ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

大学生が農家のお手伝いをしながら全国を回る旅  スモールアイデア NO 93

2018-03-31 19:57:02 | 日記

 山形のサクランボの収穫時期には、熟練の人手が足りなくなります。全国各地からバイトの方が山形に集まり、サクランボ農園で働きます。観光旅行を兼ねると思えば、バイトの方も楽しい一時でしょう。次は、モモの産地に赴き、バイトをします。次は、北海道ではジャガイモを収穫という具合に全国の農家を助けながら、自分は観光をするという仕組みも可能になってきました。このように1年中、農作業のお手伝いをしながら、全国を回る旅ができたら楽しいだろうなと思いました。
 そこで、高い農業技術を持って、全国各地の複数の農家を支援できる人材の存在について考えてみました。まず思いついたのは、農業大学の学生さんです。理論だけでなく、実践も必要です。大学の整った農場での実践と地方の農家の経営には、多くのギャップがあります。農業の理念型を作りあげることは大切です。その理念型が、実際の現場ではどうなるのかを調べることも必要です。空理空論にならないためにも、大学と農家のギャップを、自分の目と体で体験することが必要になります。バイトと旅は、そんな問題を解決する機会になるかもしれません。
 例えば、大学生には、4年間の集大成としての卒業論文の作成があります。この論文に農家問題を掲げ、全国の農家を走破しながら、問題の本質を把握してはどうでしょうか。実践的課題に、バイトという立場から核心に接近していくのです。農業大学の学生さんは、一定の農業技術や経営の知識を持っています。その技術や知識を持つ目で、各農家の課題を把握していくわけです。課題を把握するだけでも十分なのですが、もう少し高見を望みたいものです。課題を把握し、解決にまでに到達していくのです。解決までいければ、論文も優れたものと評価されるでしょう。
 今時の大学生は、ITリテラシー能力が優れています。バイトに、パソコンやスマホを持参することは当たり前でしょう。農家の栽培方法や収穫、そして販売などの様子を目と体で確認できます。例えば、栽培方法も優れており、収穫の量や質が良い農家。でも、販売の段階で赤字になっているようなケースがあります。そこで、その農家を黒字にする課題設定をするわけです。バイトの学生一人だけでは解決が難しい場合、研究室に応援をお願いします。研究室の院生や学生の意見を、求めることになります。販売で黒字にする方策をいくつか提示してもらいながら、その農家にあった解決方法を見いだしていくわけです。農協を通して販売していたために、品質が良いにもかかわらず、価格が抑えられているケースもあります。そこで、スーパーへの直売ルートを開拓するという切り口で課題解決を図るわけです。すると、収穫から販売までの時間が短縮され、鮮度の良い農作物を消費者に提供できるようになります。消費者から喜ばれ、販売が増え、利益が出た。この成功の背景には、見る目のある消費者の存在、物流のルート確保、スーパーの販売能力、農家の供給能力などの分析が、論文には記述されることになるでしょう。大学生も知見を増やしながら旅を楽しみ、農家は助けを受けて豊かになります。できたらいいな!

駅前の演説で影響力を高める工夫  スモールアイデア NO 92

2018-03-30 15:08:14 | 日記

 先日、ウナギや餃子で有名な浜松市に行ってきました。ビックリしたのは、餃子屋さんが少ないことです。宇都宮の餃子店を念頭においていたので、その少なさに驚きました。もっとも、駅の近くの繁華街だけ歩いたので、見つからなかったのかもしれません。駅ナカと駅の近くの2件だけでした。その中の行列ができるほどの店に入り、食べさせて頂きました。本当に美味しい餃子でした。これだけで、浜松に来た価値があったと思ったほどでした。数日間、浜松を起点にして、静岡の名所旧跡を巡ってきました。その中で、気になったことがあります。浜松駅の前で、一人の方がマイクを持って一生懸命に演説をしていたのです。でも、誰も聞かないで素通りしていきます。
 そこで、どうすれば、通行人の方に聞いてもらえるのかを考えてみました。演説をする人は、いかに効率よく歩行者に影響を与えるかが勝負になります。演説者の前を、通行人が通過する時間は、4~5秒程度です。距離にして6mになります。5秒と6mが、影響を与える時間と空間です。良い企画書は、10秒で全容が把握できるそうです。10秒で全容が把握できる企画書については、続いて読もうとする方は多いといいます。企画書のタイトルや結論が明確ならば、3秒で引き込まれます。結論を確かめるために、7秒を使うことになるようです。通行人の場合、もう少し速い対応が望まれます。3秒より速い対応は、旗が考えられます。旗に数文字で主張の要旨(結論)を掲げておくのです。
 次は、主張を細分化し、通過する4~5秒の間に、主張の1部が分かるようにします。聞いてもらいたい内容を、1文で表現するのです。表現も大切でしょう。誰にでも分かりやすい言葉で、話をすることです。より効果的にするためには、「面白く」伝えることも必要です。演説をする場合は、通行人の数、自分の話す位置(通行人に向かい合う場所)、季節、風向きなどを考慮しながら演説をすることになります。寒ければ、通行人の歩く速さが速くなります。こんな場合、ゆっくりと話していては聞く方も聞かなくなるでしょう。気温が高く湿度が高ければ、不快な状態で歩くことになります。そんな中で、笑いの出るような話ができれば、素晴らしい影響力を与えることになります。
 少し、高い位置から話すことも必要でしょう。自分の位置を知ってもらうことは、責任の所在を明確にします。高い位置からマイクで話すことになります。通行人の目を捉えるようにします。旗を立て、主張を一文で表現します。だれにでもわかる言葉で、伝えることも大切です。ユーモアも時には必要です。このような演説をして、通行人の歩く速度を、少しでも遅くすれば、影響力があったということです。視線が合う通行人が増えれば、成功といえるでしょう。街頭に立って演説しても、それが影響力を与える保証になるかどうかはわかりません。でも、演説がある確率で影響力になることは確かです。浜松駅での演説を黙って下を向いて通過した私が、こんな文章を書いているのですから。

旅行支援ビジネスの対象は要支援の方です  スモールアイデア NO 91 

2018-03-29 15:57:16 | 日記

 介護士の不足が、新聞等で報道されています。介護士の方が働く老人ホームは、大変な仕事になります。これから高齢者は、増えていくことが間違いありません。要介護になる方も増えていきます。あらゆる産業にいえることですが、同じようなサービスをしていては、生産性も利益も上がりません。サービスのコモディティ化が進めば、価格競争に巻き込まれてしまします。蛇足ですが、コモディティ化とは、かって価値の高かったものがやがて平凡なものになることです。
 老人ホームといっても、民間施設と公的施設を含めて10ぐらいの類型があるようです。その中から裕福な介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホームを中心に話を進めてきます。老人ホームで生産性を上げるとは、加齢を健全な形で進めて、要介護を1から2にいたる人達を少なくすることです。多くの老人が、充実感や楽しさを享受している施設でもあります。これらの老人ホームは、理想的な形で生産性を上げていると思われます。これからの時代、いろいろな老人ホームにの良い点や悪い点の指標が出てくるでしょう。費用対効果などの指標も、SNSに報じられることになります。老人ホームが、生産的になるためには、老人のニーズを満たすことが求められます。最近の健康ブームは医学への信頼が過熱し、人間は必ず死ぬということを忘れてるかのようです。老人が少々無理をしてもやりたいことを、実現させてる施設もあって良いのではないでしょうか。70歳代の世代がやって見たいことは、仲間と一緒に行くシニアの旅行かもしれません。
 そこで、老人ホームの修学旅行を考えてみました。まず、外部から添乗員、介護士、看護婦、医師、トレーナーなどの人達を集め、AとBの2つの旅行支援ビジネスを立ち上げます。この人達が中心になり、老人の希望する修学旅行の計画を立てます。たとえば、Aグループが、東京から仙台の松島の付近の修学旅行を計画し実施します。見学場所は、バリアフリーの整った場所を選ぶことになります。宿泊施設は、松島にある老人ホームとします。もちろん、松島の老人ホームからも、Bグループが東京への修学旅行を計画し、引率を行うわけです。東京の見学をし、宿泊施設は東京の老人ホームになります。
 施設のシェアということです。添乗員、介護士、看護婦、医師、トレーナーの2つのグループが、「要支援」や「要介護1」になるシニアの旅行を支援していくわけです。専用のバスを2台準備します。シニアの旅行支援ビジネスは、増大する「要支援」や「要介護1」の方によって成り立ちます。旅行業界は、障害者の旅行のノウハウを蓄積しています。その蓄積を70歳以上の高齢者にアレンジして、旅行環境を整えています。次は、要支援や介護度1の人達に、旅の楽しさを体験してもらう場を用意するわけです。AとBの添乗員グループは、要請に応じて計画を立てることになります。老人ホームがある限り、決してなくならない市場です。

シニア層は旅行ビジネスの宝庫です  スモールアイデア NO 90

2018-03-29 15:42:01 | 日記

 旅行ビジネスは、健常者から障害者に移行しつつあります。その狙いは、障害者が旅行出来る環境やノウハウができれば、容易にシニア層は応用できることにあります。本命は、シニアの方です。60歳代に多かった旅行に比べ、70歳代の旅行回数は急激に減少します。70歳代の旅行回数を増やせば、新しい需要を生み出すことになるわけです。、団塊の世代に代表されるように、70歳以上の人口が増加していきます。体力は衰えたが、旅行に意欲を持つシニア層は健在です。体力の衰えをカバーする旅行支援を行う仕組を作るのです。この仕組みができれば、70歳以上の旅行ビジネス市場は、より大きなものになります。
 そこで、このシニア層を対象にした旅行ビジネスを考えてみました。ビジネスの基本は、売上げが利益を生み出すことにあります。旅行各社は、旅行者の消費額、貢献度、信用度などのランクづけをして、顧客管理をしているようです。各会社は、シニア層を考慮した乗りやすいバスも増やしています。座席の間隔を広めに取り、広いトイレや化粧台付きのバスも用意し始めています。シニア層の体力の衰えを、バスの機能拡張でカバーしようとしているわけです。これからの顧客管理簿には、体力の項目が入ることになるでしょう。
 シニアの旺盛な旅行への意欲に、応えるメニューを用意することになります。メニューは、全てのシニアに受け入れられる必要はないのです。できるだけ、ニッチな対象に、会社の得意分野を集中してもよいのです。お城の石垣について詳しく調べるなどの行動が、ニッチにあたるものでしょう。100名城を巡り、石積みを見て回るメニューを、シニアに提供します。でも、体力の衰えた方は、自分の足で思った場所を見ることができない場合もあります。山城などは、麓までは車で行けます。でも、本丸や二の丸などの重要な場所に行くまでに、負担が多くなります。旅行業者は、体力による顧客のランクづけをおこなうわけです。体力の優れた方には、自由行動を多くし、体力のない方には補助を多くするメニューを提供することになります。補助を断る気持ちの元気な方も出てくるでしょう。その方の自尊心を満たすメニューも、用意することになります。旅行に行く前から、体力トレーニングをしてもらうのです。指定のスポーツジムで一定の運動量をこなせば、補助を付けない自由な行動をできるようにします。もちろん、スポーツジムの費用は、旅行代金に含まれることになります。日頃から体を鍛え、体力のある方は安い料金になります。安い旅行代金を目指して、シニアの方が運動すれば、多くの方が健康を維持することになります。もしかすると、日本の総医療費が軽減されるかもしれません。



南千島(北方領土)返還を考える  アイデア広場 その 358 

2018-03-28 16:53:10 | 日記
 サンフランシスコ平和条約が1951年に調印され、日本の独立が認められたわけです。当時の鳩山一郎首相は、北方領土はとりあえず二島返還とした考えていました。首相は、残りの二島の問題は後回しにする案を模索したわけです。ソ連側もこの案で合意し、平和条約の締結を考えていました。当時、60万人ともいわれるシベリア抑留者が、帰国できずにいたのです。平和条約を早期に締結し、シベリア抑留者の帰国を実現しようとしました。でも、ソ連は、この条約に調印しませんでした。鳩山は、シベリヤ抑留者の60万人の帰還と漁業協定の合意という中途半端な共同宣言で鉾を治めることになります。それ以降、60年にわたってソ連・ロシアとの平和条約は結ばれていません。なぜ、両国が合意しそうな案件が、ダメになったのかを調べる材料が出てきました。アメリカの外交文書が公開され、この合意が不成立になった経緯がおぼろげながら明らかになってきたわけです。
 そこで、両国の平和条約に対する利害関係を調べてみました。日本の占領期からそれ以降のアメリカの外交文書が、公開されてきました。アメリカの外交文書の中に、アメリカの日本に対する干渉がはっきり見てとれます。アメリカは、日本に対して情報操作を行っていたのです。日本にソ連に対する強い敵意を持ち続けさせ、友好国にならないような操作を行っていました。北方領土の帰属をめぐって、日本とソ連の2国間での解決を妨害していたことが明らかになりつつあります。鳩山一郎首相の北方領土はとりあえず二島返還とし、残りの二島の問題は後回しにするという案は、日本とソ連の両国間において、合意がまじかになっていたのです。平和条約の締結を望まないアメリカは、親米的メデイアや学者を駆使します。メディアは、アメリカの意向を受けたように四島一括返還の要求を強く報道しました。二島返還より四島返還の方が、爽快です。合意のハードルを上げて、平和条約を締結させないようにする思惑でした。結果として、四島一括返還をソ連は受け入れることはありませんでした。
 このメディアの中心人物は、アメリカに便宜供与された人達です。アメリカの対日本政策は、共産主義に対する防波堤にすることでした。対日本政策では、日本をアメリカ側に留まらせることが最優先事項になります。アメリカ側に留まらせるために、重要な政治家や新聞社の幹部、そして大学教授などに便宜供与がなされていたのです。アメリカのメディア企業へ、視察旅行や派遣などが手厚く行われ、各分野の幹部が親米的になっていったわけです。便宜供与を受けて親米的になって帰るパターンが増えました。日本の政権がアメリカから離れるような政策を打ちだそうとすると、便宜供与を受けたメディアの幹部や学者は、その政策に反対意見を出していきます。この時のスローガンは、四島一括返還でした。結果として、アメリカの公開文書のように、日本は親米的政権が長期にわたって政権を上手に運営しました。その後、資源のない日本が、アメリカの援助もあり、短期間で世界第2の経済大国に成長していきました。政治に明と暗があるとすれば、明は経済成長、暗はソ連・ロシアとの平和条約締結の不履行でしょう。
 アメリカの優先事項は、日本を同盟国として西側にとどまらせることでした。そのための一つは、北方領土問題を日本とソ連の間で解決することを妨害したわけです。日本人が、ソ連に敵意を持つように操作もされてきました。もう一つは、日本人の目がアメリカの沖縄占領に向かわないようにすることでした。この二つを達成するために、日本の再軍備と安定的な親米保守政権の基盤づくりを行ったと公開文書は示唆しています。
 60~70年前の日本とアメリカ、そしてソ連(現ロシア)のお話です。調べていて、注意しなければならないことに気がつきます。日本国内にも与党と野党の対立がありました。その対立を煽るように、外国のエージェントが与党や野党に資金を提供したり、便宜供与をしたりしています。でも、戦後、30年間ほど日本は経済成長に湧きました。多くの人が裕福になっています。政治のバランスが取れていたのです。左翼も右翼も進歩も保守も、ごった煮になって働いていきました。働いた見返りは、皆さんが享受しました。なんだかんだいっても、異質な集団が、元気に活動していたのです。でも、小泉政権の頃からでしょうか、異質集団が排除される傾向が出てきました。外務省では、東欧系の人材が冷遇されるようになりました。アメリカ系一辺倒になりつつあるのです。中国系の人材も冷遇されつつあるようです。中東やアフリカに至っては、人材がいるのかどうか不安な状態です。
 組織としては、人材は多様で厚みがあったほうが安全です。メディアの人材も、偏りがあるように思えます。アメリカ大統領選挙やイギリスのEU離脱などの報道では、知的訓練が不足しているようでした。予測が、ことごとく外れているのです。報道を鵜呑みにするのは、辞めようとさえ考えています。少し長いスパンで物事を見る目を養うことが必要になるのかもしれません。過去の事実と現在の状況を、理解する能力を常に磨くことを、自分に課すことになるのでしょうか。でも、私はそういう努力はしたくありません。自分の好きな情報や知識にはまり込んでいきたいのです。




中国の軍事費の増加と海外進出の遠縁を探る  スモールアイデア NO 89

2018-03-27 17:22:15 | 日記

 中国の軍事費は、増大しています。それに伴い海軍を増強し、自国の領土を広げようとしています。東シナ海や南シナ海の小競り合いは、そのことを示しています。中国はアヘン戦争に敗れて、領土を縮小されてきたという意識があります。アヘン戦争に敗れていなければ、当時の世界のGDPの20~30%を占めていた大国の威容を保っていたという自尊心があるのでしょう。アヘン戦争の原因は、イギリス輸入超過でした。お茶の代金は銀で支払うシステムでした。これをケチったイギリスは、インドでアヘンを生産し、お茶の代金の代用としたのです。もちろん清国は、拒否します。そこで戦争になり敗北に向かうことになったわけです。これからも中国の軍事費の増加と海外進出のニュースは、話題になります。
 そこで、基本的知識としてアヘン戦争の遠縁になった欧米とお茶の関連について考えてみました。オランダに対抗するために、1662年イギリスのチャールズ2世とポルトガルのキャサリン王女が結婚をします。キャサリンは、茶を飲む風習を宮廷に広めます。国王や女王の真似をすることが貴族のたしなみです。街では王侯貴族の真似をするのが、お金持ちの行動様式でもありました。お茶の風習は、瞬く間に西欧に広がりました。イギリス人は発酵茶である紅茶を好みました。ロンドンの水は、石灰分を多く含む硬水です。硬度の高い水で緑茶を入れると、水色だけは濃くなるのですが、味と香りは弱くなるのです。イギリスの人々にとって、緑茶よりも発酵した紅茶のほうが嗜好にあったようです。硬水の存在が、同じ茶でありながら、東西で別の茶文化をつくりだしていったわけです。
 中国では、茶といえば緑茶になります。緑茶の作り方は、摘んだ茶葉をまず加熱します。この加熱により、葉の中の酵素が殺菌され、発酵が止まります。日本の緑茶は摘み取った茶葉を、蒸して発酵を止めます。中国では生葉を釜で炒って発酵を止めます。蛇足ですが、当初西洋人は、緑茶と紅茶が全く別の茶樹から摘んだ葉で作られるものと考えていたようです。同じ木から摘んだ葉が、製法によって風味の違う茶に生まれ変わることが分かるのには時間がかりました。
 イギリスは長らくオランダ経由で、茶を入手していました。1669年に、オランダからの購入を禁止します。この年からイギリスは、本格的に茶貿易にのりだすのです。中国に直接出向いて、茶を輸入するようになります。アモイ(福建省)やマカオにイギリス商館が置かれます。紅茶やウーロン茶は、西洋からの多量の需要によって、18世紀以降も生産が増強されていきます。余談ですが、輸入超過で銀が減っていく中で考えだされた案がアヘンでした。アヘン戦争に発展していくわけですが、この戦争で重要な岐路になったことはイギリス商人の情報でした。清国の宮廷内の情勢を正確に把握していたのです。イギリス軍を効果的に移動させて、清国軍の弱点を突く作戦の情報を提供しています。アヘン戦争で清国が敗れた理由は、情報戦の拙速にあったのかもしれません。今は、昔の轍を踏まないように、武力に対しても情報戦にも備えていることでしょう。

婚活ビジネスの切り札になるか異性の匂い  スモールアイデア NO 88

2018-03-26 18:47:12 | 日記

 3重苦の障害を乗り越えたヘレン・ケラーは、合った人がどの場所から来たかを言い当てることができたそうです。台所にいたのか、庭にいたのか、病室にいたのかが分かったのです。人が場所から別の場所に移動したときに、その人がいた場所を特定できたわけです。人の場合、500万個の匂いを感じる細胞を持っています。臭いの感覚は、味の感覚に比べ、はるかに敏感です。
 アジア象のオスとメスは、通常は別々に暮らしています。メスが妊娠可能な時期になると、フェロモンを含んだ尿をまき散らします。オスはその臭いを慕って、やってくるわけです。匂いが空気中に漂って、オスの鼻の粘膜を刺激するのです。匂いが非常に敏感なもので、生殖活動を助けるものだと分かりました。
 そこで、動物の仕組みを、男女の出会いである婚活に利用できないものかと考えてみました。ある若い男女を、グループ別に活動してもらう実験をしました。活動後に、着ていたTシャツの匂いを嗅いでもらったのです。女子学生の中には、好ましい匂いと好ましくない匂いがあることが分かりました。彼女たちは、自分と異なる遺伝子をもつ男子学生の匂いを好ましいと答えたのです。異なる遺伝子とは、臓器を移植をするときに免疫拒否反応が起こる程度のものです。遺伝的に遠い遺伝子ということもできます。若い女性の男性にたいする匂いの好みには、遺伝的に遠い関係にある男性でした。彼女達は、自分と同じような遺伝子をもつ男子学生の匂いを好まなかったわけです。蛇足ですが、思春期になって、はじめてアポクリン汗腺は完全な分泌機能を営むようになります。このアポクリン汗腺の分泌細胞内には、男性ホルモンと結合する部分があるとされています。
 動物の例ですが、マウスのメスが妊娠一週間以内に、交尾相手とは違うオスの尿のにおいをかぐと流産するそうです。でも、どんなオスの尿のにおいでも流産するわけではありません。流産するのは、メスと遺伝子が大きく違う匂いほど流産させる作用が強いのです。遺伝子が遠いほど、種の繁栄をもたらすということを本能的に知っているのでしょう。もっとも、人の場合はにおいをかいで流産することはありません。
 ここからは、提案になります。婚活の中で匂いが発散するようなゲームやレクレーションをしてもらいます。そこでフェロモンを発散させることになります。アポクリン汗腺を絞り出すような動きを取り入れた活動が、望ましいでしょう。この匂いは、脳に記憶されます。より良く残そうとすれならば、ハンカチの交換会でもすることになります。覚醒時(活動中)に行った記憶は、睡眠中に強化することができます。匂いは、記憶に関係する海馬の活動を増すことが分かっています。ノンレム睡眠中に同じ匂いを嗅ぐと、記憶の定着がよくなるのです。日中や夜の覚醒に感じた異性の「好ましさ」は、睡眠中に強化されることになります。匂いは、ほかの感覚よりも記憶をよびさます力がすぐれています。この記憶をよびさます力を、婚活ビジネスに利用してはどうでしょうか。

限られた時間で良好な仕事を行う  スモールアイデア NO 87

2018-03-26 18:41:24 | 日記

 私たちは、好きなだけ時間を使えるということはありません。明日の会議までに資料に目を通さなければならないなど、私たちはつねに時間に追われています。仕事には、速くて正確なインプットとアウトプットが求められています。インプットでは、文章の優先順位見極めながら、最速で脳に刻み込みます。最速のアウトプットとしての文章も、決められた時間内に作成していくことになります。
 そこで、仕事を速く正確に行う方法を考えてみました。洋服店は、客への説明、キャッシャーに移動、商品を包装、代金を受け取るなど手順があります。この流れを、型や動作として繰り返しながら覚えることになります。事務作業も、型をくり返して自分のものにすることが、遠回りなようで最短距離になるようです。例えば、提案書の構成には、背景、目的、概要、現状把握、問題点、課題などの記述があります。さらにこの提案書には、解決方法、効果、実施体制、スケジュール、費用などの簡潔な説明が必要になります。これらを最初から作ろうとすれば、多大な労力が必要となります。労力を節約するために、定型的な文章などを入れたひな形を作っておくことです。
 限られ時間だからこそ、私たちは効率的に動くことができるのかもしれません。与えられた仕事には、どの程度の時間が必要なのかを決めます。その中から、各作業に割り振る時間を決めていきます。一人では、大きな仕事ができません。人の手助けを求めることになります。その時の人選のコツは、忙しい人にお願いすることになります。忙しい人は、自然と速さと正確さを両立するのです。忙しさが増すほど、この両立は確度の高いものになっていくから不思議なものです。当然、この大切な人とは、親交を深めて置いた方が良いでしょう。良質な人脈といえるものです。もう一つ守るべきことは、今ある情報や資源を基に、仕事を進めるという点です。新しい情報や追加の材料を求めていれば、時間内には仕事が終わりません。限られた条件の中で、速く正確に仕事を行っていると、次々に良質なアイデアが出てきます。でも、これは記録に留めて、決められた仕事を終了することに全力をつくすことです。アイデアの利用は、後の楽しみに取っておくことになります。
 限られた時間で行う仕事は、仕事に不必要な情報を最初から入れておかないことです。仕事に求められものを、第一に取り組むのです。相手が求めるものを第一に考え、求められる量と質を提供することになります。できれば、相手が求める質より少し高めのレベルのものが良いでしょう。このようなものが提供できれば、以後の取引もスムーズになります。そのためには、製品の質だけでなく、社員のスキルを高める研修も大切になります。


自由と規律を両立させる理想の学校 スモールアイデア NO 86

2018-03-25 14:48:29 | 日記

 中国で少女が、アパートから飛び降り自殺をはかったニュースが流れました。幸いにも、消防隊員の機転でセーフティマットの上に落ちて、少女は無事でした。飛び降りの理由は、学校の宿題が多いことだったというのです。学校の勉強に対する厳しさが、この事件の背景にあったわけです。日本であれば、いじめが原因であることが多いという昨今の事情です。中国の学校では、子どもの限界まで勉強を行わせる仕組みが浸透しているようです。
 中国は特許数出願で日本を抜いて世界2位になりました。この国の特許数出願数は、数年後にアメリカを抜くといわれています。中国の科学技術の進歩は、確実に伸びていくことが予想されます。日本は、相対的に中国に科学やイノベーションで遅れをとっていくことになるようです。
 そこで、国を支える優秀なの人材の作り方を考えてみました。中国の教育は、日本の明治時代の教育を彷彿させます。選抜とスパルタが、社会の中で当たり前のように一人歩きをしています。明治の旧制中学校を訪ねると、当時の中学生の行っていたレベルの高さに驚かされます。富国強兵の有力な人材として、育成されていたことがわかります。おそらく、優秀な人材をつくり出す制度としては、当時世界のどの国よりも優れていたものだったでしょう。戦後は自由と平等を重視する教育政策をとるようになりました。これは、これで素晴らしい成果を上げてきました。でも、現在は曲がり角にさしかかっているように思えます。
 ある評論家の方は、中国がこれまで以上に科学技術の能力を伸ばす体制を作りあげていくと述べています。中国国内では、教育における犠牲者は多少でてきても、国力を確実に伸ばすことを目標に進んでいくようです。スパルタ教育が、社会的に容認されているのです。子どもの能力を伸ばす教師は、スパルタでも良い教師という評価です。日本では、以前、戸塚ヨットスクール事件というものがありました。スパルタ訓練の末に、死亡者をだすという事件です。2002年に、ヨットスクールの戸塚校長は有罪の判決を受けています。でも、戸塚ヨットスクールは、現在も運営がなされています。そのスパルタ教育に賛同する人々もいるのです。世論調査で体罰は必要かというアンケートに対し、「しつけ」のために体罰は必要だと60%の人々が答えています。日本では、建前上は体罰はできません。でも、容認する空気は、依然残っているのです。戸塚ヨット訓練を受けている子ども達の中には、裁判官などのエリートの子弟もいたといわれています。
 しつけには、強制力が必要です。学習においても、形から入ることも必要になります。子ども達の内的動機づけも必要です。これらを簡単にいうと、自由と規律の両立の問題になります。自由と規律を一つの学校で教えることが理想です。理想の学校がなければ、強制力を重視した学校と自由を重視した学校を作ります。どちらに入るかは、親と子どもが話し合って選択する教育制度も必要になっているかもしれません。日本の学校が、優秀な人材を育てられるようにしたいものです。

良い人材の獲得と育成の仕組み  スモールアイデア NO 85

2018-03-25 14:33:16 | 日記

 アメリカの大学は、上手に自己資本を増やしています。母校の研究成果を事業に繋げる企業に投資をして、利益を上げているのです。大学の上層部に、経営感覚のある方を招いて大学の資産を増やしているのでしょう。資産を企業に分散投資をしながら、企業との繋がりも作っています。企業が世界の市場で買っていくためには、優秀な人材を採用することが不可欠です。産学連携の必然性が、生まれているのです。良い人材を集めている企業は、現在のところ外資系に多いようです。
 そこで、良い人材を獲得する方法を考えてみました。一時期もてはやされた金融業は、リーマンショック以来、世界中の人々から反感を買っています。この業界は、アメリカでも規制が強化されてきました。もはや、好き勝手に利益を追求できなくなっているのです。優秀な金融業界の人材が、インターネット産業に流出しています。優秀な人材を採用するためには、給与はもちろんですが、理念を提供することが必要になります。人材獲得には、高い給料とやりがいのある仕事の提示が前提になります。高い給料を求めて人材が動くことが当たり前という文化が、アメリカなどの外資系会社に定着しています。蛇足ですが、この面の遅れが日本経済の停滞になっているという説もあります。流動性の高い市場では、外資系の会社が優秀な人材を確保している現実があります。
 企業が優秀な人材とする指標は、英語と専門的知識や技術を自在に操る人達です。企業も不慣れな英語で意思疎通に苦労する人材を、採用することはしません。企業の文化背景をよく理解した人材を、予測可能な能力を持つ社員として採用することになります。文化背景をよく理解する共通言語は、世界の中で英語がその位置を占めます。この言語と高い専門技術ということで、注目された国がインドです。英語を話し、高いIT技術を駆使し、アメリカ企業の内部に根を張ることに成功しています。
 日本の大学も遅ればせながら、英語と専門性を融合させたカリキュラムを行うようになってきました。ある大学では、英語で2年生から海外の地域研究や現代思想、社会・経済・政治など専門性を磨いています。この大学の翻訳プロジェクトは、言語と専門性を融合させる取り組みの一つになっています。文科省も、小学校から英語を始める英断を下しています。始まれば、日本の進度は速くなるでしょう。英語は、話す、読む、書くの学習になりがちです。できれば、大学で行っているプロジェクトを、小学校でも行ってはどうでしょうか。小学生に、英語の物語の翻訳をさせるのです。その翻訳を元に、学芸会で英語劇をすることは、相手国の文化を理解することになります。海外へ目を向ける「呼び水」になるかもしれません。