒の表面にプロラミンというタンパク質が多く集まると、白さやつやも落ちます。さらに、多くなると米の表面の粘りが弱くなるのです。米粒の成分は、均等に分布しているのではありません。米粒の中心部にデンプンが集まり、外側に脂質やタンパク質などが集まっています。稲穂が垂れ下がるころに肥料をやりすぎると、米の表面にタンパク質がたまります。おいしい米を作るためには、田植えの時期や肥料の与え方など栽培の仕方が工夫されています。特Aのブランド米は、最新の栽培方法で作られているわけです。
 一方、今の米作りに対して、冷めた見方の人達もいます。1人あたりのコメ消費量は、年間54kgとピーク時から半減しています。ブランド米を食べる人の数は、それほど増えていないのです。特Aの米市場は、限られた市場の中での競争に終始しているとの見方です。確かに、コンビニやスーパーの弁当や中食などが、高齢者や独身者に多く食べられる時代になっています。この中食や外食が求める手ごろな価格帯の米は、常に不足しているのです。お土産の価格帯は、980円の近辺が多くなっています。高級なものよりも、手頃感のあるものが売れ筋になっているのです。米作り農家は、美味しいお米を消費者に届けたいと真摯に米を作っています。でも、需要と供給のミスマッチが解消しないまま米作りをしていては、農家は自滅してしまいます。コンビニは、地域に合わせておでんのだしや具を変えています。消費者が今どのような品質の米を望んでいるのか、どの程度の価格が適切なのか、どの程度の利益を上げれば良いのかなどを配慮が求められます。農家の経営が、持続可能なものになってほしいものです。



冷凍食品市場のビジネスチャンスが眠る東南アジア  アイデア広場 その485

2019-07-25 17:28:51 | 日記

 インドネシアのジャカルタなどの都市部では、大型モールなどが順調に売上げを伸ばしています。この傾向はインドネシアだけでなく、東南アジアの経済成長の高い国々の都市部でも見られます。中間層の増大とともに、高い品質を要求する人達が増えていいるのです。さらに中間層には、健康志向が広がっています。健康志向の広がりとともに、家庭電化の普及率も急速に進んでいます。東南アジアの国々に、冷蔵庫などの電化製品が侵透し始めました。世帯単位の冷蔵庫や電子レンジ・オープンの普及が進めば、食生活にも変化が出てきます。食習慣が変われば、そこに大きなビジネスチャンスが生まれます。
 そこで、東南アジアの食生活が変化する過程で、どのようなビジネスチャンスがあるのかを考えてみました。冷蔵庫のない時代、人々は乾燥させたり、塩漬けにしたりして食品を保存してきました。塩や砂糖を入れると、食材の中に塩や砂糖と結びつく結合水が増えます。結果として、食材の中にある自由水の割合が減ることになります。結合水も自由水も、同じ水です。細菌やカビは、結合水を利用することができないのです。塩や砂糖を濃くすると、細菌やカビは増殖できなくなり、長期保存ができるようになったわけです。さらに、楽しいことが起きました。保存した食品を取り出して食べてみると、美味しくなっていたのです。伝統的な熟成食品には、先人の知恵が詰まっているわけです。
 塩や砂糖の他に、安全に食べる調理法があります。人類は火を手に入れることによって、食品を加熱できるようになりました。加熱が食中毒を防ぎ、食べ物を安全に食べられるようになったわけです。火による調理は安全だけではなく、より美味しい肉を提供するようになります。熱によって食品の中では化学反応が起こり、香りやうま味か増し風味が向上したのです。強火の遠火とは、表面の焦げ目の付き方と身の火の通り方がちょうどよい火加減のことです。食通には、よく知られています。炭火では、たくさんの赤外線が出て、その放射熱で魚の表面がこんがりと焼けます。おいしく焼く火加減は「強火の遠火」といわれ、炭火の加熱が理想とされているところです。
 保存食と火による調理に、新しく美味しさを閉じ込めた冷凍食品が出現しました。
冷凍食品は、いわば美味しさを閉じ込めた食品といえます。冷凍食品には、素材をそのまま冷凍したものと調理食品があります。調理食品は、蒸す、焼く、揚げるなど最終の調理操作の手前まで施された半調理済みになっています。レンジやオープンレンジを使えば、すぐに美味しく食べられるように開発が進んでいる食品でもあります。電化製品の普及で、冷凍食品を生活に取り入れられる環境が整いつつあるのです。
 熱帯地方では、食中毒による消化器系の疾病による死亡率が多く発生していました。このために、生ものを食べないという東南アジアやインドにおいての食習慣を形成していたわけです。ところが、東南アジアや南アジアの経済成長は、この食習慣を変えようとしています。道路などのインフラが整備され、物流が円滑に行われるようになっています。物流拠点には、大型の冷凍・冷蔵倉庫のインフラも整備されつつあります。食中毒の多かった熱帯地方において、道路のインフラや冷凍冷蔵倉庫のインフラが整備されているということです。冷凍食品の供給を安定化するインフラが整ったことを意味します。冷凍すれば、食品の賞味期限がのびます。安い時期に食材や食品を購入し、保存しておくことが可能になります。日本では、クリスマスケーキのような短期間に消費が急増する食品を、前もって作って保存する技術も開発されています。東南アジアの各国における食文化を調査し、冷凍食品の販売活路を探したいものです。
 余談ですが、インドネシアはムスリムが大部分を占めています。断食を行うのはムスリムの義務であり、ラマダンの時期にムスリムは日中の食事が禁止されます。1ヶ月に及ぶ断食が続くのです。私たちは、断食というと禁欲が続くと考えてしまいます。でも、日没後にイフタールといわれる食事の解禁があり食事を摂ることができます。ラマダンの夜(イフタール)には普段よりも美味しい食事を一気に食べる風潮があるのです。ラマダンは、ムスリムにとって耐えることや集団の士気を高めるという意味では意義のある習慣になります。ラマダン明けは、イードと言って盛大にお祝いをします。ラマダンの時期は、美味しいものを早く食べたい時間になります。ここに、冷凍食品を食べてもらうチャンスがあるかもしれません。電子レンジやオープンですぐに、料理が食べられる環境は整いました。後は、美味しさだけでしょう。




災害時に避難率を上げる工夫  スモールアイデア NO 309

2019-07-24 21:47:36 | 日記

 2019年6月下旬から7月上旬にかけて、南九州の総降水量は、1000ミリを超える大雨でした。この1000ミリの雨量は、年間の約半分を超えるものだったのです。鹿児島市は、大きな災害になると判断しました。過去の大規模な豪雨災害において被害を拡大させた要因の1つに、「避難率の低さ」いわゆる「逃げ遅れ」があります。鹿児島市は7月3日に避難指示を発令し、その対象は市全域としたのです。鹿児島市だけでなく、鹿児島県、熊本県、宮崎県が発令した避難指示・勧告は、計190万人におよびました。でも、今回の豪雨における避難指示対象者の避難率をみると、鹿児島市では1%にも達しなかったのです。
 災害が発生すれば、被災地の地方自治体に「災害対策本部」が設置されます。この災害対策本部の活動は、初期において人命救助や消火活動が優先します。次に、二次災害の発生防止に配慮しつつ、被災者支援活動に入ることになります。食糧や水が提供される支援活動になります。このとき、意外と知られていないことですが、仮設トイレなどの設置も行われます。このトイレの存在が、避難施設においては重要なインフラになります。災害が広範囲にわたると、仮設トイレが設置されていても、汲み取り業者が被災し、避難所を回り切れていない状況になることがあります。また、汲み取り式の仮設トイレは汚い、臭い、怖い、あるいは和式で使いづらいという声もあります。避難所になっている体育館内のトイレが断水のため一部しか使えず、多くの人は外の仮設トイレを使うときに起きる声です。
 快適な水洗トイレにや洋式トイレに慣れた人達は、仮設トイレに行くことを避けようとする心理が働くようです。避難生活をする人達は、水や食事の量や回数を減らし、トイレを我慢しようとするようです。水を控え、トイレを我慢していると、血液濃度が上がり、引き起こされるのが深部静脈血栓症を引き起こしやすくなります。いわゆるエコノミークラス症候群になる割合が、高くなるのです。災害時のトイレや排泄問題は、エコノミークラス症候群だけでなくストレスを生む大きな要因ともなるのです。阪神・淡路大震災では兵庫県内の死者6402人のうち、関連死が919人(14%)になりました。その多くが、エコノミークラス症候群やストレスがもたらした疾患といわれています。東日本大震災では、さらに多くの関連死が起きています。災害による死から生きのびた命が、その後の避難生活で断たれてしまう現実もあるのです。
 災害が発生してトイレ事情が悪化すると、避難者は基本的欲求である排泄行為の制約を受けることになります。被災者は復旧するまでの間、平常時のトイレに代わる方法を自分で確保しなければなりません。庭や畑、空き地があれば、とりあえず土に穴を掘って埋めることになります。空き地が確保できなければ、ビニール袋や新聞紙などを使って排泄することになります。体育館などのトイレが使えない場合、ビニール袋からし尿や匂いが漏れないように密封する配慮も必要になります。密封したものは衛生問題に配慮して、一時的に保管します。72時間程度過ぎれば復旧が2時段階になり、屎尿処理がスムーズにいくようになるでしょう。
 災害時に、トイレが使えない状態になると困ることが起きます。災害時の心配の典型が、感染症の流行です。感染症にはインフルエンザやコレラなどがあります。さすがに日本では、コレラや赤痢は過去の感染症になっています。現在最も心配されている感染症が、ノロウイルスです。この感染症は、症状が重篤にほならないのですが、伝染性が非常に強いのです。抵抗力の弱くなっている高齢者の方などには、災害時に感染が広がる厄介なウイルスになります。ノロウイルスは、被災地での流行が最も恐れられている病気になりつつあります。
 災害を恐れたり、トイレ事情を心配しても、解決になりません。さすがに災害を何度も経験していると、人間も賢くなります。歓迎すべきことは、「携帯卜イレ」が、新たに開発されていることです。最近の携帯トイレは、消臭剤や凝固剤を容器袋に入れて、後始末のことまで考慮しています。携帯トイレは、災害時における個人の備蓄品としても次第に浸透しているようです。災害時は、電気や水道が長期間にわたって使えない場合があります。そのような場合、平常時は水洗トイレとして使い、非常時は上下水道と電気に依存しない汲み取りトイレとして使用可能なものを避難所には用意することも考えられます。学校の体育館のトイレをこのような併用して使えるようにしておけば、災害時に安心して使えることになります。汲み取りや和式の難点を克服し、平常時と非常時ともに使える水洗トイレが望ましいわけです。和式便座の仮設トイレを使えない障害者の方は、他の避難者の方以上に気を使い我慢を強いられます。避難所においても、快適にトイレを使えるようになれば、鹿児島の1%の避難率がもう少し向上するかもしれません。

メタボ・食品成分表・価値のある食材 アイデア三題噺253

2019-07-23 16:45:25 | 日記

 人間の体は、食べることに心地よさや喜びを感じるように作られています。「もっと食べたいな」という感情を持つことで、私たちは生命を維持できます。「もっと食べたい」とか「美味しい」という快感が、さらに食べたいという食欲を高めていくことになります。私たちは、食べ続けなければ生きていけません。食べることが苦痛だったら、あっという間に、人類は滅びてしまいます。人間が良く食べて、良く生きていくための制度も整備されています。1950年の初版の食品成分表に、掲載されている食品数は538でした。2015年の最新版食品成分表では、2191種類にもなりました。食品数の数は分析技術の進歩や食生活の変化に伴いその種類は増え続けています。食品成分表の変遷は、人間が食べる嗜好を増やしてきたことの証ともいえるものです。
 そこで、よく食べるここと、良く生きることについて考えてみました。人や動物は本来、食べすぎて脂肪が増えると、レプチンの分泌量が増加します。このレプチンの分泌量が増加すると、視床下部にある摂食中枢に作用することで食欲を抑える働きをするのです。レプチンは、ギリシャ語で「痩せる」を意味する言葉だったそうです。このレプチンに関する研究が進んできました。実験室で肥満のマウスをつくり出します。このマウスは、肥満にもかかわらず正常なレプチンを作れなくなるのです。結果として食欲を抑えることができず、肥満が肥満を呼ぶことになります。実は、このことは人間の肥満の方にも言えるのです。そして、国民病とも言える糖尿病においても、このレプチンが効きにくくなる現象がでてきます。糖尿病になると、レプチンが多く分泌されてもレプチンが効きにくくなるのです。おいしさの情報は脳内報酬系に送られ、もっと食べたいという欲求を生じさせます。普通は、レプチンの存在が、この欲求をコントロールしているわけです。それが効かなくなります。肥満の方や糖尿病の方は、益々肥満になり、病状も悪化する悪循環におちいることになるわけです。
 人間はいつまでも欲求に屈するだけでなく、立ち向かう努力や工夫をします。「ミラクルフルーツ」は、西アフリカ原産のアカテツ科の果物です。このフルーツの果実自体は、ほとんど昧を感じません。でも、ミラクルフルーツを食べた後、酸っぱいものを食べると、不思議なことに甘く感じるのです。複数の甘味料を組み合わせると甘味が強くなったり、弱くなったりすることもあります。砂糖に塩を加えると、甘さが増すことはよく知られていることです。甘みと塩の味覚が相乗効果を発揮して、甘みを増すということです。甘さは同じでも、砂糖や甘味料の量を減らすことができます。これは、糖尿病の原因といわれる糖の摂取を防ぐヒントを暗示しています。成長が著しいアジアの国々では、肥満が増加しています。結果として、医療費が増加しているのです。そのため、世界有数のサトウキビ産地のタイは、砂糖に高い税をかけようとしています。国全体として、砂糖の消費量を減らそうとしているわけです。甘味、酸味、塩味、苦味、うま味を受容器は、人の舌にあります。甘みと塩味は甘みを増しました。ミラクルフルーツは、酸味を加えると甘みが出ました。このように複数の食物や味覚を組み合わせると、別の味覚を感じる現象が数多くあるわけです。これを利用しない手はないでしょう。そして、商機に結びつけようとすることは、自然な流れです。
 高齢者向けの食品が、次々に販売されています。介護食などの市場が、拡大しているのです。高齢化を背景に健康志向は高まり、減塩食品や低糖質食品などが次々に発売されています。高齢者向けの製品は健康によいとか栄養があるだけではなく、おいしいことも重要なポイントになります。最近の知見は、味覚細胞の寿命が短く、常に一定の周期で新しい細胞に置き換わっていることを教えてくれます。高齢でも、健康な生活を送っている人の味覚機能は、若い人に比べてほとんど低下しないのです。美味しい食材は、いつでも付加価値の高いものになります。
 糖尿病で人工透析を余儀なく行っている患者は、10万人を超えます。この患者の方は、食事制限に苦しんでいます。例えば、レタスはカリウムを多く含むので食べられません。一方、全ての植物は、カリウムが必須の栄養素です。カリウムなしでは、レタスはそだちません。透析患者や腎臓病患者は、野菜を生で食べられない生活が続きました。でも、食に対する欲望は強いものがあります。栽培に必要な溶液のカリウム量を少しずつナトリウムに置き換えて、レタスを栽培する方法を開発しました。低カリウムレタスは一般的なレタスに比べて、カリウムの量を80%以上カットするまでになったのです。患者の方からは、低カリウムレタスは苦味も少なく、食べやすいと喜ばれています。そして、高い価格で取引されています。患者も生産者も、ウインウインの関係をつくり出したのです。レタスに続いて、米アレルギーの人向けの低アレルゲン米、腎臓疾患者向けに低タンパク米などが開発されています。美味しい食材は、全ての人が喜ぶものです。誰でも美味しいもの食べて、健康にすごしたいものです。

子どもの教育格差をなくす工夫   アイデア広場 その484

2019-07-22 21:49:04 | 日記
 子ども達は、多くの経験を積みながら成長していきます。多くの経験が、将来の子ども達を有用な社会人にみちびき、強いては日本の社会を豊かにすることに繋がります。ところが、必要な経験を十分に享受していないという事実が明らかになってきました。貧富の差が、経験の多寡の差を生み出しているのです。例えば、母子家庭の場合、平均年収が両親のいる家庭に比べ50%も少ないのです。非正社員における母子世帯の就労収入は、200万円未満が全体の86%とという実態です。ちなみにこの収入は、生活保護を受けている家庭よりもよりも少ないのです。余談ですが、生活保護を利用する世界の国々を見てみました。生活保護を利用する権利のある人たちのうち、スウェーデンでは8割が利用します。フランスさらにその上をいき、9割が当然の権利として利用しています。でも、日本では2割にもみたない状態なのです。
 そこで、子どもが健全に成長発達するために、どのような工夫をすれば良いのかを考えてみました。子ども達が、学校に行き放課後遊んだりすることは自然な行為です。この自然な行為の中で、いろいろな大人や子ども達との間に起きる人間的葛藤や楽しみを経験します。多くの人との中で経験する自然な行為は、家族だけで行おうとすると無理が生じます。子どもの学習や遊びを保障する仕組みは、貧困にある家庭だけでは難しいという現実があります。例えば、母子家庭では母親との特定の関係が濃厚になります。母親から離れた人間関係が、子どもの成長には必要になります。子どもの経験を保障する観点からも、特定人物への依存は様々な問題をはらむのです。子どもの学習や遊びを充足させることは、必要なことです。これを個々の家庭に任すだけでは不十分です。社会の中に子どもの学習やを保障する仕組みがないと、子どもは経験不足に陥ります。これらの経験の充足をどのように実現すべきか、地域の課題になっているのです。
 子ども達の経験で重要とされるものに、部活動があります。日本においては、学校での部括動が重要な位置を占めています。この部活動は、学校だけでなく企業でも採用の時にも考慮される傾向があります。部活動を行った部員は行動力やコミュニケーション能力があるとされてきました。いわゆる体育系という評価があったわけです。もっとも、今は体育会系の能力プラスITと柔軟なの発想能力を求められる時代になりつつあるようです。部活動が、放課後の楽しみであったという生徒は多いのです、楽しい体験の中で、子ども達の経験は蓄積されていきました。でも、貧困にある生活は、部活動を通した経験の蓄積に負の要因を与えます。
 貧困家庭の子ども達は、有料の学童保育や学習塾を利用することが難しいようです。学童保育を利用できない子ども達は、放課後に帰宅してから家やその周りで過ごすことになります。「毎日、外で遊んでいた」とか「土曜日や日曜日は日は友達のところでゲームやってるか、犬の散歩がてらウロウロしていた」という子どももいました。また、「家に閉じこもり、テレビを見ることが多かった」とも言っています。貧困家庭においては、学童保育を利用したくても、利用料金の工面ができず、家族による送迎ができないという現実もあります。この教育格差ともいえる現実を克服するためには、自助努力と公的扶助があります。
 困難な現実を克服する過程で、いろいろな経験をする知恵を出を出すことは可能です。1945年8月に日本の戦争が終わりました。このとき日本の成年男子は300万人ほど亡くなっていました。また、シベリア抑留された成年男子は60万人を数えました。男子の労働力が、極端に不足していたのです。その時に働いた人びとは、女性と子ども達でした。当時の子ども達は、新聞配達や納豆の行商など行っています。小学生が、弟や妹の面倒を見ることも日常茶飯事のことでした。ある意味で、1945年は今と同じように人手不足だったのです。
 たとえば、ポスティングというバイトがあります。指定された地域の住宅に、企業やお店のチラシを投函する仕事です。仕事内容は、チラシをポストに投函するだけの単純なものです。報酬は、1枚あたり2~5円が相場になっています。ポスティングの仕事は、常に求人があり、ネットで検索するとすぐに見つかります。家でテレビを見ているだけならば、こんなバイトを行うことも可能です。児童虐待防止とか児童労働など難しい障壁はあるようですが、働ける人材を利用することは合理的な考え方です。子ども食堂を開設するNPOも、増えています。このような組織が中心になり、法に抵触しない仕事を通して新しい経験を子ども達に蓄積する仕組みを作っていくわけです。
 ポスティングだけでは、不十分だという意見も出てくるでしょう。動物好きの子どもには、ぺットシッターというバイトもあります。この仕事は、主に犬や猫のお世話を飼い主の代わりに行う仕事です。子ども達には、散歩に限定して行うようにします。犬の買い主でありながら、高齢になると散歩が困難になる方もいます。そんな方達を支援する形で、犬の散歩を引き受けるわけです。1回の散歩は、30分~1時間程度にします。一般的には、時給800~1500円程度の値段が相場になっているようです。NPOとマッチングサイトが提携して、子ども達に適したポスティングや犬の散歩の情報を提供する仕組みを作るわけです。犬の散歩をしながらポスティングをすれば、収入はより増えることになります。
 学習する時間が保障されなければ、教育格差はなくならないという意見もあります。確かにそうなのです。でも、机に向かうだけが効率的な勉強ではないことも、最近分かってきました。知識の効率的吸収は、音声べースや会話べースの教材も有効であることが証明されつつあります。つまり、スマホから音声録音を聞くことで、一定の知識が定着することが分かってきたわけです。この仕組みを向上させていけば、通勤通学においても利用できることになります。さらに、犬の散歩やポスティングをしながら、学力の向上を計れることになります。音声べースや会話べースの教材が開発されれば、教育格差の解消に繋がるかもしれません。余談ですが、この音声ベースの教材は、知識の吸収に効率的なうえに、柔軟な発想やモチべーションの向上にも有効だという報告もあります。子ども食堂、マッチングサイト、貧困家庭、新しい音声ベースの教材などの開発を通して、教育格差を解消して行きたいものです。

モチベーションの高い職場の作り方   アイデア広場 その483

2019-07-20 18:44:37 | 日記

 世界の企業は、組織力を高め、アイデアや創造性をいかにつくり出して行くかに苦心しています。アイデアや創造性に溢れた製品やサービスをつくり出すことが、求められているわけです。社員が何か良いアイデアがひらめいたら、すぐに発言し実行に移すことは良い結果をもたらします。問題は、発言が許容され、実行に移すことを奨励する会社であるかどうかという点です。社員のモチベーションは、個人の資質によるもと考えられがちです。でも、職場の雰囲気が、大切であることが判明してきています。たとえば、営業成績は、個人の営業スキルと関係していると思われていました。でも、職場の仲間が喜んでくれることが励みになって次の営業活動に拍車がかかるのです。休息時間の取り方や同世代の組み合せにより、営業成績が上がることも分かってきました。良好な職場の人間関係が、営業成績を継続的に上げていくことが分かってきたわけです。
 そこで、営業成績や生産性を上げ、そしてアイデアの生産性が高い職場について考えてみました。ひらめいたことを実行し失敗に終わっても、引き続きチームの一員として尊重される職場は心地良いものです。新しい試みに挑戦し問題が起きても、非難ではなく、どうすれば問題を解決できるかということに重点をおく職場はやりがいを起こさせます。失敗に終わっても、引き続きチームの一員として尊重されると職場は、心理的に安心感を得ることができます。幼児が母親から距離をとって冒険をし失敗すれば、すぐに戻り慰められたり励まされる光景に似ています。母親をベースにして、外界に挑戦し、大きく育っていく幼児の発達過程がひとつのモデルになります。もちろん、成功すれば本人も母親も喜んでくれます。それが、次の飛躍に繋がるわけです。営業成績やアイデアの生産性と職場の関係も、これと同じような関係があるようです。
 自分は幸福だと感じている人は、仕事の生産性が31%高く、創造性は3倍にもなるそうです。タイムリーなことに、幸福だと診断できる測定器ができたようです。人体の無意識の微小な「ゆらぎ」は、その人の幸福感と密接な関係があることが知られていました。ゆらぎを測定する測定器を日立製作所が開発したのです。この幸福感計測技術は、スマホと連動させて、どんな場面で幸福感が高まるかを計測できるというものです。幸福感の高い職場は、生産性や創造性が高くなります。生産性を上げるためにこれまで取られていた方法が、表彰制度です。多くの会社は、目標を達成した社員やチームを表彰する制度があります。この制度は、社員の承認の欲求を満足させるものです。面白いことに、表彰する時期が遅れると、かえってやる気を下げるのです。表彰の時期も、最適化が求められる時代になりました。幸福感計測技術を使えば、実証的な数字が出てきます。これまでの経験則ではなく、実証的結果から最適な表彰の時期を求めることができるかもしれません。
 余談ですが、従業員が仕事に生き生きと向き合う度合いを示す「エンゲージメント」という指標があります。この指標は、指示されたことを忠実に行う真面目さではなく、改善や新機軸に意欲的に取り組む姿勢を指すものです。エンゲージメントの低い組織は、欠勤率や労災の率生率、法令違反が増え、備品の抜き取りといった負の事象が増えるといいます。残念なことに、日本はエンゲージメントの調査ではいつも下位の成績になるのです。でも、日本の職場では、欠勤率や労災の発生率、法令違反は少ない国にはいります。おそらく改善や新機軸において、低い評価を得ているようです。
 経済成長が、必ずしも幸福感や生活の満足度を高めるわけではありません。所得が増えても、幸福感が増加しないことは、先進国の調査で明らかになってきました。明らかになっていたことは、幸福感を構成する因子として、年収や学歴より「自己決定」が大きな役割を果たすことでした。課題を自分で選んで取り組むことは、幸福感や意欲が高めます。何か良いアイデアがひらめいたら、すぐに発言し実行に移すことを許容する職場であることが望ましいわけです。その取り組みが失敗に終わっても、否定や非難をせず問題解決を優先する職場であって欲しいのです。こんな職場で、働けたら幸福かもしれません。