ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

トット記者の原稿の書き方

2016-12-31 07:57:33 | 日記
トット記者の原稿の書き方

参考文献の気に入った部分を40文字以内の1行で文章にまとめます。
気に入った文章は、一つの本から10~100行程度作ります
40文字以内の1行の文章を1万行ぐらいで一まとめにします。
1万行の中からガラガラポンと出します。
ガラガラポン数は100~200行です。
この100~200行を並べ替えながら、内容の通る文章にします。
このようにしてできたものが、ファンタジアランドのお話になります。


備考
 トット記者が読んだ参考文献を提示しておきます。なお、提示した参考文献が使われていない場合、これから使われるということをご了承下さい。さらに、もう少し参考文献があります。それについては、後日提示しますので、合わせてご了承下さい。

参考文献

日本経済新聞 
ソフト・エッジ 中島 震 他  丸善ライブラリー 2013.3.30
消滅自治体は都会の子が救う 三浦清一郎 コミュニティ・ブックス 2015.10.10
農業技術 土壌施肥 桐生聡子 他  農文協  2016.3.20
アクティブ・ラーニング英語授業 山本崇雄  学陽書房 2016.1.14
保育とは何か  近藤幹生  岩波新書  2014.10.21
日蓮と一遍  佐々木 馨  山川出版 2010.2.15
運ぶヒトの人類学 川田順造 岩波新書 2014.9.19
地域に希望あり 大江正章  岩波新書  2015.5.20
健康ためなら死んでもいいのか? 毛利子来 他 金曜日 2011.3.20
食を巡るほんとうの話  阿部尚樹 他  講談社現代新書 2015.11.20
鈴木さんにも分かるネットの未来 川上量生 岩波新書 2015.6.19
資源論 メタル・石油埋蔵量の成長と枯渇 西山 孝 丸善出版 2016.4.15
10年後も見た目が変わらない食べ方のルール 笠井奈津子 php新書 2014.7.29
コミュニティ発電所 古屋将太 ポプラ社 2013.9.18
スポーツ都市戦略 原田宗彦 学芸出版 2016.3.17
オスマン帝国の近代と海軍 小松香織 山川出版 2004.2.15
世界に負けない日本 薮中三十二 PHP新書 2016.5.27
太陽光のシステムがわかる本 小西正暉 他 オーム社 2011.4.15
電気のしくみ 嶋田隆一 他  丸善出版  20131.30
分かりやすい説明の技術 藤沢晃治 ブルーバックス 2002.10.20
わかりやすく伝える技術 池上 彰  講談社現代新書 2007.7.20
痛みが治せる漢方 井齋偉矢 集英社新書 2016.5.22
イランの野望  鵜塚 健 集英社新書 2016.5.22
ハウスの環境制御  斉藤 章  農文協 2015.11.20
乱獲 レイ・ヒルボーン 他 岡村 寛 訳 東海大学出版部 2015.12.5
奇妙な菌類  白水 貴  NHK出版新書 2016.4.10
65歳で人生を変える 本岡 類  サンデー毎日取材班 2016.2.5
習近平対安倍官邸 読売新聞政治部 読売新聞 2015.12.20
世界中が日本に憧れているその理由 マックス桐島 日文新書 2011.4.20
上手に自分を守る技術  片田珠美  三笠書房  2016.4.5
生き方のスタイルを磨く 斉藤 孝 NHKブックス 2004.6.20
僕らの時代のライフデザイン 米田智彦 ダイヤモンド社 2013.3.14
新しい幸福論  橘木俊詔  岩波新書  2016.5.20
室町幕府と地方の社会 榎原雅治  岩波新書 2016.5.20
多様性を生かす教育を考える七つのヒント 伊井義人 共同文化社 2015.9.30
問題解決がよくわかる本 駒井伸俊 秀和システム 2016.2.23
農福連携の里マチづくり 濱田健司 鹿島出版会 2015.12.20
メディアスポーツ解体 森田浩之 NHKブックス 2009.12.25
移民大国アメリカ 西山隆行 ちくま新書 2016.6.10
光合成細菌  佐々木 健  他 農文協  2015.12.20
世界史の大転換  佐藤 優 宮家邦彦 PHP新書  2016.6.29
縮小都市の挑戦 矢作 弘  岩波新書 2014.11.20
植物はすごい 田中 修  中公新書  2015.7.25
パナマ文書 渡邉哲也 徳間書店 2016.5.31
アメリカの大問題 高岡 望  PHP新書 2016.6.29
ビックデータと人工知能 西垣 通  中公新書  2016.7.25
人工知能と経済の未来 井上智洋 文春新書 2016.7.20
糖尿病は自分で治す! 福田正博 集英社新書 2016.6.22
チャイナ・セブン 遠藤 誉  朝日新聞出版  2014.11.30
今の日本が知っておくべきアジア情勢 ワールドエコノミー研究会 PHP 2015.5.27
真面目な人は長生きする 岡田尊司 幻冬舎新書 2014.9.30
もったいない主義 小山薫堂 幻冬舎新書 2009.3.30
お金に強くなる生き方  佐藤 優  青春出版社  2015.10.15
絵で学ぶコーチング  伊藤 守  日本経団連出版 2003.5.1
人類を超えるAIは日本から生まれる 松田卓也 廣済堂新書 2016.1.1
知的障害者の就労支援  森 紗也佳  ナカニシヤ出版 2016.1.20
タックス・イーター  志賀 櫻  岩波新書  2014.12.19
マイナンバーへの疑問に答えます 水町雅子 中央経済社 2015.9.20
あわび文化と日本人 大場俊雄 成山堂書店  2000.4.15
時間の使い方を科学する 一川 誠 PHP新書  2016.7.29
魚で始まる世界史 越智敏之 平凡社新書 2014.6.13
仕事の技法 田坂広志 講談社現代新書 2016.1.20
アイヌと縄文 瀬川拓郎 ちくま新書 2016.2.10
矢毒の文化 石川元助  紀伊國屋新書 1994.1.25
仁淀川漁師秘伝 宮崎弥太郎 かくまつとむ 小学館 2001.1.1
ベーシックインカム 原田 泰  中公新書 2015.2.25
地方消滅 創生戦略篇 冨山 和彦 他 中公新書 2015.8.25
楽しき土壁  佐藤嘉一郎  学芸出版社 2012.3.15
大人の運動音痴がみるみるよくなる本 深代千之 すばる舎 2012.4.23
マラソンを走る・見る・学ぶ 山地啓司 2007.12.10
世界のゲーム革命 NHK取材班  NHK出版  2011.5.30
情報参謀 小口日出彦  講談社現代新書 2016.7.20
人生を輝かせる10のお話 日野原重明 実業之日本社 2007.12.10
子どもを輝かせる10のお話 日野原重明 実業之日本社 2007.12.10
アラビアンナイトの国の美術史 小林一枝 八坂書房  2004.8.25
いますぐ書けの文章法 堀江憲一郎 ちくま新書 2011.9.10
東京オリンピック  小川 勝  集英社新書 2016.8.22 
殺生と往生のあいだ  苅米一志  吉川弘文館 2015.12.1
世界に冠たる中小企業  黒崎 誠  講談社現代新書 2015.2.20
個人主義大国イラン 岩﨑葉子 平凡社 2015.9.15
書いて稼ぐ技術 永江 朗  平凡社 2009.11.13
CIAと戦後日本 有馬哲夫 平凡社 C
ブラックバイトに騙されるな 大内裕和 集英社 2016.7.10 
旅と一緒に生きてきた 橋田壽賀子 祥伝社  2015.5.10
遅れない技術 石谷慎悟 明日香出版社 2012.10.17
お父さんはなぜ運動会で転ぶのか 辻 秀一 PHP新書 2006.10.3
スッキリ! 上大岡トメ  幻冬舎 2005.11.10
ゲノム編集の衝撃 NHKゲノム編集取材班 2016.7.25
ひらかれた建築 松村秀一 ちくま新書 2016.10.10
ブッダと法然 平岡 聡  新潮社 2016.9.20
未来のつくりかた 池田純一  講談社現代新書 2015.5.20
実践快老生活 渡部章一  PHP新書 2016.10.28
野球の真髄  小林信也  集英社新書 2016.10.19
食品廃棄の裏側  石渡正佳 日経BP社 2016.6.7
まちづくりのスマート革命 細野助博 時事通信社 2013.4.2
たばこ屋さん繁盛記 飯田鋭三  三愛書院 2007.4.30
アルツハイマー病は治せる、予防できる 西道隆臣 集英社新書 2016.9.21
海と人と魚  上野敏彦  濃文協 2016.3.11
気象災害への知恵 伊藤佳子 他   求龍堂  2016.7.9
人工知能  著者多数  ダイヤモンド社  2016.9.29
プロ野球の経済学 橘木俊昭 東洋経済新報社 2016.5.26
淡々と生きる 100歳のプロゴルファーの人生哲学 内田 棟 集英社新書 2016.11.22
地域創生のイノベーション 山田幸三 他 中央経済社 2016.10.10
江戸の都市力 鈴木浩三 ちくま新書 2016.11.10
育つ土を作る家庭菜園の科学 木嶋利男 ブルーバックス 2014.12.20
人工光合成とは何か 井上晴夫 ブルーバックス 2016.8.20
チーズの科学 齋藤忠夫 ブルーバック 2016.11.15
ヒットの崩壊  柴 那典  講談社現代新書 2016.11.20
石油・武器・麻薬  宮田 律 講談社現代新書  2015.12.20
遺品整理士という仕事 木村榮治  平凡社新書 2015.3.13
意識と無意識のあいだ マイケル・コーバリス 鍛原多恵子 訳 講談社 2015.12.20
東日本最大級の埴輪工房 生出塚埴輪窯 高田大輔 新泉社 2010.12.1
中国バブル崩壊 日本経済新聞社編 日経プレミアシリーズ 2015.10.8
幼児の教育経済学 ジェームズ・J ・ヘックマン 古草秀子 訳 東洋経済新報社 2015.7.2
健康長寿のための医学 井村裕夫  岩波新書 2016.2.19
森の力  宮脇 昭  講談社現代新書  2013.4.20
乱舞の中世 白拍子・乱拍子・猿楽 沖本幸子 吉川弘文館 2016.3.1
凡人として生きるということ 押井 守  幻冬舎新書  2008.8.10
大人のための嘘のたしなみ 白川 道  幻冬舎新書 2006.11.30
森林飽和  太田猛彦 NHKブックス 2012.7.30
二宮尊徳  松沢成文 PHP新書  2016.3.29
刑罰はどのように決まるのか  森  炎   筑摩書房 2016.1.15
やさしくわかる発達心理学  林 洋一  ナツメ社 2005.9.10
かわいい孫の愛し方 岡崎光弘 熊日出版  2005.4.17
イライラしないママになれる本 野口勢津子 秀和システム 2016.1.1
やっていいこと、悪いことがわかる子の育て方 田嶋英子 青春出版社 2015.11.10
水の未来   沖 大幹  岩波新書  2016.3.18
古代国家形成の舞台 飛鳥宮  鶴見泰寿  新泉社 2015.5.15
読書力をつける 阿部謹也 日本経済新聞社 1997.3.13
読む技術  石黒 圭  光文社新書 2010.3.20  
知っておきたい感染症  岡田晴恵 ちくま新書  2016.2.10
石造物が語る中世職能集団 山川 均  山川出版  2006.8.15
場面切り替えから保育を見直す 浜谷直人 他 新読書社 2015.7.24
ホモ・ルーデンス ヨハン・ホイジンガ 高橋英夫 訳 中央公論社 1963.11.20
観光立国革命 中村好明  カナリアコミュニケーションズ 2015.10.30
ピカソ  大髙保二郎 他  東京美術  2006.2.1
モネ  高橋明也 他  東京美術  2010.1.30
歴史のなかの石造物 山川 均  吉川弘文館  2015.8.10
動物たちのビックリ事件簿  宮崎 学  農山漁村文化協会 2014.1.30
たまごのひみつ  清水 清  あかね書房  2005.4.1
シジュウカラのなかまたち 水谷高英  あすなろ書房  1992.3.30
遺伝子・DNAのすべて  夏  緑  童心社  2010.3.20
老いに負けない生き方 エレン・ランガー 桜田直美 訳 2011.3.9
SEALDsと東アジア若者でもってなんだ 福島香織 イースト新書 2016.2.15   
南相馬に躍動する古代の郡役所泉官衙遺跡 藤木 海  新泉社 2016.2.1
環境ビジネスの動向とカラクリがよーくわかる本 山守麻衣 秀和システム 2016.2.13
J・デューイ  山田英世 清水書院 2016.2.25
古代東北の統治の拠点 多賀城  進藤秋輝  新泉社  2010.2.25
蝦夷の地と古代国家 熊谷公男 山川出版 2004.3.15
東国の大豪族の威勢 大室古墳群  前原 豊  新泉社 2009.12.25 
ソーシャルビジネス入門 駒崎弘樹 PHP新書 2016.1.5
バカの壁  養老孟司  新潮社 2003.4.10
東京湾超発電計画  天外伺朗  ブルーバックス 1988.2.20
アラブからのメッセージ ハムダなおこ 潮出版 2015.10.20
蝦夷と城柵の時代 熊谷公男 他  吉川弘文館  2015.12.1
人材は不良社員からさがせ 天外伺朗  講談社  1988.11.20
ものづくりの反撃  藤本隆宏 ちくま新書  2016.1.10
異常気象と地球温暖化 鬼頭昭雄 岩波新書  2015.3.20
犯罪に強いまちづくりの理論と実践 小宮信夫 イマジン出版 2015.4.27
神と死者の考古学  笹生 衛  吉川弘文館 2016.1.1
日本のテレビドキュメンタリーの歴史社会学 Eunhee Choi 明石書店 2015.10.31
タネをまく縄文人 小畑弘己  吉川弘文館  2016.1.1
発達障害児へのライフスキルトレーニング 平岩幹男 合同出版 2015.7.15
専門家としての教師を育てる 佐藤 学  岩波書店  2015.3.26
大学で大人気の先生が語る失敗、挑戦、成長の自立学 佐藤剛史 岩波ジュニア 2013.6.20
セレンディピティ  宮永博史  祥伝社  2006.9.15
まちの本屋  田口幹人  ポプラ社 2015.11.13
ストーリー思考で奇跡が起きる 小山竜央 大和書房  2015.9.1
世界はこのままイスラーム化するのか 中田 考  他 幻冬舎新書 2015.10.15
ラファエッロ 池上英洋  東京美術  2009.12.20
超隠居術  坂崎重盛  二玄社  1995.7.10
大器晩成!成功のヒント 櫻井光行  実業之日本社 2004.10.16
楽茶碗  楽 吉左衛門  淡交社 2000.2.21
高麗茶碗  小田榮一  淡交社  199912.20
火力発電と化石燃料の未来 橘川武郎 エネルギーフォーラム 2015.12.7
仕事で輝くために大切なこと 髙橋みどり あさ出版 2006.1.26
スポーツと勝利至上主義  関 朋昭  ナカニシヤ出版 2015.4.20
テロ・誘惑・脅迫 海外リスクの実態と対策 加藤 晃  他 同文館出版 2015.7.29
アイデアのおもちゃ箱 マイケル・マハルコ 齋藤 勇 訳 ダイヤモンド社 1997.2.20
もっと本気で遊びなさい 藤井康男 サンマーク文庫 1992.2.5
「あそび」の哲学 別宮貞徳  講談社  1984.7.10
遊びの経済学 栗田房穂  朝日文庫 1990.2.20
自遊人  荒井 魏  社会思想社  1988.4.30
知的遊戯  はらたいら  角川文庫  1985.12.10
遊びの神話  一条真也  PHP文庫  1991.8.15
創造的遊び人間のすすめ 藤井康男 PHP文庫 1988.3.15





ケニアの流通と産業を考える

2016-12-30 17:32:04 | 日記
ケニアの流通と産業を考える

 ケニアは、道路や鉄道どの輸送網が未整備です。これらのインフラが整備されれば、この国の潜在能力は確実に向上します。物流インフラの未整備が、経済成長のボトルネックになっているのです。道路が悪いと、日常生活は豊かになりません。さらに、これらのインフラが未整備だと、教育も医療も円滑に機能しません。今回は、ケニアの経済を豊かにする仕組みについて二宮さんにお話しをトット記者が伺いました。

記者「中国のアフリカに対する投資は、めざましいものがあります。それが、急速にアフリカのインフラ整備を向上させてきたいわれています。実情は、どのようなものなのでしょうか」
二宮「現在、中国の外交は他国の追随を許さない状態です。中国輸出銀行が2001年から2010年までの間にアフリカに供与した融資総額は、672億ドルにのぼり、これは世界銀行の融資より多いのです。中国製の安い文具のおかげで、子ども達の学費が低く抑えられると感謝するアフリカの親もいます」

記者「道路や港湾の整備し、主要都市を結ぶインフラ整備をしているわけですね。その狙いはどんなところにあるのでしょう」
二宮「はい、これらを利用して中国企業はアフリカに、中国製品を円滑に供給しています。ケニアに限らず、アフリカの国々は中国製の日用品で溢れています。融資に見合うように少しずつ回収をしているわけです。アメリカの対アフリカ貿易赤字は、500億ドルの赤字です。中国はアメリカよりは赤字はずっと少ない状況です。でも、中国がアフリカに投入している資金量を考えれば、まだまだアフリカの収支は赤字が続いている状況といえます」

記者「日本の企業が、入り込むスキとか、チャンスはないものでしょうか」
二宮「はい、年間所得が1000ドルを超えると、2輪バイクの購買層が増えるという経験則があります。ケニアは1400ドル程度ですので、これからバイクは普及していくでしょう。日本の誇るバイク業界にとってはチャンスです。ケニアのスーパーには、多くの種類の米が売られています。この米を精米する機械は、中国製です。凄まじい粉塵をあげて、精米をしています。日本の精米機は、粉塵をあげません。いずれ健康や快適な仕事場を求める中間階層が増えてくれば、日本製を選ぶことになるでしょう。今は中国製を使って頂いて、しばらく経ってから日本製に替えて頂くようにしたいですね」

記者「中国が開拓した市場を、日本の製品が抜け駆けしながら獲得するということですか」
二宮「そのような戦術もあるということです。アフリカとの戦略的パートナーシップの表明として北京宣言があります。ここでは、アフリカ人1万5千人の人材育成、農業技術者の派遣が約束されています。中国の生活水準の上昇で、食糧の供給地としてアフリカの土地を大規模に利用する中国の戦略が見て取れます。1999年アフリカ全体で5万人の中国人が、住んでいました。2010年には100万人に達しています。あまり知られていないことですが、アフリカの労働者は高賃金です。中国企業は、高賃金と労働力に問題のある現地人を雇用せずに、中国から労働者を連れてきて効率的に工事をしてしまうのです。これにケニアの若者は、不満を持っているようです。自分たちを雇って、自分たちと一緒にこの国を豊かにして欲しいと思うわけです」

記者「日本の農業支援は、どうなっているのですか」
二宮「日本は、農業開発と物流開発を連動して行っています。わが国の技術援助は、機械の供給だけでなく、機械の使い方やメンテナンスなども指導するやり方です。今までの農業支援では、機械の使い方やその習熟への配慮がたりなかったという反省がありました。習熟の効率を向上させたことで、徐々に成果が出てきています。日本の技術援助は、現地人が長く使える技能伝承力が強いと高い評価を得ているのです。日本の指導者は欧米や中国と違い、現場に出向いて直接指示を出します。友好的で信頼ができる指導だと、高い評価を受けています。それでも、日本の援助する灌漑施設が完了し、稲作が軌道に乗るまでの人材育成に25年はかかるのです。これからも、現地の人々との信頼関係を築きながら地道に支援することになるでしょう」

記者「ケニアには、流通のインフラ、農業、医療、教育、市場経済などの課題があることが分かりました。具体的にどのように進めていけば良いのでしょう」
二宮「国の全体を見渡して、どこに経済を停滞させるボトルネックがあるかを見極めることです。優先度の高い施策を選び、その視点から選択肢を選んでいくことになります。多くの人々が安心して暮らせるためには、食料と仕事の確保が必要です。農業と工業が、それらを充たしてくれます。アフリカ全体を見渡すと、工業に弱点があります。自国の生活用品は、自国で作れる体制が求められます。安い輸入物にだけ頼っていては、自国の産業は育ちません。ノックダウン方式でも良いから、少しずつ生産を行える人材を育成することです」

記者「最近、日本の地方の大学では、外国人を受け入れる体制を急ピッチで整えつつありますね。留学する高校生には、授業料を免除して大学も積極的に受け入れています。どうしてなのですか」
二宮「はい、人材確保が主な理由です。静岡県にあるヤマハやスズキは、積極的に留学生のインターンシップに協力しています。卒業後はヤマハやスズキの就職に有利になるように配慮もされています。帰国して現地の企業で働いてもらう場合でも、優れた人材として期待されるわけです」

記者「ケニアで、これから注目される事業はどんなことですか」
二宮「中産階層が増加して確実に要求されるものは、健康です。健康を維持するには、冷凍や冷蔵食品の流通と冷凍施設が必須です。ケニアでは、食材が腐敗する割合が高いのです。これを防ぐことができれば、多くの人に安全な食料を配付することができます。日本の氷には、溶けにくく、利用価値の高いものもあります。鮮度を保つには有力なものです。健康を支える流通網が整備されれば、近未来のケニアは豊かなものになりますよ」
記者「ケニアの実情が、少し分かりました。これからも、この国のことを調べていきたいと思いました。今日は、ありがとうございました」

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。



ケニアの長距離選手をコーチ兼農業研修生として招聘する

2016-12-27 18:01:27 | 日記
ケニアの長距離選手をコーチ兼農業研修生として招聘する

 箱根駅伝の常連大学が、ケニアの長距離選手をコーチとして雇用しするケースが増えています。ケニアは、有能な長距離選手を多く排出する国でもあります。なぜ選手ではなく、コーチとして雇用するのか、多くの人達がその理由を知りたい様子です。一方、ケニアに進出する企業では、ケニアの選手に関心を示しています。大学と企業の意図を二宮さんと嘉納さんのお話から明らかにしていきます。

二宮「ケニアの長距離選手を、駅伝のコーチにする理由をお話し頂けますか」
嘉納「話は長くなりますが、駅伝やマラソンは、視聴率も高く、メディアが大々的に報道します。熱心に走る姿は感動を呼び、視聴率は常に高い数字をもたらしています。特にオリンピックや世界陸上の選考を兼ねるレースが、白熱することはご承知の通りです。実は、感動を呼ぶマラソンに、日本では1990年代からペースメーカーが走っていました

二宮「ペースメーカーというとラビットといわれるものですか。記録向上に不可欠な存在ですよね」
嘉納「はい、マラソンで良い記録が出る条件は、先頭集団が一定の距離を日本記録とか世界記録の水準で走ることが必要です。有名な大会では、ペースメーカーが先導し、良い記録を作る工作をしていたのです。このことは、陸連もメディアも公にはしませんでした。視聴者に正しい報道をせずに、視聴率を稼ぐこと優先したわけです。このことからペースメーカーには、暗いイメージが付きまとっていました。でも、今は公認されていますから、大会を盛り上げる一つの要素になっています」

二宮「ペースメーカーについては分かりました。それがケニアのコーチとどうのように関わるのですか」
嘉納「試合ではなく、練習にペースメーカーが必要になるのです。高いレベルの練習をする場合、一定のスピードで走る練習が不可欠です。1000メートル3分で刻む走りと2分50秒で刻む走りは、雲泥の差があります。2分50秒で刻むには、それ相応の記録とか走力を持っていなければなりません。この役割を、ケニアの選手にお願いして、コーチとして雇用したわけです。世界歴代大記録の20傑内にケニア選手は、5千メートルが45%、1万メートルが55%、マラソンが70%を占めています。ケニアには、1万メートルでは26分30秒台走る選手が数多くいるのです」

嘉納「長距離王国ケニアの選手に留学や就職、大会出場など熱い視線が注がれているのは、ご承知の通りです。ケニアの選手の獲得が、国際的関心事になっているわけです」
二宮「すると、多くの国で留学とか移住という形で活躍しているわけですか」
嘉納「すべての選手が活躍しているかというと、そうとは言えません。アメリカには、多くの選手が留学しています。でも、競争社会であるアメリカでは、学生としてまた競技者として通用するには相当な努力が必要なのです。ケニアの選手の多くは中途退学しています。アメリカでは大学を卒業して、企業に就職したとしても純粋にアマチュア選手としての活動が求められます。フルタイムで働き、就業後にトレーニングをすることになるわけです。実力主義のアメリカでは、並の努力でや精神力だけでは、国際的な選手にはなれません。かといって、ビジネスでも難しい状況なのです」

二宮「長距離の能力だけでは、アメリカにおけるビジネスへの成功が難しいということですね」
嘉納「今回のコーチとしての雇用は、専門職としての採用です。コーチの仕事は選手達と一緒に走り、高い水準での走力を身につけさせていくことです。練習以外の時間は、自分の目的に合わせて使う事ができます」

二宮「日本の選手と走るだけでは、意欲が湧かないのではないですか」
嘉納「日本に来る選手の動機にもよりますね。時間はたっぷりあります。日本語修得に熱意のある人ならば、1年から2年である程度の会話は修得することができます。そこで、アフリカに詳しい二宮さんにお聞きしたいことがあります。日本語ができるケニア人は、ケニアに進出する企業の雇用対象となるものですか」

二宮「引っ張りだこになるでしょう。日本は、第6回アフリカ開発会議」で5万人への職業訓練、3兆円の投資を約束しています。私も農業分野で、開発に従事している一員です。日本語ができて、現地の事情に詳しい人材は、貴重な戦力になります。アフリカの農業ビジネスには、世界の企業が相次いで参入しています。中でも、肥料、加工用野菜、農機など広い分野に関心が集まっているのです。豊田通商は2016年8月、ケニア西部の工場で肥料の生産を始めました。ケニア需要は年60万トンですが、国内初の同肥料工場では最大15万トンを生産できます。肥料はトウモロコシやコメ向けに作り、タンザニア、ウガンダへの輸出も視野に入れています。最初は邦人が主となって工場運営を行いますが、徐々に現地の人達に任せていくことになります。そこには、ケニアと日本の架け橋になる人材が必要になるのです」

嘉納「アフリカの農業生産の効率が悪いと聞いたことがあります。どういう点で遅れているのですか」
二宮「多く農民が、貧困層で肥料や農機の使がい方を知らないのです。基本的なことから外国企業に教えてもらっているのが実情です。でも、同胞が教えれば、スムーズに技術が行き渡ります。肥料や農機の知識がないことは、逆の見方をすれば、教え方次第で、これからの大きな成長の可能性も秘めているわけです」

嘉納「ケニアの選手を招聘する場合、選手のセカンドライフを考慮して大学を選ぶと良いということになりますね」
二宮「そうして頂くと、好都合ですね。私の場合ですと農業大学に務めたコーチを希望しますね。朝と夕方の練習をして、残りの時間を日本語と農業に関する勉強に集中していただくようにします。アフリカに進出する企業のインターンシップにも参加出来る仕組みもつくりたいですね。本人が農業を目指すのであれば、日本の農業技術は汎用性があります。ケニアの農業に大きく貢献するはずですよ」

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。




箱根駅伝 その8 走法と高地トレーニング

2016-12-23 18:49:07 | 日記
箱根駅伝 その8 走法と高地トレーニング

 箱根駅伝では、外国人選手のダイナミックなストライド走法に魅了されます。一方、それに負けないでピッチ走法の選手も健闘しています。どちらが日本人に会っているのか、興味深い関心事です。さらに、最近話題になっている高地トレーニングの知見を深めたいトット記者は思いました。今回は、走法と高地トレーニングについて嘉納さんにお話を聞きました。

記者「ストライド走法とピッチ走法がありますが、どちらが良いのでしょうか」
嘉納「足が地面から浮いている時間が、接地している時間に対して長い走り方がストライド走になります。一般にバネを生かして跳ぶように走ります。代表的な選手では、金メダリストの野口みずきさんがいます。足が接地している時間が相対的に長い走り方が、ピッチ走法になります。代表的な選手には、同じく金メダリストの高橋尚子さんがいます。ですから、どちらが有利とはいえないようです」

記者「楽に速く走るには、どうすればよいのですか」
嘉納「難しい質問ですね。選手は誰でも、楽に速く長く走りたいと考えています。走るという運動は、地面を蹴って重心を前に持っていく運動です。でも、接地のたびにブレーキがかかってしまう特徴があります。走ることは、1歩ごとに加速と減速を繰り返す運動でもあるのです。速く走る場合、強い加速が必要になります。すると、強いブレーキかけていることになるわけです。エネルギーの消耗も激しくなり、楽に速く走ることは、できなくなります」

記者「楽に速く走ることができないことはわかりました。でも、楽でないなかでも、最小の努力で走る方法はないのでしょうか」
嘉納「五十歩百歩ですが、ピッチ走法が良いかもしれません。一般にスピードを上げる場合、ストライドを広げることになります。この時、上下動が大きくなるのです。上下動が大きくなると、ブレーキをかける力が大きくなります。走ると体は上下動だけでなく、左右に回ります。これも走力を低下させます。そのため腕振りが大切になります。腕振りは推進力を生むだけでなく、体の左右のブレを抑えるためにも重要な動作なのです。ピッチ走は、上下動が少ない走りです。ピッチを速める走法は、全体として使うエネルギーが少なくなることが分かっています。蛇足ですが、疲労がたまって腰が落ちてフォームが崩れると、ブレーキがかかりやすくなります。箱根駅伝で息が荒くなったり、アゴがあがるような状態で走る選手います。このような選手は、加速とブレーキとの戦いをしていることになります」

記者「走り方にも、技術があることが分かりました。ところで、なぜ高地トーニングを行う競技が増えたのでしょうか」
嘉納「1968年のメキシコオリンピック以降、注目されたきた有酸素能力を強化するトレーニング方法ですね。以来、多くの試行錯誤を繰り返しながら、進歩してきたトレーニングともいえます。最近までの成果を簡単に説明しましょう。高地トレーニングは、年間計画の中に位置付けることが大切です。このトレーニングの効果は、個人差が顕著にでます。極端にいうと、高地トレーニングをしたために、記録が低下することもあります。その期間の練習がムダになったという例も数多くあるのです」

記者「効果的にするための配慮は、どうすれば良いのでしょうか」
嘉納「未経験者の高地トレーニングは、2週間を超えないようにします。最初の1~2週間は慣らし運転をして、練習強度や距離を確認していきます。低地より酸素が薄く、疲労しやすい環境になることはお分かりですね。高地では交感神経が緊張する状態が続くため、睡眠が浅くなる傾向になります。疲労を十分に取るためには、平地より睡眠時間を1時間程度多く取ることが必要でしょう。食事では、鉄分やビタミン類を平地より意識的に多目に取ることになります」

記者「確かにヘモグロビンやミオグロビンは鉄分を多く含んでいますね。この鉄が酸素と結びついて、体の各組織に酸素を供給すると聞いてます。でもどうして鉄分を多く供給するのですか」
嘉納「ヘモグロビンを含む赤血球の寿命は120日程度です。でも、高地トレーニングをすると、新陳代謝が速くなります。通常より多目に鉄分を補給しなければ赤血球の再生速度に間に合わなくなるのです。赤血球が少ない状態でトレーニングをすれば、疲労が蓄積するだけです。無駄な練習となります。十分な鉄分補給と睡眠、そして栄養を上手に取ることができれば、以前より有酸素能力は高まることはいうまでもありません」

記者「確かに、ビタミンB群は糖質の分解を助けること、そしてこれらが不足すると疲労の蓄積を高めると聞いたことがあります。他に、注意することはありますか」
嘉納「はい、前にも何度か説明しましたが、筋収縮に使うカルシウムの補充です。これがが不足すると、身体は骨や歯からカルシウムを削って補給することになります。そのため、骨密度が低下します。長距離選手の持病ともいう疲労骨折をもたらす原因が、カルシウムの不足というわけです。高地では、低地以上に栄養と練習メニューを考慮しなければなりません。これらの配慮なしの効果のある練習はできないのです」

記者「いや複雑なものですね。他に注意することがあれば教えてください」
嘉納「水分の補給ですね。高地では空気が乾燥しているため、温度の割りには汗をかきません。本当は汗はかいているのですが、蒸発が速いために汗をかいていないと錯覚しているのです。結果として、水分補給を怠り、水分がたりない状況に陥ります。水負債の状態は、脱水症状など身体にいろいろな障害をもたらすわけです。特に、真面目な性格の選手や頑張り屋の選手には、注意が必要です」

記者「『走る』を簡単に考えて過ぎていたようです。単純な動作の中にも奥深い仕組みがあることが分かりました。どうもありがとうございました」

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。



箱根駅伝 その7 寒さ対策

2016-12-20 17:05:54 | 日記
箱根駅伝 その7 寒さ対策

 箱根駅伝では、ブレーキがよくあります。予定タイムを大幅に遅れることです。この原因には、寒さが関与していることがあります。寒さ対策も以前に比べれば、数段進んでいると聞いています。どのように対策が行われてるのかを、トット記者が嘉納さんにインタビューしました。

記者「長距離選手は、心拍数が少ないと聞いたのですが本当なのですか」
嘉納「いろいろですね。健康診断で、ある有力選手の心拍数が36でした。スポーツに詳しくないドクターはあまりに少ないことに驚いて、精密検査を受けるように言ったという笑い話があるほどです。1回の心拍で多量の血液を送り出すことができれば、身体の各組織に酸素を多く供給でき、走力を高めるためには有利になります。毎日起床前に心拍数を計ることによって、選手は体調を管理しているチームが多いようです。一般的には、起床時に心拍数が多いと疲労気味であり、少ないと体調が良いという判断をしています。最近、疲労に関する研究が進み、いくつかの興味深い報告があります。疲労には交感神経緊張型と副交感神経緊張型の2つのタイプがあることが分かりました」

記者「交感神経は、活動しているときに働きを活発にし、副交感神経は、休息しているときに働き身体の疲労を和らげると高校で学びました。この2つのタイプでどう違うのですか」
嘉納「交感神経緊張型の場合、疲労が蓄積していれば心拍数は多くなります。起床時に心拍数が多ければ、疲労が蓄積していることになります。この場合、練習量を減らしたり、休息を普通より多くとれば良いわけです。でも、副交感神経緊張型の疲労は、起床時に心拍数が少なくなるのです。これを体調が良いと判断して、強めのトレーニングをすれば体調はさらに悪化します。心拍数だけで判断するのではなく、練習の経過や体重など総合的に判断することが、選手の健康管理には必要になるわけです」

記者「マラソン選手は1レースで2500キロカロリーのエネルギーを消費し、4kgの体重を減らすといいます。主なエネルギーとして体脂肪を使うと聞きましたが本当なのですか」
嘉納「はい、そうです。ただ体脂肪をエネルギーとして燃やすためには、時間がかかるのです。グリコーゲンが種火として体脂肪に点火するのですが、すぐには着火しないわけです。長距離選手の体内には、肝臓で100g、筋肉に250gのグリコーゲンが貯蔵されています。これらのグリコーゲンを使いながら、徐々に脂肪の燃焼に繋げていくことになります。糖質の少ない食事をしていると、グリコーゲンの蓄積が少なくなります。グリコーゲンが枯渇した状態では、体脂肪が効率的にエネルギーとして使えない状態になるのです。毎日糖質を補給し、消耗したグリコーゲンを補充しながら、練習をしていくわけです」

記者「マラソンに適した気温は、一流ランナーであれば7~10℃と聞いています。これ以下の寒さになるとどういう影響がでるのですか」
嘉納「寒さによって記録に悪い影響が出てくる気温は、一流ランナーで3~5℃です。気温が5℃以下になると、寒さで血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。血液の流れが悪くなるため、心臓に戻ってくる血液量が減少するようになります。血液の減少は、脚部の筋肉への酸素供給量を減らし、走力を低下させます。結果として、駅伝などに見られるブレーキとなって、勝敗を左右することになるわけです」

記者「寒さ対策で、大切なことはどんなことですか」
嘉納「ウオーミングアップ後の保温です。寒い風の吹くレースのとき、前走者が予定タイムより遅れてくると仮定します。タスキを待つ選手は、遅れた時間の間、寒風にさらされ体が冷えてしまうのです。タスキを受け取った選手は、遅れを挽回しようとして、ハイペースで前半に入ります。前半のハイペースのツケは、後半になると失速という形になるわけです」

記者「体を冷やすことは悪いことがわかりましたが、どうして悪いのですか」
嘉納「はい、体温は36.5℃ですが、体内の血液の温度は39℃が最適といわれています。それが外気温の低下により、血液の温度が37℃以下になると、酸素の受け渡しが悪くなるのです。寒さは『震え』などによって、エネルギーを奪っていきます。すると、走ることに専念する脚部などの組織に、エネルギーの供給が減少するのです。走るスピードを低下させ、結果としてブレーキという状況になるわけです」

記者「寒さに対して、身体の対応メカニズムは色々あるようですね。他にはありますか」
嘉納「気温が0℃以下になり、風が強くなると熱放散が、促進されます。この放散が、足の痙攣(けいれん)を誘発することがあります。箱根駅伝では、小田原から箱根山中まで高度差があり、他の区間より気温の寒暖差が生じるのです。最も最近では携帯などの普及により、各大学とも区間の気象の変化、特に風向きや気温には、上手に対応するようになってきています」

記者「寒い中で有利にレースを進めるにはどうすれば良いのですか」
嘉納「それが分かれば、優勝してしまいますよね。でも、各大学とも工夫しているところです。人間の体は、気候を記憶しているといわれています。寒い季節の練習は、体に記憶されているのです。寒い季節に、箱根と同じような距離をポイント練習でこなすことでしょう。寒いという環境の中ので練習することで、自分に適した服装や水分補給などを試行錯誤しながら覚えていくことになります」

記者「以前、箱根駅伝に出るチーム編成は、『4.3.2.1』と呼ばれる黄金比率があるとお聞きしました。4年生が4人、3年生が3人、2年生が2人、1年生が1人というチーム編成です。上級生が多い大学が、安定してレースを進めることができるというものでした。寒い季節の練習もこなして、あらゆる状況に対処できる走りができるという意味だったのですね」
嘉納「その通りです。速く走るためには、状況に応じた走り方がも求められるのです」


ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。



食事も住まいも無料のファンタジアランド その3 除染地域での起業

2016-12-16 18:26:39 | 日記
食事も住まいも無料のファンタジアランド その3 除染地域での起業

 福島県の浜通り地区の除染地域では、起業活動が盛んに行われています。原子炉の解体には、今後何十年もかかります。その長い期間、解体作業に従事する技術者や作業員が必要になります。解体には、放射能の被曝量を避けながら、効率的に解体作業を行うことになります。ここに新しく生まれる起業が、数多く出てきているのです。ロボット産業、ドローン産業、廃棄物産業など次々に出てきています。起業支援に詳しい藤堂さんに、トット記者がインタビューしました。

記者「お金が集まるところには、産業が成立すると言います。解体作業には、多くのお金が使われます。ヒトもモノもカネも、集まりました。福島は、これをどのように利用しているのですか」
藤堂「解体作業に従事しながら、そこで得た技術やノウハウを有効利用していく仕組みを構築しました。まず人材育成です。福島の除染地域では、食事と住居が無料です。自給500円で8時間労働、週休2日制をこなして頂ければ、どなたでも受け入れています。年間4500時間の余暇時間を利用して、起業を考えている野心家にはたまらない土地でしょう」
記者「どんな野心家が成功しているのですか」
藤堂「例えば、ドローン操縦と好感度のカメラを駆使して、正確な破損状況や修理状況を調べる起業があります。4500時間の余暇時間使い、高度なテクニックを使う操縦法の修得と扱いやすいドローンの製作を同時に行ったわけです。ロボットの起業では、どんな狭い場所でも自由に入り込み、破壊された資材を継続的に外部に搬出するロボットを開発しています。ドローンとロボットの起業が組んで、以前より効率的に解体作業が進んでいます。またこの両者の起業者は、この地区で盛んな太陽光発電のパネル検査と修理にも威力を発揮しています。ドローンで故障箇所を発見し、その故障箇所をロボットが修理するという仕組みです。20キロ平方メートルも及ぶ太陽光パネルが敷き詰められているため、故障は常時起きています。でも、次々に修理されるため、売電の収入は減ることなく入ってきます」

記者「起業が成功する秘訣は、どんなどころにあるのでしょうか」
藤堂「すき間産業から始めることですね。サービスを限定し、顧客の絞り込みをします。他社ではまねの出来ない質の高いサービスを提供し、利益を確保しています。サービスには、問題が起こりそうな箇所を顧客に知らせることもあります。もっとも、知らせる前に問題を解決出来る手段を持っていることが前提です。世界的な鉱山機械メーカーのコマツでは、すでに行っていますよね。」

記者「原子炉の解体に限らず、これから20~30年のスパンで見ると、太陽光発電のパネルの耐用年数が切れる時期が訪れます。大量のパネルが廃棄されていきます。それらの対策はどうなっているのでしょうか」
藤堂「大きな問題であると同時に、利益が出る事業でもあります。廃棄したパネルは、リサイクルが可能です。いわゆる都市鉱山の資源になります。いかに手間暇をかけずに、かつ、利用価値を損なわずに、パネルの解体作業を行う仕組みをつくることになります。この仕組みができれば、解体作業の利益を独占できます。パネル製造業者に、解体しやすい仕組みを理解して頂き、製造からリサイクル、そして再生産から再出荷まで一貫した流れ構築を模索しているところです」

記者「すると原子炉解体とドローンやロボットの起業の二足わらじを履いて、作業と起業を行っているというわけですか」
藤堂「はい、原子炉解体の作業だけでは、被曝量の基準をすぐにオーバーするために、間隔を置きながら作業をするわけです。農業いえば兼業農家の方式と同じと考えて頂ければ、良いと思います」

記者「この町の発展の秘密は、どんなところにあるのでしょうか」
藤堂「創意工夫を重ねながら現状を改善しようと起業家を、できる限り阻害しないことです。自分の得意なことで稼ぎ、たくさん税金の払っている人が良い人です。彼らには、余計なことに時間を使わせないことです。形式的な会議などに参加させるべきではありません。いろいろな縛りのある政府補助金は、もらわないようにしています。彼らにとって、書類を書くことが無駄な時間になるからです。書類を書く暇があれば、現場で働いて、アイデアを生産したほうが、補助金などより多くのカネを稼ぐことができるのです」

記者「海外から研修に訪れる人達が、多いと聞いていますが、どうなのでしょうか」
藤堂「新興国から、かなりの人達がやって来ています。視察の人達もいますし、技能訓練の研修を受ける人達もいます。視察する人達を対象にした民泊が、面白い稼ぎになっています」

記者「視察は有料と聞いていますが、本当なのですか」
藤堂「当然です。職員が説明する場合、その時間は労働生産はゼロになります。視察する人が増えれば増えるほど、福島の生産性は落ちるこことになります。ですから、有料で行います。ところで民泊の話に戻ります。熱心な視察団体は、民泊に泊まるケースが多いのです。福島の実情を少しでも、知りたいという熱心な人が多いということです。1人7000円、4人で28000円になります。50日程度民泊が成立すると140万円の売上げで、100万円ほどの利益がでます。民泊を通して、福島の実情を肌を通して理解していただいているわけです」

記者「海外からの研修者からも、有料で募集しているそうですが本当なのですか」
藤堂「はい、新興国ではこれから原発の建設が増加していきます。その場合、危機管理に携わる要員が必要になります。原発の修理や解体の問題も、当然出てきます。環境や原発に関する情報は、ネットを通じてどの国の市民も分かるようになっています。放射能の問題は、世界共通になっています。原発事故が起きて、最新の技術や技能を駆使しているのは福島です。福島の技術を身につけた人材は、祖国で優遇されるようです。特に社会主義の中堅党員が、派遣されてきています。一旦事故があったときには、党が率先して行動に移せる人材を党内に確保しておきたいのかもしれませんね。人民の生命や健康を守れない党は、衰退するだけになるますから。一人500万円で受け入れています」
記者「原発事故というのは、いろいろな起業を生み出していることがよく分かりました。今日はありがとうございました」


ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。



食事も住まいも無料のファンタジアランド その2 除染の費用を地域発展に使う

2016-12-13 17:36:10 | 日記
食事も住まいも無料のファンタジアランド その2 除染の費用を地域発展に使う

 福島県の浜通り地区では、今でも除染が行われています。除染の費用は、国の直轄事業区域が2兆円、市町村事業区域が3兆円の合計5兆円です。除染が行われている地域の市町村が、声明をだしました。除染は、自分たちで行う。費用は5兆円ではなく、3兆円おまけするという声明です。政府は、確実に除染が行われるなら、OKというサインを出しました。そこにいたる経過に詳しい藤堂さんに、トット記者がインタビューしました。

記者「原発事故から5年が過ぎて、被曝線量の全豹が明らかになってきました。どんな点が明らかになってきたのですか」
藤堂「例えば、葛尾村の2013年9月15日の空間線量は0.257㍃シーベルトでした。年間の外部被曝量は1.4㍉シーベルトということになります。国基準の1㍉シーベルトを上回っています。ところが、役所が使っている計器で計れる線量は、空間線量で実効線量より値が高い数字でした。実効線量率は、現在発表されている数字の0.6程度になります。実際の葛尾村の実効線量は、0.84㍉シーベルトで、国の定める1㍉シーベルトを下回っているのです。外部被曝量は空間線量の値から実効線量に換算する段階で過大に評価されていたわけです。福島県内では個人線量の計測が行われ、その結果からも国の計算方式が過大なことが証明されています。年間50㍉シーベルト以上の帰宅困難区域の根拠は、空間線量という誤った判断によるものです。蛇足ですが、病院の放射線科の職員や原発職員は、被曝量を年間限度50㍉シーベルトの条件で働いています。放射線科の職員は空間線量ではなく実行線量で計測しているのです」

記者「すると、除染をしなくとも良い地域まで、除染をしていたことになりますね」
藤堂「はい、そうなります。空間線量は、実際に体に入る量より多く計測されます。地震や津波、そして原発事故などと膨大な事務手続きの中で、政府は科学的に事故を処理することを忘れたのでしょう。世論を速く沈静化させて、国民に安心感をあたえていく方策を採ったのかもしれません。当時、決められたことが訂正されることもなく、蕩々と川の流れのごとく除染は行われているわけです。そこで、除染の行われている市町村では、画一的な除染よりも、市町村の復興や開発に役立つように除染費用を使いたいと申し出たわけです」

記者「それが5兆円が3兆円でも良いという理由ですか。確かに、各市町村が必要とする地域を除染し、地域の復興を速めることは必要ですね。でも、あれだけ放射能のリスクを刷り込まれた人達が、除染を自分たちですることに納得できるのですか」
藤堂「原発事故で放射線を浴びた東電職員や自衛隊、作業員、避難住民の被曝線量が明らかになっています。彼らは、誰も死んでいません。死なないわずかな放射線で混乱し、当時の情報に翻弄されたともいえます。ヘリコプターなどで放水作業をした自衛隊の被曝線量は最大で81㍉シーベルトでした。チェルノブイリ黒鉛炉の作業員の被曝線量は、最大で14000㍉シーベルトです。その差は、歴然としています。福島県の放射線衛生調査は、県民の低線量の事実を明らかにし、その後の急速な放射能の自然減衰を説明しています。チェルノブイリ事故の黒鉛炉の暴走と原子炉反応が停止した軽水炉事故は明らかに違う事実があります」

記者「再度、お聞きしますが、そんなことで多くの国民は、納得できるのでしょうか」
藤堂「結論からいうと、難しいと思います。でも、現在の放射能への理解が不十分なまま、多くの税金が投入されている現状を冷静に理解していただきたいのです。放射線の健康影響については発症の時期について『急性影響』と『晩発影響』があります。急性影響は、広島の原爆などで現れた事象です。晩発影響とは、投下後遺伝などの変異やガンの多発などの現象です。もう一つは、放射線の健康に対する影響の反応メカニズムには『確定的影響』と『確率的影響』があります。骨髄障害による機能低下や免疫機能低下、白内障、脱毛などは確定的影響といいます。がん、白血病、遺伝病などは確率的影響といいます。確定的影響と確率的影響の違いは線量と影響関係に閾値があるかないかの違いです。閾値のない確率的影響の場合、線量をゼロにしない限りどこまで減らしても遺伝病などは出てきます」

記者「確か以前、ダイオキシンのリスクで人類が滅びるとか、生殖能力を失うなどの説がありました。でも、今はなくなっています。どうして、こういうことが起きるのですか」
藤堂「ベトナム戦争で、アメリカはダイオキシンを大量に含む枯れ葉剤をまき散らしました。健康被害が、長期にわたって起きたわけです。どんな物質でも大量に摂取すれば、人間の健康は損ないます。実験で証明するには、通常の何十倍の量を、実験動物に投与しながら、その害を見つけていくわけです。新聞などでは、ダイオキシンに関する多くの研究が報告されました。でも、その記事の中で、人間に当てはまるというところまですすめた研究は少なく、有害だと証明された事例は少ないのです」

記者「世界には、福島より放射線量の高い地域があると聞いたところがありますが、本当なのですか」
藤堂「はい、20万人が住むインドのケララ州のマドラスは、年間空間線量が9.2㍉シーベルトです。ブラジルのガラパリでは、5.5㍉シーベルト、イランのラムサールでは4.7㍉シーベルトです。ラムサールは、小鳥と湿地に関する国際的に重要な条約が結ばれた都市です。できれば、これらの町に住んでいる人や動物の健康状態を、疫学的に調べてほしいと思います。健康に異常があれば、その対策が日本にも有効になります。疫学的に異常が見られないならば、0.23㍃シーベルトの基準をもっと緩めても良いことになります。福島は、放射能に対する意識が個々人によって違うという結論を出しました。放射能に対する心理的耐性を持つ人に対して、食事と住居を無料で提供する施策をとり、汚染地区で働くことも可能としています。3兆円を使いその施策を実行したわけです」

記者「心理的に耐性のない人にどういう対策をしたのですか。帰宅困難地域で帰れない人達に対する施策はどうするのかということです」
藤堂「汚染のひどい地域は除染をしないで、土地だけを利用しています。土地利用は、太陽光発電です。2キロ平方メートルに太陽光発電を設置すれば、年間50億円の売電が得られます。その初期費用には375億円です。除染の難しい山林などに大規模な太陽光発電所建設し、その売電で継続的な補償を自治体が行うというものです」

記者「すると、1兆円で太陽光発電所を建設すると、年間1300億円の売電費用が入り、1人300万円を43000人に補償することが可能になりますね」
藤堂「放射能に対して心理的拒否感を持っている人に、土地を提供してもらいます。この方達に、300万円を補償しています。その土地を利用して、稼ぐ事業を行うわけです。心理的耐性のある人には、汚染されている地域で働くことが可能です。もちろん、食事と住居は無料です。ただし、自給500円で8時間労働になります」

記者「安過ぎはしませんか。不公平のように思うのですが」
藤堂「はい、1日8時間労働で週休2日制の場合、余暇時間は4500時間になります。一つの分野に精通するために必要な時間は1000時間と言われています。1年間福島の汚染地区といわれてる所で働けば、4~5の分野に精通する知識や技能を獲得できます。この地域には、多くの課題があります。課題を目の前で確認しながら、課題解決に取り組めます。課題が解ければ、起業を起こすこともできます。時間はたっぷりあります。災害復旧に関する訓練施設は、整えてあります。起業に関する支援も行っています。起業を行って失敗すれば、また福島に戻れば良いのです。野心家には、多くの条件を整えた地域が福島といえます」
記者「福島は宝の山ということですね。次のお話を楽しみにしています」


ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。


食事も住まいも無料のファンタジアランド その1 食費が無料な理由

2016-12-09 21:09:25 | 日記
食事も住まいも無料のファンタジアランド その1 食費が無料な理由

 ファンタジアランドのある町が、貧しいさを克服しようと立ち上がりました。工夫や知恵を駆使して、豊かな町にすることに成功したのです。働く意欲をもって新しく移住してくる方に対して、食事も住居も無料という条件で、活動ができる場を提供しました。その詳しい、経過を二宮さんにトット記者がインタビューしました。

記者「どうして食事が、無料で提供できるのですか。その仕組みを教えて下さい」
二宮「はい、食事については、アメリカでも似たようなことを行っています。食料クーポンを、貧困層の方に配付する仕組みです。一人当たり月130ドルの食料クーポンが配付され、それで食料を買うことができるのです。現在4500万人の人に配付されています。この支給額は、8兆円を越えています。日本の生活保護費が3兆円ですから、その巨大経費が実感できると思います。ファンタジーランドでは、食品流通業界の3分の1ルールを利用して食品の調達を行っています」

記者「3分の1ルールというのは、どういうものなのですか」
二宮「加工食品には、消費期限や賞味期限が設定されています。消費期限は、それが過ぎたら品質が保証されない期限です。賞味期限は、そこまで厳格なものではなく、美味しく食べられる目安です。メーカーの在庫や流通在庫には、期限の3分の1を過ぎると出荷しないという慣行があるのです。具体的には、消費期限が6ヶ月なら、残り4ヶ月過ぎると出荷しないというものです。スーパーの店頭などでは、残り2ヶ月を過ぎると、商品棚から撤去されます。消費者の方には、消費期限が2ヶ月以上残っている商品を買ってもらうための慣行です」

記者「商品棚から撤去された食品は、どうなるのですか」
二宮「廃棄処分になります。最近、マスコミで話題になった事件に、CoCo壱番屋の廃棄冷凍カツがスーパーで売られていたことがあります。ダイコーという廃棄業者が、まだ消費期限があるとして、仲買業者を通して販売していたものです。ダイコーは、CoCo壱番屋の廃棄冷凍カツを肥料にするという契約で、廃棄を受託していたのです。冷凍カツ1トンを、12000円で受け入れていました。つまり、12000円で肥料化を引き受けながら、それを冷凍カツとして販売するという狡いやり方で、二重に利益を取っていたわけです」

記者「この不正を取り締まる仕組みはないのですか」
二宮「食品リサイクル法が施行されてから、ダイコ-のような施設が乱立するようになりました。この法律では、廃棄された食品を家畜の飼料や農業用の肥料にすることになっています。でも、あやしげな養豚飼料を製造している施設や不良品の肥料を作ったり、食品廃棄物を溢れるほどためていくばかりで、周辺からはひんしゅくをかう施設もあるのです。決定的仕組みをつくるのは、なかなか難しい状況です」

記者「ファンタジアランドは、廃棄物の受け入れと処理を引き受けていますね。どういう条件で行っているのですか」
二宮「廃棄処分する食料には、2つあります。1つはまだ3分の1の2ヶ月間は十分に食べれる食料です。これは、私たちが食べます。もう一つは、腐敗が進行し易い食料です。この腐敗しやすい食料については、肥料工程に回しています。私どもでは、1トンの廃棄物処理に、3万円を必要経費としてもらっています。さらに処理を引き受ける対価として、500人分の消費期限3分の1の食料を頂くことにしています」

記者「1トンにつき3万円をもらい、その上500人分の消費期限の3分の1の食料を1年分もらうって、虫が良すぎるのではないですか」
二宮「日本は豊かになりすぎました。5800万トンの食料を輸入しています。国内で生産する食料は3200万トンです。この中で廃棄する食料は、2200万トンになります。この膨大な廃棄物が問題になっているのです。リサイクル法では、飼料になったり、肥料になったりするわけです。でも、食品廃棄物をリサイクルするまともな施設は皆無に近いのです。焼却すれば、1トン3万円するのに、1万円程度で引き受ける業者が無数にいます。ダイコ-もその一つでした。ダイコ-に廃棄を依頼していた有名企業は、今回の事件で打撃を受けました。食品企業にとって、法の遵守や環境への配慮は、企業イメージに直結する重大問題です。ファンタジアランドは、これを完全に保障する仕組みをつくったのです」

記者「安全や企業イメージをまもることは必要だ。1トン3万円や500人の1年間の食料提供は、安いという判断なのですね」
二宮「そうです。最初はどのように処理されているか、各企業の社員が派遣されてきました。確実に廃棄物の処理が行われている工程を確認してからは、信頼できる関係ができています。結果として、ファンタジアランドでは500人の新しい移住者を確保できるようになったのです」

記者「住居は、空き家を利用するということですね」
二宮「はい、空き家を有効利用します。移住者は、時給500円で働いてもらいます。時給500円ですと、地元の企業の方も人件費で割安感を抱くようです。ファンタジアランドの企業誘致は、中小企業が中心です。できるだけ異業種の企業を誘致しています。最初から正規の採用ではなく、インターンシップの形式で働いてもらいます。企業に対しては、インターンシップの期間は、補助金を出しています。再教育が必要な移住者には、職業訓練の機会を設けるようにしていています」

記者「人間は食べて住むところが安定すれば、より良い行動を取るということになるのですか」
二宮「はい、最近ベーシックインカムという考えが注目を浴びています。最もこれは古代ギリシャの自由市民をモデルにしたものです。ギリシャの市民は、働かなくとも自由な行動がとれました。生活に必要なことを、奴隷がしていたからです。市民は都市国家が支給するお金で、世界最先端の文化活動を行っていたわけです。最低限の生活が確実に保障されると分かれば、人々は創造的な活動を行うようになります」

記者「具体的に、移住してきた人達はどんな貢献をしているのですか」
二宮「身の丈に応じた仕事をして、貯蓄をしていますね。時給500円ですから、1日8時間労働で4000円です。年間260日働いて、104万円になります。もちろん、企業の業績が上がれば、ボーナスも出ます。企業業績は、従業員に見える化されており、それに応じて給料は上がるようです。不満は出ていません。この町にはブラック企業はありませんので、余暇時間はたっぷりあるのです。自分のやりたいことを徹底的に深めることができます。一つの事例では、2~3年働いて余裕がでた移住者が、民泊を始めました。川魚を捕ることに特化した民宿です。空き家を少しリフォームした程度のものです。川魚愛好家の2家族8人をターゲットにして、年間20日ほどやって来ます。1泊7000円です。年間112万円の売上げで、利益は60万円ほどです。口コミで希望者が増えているのですが、2家族に限定しているようです」

記者「週休2日制を利用した土日の2日間だけの民泊ですよね。どうしてもっと増やさないのですか。増えれば利益が出ると思うのですか」
二宮「事業は、拡大すれば良いというものではないようです。確実で、息の長い慎重な営業も必要です。他にも、いろいろな発想で、起業を考えている人達がいます。それについては、おいおい話してきたいと思います」


ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。

司法制度をのぞき見する

2016-12-06 16:33:22 | 日記
司法制度をのぞき見する

 日本の司法制度は、治安の面では非常に効率的に運営されてきました。メデイアで騒がれている凶悪な殺人事件は、実のところ減少の一途をたどっています。小学生が通学する場合、イタリアなどでは保護者が送っています。都内の繁華街を夜遅くまで塾に通う小学生を見て驚くのは、外国人観光客です。なぜこんなに遅くまで勉強するのか、そしてもっと驚くのは子ども一人で外出しても安全な治安状況です。こんな素晴らしい治安を支える司法制度にも、細かに見ていくといくつかのほころびが出てきました。その劣化の状況を遠山さんにトット記者がインタビューしました。

記者「日本における10万人当たりの殺人発生率は、0.3人です。アメリカが4.7人、ドイツが0.8人、中国が1人、タイが5人と比べても少ないことがわかります。この素晴らしさの理由はどこにあるのですか」
遠山「日本の刑事司法が、戦前より社会防衛に重点をおいてきたことによるものです。交番を各地域に設置し、地域の安定に努めてきたこともその現れです。裁判所も社会秩序の維持や利害関係の調整という面で貢献してきました。それらの歴史的社会的背景が、日本の安全を安いコストで維持してきたといえます」

記者「裁判官は担当してきた仕事で、民事系、刑事系、家裁系に分けられます。民事系の判決の傾向など教えてください」
遠山「はい、白黒をつける判決よりも、裁判所が勧める和解が増えていることです。最近の地方裁判所の事件のうち、民事系の判決は5万件です。訴訟上の和解が、判決の1.2倍の6万件となっています。和解は、人々が生活する知恵として、または企業が円滑に活動する知恵として活用される仕組みにもなっているようです」

記者「裁判に持ち込むには、それ相応の覚悟があって訴訟に及ぶと思うのですが。その辺の実情はどうなのでしょうか」
遠山「確かに、民事裁判の訴訟制度に対する満足度は20%と低く、利用のしやすさも22%と満足のいくものではありません。民間のサービス業ならば、潰れています。裁判は、先例重視で行われています。膨大な事例が蓄積されて、落としどころが形成されているのです。極端に言えば、裁判が始まる前から、事件の概要によって判決の大枠は決まっているともいえます。裁判官の量刑相場は、裁判所において内部形成されてきたため、市民の常識と一致しない場合もあります」

記者「刑事事件にも、量刑相場というものがあるのですか」
遠山「日本では、毎年1000件未満の殺人が起きています。蛇足ですが、殺人事件の50%近くが親族間で起きていることはご承知の通りです。昔は、親殺しなどには、普通より厳しい刑が科せられていました。親族間の殺人を抑える面では、合理的な制度であったともいえます。話は戻りますが、殺人の量刑相場というものが存在します。今までの事例で見ますと、3人以上殺している場合、95%が死刑を宣告されています。1人の場合は、統計上0.2%程度です。2人の場合は、状況により判断されています」

記者「蓄積された判例に基づき、量刑相場があることはわかりました。ところで最近、頻繁に免罪事件が起きています。どうしてなのでしょうか」
遠山「刑事系裁判官の勉強不足ですね。刑事系の裁判官の秤は、最初から検察官のほうに傾いていることが多いのです。裁判官は検察との心理的距離が近いともいえます。検察官にしても、、無罪は自分のキャリアの失点に繋がることを強く意識しています。検察官は、一度起訴した容疑者を有罪にしなければならないと考えているようです。立件した99%は有罪となるわけです。通常の裁判所のレベルであれば、特に刑事部門の裁判官を養成しなくと勤まるとされています。裁判官が、量刑相場を覚え、形式主義になっていくわけです。さらに困ったことに、能力の低い弁護士層が、裁判官の形式主義にもたれかかる傾向があるのです。裁判官、検事、弁護士の3者のなれ合いが、冤罪事件の底流にあるといえます。」

記者「ところで最近、特別捜査部(特捜)の強引な捜査が問題になりました。厚生労働省のキャリアが逮捕され、無実になった事件です。どうして、こんなフレームアップが起きるのでしょうか」
遠山「刑事司法では、フレームアップで権力者に都合の悪い人物を逮捕拘留することがあります。必要のない捜索や差し押さえ、そしてプライバシーを破壊して、ダメージを与えることもあります。いわゆる国策捜査といわれるものですね。疑惑を新聞にリークし、騒ぎを大きくし、特捜が捜査に乗り出すという仕組みです。密室で取り調べが行われますから、被疑者や被告人には不利な状況になっていくわけです。最近、取り調べの様子が外部に漏れたり、被疑者が正確に取り調べ状況を世間に報告する人々も出てきました。さらに、特捜の証拠偽造が明らかになり、問題が顕在化したわけです」

記者「どうして、優秀な検事が証拠を捏造したりするのですか」
遠山「司法修習生の中で優秀な人材は、弁護士に流れることが一つの原因です。官僚機構が権力を誇った戦前は、検察官が上位で、裁判官や弁護士は格下だったのです。試験も別でした。戦前は、裁判官も弁護士も検察官と同列になることが悲願だったのです。戦後は、三者の身分差別が撤回されて、裁判官と弁護士の悲願が解消されました。解消されたころの三者の所得は、同じようなものだったのです。

記者「裁判官と弁護士の悲願はわかりました。どうして、検察が捏造をするのかという点を教えていただきたいのです」

遠山「ところが、高度成長とともに弁護士の所得は、うなぎ登りに増えていきました。裁判官の所得も、定年近くなれば2000万円程度になります。検事だけは、国家公務員の給料で我慢しなければならない状況になりました。するとどうなったか、司法修習生の内、検事希望者は6%以下となったわけです。司法修習生で優秀な人材は、所得の高い弁護士を職業として選ぶようになったわけです。若くして司法試験に合格した優秀な司法修習生には、大手法律事務所が大金で青田買いを行っています。戦前とは違い法曹界では、エリートでない検事が安易な道を選び始めたのです。自分たちのストーリーを描き、そのストーリーに従って証拠や証言をそろえるようになりました。事実に基づかないことを行えば、いづれ破綻することになります。戦前の遺産があった時代には、大きな成果を上げてきた特捜も制度疲労をきたしてきたといえます。奮起を望みたいところです」

記者「いや、司法の世界は複雑ですね。これからもお話をお願いします」
遠山「再度繰り返しますが、日本の司法制度は世界のレベルから見れば優秀だという点を忘れないでください。一度や二度の失敗に批判ばかりしていれば、政治も司法も日常的に働かなくなります。そのほうがむしろ恐ろしいのです」


ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。




新しい視野で土地や建物を見る

2016-12-02 20:49:14 | 日記
新しい視野で土地や建物を見る

 日本では1970年代から最近までに、900兆円の住宅投資が行われてきました。この900兆円の住宅投資は、現在350兆円にしか評価されていません。550兆円が、どこかに消失していまったことになります。そんな中で、住民の皆さんが豊かに暮らしている地域では、家や土地の評価は高くなっています。今回は、家や土地を有効に使い、それらの評価を高める工夫を、蒲生さんにトット記者がお話しを聞きました。

記者「1990年代前後に、越後湯沢駅前につくられたマンションは、2000~3000万円でした。今このマンションは、100万円を切っています。もっとも、管理に年間数十万円かかるので、半数以上が空き状態です。このような空き状態のマンションや空き家はどのようにすれば良くなるのでしょうか」
蒲生「都会では、古い家でも空きビルでも、リノベーションをすることで高額の利益もたらすことがあります。利便性の高い土地であれば、リノベーションしだいで、有効活用をして、利益をあげることは可能です。ちなみに、リノベーションとは、手を入れることで新しい価値を生み出すことをいいます」

記者「具体的に、どんな工夫があるのでしょうか」
蒲生「昨年、都心に開業した『泊まれる本屋さん』があります。これは、飲食店跡をリノベーションしたものです。宿泊者がゆっくりとくつろぎながら、自由に1700冊の本を読みながら眠りにつけるというものです。この簡易宿所は、1ヶ月以上も予約で埋まっていますよ。中小企業では、女性は重要な戦力です。ところが早期退職などで辞める人も多いのです。このような人材難で困っている会社が、和式のトイレをシャワートイレに改造しました。すると、辞める女性職員が激減したのです。人材確保の面でトイレは些細なようでも、重要な要素になっています。オフィスの需要では、電気料量の確保や光ケーブルを利用できないビルは、評価を著しく下げます。古いビルでも、これらを整えれば付加価値が上がるわけです。ネット社会では、電気料量の確保や光ケーブルは不可欠なものなのです」

記者「古い施設でも、工夫を加えれば価値が高くなるというわけですね。地方で、評価の高い所はどんなところでしょうか」
蒲生「高い所を知るためには、低いところを知ると分かりやすいでしょう。国の管理下にある財政再生団体は、夕張市だけです。当初353億円の赤字がありましたが、市民の努力で250億円に減少しています。でも、水道料金などは全国有数の高さです。夕張市の破綻は、従来の箱物行政の限界を全国の自治体に突きつけたのです。おかげで、全国の地方自治体は、節度を取り戻している状況です。反面教師ともいえます。千葉県に初めての幼老統合型の施設を、民間デベロッパーが開発しました。幼児と高齢者が一緒に生活することは、精神衛生上良いことが分かっています。この施設に認知症の高齢者が暮らすグループホームと学童保育を併設したのです。すると高齢者の生活意欲が向上していくことが分かりました。民間デベロッパーの開発した地域の価格は、徐々に上昇しています。さらにこの業者は、この地域を去る人から土地や家屋を買いたたかず、通常の評価額で買い上げ価格を維持しています。価格を高めにしながら、質の高い街を創り出しているのです」

記者「確かに生活の質が高まり、教育が安心して受けれる地域は評価が高くなります。2003年フランスの猛暑で、高齢者が熱中症で死亡しました。この国が熱中症の発祥地になったわけです。その時以来、高齢者と若者を近くで生活させるようにしていたと聞いています。本当のところはどうなのですか」
蒲生「フランスでは、高齢者のアパートに学生を同居させて、良い結果を上げていると聞いています。でも、それを日本で行った結果は、あまり芳しいものではなかったようです。その意味でも、千葉の幼老統合型の施設は注目に値する事例だと思います」

記者「政府は2020年には、4000万人の訪日外国人を目標にいろいろな施策を行っています。実現の道筋はどうなのでしょうか」
蒲生「現在、都心のホテルの稼働率は、80%を超えています。稼働率が80%を超えると、十分なサービスが行えないといわれています。ホテルだけでなく、他の宿泊手段が取り入れられることになります。その有力な候補が、簡易宿所です。日本は現在800万軒の空き家があります。この利用方法が、一つの鍵になります。もう一つは、現在の訪日外国人を地方の宿泊施設に分散させることです。」

記者「簡易宿所と地方分散は何となくわかります。訪日外国人の方にそれらを利用してもらう方策にはどんなことが考えられますか」
蒲生「異文化を理解することで、訪日外国人をターゲットにした空き家の利用も考えられます。世界には浴槽に浸かる文化がない国が多いのです。彼らには、シャワーだけでも良く、風呂なしのアパートでも十分に利用が可能です。これからますます空き家は、増えていきます。注目すべき事例があります。2015年の中国人の中国国内の旅行者は、40億人以上でした。彼らは家族や親戚と一緒に旅行する習慣があります。一戸建ての家や集合住宅を利用する民泊を好んでいるのです。中国国内では、マンションの過剰設立で空きマンションが激増していることはご存じの通りです。そこを中国の旅行業者が借りて民泊に利用して、利益をあげている実態があります」

記者「それが、日本にどのような影響をもたらすのですか」
蒲生「日本は、相続税対策で賃貸アパートを積極的に建て続けています。これらの多くは、近い将来の空き家の予備軍です。そのアパートを、利用する方法に簡易宿所があります。今の中国の国内旅行の様子を調べておけば、日本の民泊の運営に応用できると思いますよ」

記者「訪日外国人には、どんな民泊が好まれているのですか」
蒲生「廉価に止まれ、日本ならではの生活が体験できるところです。新型の簡易宿所が増える背景には、安い宿泊施設を探す訪日外国人が急増しているからです。日本の施設には、廉価に泊まれて日本ならではの生活が体験できるタイプが少なかったのです。古民家であれば、上水道の修理に50~60万円かければ立派に再生できます。木造民家は費用をかければ、シロアリが柱にいても、基礎が傾いても改修は可能なのです」

記者「都会では、どんな利用法がありますか」
蒲生「利便性が高く多くの人が訪れる場所であれば、どのような活用も可能です。新宿地区は日本人には、歴史的に負のイメージがあり、敬遠する人も多いのです。でも、観光を優先する外国人にとって素晴らしい立地条件を備えた場所です。清潔感のある部屋を準備すれば、外国人は喜んで利用します。シャワーやトイレ、そして洗面所は共同利用で良いのです。この条件なら、新宿でも準備は可能でしょう」

記者「最後に、4000万人の訪日外国人達成のために必要なことを教えて下さい」
蒲生「私は訪日外国人よりも、日本人旅行者を大切にした方が、業界としての利益を確保できると思いますよ。日本には資産が1500兆円も眠っているのですから、これを引き出す旅行プランを提供するほうがはるかに有効です。でも、どうしても訪日外国人というのであれば、宿泊の施設の多様化を図ることでしょう。日本の宿泊業は、多様な宿泊者のニーズを捉え切れていない面があります。ホテル不足が深刻になりながら、旅行業法でホテルや旅館などに限定しています。既存の宿泊業を守るだけでなく、利用者の多様なニーズに応える体制をつくることでしょうね」
記者「既存の家や土地を利用者のニーズに合わせて、リノベーションしていけばまだまだチャンスがあるということですね。今日はありがとうございました」


ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。