ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

奈々ちゃん理想の保育園を語る

2016-05-31 22:52:58 | 日記
奈々ちゃん理想の保育園を語る

 親の働きがあってこそ日本の社会は、円滑に運営されてます。働く親が安心して子どもを産み、そして預けられる保育園が大切なことは、いうまでもありません。保育園に預けたら、親は何の心配もなく、仕事に集中して欲しいのです。保育士の役割は、親の労働を支え、生活を豊かにし、子どもの成長と発達を可能にすることです。今回は乳幼児の立場から、奈々ちゃんに理想の保育園について話してもらいました。聞き手は、トット記者です。

記者「奈々ちゃんは、どんな保育士の先生に見てもらいたいですか」
奈々「幼児は一定のリズムで近くの先生を見つめたり、目をそらしています。幼児のリズムに沿って先生が顔を見合わせると、お互いの心理的距離は接近します。逆にこのリズムに合わせない先生の場合、相互の交渉は持続しません。私たちが安定した保育園生活を送るためには、私たちが発するシグナルを敏感に捉えて反応して欲しいわけです。このような相互作用を重ねることで、先生と深い共感関係を築いていけるようになります。敏感に応答してくれる先生が、ベストですね」

記者「保育士の先生のお仕事はどんなことがあるのでしょうか」
奈々「一口ではいえませんが多様で奥が深いものです。先日人工知能が囲碁の世界トップ棋士に勝ったと話題になりました。でも、保育の世界は、人工知能がまだまだ入り込めない分野です。人工知能に勝ちたい方は、保育園か幼稚園、小学校の先生になることです。当分は、人間の独壇場の職場です。先生の仕事は、子ども達が全員そろうと、1日の保育が始まります。散歩に行くとか、室内で活動するとか、その日の計画に沿って保育が進められます。食事の時間になれば、給食の用意をします。0歳児の場合、食事の途中で眠ったり、オムツを替えたり、子どもの体調により臨機応変の対応が求められます。昼は子どもが眠っている間に、先生は食事を済ませ、睡眠の状態を点検し、連絡手帳を書くのもこの時間です。」

記者「休む暇がありませんね。その中でも優秀な保母さんの特徴を教えてください」
奈々「良い先生は、多様な子どもの行動様式を理解した上で、その子にあった支援をしてくださいますね。毎日の保育を進めるに当たり、教材を準備し、研究を重ねています。良い先生は、多くの保育園を見学し、自己研修しているようです。自己研修が、先生の保育能力を高め、保育園全体の保育能力を高めています。でも、これをできる先生は、少ないのです、先生方は忙しすぎるからです」

記者「先生も大変ですね。でも、子ども達の成長発達に関わるわけですよね。どんな支援をするんですか」
奈々「乳幼児は、身体全体を使って、思いっきり遊ぶことが大事です。豊かな感性を子ども達は、夢中になって遊ぶ中で身につけていきます。人と交わることや自然との触れあいを、心地良いと思える感性がこの時期に形成されるのです。子ども達のやる気を大切にして欲しいのです。子どもが自分で考えた方法で上手く出来るようになれば、子どもは自信もやる気もでます。このやる気を見守る姿勢を持って欲しいと思います。成長を見守るために褒めたり叱ったりする時期もありますが、口出しをしないで『じっと』見守る時期もあるのです。このさじ加減が、ベテランと新人を分けます」

記者「子ども達の様子は、みな同じように見えますが、それぞれ違うのですか」
奈々「違います。先生は、子どもが遊びの中で何を発見し、何に夢中になるかを見つけ、次の支援に生かしていきます。乳幼児の泣き笑いから、さまざまな表情や思いをくみ取る姿勢と観察眼が優れているのです。保育には愛情だけでなく、スキルが必要なのです。でも、保育園の仕事は、ある面で過酷です。朝早くから、夜は遅くまで残って仕事をするのです。新しい保育の知識や研修を受ける時間はありません。保育の中に、研修をする余裕がなくなろうとしているのが現実です」

記者「どうすれば、ゆとりある充実した保育ができるのですか」
奈々「保育士が1人で5人を見るという基準があるとします。それが3人になれば、先生と私たちの応答は密度の濃いものになります。親が早く迎えに来ることも一つの方法です。お父さんやお母さんが有給休暇を取って保育園を休み、先生の負担を軽減する方法もあります。先生のスキルを向上させることは、私たち乳幼児の成長を確実なものにするのです。8時から18時まで預けてあるのだから、その時間は父母が子どもと関われない時間だと間違っても考えて欲しくありません。私たちもお父さんやお母さんと少しでも長く一緒にいたいのです。お父さんと遊んでいる子どもほど、保育園の仲間と上手くやっているいることが明らかになっています。お父さんやお母さんは、時間に余裕をつくり、子どもと一緒に過ごすことです。そこで、わが子の成長を見て確認して欲しいのです」

記者「ご両親が早く迎えにくれば、夕方の先生の負担は少なくなります。有給休暇を取って休めば、先生の1日の負担が軽減しゆとりが生まれます。そのゆとりを持って、少ない子ども達に密度の濃い保育をするというわけですね」
奈々「はい、そうです。お父さんやお母さんが、先生方に配慮することで、先生にゆとりが生まれます。そのゆとりが、私たちの成長や発達を助けます。お父さんやお母さんは、私たちの成長を楽しむ事が出来ます。休んだり、早く迎えに来るだけで、私たちは、成長したり、楽しい時間を過ごすことができます」

記者「乳幼児の方も、先生も、そしてお父さんやお母さんがもウインウインになれるわけですね。今日はどうもありがとうございました」


注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。


ゲーミフィケーション その2 節電甲子園大会

2016-05-27 17:33:34 | 日記
ゲーミフィケーション その2 節電甲子園大会

 現代は、効率重視の世界です。こんな効率一辺倒の生活を、たまには見直すことも必要かもしれません。そこで、皆さんの要求水準を、少し下げる場面を用意しました。強制されることもなくプレイ感覚で、楽しい時間を過ごしているうちに成果を上げてしまう仕組みです。では、ゲーミフィケーションの世界にご案内しましょう。この世界は、ゲームの要素とゲーム以外の要素を結びつけて楽しむものです。節電甲子園大会を主催している平賀さんにトット記者がインタビューします。

記者「東日本大震災のとき、節電ゲームが流行ったという記憶があるのですが、ゲーミフィケーションにはどんな利用の仕方があるのですか」
平賀「はい、ゲームには人を夢中にさせる力があります。囲碁や将棋そして競馬などは、理屈抜きに人を夢中にさせますよね。競馬というゲームに夢中になり、人々は馬券を買います。稲ゲノムはゲームではありません。日本は稲ゲノム研究で世界最先端の成果を上げました。この時の研究には、500億円以上のお金を使いました。この500億円を寄付したのは日本競馬協会です。私たちが夢中で、デープスカイの走りに陶酔している間に、私たちのお金は有意義な研究に使われていたのです」

記者「人々が競馬に夢中になって楽しんでいる間に、日本の誇る稲ゲノム研究が成功したということですか」
平賀「そうなります。現在の社会は、ゲームと健康、電気、燃料、教育などの要素を結びつけて利益を生み出す環境が整っています。家庭の電気測定器と携帯が繋がり、節電ゲームはすぐに成立します。測る技術の進歩が、ゲームを成立させるのです。多くの人が節電ゲームに参加すれば、楽しみながら節電を行うことが出来る時代になりました」

記者「でも、今現在節電ゲームをしているとは、あまり聞かないのですが」
平賀「そうですね。『のど元過ぎれば何とやら』ということはあると思います。ゲームの特性に『飽きる』という性質があります。ゲームの出来不出来により『飽き』が来る速度が速くなったり遅くなったりするのです。その意味で、囲碁や将棋そして競馬は『飽きの来ない』洗練されたゲームといえます。節電ゲームは、洗練されたレベルまで到達していません。節電甲子園大会は、『飽きる』ことを前提に作ったゲームです。そのため、期間を15日間に限定してあります」

記者「ということはこの期間は、高いモチベーションを保てるわけですね。あと、測る技術の進歩とゲームの関連はどうなっているのですか」
平賀「電力使用量という要素を明確にし、その測定結果が高速でフィードバックされ、携帯で常時把握出来れば、ゲームは立派に成立します。私とトット記者の二人の間でも、家庭の電気測定器と携帯をつなげれば、どちらがより多く電力を使用したかすぐに分かります。そこから1日の節電の勝ち負け、1週間の勝ち負けを、判定できるグラフもつくれます」

記者「節電甲子園大会の具体的な試合方法を教えて下さい」
平賀「期間は8月7日(日)から21日(日)までの15日間です。判定は、節電した量ではなく、節電する中で生活の質をいかに維持したか、節電の優位性をいかにアピールしたかで決まります。クーラーを止めて無理な節電し、熱中症など起こした場合、失格です。参加資格は、1名から無制限まで認められ、所属の責任者名さえ明確にすれば参加出来ます。ファンタジアランドのホームページに申し込めば良いのです。優勝判定は、8月21日誕生日の小学6年生複数人にお願いしました。優勝団体もしくは個人に対して、木製のトロフィーを授与します。アイデア賞には、木製の楯を授与することになっています」

記者「今年で節電甲子園は2年目ですね。昨年の第一回大会では、ユニークな節電はどんなものがありましたか」
平賀「そうですね、愛国町の住民が参加し、幸福スーパーが主催した節電祭りが面白かったですね。スーパーの照明に使う消費電力量をを半分にしたのです」

記者「照明を半分にすれば、暗くなって商品に悪いイメージを持たれませんでしたか。どのスーパーでもコンビニでも、明るい方が人は集まると考えていますよ。明るい方が作業能率も上がると思いますが」
平賀「人が集まるかどうかは別として、照明の明暗と作業能率の関連は、短期間であれば無視できるという研究結果があります。意外と有名な研究で『ホーソン工場の実験』として知られています。結論から言えば、モチベーションが高ければ、照明が暗くとも作業効率は上がることはあっても下がることはないというものです」

記者「そういうものですか。それで幸福スーパーはどうなりました。」
平賀「このスーパーは、愛国町の住民の同意を得て照明の明るさを半分にしました。このスーパーが使用する電力料金は年間7000万円です。そのうち照明には60%の4200万円使います。15日間で約170万円の照明費を使うことになります。もちろん、この時期はピークタイム料金が加算されますから、実際の節電料金はもっと増えています。でも、85万円が節電されたと計算しました。この浮いたお金を、客さんにポイントの形で還元したわけです。スーパーは、8月7日から21日までの15日間の電力使用量の制限を申告し、電力会社からマージンをもらいました。ピークタイムの電力料金は1kw60円、普通は30円です。ピークタイムにおける電力使用量を減らす提案は、電力会社から喜ばれました。バックマージンが戻り、この戻り金を従業員の方に臨時金として配布しました。幸福スーパーは、他の店に対してポイント優位や環境にやさしいという企業イメージの高揚で、販売戦略が広がりました。お客と従業員、そして企業がウインウインになったわけです。」

記者「愛国町民の意識の高さが、このような好循環をもたらしたわけですね。このアイデアが、もちろん優勝ですよね」
平賀「いや、幸福スーパーは、アイデア賞でした。優勝は、天国村が獲得しました。この村は、全体で節電したお金で太陽パネルを設置したのです。太陽パネルが作り出す電力を売電し、その利益で毎年図書館に世界の絵本を購入することにしました。毎年少しずつ太陽光パネルを設置し、そこから売電の利益を得て、本を買い続ける仕組みを作ったわけです。子ども達には評判でしたね」

記者「節電甲子園大会を、1年を通して続けることはできないのですか」
平賀「難しいですね、人間は飽きやすいですから。でも、三日坊主を何度も続けていけば、いつかは努力の人になるかもしれません」
記者「今年度の節電甲子園大会を楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました」


注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。



ゲーミフィケーション その1 高校生バイトの確保と育成

2016-05-24 21:54:22 | 日記
ゲーミフィケーション その1 高校生バイトの確保と育成

 高校生のバイトなくしてコンビニや外食の経営は、成立しない時代です。バイトは収入を得ながら新たな社会経験ができるという長所を持つ反面、学力低下をもたらす危険もあります。高校生のバイトが学業と両立することは、本人にとっても社会にとっても有意義なことです。成績の低下や生活の乱れがなければ、家庭や学校も喜んで支援することでしょう。今回は、高校生のバイトの斡旋クラブを運営している平賀さんに、トット記者がインタビューしました。

記者「バイトの斡旋クラブであるファンタジアクラブの設立趣旨を、教えて下さい」
平賀「はい、話は長くなりますが、日本のブラック企業の四天王は、外食、コンビニ、IT、運輸の企業です。これらの企業では、多くの有為な人材を使い捨てにしてしまう傾向があります。才能を開花させることなく、低い技能労働者として低所得階層に没落させているのです。低所得階層に甘んじれば、生活は苦しくなり、心身ともに過労を強いられます。これらの階層の人々は、病気になりやすく、生活保護を受ける人が増加しているのです。ブラック企業は、従業員を低賃金で使い捨てにして、なおかつ将来にわたって納税者が払う税金を使い続ける企業でもあるのです。当然ブラック企業は、人手不足です。あの手この手で人集めをしています。でも、ここでちょっと、高校生の立場に立った仕組みを工夫すれば、バイトを希望する人を確保できますし、高校生も充実した生活が可能になるのです。そのしくみを具現化したのが、ファンタジアクラブです」

記者「具体的には、どんな仕組みなのですか」
平賀「高校生のバイトは、外食、コンビニなどに集中しています。バイトを雇う会社と仕事を探している高校生を、会員として登録します。会員の同意を得た上で、企業の希望や高校生の仕事の履歴を流します。お互いの希望がマッチすれば、そこでバイト契約が成立する仕組みです」

記者「簡単ですね。でも、ブラック企業は契約してしまえば、後はどうにでも使い切ってしまうのではないですか。」
平賀「もう少し、最近の教育の動向をお話しておきましょう。教育は、国の資本という考えが根付いています。これは、日本が世界に広めた思想でもあり、戦後70年にわたって実践してきたことです。戦後日本は最底辺国から、世界2位の経済大国になりました。今は3位ですが。日本の成長を見て、日本の憲法と教育基本法は素晴らしいと、世界は賞賛しています。子ども達を育てている日本の教育界は、現在も高い要求水準を求められています。小学校から大学にいたるまで、達成すべき学習成果が明確になり、その成就度が『見える化』されています。成果が出せない場合、マネジメントの立場から出来ない理由を明らかにし、達成できる解決策を管理職には求められています。従来の服務規程中心の管理体制から、問題解決型の管理体制に教育界も成りつつあるのです」

記者「いや、びっくりしました。教育界も問題解決重視に変わりつつあるんですね。具体的にどんな点を評価していしていくのですか」
平賀「教育に熱心な高校は、毎日学年プラス2時間の家庭学習を奨励しています。この学習時間は1年生で3時間、3年生で5時間になります。この程度の家庭学習をしないと、学力は身に付かないことになるわけです。高校生には、生徒自ら時間管理をする習慣を身につける教育プログラムが実施されています。ちなみにこれからの時代は、ソフトウエア開発やビックデータの分析などに関わる技術者の需要が急増します。これらの技術者には、心理学者であるピアジェのいう抽象化の能力が不可欠です。抽象化能力は、高校の数学にある程度熟知していなければ、獲得出来ないといわれています。少しでも多くの高校生が、このレベルまで成長して欲しいわけです」

記者「抽象化能力が大切なことは分かりましたが、学力以外で大切なものはないのですか」
平賀「部活動を熱心に行ってきた生徒は、3年生のインターハイ以後の学力が驚異的に伸びるという経験法則があります。3年生4月の時点で不可能と思われていた国立大学を現役でクリアしていくこともめずらしくありません。これらの生徒に対して、ベテラン進路指導教諭は、かなり好意的楽観的に見る傾向があります『あいつは、これから伸びるぞ』といったベテラン進路指導教諭のカリスマ的言動が、他の教諭に与えるピグマリオン効果も無視できないようです。ちょっと脇道にそれました。これは、バイトにもいえることです。両立をしている生徒は、時間管理や高い内的動機により課題達成をしているわけです」

記者「部活やバイト、そして各種のボランティア活動などは、生徒の能力を高める上で大切だということですね。でも、学習時間が減れば、学力が低下するのは当然のように思うのですが」
平賀「高校生は、時間的制約を乗り切る潜在力を秘めているのです。新たな課題に直面したとき、彼らの能力は100%以上にも200%以上にも発揮されます。ここが、ベテラン教諭の経験値なのです。一般的な教員は、生徒が1000時間学習すれば、ある分野の知識が一定のレベルに到達することは理解できます。でも、ベテラン教諭は、生徒の内的動機が能力以上の力を発揮する現象を数多く見ているのです。不可能と思われていた生徒が、易々と難関大学に合格していく姿を!。そして大学に行ってからも、能力を発揮し続けていくことをです」

記者「一定量の学習と部活やバイトなどの活動が、有用な人材に育つ素地になることは、分かりました。具体的にはどのように学習支援や就業支援をするのですか」
平賀「まず学習とバイトが、両立しているかを把握します。登録し、働き始めた時点から、家庭、学校、コンビニ、本人、クラブの5者が、学業成績や店の勤務状況を携帯等で随時把握出来るようします。高校は年5回の中間試験と期末試験があります。この試験で、一定の到達水準に達していれば、バイトの時間給を10円上げます。達していなければ、シフトの時間を減らす処置を取るのです。」

記者「すると、5回とも達していれば、5(1日の勤務時間)×192(年間の勤務日数)×10(成功報酬10円)×5(成功報酬が最大の場合)=48000円になります。バイトの時間給は、いろいろですが時給800円とした場合、年間所得768000円になりますね。学習が到達水準に達していれば、48000円が加算されることになるということですか」
平賀「そういうことです。ここで大切なことは、お金よりも学習の到達度の把握になります。そして、働く高校生が両立しているかという点です。少ない学習時間で、他の分野の活動をして、なおかつ学習も仕事も両立させている点を評価するのです。企業は、勉強だけが到達水準に達した生徒と両立をさせて到達した生徒のどちらを評価するかは明らかでしょう。時間管理や場面展開への対応などの社会的スキルを持っている高校生を高く評価します」

記者「高校生を潰さすに、社会に貢献するように育てているという企業イメージがアップしますね。良い会社とブラックの会社の見える化によって、世間が評価する会社がはっきりしてきます。高校生も選ぶ会社を、決めやすくなります」
平賀「日本は、年間40兆円の医療費を使っています。患者が5兆円を自己負担し、税金が15兆円投入され、20兆円が保険の積立から支払われているのです。高い技術や技能を持って働く人が増えれば、納税額も増え、40兆円の医療費でも楽になります。もっとも、1000兆円の借金を返す方に向けなければなりませんが。優秀な人材が多ければ、国の富は増します。そんな意味でも、バイトの斡旋クラブであるファンタジアクラブを、運営しているわけです」
記者「今日は、どうもありがとうございました」

注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。


アフリカの潜在力 その2 物流インフラの充実 ケニア編

2016-05-20 22:54:28 | 日記
アフリカの潜在力 その2 物流インフラの充実 ケニア編

 現在ケニアは、道路や鉄道などの輸送網が整備され、念願のジャストインタイムの工場生産を行なおうとする萌芽が見られます。工業化が難しいとされた、ケニアがここまで成長した過程や理由を、アフリカ事情に詳しい二宮さんにトット記者がインタビューします。

記者「ケニアにおける輸送網が飛躍的に進展した理由を教えてください」
二宮「はい、その前にケニアの発展を疎外していた要因について、少しお話します。2013年当時、ケニアの良港モンサバのコンテナ取り扱い能力は、45万個でした。運び込まれるコンテナは77万個もあり、モンサバの港湾内はコンテナで溢れかえり、大渋滞が続いていたのです。ケニア国内には、港湾技術を修得した技能者がほとんどいないことも、混乱に拍車をかけていたのです。でも、港湾内のターミナルを拡張し、道路を延長して渋滞をなくすなどの対策の結果、120万個のコンテナを扱うアフリカ有数の良港になりました」

記者「すごいですね。その後どうしたのですか」
二宮「先に説明したように、優秀な人材が国外からケニアに帰国していました。彼らの一部は、国の事業を推進するリーダーになったのです。ケニアは、中国に港湾施設と道路の建設をお願いしました。中国の開発スピードは定評があります。ケニア政府と中国のトップが約束すれば、1年以内に事業が開始されます。その期待通り、港湾も主要国道の舗装も完成しました」

記者「中国恐るべしですね。でも港湾設備と道路の建設だけで物流がスムーズに動くものですか」
二宮「動きません。当時モンサバの通関業務は、48時間ほどかかっていました。現在は4時間になっています。ケニアのモンサバ港のコンテナは、スーダンまでの陸路で4日間で走破できます。ところが税関で14日間、待たされていたのです。これではジャストインタイムの思想からすると、工業化が困難な国と刻印されてしまいます。外国の資本や技術も入ってきません。税関の改善が行われました。その結果、EUのように国境をフリーパスにしました」

記者「これでは確かに、物流の流れはスムーズになりますね。でも密輸とかの問題はどうしたのですか」
二宮「検査機器の充実を図りました。以前から先進国は検査機器を援助していたのですが、使いこなす人材がいなかったのです。」
記者「人材育成の課題をどのように克服したのですか。途上国ではここが最も難しいところですよね」
二宮「そのとおりです。優秀な人材は、政府と民間に別れました。民間に向かったリーダーは、人材派遣の起業を起こしました。民間のリーダーは、ケニア人の『読み、書き、そろばん』能力を高める仕組みを作り出したのです。母国語を重視した学習です。たとえばケニア人にとってスワヒリ語の『読み、書き、そろばん』は、短期間で一定のレベルまで到達します。でも、英語の『読み、書き、そろばん』の場合、数年かかっても一定のレベルにはなかなか到達しないのです。母国語で一定の『読み、書き、そろばん』ができた人は、通常の労働に支障のない人達です。これらの人達は、仕事を通じて技能を習熟し、より高い技能を獲得していきました。もちろん高い技能には、高い賃金が支払われます。余裕ができた人達は英語の習得をして、さらに高い技能や技術を獲得していく流れができたのです。人材が多様になれば、人材派遣業の出番が多くなります。このように国レベルで、人材の厚みが増して、現在の豊かな生活を手に入れたわけです」

記者「人材の育成は、どの国でも課題になりますね。人材派遣の起業という発想が、ユニークです。携帯が普及しているケニアでは、働く場所さえあれば、企業と技能者のすりあわせはスムーズでしょう。その意味では人材派遣が良い仕組みになったわけですね。」
二宮「はい、中国の援助は、中国国内から安い労働力を大量に連れてきて、短時間で道路などの工事を完了するものです。一方、政府系リーダーが日本に要請したものは、メインテナンスや技能者の養成でした。中国が構築したインフラを有効に利用する知恵を、ケニアの技能者に教えて欲しいというものでした。」

記者「道路の建設は中国が短期間で行い、継続的にそれらの施設を使えるようにするメインテナンスやその人材育成を日本が行うという役割分担ですか。そして養成した人材を人材派遣の会社を通して、適材適所で企業に雇用してもらうというしくみですね。ケニアは、失業率が非常に高かったと聞いています。今は、勤労者が増え、納税人口も増大し、治安は安定し、経済も安定して発展しています」
二宮「そうです。話は飛びますが、当時シリア難民の増加で、EUではいろいろ問題が生じました。祖国で働けて、家族が安心して暮らせれば、危険を冒してまでEUにいかなくとも良かったのです。シリアの政情不安は、異常気象による不作が根底にあっともいわれています。衣食住が、一定のレベルであれば、人々は自分の生まれ故郷が一番です。他国の安定が、地域の安定に繋がり、世界の安定に繋がることを忘れてはいけません。余裕のある国は、不安定な国の文化や宗教を尊重しながら、支援をしていくべきなのです。」
記者「ところで工業化の進展は、どのようになっているんですか」
二宮「ケニアでは、まだまだ国道以外は悪路が多いのです。悪路に強い車が、自動車の価値を左右しています。ケニアには、大量の中古車が海外から流れてきます。モンサバ経由で、国内外に配送されていくわけです。中古車は、部品の供給が生命線です。消耗しやすい部品の輸入が増えます。ケニアのリーダーは、熟慮しました。経済を安定させ雇用を増やすためには、製造業の育成がかかせません。中古車を輸入し、部品を輸入するより、良い方法はないのかと考えましたた。その結果、全ての部品を輸入し、モンサバの近郊に工場を建て、そこで組み立てて、完成車として国内外に配送する仕組みを構築したのです。組み立てには、技能工が必要です。組み立てラインを維持することで、技能工を育てたのです。ここには、政府からかなりの支援がありました。次に部品工場を誘致したり、ケニア人自身部品を作る工場を建設し経営させました。自動車は3万点の部品からつくられます。このうち5千点の部品をケニア国内でつくれるようにしたのです。その結果、製造業は安定したのです。人材育成に力を入れ、工場の誘致に今も奔走しています。官民の努力の成果として、製造業の裾野は広がり、働く人も多様な技能を持つようになったのです。今では、求められる技能工をあらゆる分野に渡って、即座に派遣できる体制が出来ています」

記者「進出企業も人材の面では、安心できる体制ができたわけですね。ケニアを縦横に走る道路を利用し、東部アフリカはもちろん、南部アメリカや中央アフリカにも自動車や関連部品を輸出しているわけですね。」
二宮「はい、もちろん輸出も輸入もします。これらの物流をスムーズにすることが、アフリカ全体の安定と経済発展に繋がっているわけですから」

記者「今日は、ありがとうございました」

注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。




アフリカの潜在力 その1 世界の穀倉地帯へ

2016-05-17 22:04:51 | 日記
アフリカの潜在力 その1 世界の穀倉地帯へ

 現在アフリカは、世界の穀倉地帯として脚光を浴びています。穀物を輸入する大陸から輸出する大陸に成長したのです。この成長の過程や理由を、二宮さんにトット記者がインタビューします。

記者「2015年当時、世界の栄養不足人口は約8億人でした。その多くは、南部アフリカや東アフリカの国々の人々でしたよね。農業生産性を向上させた理由を教えてください」
二宮「農業の生産性を上げた例は、ブラジルのセラード開発が有名です。日本の技術援助で、1200万㏊の荒地を大豆とトウモロコシの穀倉地帯に変えました。ブラジルを穀物王国にしたのです。アメリカの独占的大豆やトウモロコシ貿易に、くさびを打ち込む働きをしています。アフリカの場合、自助努力が大きかったと思います」

記者「アメリカの大豆貿易にくさびを打ち込むって、どういうことですか」
二宮「1973年にアメリカのニクソン大統領が、大豆輸出禁止を宣言したのです。アメリカから大豆を輸入していた日本は、大変困りました。そこで、ブラジルと1979年にセラード開発事業を起こしたわけです。これが成功し、日本は大豆やトウモロコシの安定供給を受けることになりました。アメリカが一方的に輸出を停止すれば、ブラジルから輸入を増やせばよいのです」

記者「なるほど、では以前のアフリカの農業について、教えて下さい」
二宮「その前に、アフリカの栄養不足の状況を説明しておきましょう。2015年当時アフリカの24カ国は栄養不足の状態でした。農家の農業技術が低いために、作付面積を広げることでしか、生産を上げることができなかったのです。そこに爆発的に人口が増加してきたため、作付面積が細分化されていきました。各農家が活用できる農地はどんどん狭くなり、収穫量はどんどん減っていったわけです。結果として、人々に食物を供給出来ない状況になったわけです。アフリカ農業の弱点を指摘し、解決策を示した人達が、帰国した知識人でした。優秀なアフリカ人は欧米に留学するとか、欧米の一流の企業に勤務していました。彼らが自国の発展のために帰国して、問題の解決に努めました。その第一が、肥料の確保です。肥料が、アフリカの農業を変えると確信したのです」

記者「農業に肥料が必要なことはわかりますが、アフリカの農業を変えるほどのインパクトがあったのですか 」
二宮「栄養不足の状態を克服(北朝鮮を除く)した東アジアでは、1㏊当たり300kgの肥料を使います。当時のアフリカでは10kg程度です。これでは土地はやせ、さらに生産性は低下する一方でした。肥料製造の原料は、リン酸肥料がリン鉱石、カリ肥料がカリ鉱石、窒素肥料が天然ガスになります。当時危惧されていたことは、リン鉱石とカリ鉱石が世界的に減少の一途をたどっていたことなのです。中国はリン鉱石とリン酸肥料の最大の生産国でしたが、リン酸肥料の輸出に100%の税を課していました。将来、これらの肥料が不足することを予想したためです」

記者「肥料を大量に使っていた中国や日本が高い生産性を上げていたことはわかりましたが、どのようにして肥料を手に入れたのですか」
二宮「帰国した優秀な人材が、リン鉱石とカリ鉱石の鉱山を発見したのです。肥料産業は経済が近代化していくときの基軸となる産業の一つです。ここにアフリカの自立の突破口を見いだしたともいえます。アフリカには、天然ガスが無尽蔵にあります。窒素肥料はいつでもつくれたのです。リンとカリと窒素の3つ肥料を確保できたことが生産性をあげる重要な要素になりました」

記者「肥料は分かりましたが、土地は不足していましたよね 」
二宮「実は、耕作可能な土地はまだまだたくさんあったのです。当時のアフリカの耕地面積は260万k㎡で総面積3022万k㎡の8%でした。日本国土の7倍の耕地面積になります。さらに道路のインフラが整備されるに従って、耕地はどんどん増えていきました」

記者「土地と肥料だけで生産性は向上するものですか」
二宮「それほど簡単なものではありません。他に2つの要素があります。一つは農家が現金収入を得ることが可能になったのです。小規模農家の能力が向上すれば、市場に出せる作物が作れるようになります。当時アンゴラの首都ルアンダでは、キャベツが1個20ドルしていました。小規模農家が市場にアクセスしたり、増産体制の下地ができていたのです。携帯の出現が、市場へのアクセスを可能にしました。自分たちの作った作物を自分の売値で売ることが、携帯を通じて可能になったのです。ナイロビでは、スーパーに十数種類のブランド米が陳列されています。人気のある米には、肥料を投入したり、農業機械をレンタルで使用することで生産量を増やしました。そして現金を手にしたのです」

記者「現金が入れば、意欲がでてきますね。もう一つの要素はなんですか 」
二宮「セラードを開発したブラジルの技術者達が、モザンビークで農業開発支援を行ったのです。モザンビークの北部とセラードは緯度も同じで、気候も似ていました。さらに、この二つの国の言葉はポルトガル語なのです。モザンビークでは、土地が基本的に国有地でした。国家でプロジェクトを行う場合、食糧増産を行うために思い切った土地利用ができたのです。雨量の比較的多い東アフリカは、穀物増産に成功したというわけです」

記者「アフリカの潜在力がよく分かりました。今日はありがとうございました 」
二宮「また来て下さい 」


注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。



奈々ちゃん「幼保一体化の有益性を語る」

2016-05-13 22:47:05 | 日記


奈々ちゃん「幼保一体化の有益性を語る」

 恵まれない家庭に生まれることが、子どもに格差をもたらしています。家庭の経済格差が、子どもの認知能力(知能と学力)や非認知能力(忍耐力、自制力、協調性、意欲などの能力)の格差を生み出しているのです。これらの能力は幼少期に発達し、成長後の所得にも影響を与えます。恵まれない環境で生まれた子どもは、高度な技能を持たない人間になり、生涯を通して低い賃金で働くことになります。でも、幼児期に適切な教育を施されれば、高度な技能を獲得し、豊かな生活が出来るのです。このような意見を述べる奈々ちゃんに、トット記者がその真意を聞いてみました。

記者「幼保一体化とはどんなことなんですか」
奈々「以前、保育園の待機児童が5万人以上になり、社会問題になった時期がありました。このとき、幼稚園には70万人分の空きがあったのです。保育園と幼稚園は役割も機能も類似しています。待機児童を解消するために、幼稚園を有効活用する施策を採用しました。待機児童の数は、たった5万人ですから、70万人分空きがある幼稚園に入っていただくことで、一気に問題が解決しました。その時、保育園を管轄する厚生労働省と幼稚園を管轄する文部科学省が、ポジティブに作り出した制度が幼保一体化です」

記者「そんな経過があったのですか。縦割り行政の強い中で、よくがんばりましたね。幼保一体化の中で行われる幼児教育の利点とは、どんなものですか」
奈々「認知能力と非認知能力が、幼児期に大きく発達します。これらの能力を強化しておけば、将来にわたって個人にも社会にも、有益なわけです。幼保一体化の教育制度の中で、認知能力と非認知能力の強化を目指した教育実践が容易になることが、最大の利点です」

記者「どうして、非認知能力などという概念がでてきたのですか」
奈々「学力試験や知能指数のテストの点数だけで『どれほど賢いか』を決める傾向がありました。経済学者の研究対象も、学力や学歴、そして知能指数などの認知能力だけに焦点を当ててきました。なぜ所得格差が起こるかを分析する視点が、『学歴の違い』とか『学力の高さや低さ』に偏っていたのです。高学歴同士から生まれた子どもはどうなるのかとか、所得の低い家庭の子どもと学力はどうなるのかなどを調べる研究が、闊歩してきたわけです。このように認知能力ばかり注目されてきましたが、認知能力の研究だけでは、説明が付かない事象が数多く出てきました。最近になって非認知能力も、社会的成功に貢献していることが明らかになってきたのです。研究テーマも、非認知能力を対象とする論文が急増してきました。すると、幼児期の非認知能力の重要性が浮かび上がってきたわけです」

記者「米国における幼児期の教育というと、『ヘッドスタート』が有名ですよね。でも、あの計画は失敗ということになっているのではないですか」
奈々「はいそうです。『ヘッドスタート』は認知能力に偏ったプログラムでした。非認知能力を高めるプログラムに不備があったのです。日本では、『ヘッドスタート計画』より以前に、認知能力と非認知能力を強化を図る『奈々プログラム』を開発していました。その追跡調査の結果、このプログラムの経済的優位性が明らかになったのです。」

記者「教育プログラムに、経済的優位性などいう考え方があるのですか」
奈々「『幼児教育は大切だ』と主張するだけでは、無策のそしりを免れません。幼児教育の充実には、投資についての費用対効果のデータに基づいた議論が必要不可欠です。ちなみに,奈々プログラムの利益率は8%です。高度成長からバブル終了時期の平均株式配当の5%より高いという試算がでています。経済投資より幼児教育投資のほうが、日本経済に有利に働いたということなのです」

記者「教育における費用対効果の見方を教えていただけますか」
奈々「忍耐力、協調性、意欲、自制力といった非認知力が、社会的な成功に繋がるというデータが蓄積されてきました。『奈々プログラム』を受けた恵まれない子ども達は、学力検査の成績が良く、学歴が高く、収入が多かったのです。これらの子どもは、一定の社会的地位を持ち、所得が多く、持ち家率が高く、健康意識が高い人間に成長していました。これらの子ども達への投資が、租税負担能力を高め、健康状態を向上をさせ、社会保障費の軽減を実現させています」

記者「『奈々プログラム』の概要を簡単に教えていただけますか」
奈々「就学前の恵まれない家庭の子ども達に、毎日2時間半ずつ教室で授業を受けてもらいます。週に1度は先生が各家庭を訪問して、90分の授業の狙いや経過の話し合いを行います。指導内容は子供の年齢と能力に応じて調整され、非認知的能力を育てることに重点を置きます。先生は、子どもが自分で考えた遊びを実践し、毎日復讐するように促すのです。指導方法は、子どもの自発性を大切にする活動を中心に行います。ここが大切なところになりますが、復習は集団で行い、子ども達には言葉ではなく、スキルを身につけることを徹底します。この教育は、選択肢のある高品質なプログラムを前提にしています。子ども達を一室に閉じ込め、質の悪い教育を施せば、かえって逆効果になります。このプログラムは、子ども達の家庭生活や文化的多様性を配慮することも大切になります」

記者「保育園に入れるだけで満足する時代から、幼保一体化の教育、そのコストパフォーマンス、将来の社会保障費の軽減までを見通した制度が求められていたことがよく分かりました。これらの教育制度の中で育ってくる人材の活躍を期待したいと思いました。今日はありがとうございました」
奈々「また来て下さい」


注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。



福島は宝の山よ その3 電気自動車 編

2016-05-10 22:36:40 | 日記
福島は宝の山よ その3 電気自動車 編

福島は、放射能汚染土壌の中間貯蔵施設と最終処分場をつくることで、6兆円の原資を得ることができました。汚染土壌の運搬と自動運転の開発のために、すでに3兆円を使っています。さらに、1兆円の資金を投入して「電気自動車(EV)の開発」を行いました。その経過を、藤堂さんにお聞きしました。聞き手は、トット記者です。

記者「なぜ、電気自動車だったのですか」
藤堂「汚染土壌を従来の車で運ぶだけでは、何となく目新しさを感じなかったことです。あと、電気自動車に未来を託したいという思いですね」

記者「電気自動車(EV)の利点は、どんな点ですか」
藤堂「簡単に作れることです。電気自動車は、モーター、蓄電池、インバーターがあれば走ります。電気自動車は、インバーターによる効率的な回転制御が可能な交流モーターを使います。電池に蓄えられた直流電力を交流電気に変換し、交流主電動機を作動させるわけです。直流は、制御が難しいというのはご存じですね。話は飛びますが、自動車の主要市場は、先進国から新興国に移りつつあります。新興国では、部品工業が十分に発達していません。ガソリン車の部品は3万点程度必要ですが、電気自動車はその3分の1程度で十分です。電気自動車は、この部品供給に不安のある新興国にとっては取り入れる価値のある車なのです。つまり、電気自動車は、新興国で需要が増える車だということです」

記者「利点があれば弱点もあると思うのですが、電気自動車が克服する課題はどんな点でしたか」
藤堂「耐久性と走行距離です。一つの目安がタクシーです。タクシー車両は、5年で50万kmの耐久性が求められます。当時、日産のリーフの場合、5年または10万kmの保障でした。業務用には、まだまだの状況だったわけです。5年で50万kmという耐久性を実現し、充電に要する時間をガソリン車の給油と同じ程度に短縮し、そして走行距離を800km以上にすることが課題でした。当時のガソリン車の優位性は、燃料供給時間、生産体制、基本性能の保障、メンテナンス体制などが完備していたことです」

記者「すると、ガソリン車が優位を保ったわけですか」
藤堂「いや、800km走行できれば、電気自動車の優位性は可能だったのです。これを可能にするには、革新的電池の開発が必要になります。1回の充電で800km走れる電気自動車が出来たために、世界の自動車産業に大きなインパクトを与えることになりました。世界の良識も、電気自動車の普及を支持し、使用していったのです」
記者「ところで、革新的電池の開発をどのように行ったのですか。世界のどの国も争ってこの分野の技術開発は行っていたと思うのですが」
藤堂「1兆円で電気自動車開発チームを、福島に呼び込んだのです。前に述べたように、自動運転の開発に1兆円を準備しましたので、電気自動車と自動運転を合わせて2兆円になりました。関連企業の方は、快くこの開発に優秀な人材を派遣してくれました。研究者や技術者であれば、最先端の課題に誰もが挑戦したいと思うものです。電気自動車開発チームの課題は、一つに新しい素材による電池の開発です」

記者「新しい素材による電池とはどのようなものですか」
藤堂「電気自動車のコストの大きな部分を占める電池が、戦略部品として重要な位置を占めています。当時リチウムイオン電池は、正極材料にコバルトやリチウムの化合物質を使い、負極材料に炭素を使用していました。この電池では、200km程度の走行距離を確保するのが限度でした。より電池の出力密度を高める新しい電極の材料の開発をめざしたのです。それは硫黄を材料にした、従来の5~6倍の電池容量を持つ電池でした。優秀な開発チームが、豊富な研究費を縦横に使い、短時間で開発してしまいました。この電池を使い、1回の充電で走行距離800kmの電気自動車が可能になったのです」

記者「硫黄は確かに、電気を多く蓄える性質があると聞いています。でも、充放電を繰り返すと、電解質に溶け、電池の性能が劣化する弱点があったのではないのですか」
藤堂「良い質問です。今回は、硫黄と鉄を結合した材質を正極材料として使用し、電池の耐久性を確保したのです。コバルトなどのレアメタルを使用せず、通常でも容易に入手できる硫黄や鉄を使う事で、電池のコストダウンに成功しています」

記者「電気自動車の波及効果は、どんなものでしたか」
藤堂「世界で走っている自動車が使う燃料は、巨大な原子力発電所30基を超えます。さらに自動車が排出する二酸化炭素は、世界全体の20%になります。そのほかに、一酸化炭素、窒素酸化物などの有害物質を排出し、環境汚染の原因になっているのはよく知られているところです。電気自動車は、これらの汚染物質とは無縁です。ガソリン車が50万km走ると5年で約600万円の燃費がかかります。電気自動車は、150万円です。環境への負荷や燃費のコストパフォーマンスが、格段に良いのです」

記者「あと、どんなものがありますか」
藤堂「電気自動車のモーターは、コンピュータシステムよる精密制御が可能なのです。コンピュータでインバータを正確に動かします。インバータは、電気自動車の速度を正確に制御します。この車は道路状況に合わせて、細かく正確な制御されながら走行するわけです。すなわち、電気自動車は、自動運転技術とベストミックスなのです。福島のミニ筑波学園都市において、電気自動車と自動運転の技術開発は、車の両輪のように円滑に進みました。開発した二つの技術は、正確な公道走行や低燃費として具現化していきました。自動運転と電気自動車の改良を、同時並行に進めていったわけです。不具合が起これば、集結していた技術者がすぐに問題点の洗い出しを行い、早急に改善し、改良車の試走を行うという試行錯誤を繰り返しました。結果として、世界の車市場において、電気自動車と自動運転で優位な立場を確保したわけです」
記者「『転んでもただは起きぬ』福島の心意気を見たように思います。次は、電気自動車と自動運転の優位性がどのような結果をもたらしているのか、インタビューしたいと思います。今日はありがとうございました」


注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。



熟年老人の旅行術  その3 駅弁と名城を巡る

2016-05-06 22:11:24 | 日記
熟年老人の旅行術  その3 駅弁と名城を巡る

 よりコストパフォーマンスの高い旅行を計画して欲しいという要望がでています。そこで、天守のある名城と駅弁を食べる旅行計画を立ててみました。期間は5日間で、交通費は、10万円以内という条件です。かなり難易度が高い旅行計画のようですが、どうなりますか。報告は菅江さんで、聞き手はトット記者です。

記者「江戸時代以来の天守が残っている城が、12あります。今回はそのうち、青森の弘前城、長野の松本城、愛知の犬山城、福井の丸岡城、滋賀の彦根城を5日間で巡る計画ですね。さらにご当地の美味しい駅弁を食べるという趣向が加わります。本当にできるんですか。」
菅江「1人ではできないのです。奥様の協力が必要になります。フルムーン夫婦グリーンパスを利用します。このパスは2人で82,800円なのです。とてもコストパフォーマンスに優れています。新幹線も特急のグリーン席も自由に使えます。今回は、5日間とも日帰り旅行になりました。グリーンを使うので、疲れが軽減され、熟年には嬉しい旅行です」

記者「日程はどのようになるのですか」
菅江「まず1日目は、弘前城を目指します。宇都宮を8時24分の『やまびこ』に乗り仙台へ、そこで『はやぶさ』に乗り換え新青森に11時21分に到着です。弘前には11時59分に着きます。駅でレンタサイクル借りて、弘前城に向かうことになります。自転車なので、お城を1周することも楽しみです。弘前城の屋根瓦には、銅瓦が使われています。一見の価値があるところです。1時間ほど城内を見て、宇都宮に帰ります。新青森駅で、『陸奥湾のホタテ釜飯』弁当を買い、車内で食べます。宇都宮には19時頃帰ることになります」

記者「そうすると、1日目の二人の往復旅費の合計は約8万円弱になりますね」
菅江「はい、1日で元が取れるほど、コストパフォーマンスに優れているトクトク切符です。二日目は松本城です。9時頃宇都宮を出ると12時前には、松本に着きます。駅からお城まで歩いて行きます。調度良い運動になりますよ。途中で、信州名物のソバを食べるのも楽しみです。松山城の五重天守が、野面積みの石垣の上にそびえています。壮観ですよ。帰りに『やぐら御前』の駅弁を買って、車内で食べながら帰ります。宇都宮には、18時頃帰ることになります」

記者「日帰りの長距離旅行は、心身の過労をもたらしませんか」
菅江「旅を存分に味わうには、かなりの知力と体力が必要です。観光地を巡る旅を、『浅はか』と軽蔑する『準熟年』がいます。でも、タフな体力がなければ、有名な観光地は巡れないのです。体力の大切さを、快楽熟年は熟知しています。旅は、繊細な精神とタフな体力がなければできません。体力は人生を楽しむ源泉なのです。日頃の鍛錬を、怠るものは、旅をする資格がないといえます」

記者「熟年の体力を維持・増進するには、どんな方法があるのでしょうか」
菅江「ウォーキングには多くの効用があります。でも、工夫が必要です。普通に平地を1万歩歩くより、速歩を織り交ぜたウォーキングをすべきです。坂道を利用したり、歩道橋を利用したりして筋肉に負荷をかける歩き方も大切です。熟年になればなるほど、歩幅が狭くなります。広い歩幅を維持することが、若々しい歩行になり、効用も高くなります。速く歩ける人は、遅い人に比べて、死亡率が5分の1も低いというデータがあります。毎日、工夫しながら、楽しく歩くことで、体力を維持・増進していくのです。でも維持・増進することが自己目的になってはいけません。楽しむための体力を身につけておくのです。」
記者「歩き方にも、効果的な歩き方があるとは知りませんでした。」
菅江「脇道にそれますが、歩き方で大切なことは、姿勢なのです。股関節や腰椎を中心とする体幹付近の関節を、無理なく操作できる状態が、姿勢の基本です。無理のない素直な姿勢は、古来より美しいとされていました。芸に精進する人達は、常日頃から良い姿勢を基本としています。彼らの姿勢は、体幹の軸が基本になっています。毎日1万歩歩いている人でも、悪い姿勢で歩いていると、いろいろな障害が出てきます。注意したいものです」

記者「3日目は、どうなるのでしょうか」
菅江「福井の丸岡城に行きます。宇都宮を7時42分に出て、新幹線を乗り継いで金沢に10時47分に着きます。そこで、特急サンダーバードに乗り換え、福井に11時42分に到着です。そこから丸岡城行きのバス停(福井駅)まで5~6分歩きます。時間があるので、名物の越前そば、もしくはソースカツ丼を食べて時間を過ごします。12時40分に丸岡城行きのバスに乗り、50分程度で到着になります。1時間程度、城を見て帰ります。丸岡城の天守は現存するものでは、最古のものといわれています。天守には石瓦が用いられており、双眼鏡で確認することも、一つの楽しみかもしれません。14時45分のバスで福井に向かいます。16時3分に福井でサンダーバードに乗り、宇都宮に帰ります。途中金沢で『利家御膳』を求めて車内で夕食とします。宇都宮到着は、19時55分頃になります」」

記者「犬山城と彦根城の見どころは、どこになりますか」
菅江「犬山城は、木曽川からの眺めは『白帝城』の雅称に恥じないものです。彦根城は、城の規模に比べ、天守が小さいのです。でも天守の石垣は、支える力が強い野面積みです。彦根城の堀の中を1周するのも、良いかもしれません。天下普請の威力が分かりますよ。蛇足ですが、フルムーンパスの弱点は、JR東海で『のぞみ』が使えないことです。本数の少ない『ひかり』で、旅行日程をつくることになります。」

記者「どんな日程になりますか」
菅江「4日目の犬山城には、宇都宮を8時10分に出て、東京9時33分の『ひかり』で名古屋にいくことになります。名古屋から名鉄名古屋に乗り換えて、犬山遊園で降り、徒歩15分程度で到着です。木曽川からの展望を楽しむためには、やや時間が必要です。14時34分の犬山遊園発の電車に乗り、宇都宮に向かいます。名古屋で『味噌カツ弁当』を忘れてはいけません。宇都宮には18時頃着くことになります。5日目の彦根城は、4日目と同じ『ひかり』に乗り米原まで行きます。そこで乗り換えて5分で到着です。11時55分に着いてから徒歩10分程度で、彦根城に入ることになります。私もよく分からないのですが、ここには広い梅林があります。いつかその存在理由を、調べたいと考えています。水戸の偕楽園にも梅林があるんですよね。帰りは、彦根を15時30分頃出て15時52分の米原発の『ひかり』に乗り宇都宮を目指します。彦根では『湖畔のお話』弁当を買い、車内で食べます。宇都宮には19時18分頃到着で、今回の旅行は終了になります」
記者「確かに、新幹線や特急のグリーンを使いながら、コストパフォーマンスの優れた旅行ができることが分かりました。今回改めて、認識を新たにしたことがあります。熟年は健康であれば、自分のやりたいことはほとんどできるということです。西行や芭蕉が、今回のような旅行をしようとすれば、何年もかかったでしょう。今の熟年は、望めばすぐにこの程度の旅行は実現し、はるかに快適な旅行が可能です。良い時代に生活していることがよく分かりました。今日はありがとうございました」

注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。


熟年老人の旅行術  その2 NPO法人 旅とトラック

2016-05-03 21:14:50 | 日記
熟年老人の旅行術  その2 NPO法人 旅とトラック

 先日「鎌倉時代の石工を追う」では、少ないお金での旅行というテーマでした。でも、宇都宮-奈良間の往復交通費が16000円では高いという声を聞きました。それで、もう少し安価な旅を考えてみました。報告は菅江さんで、聞き手はトット記者です。

記者「トラックを利用したより安価な旅とは、どんなものですか」
菅江「はい、トラック業界について少しお話します。日本の自動車貨物の輸送量は、年間43億トンです。この量は、この数年大きな変動がないのです。でも、この輸送に従事するドライバーが、毎年3万人辞めています。輸送量が変わらないのに、輸送を行っているドライバーが減少していることは、現役のドライバーに負担を掛けていることを意味しています。それで、最近自動運転技術の開発が急がれているわけです」

記者「ドライバーにかかる負担とか不利益とはどんなものなんでしょう」
菅江「睡眠不足、肩凝り、疲労の蓄積、生活習慣病、退職後の疾病過多による治療費の増加などです。これらは、健康で文化的生活を過ごす基盤を崩壊させるものなのです」

記者「確かに、壮年期おいて、過労状態で働き続けた人々の老後の健康が、問題になっていますね。この時期に心身の過労を持ったまま働いた人達は、老後の疾病率が高く、医療費を多く支払っているというデータが出ています。高齢化社会を迎え、医療費や介護費用の増加が負担にになっている日本にとっては、見過ごせない点ですね。国民の健康をライフステージという観点から捕らえた場合、どのステージでも一定の健康を維持できる仕組みが必要です。建て前としては分かっていても、現実にはなかなかできないことも多いですね。でもドライバーの方の健康が、これほど脅かされている状況とは知りませんでした」
菅江「はい、そこでドライバーの健康の維持増進をはかり、経済の基礎的インフラである流通を健全にする目的で、『NPO法人 旅とトラック』がつくられました。協賛した団体は、トラック協会や流通関係の企業、そして健康組合です。」
記者「ドライバーの方は、どんな働き方をしているのですか」
菅江「たとえば、福岡―大阪間の輸送を見てみましょう。福岡-大阪間は600kmです。『1日目、 福岡で午前中に荷を積み、午後に出発します。大阪には夜に着いて、朝まで仮眠をとります。2日目、大阪で朝一番で荷を降ろし、帰りの荷を積みます。午後に出発し、福岡には夜に着きます。朝まで仮眠をとります。3日目、福岡で朝一番で荷を降ろします。後は、家でお風呂に入り、ビールを一杯』というパターンになります」
記者「厳しいですね、睡眠不足は確実におきますよね。」
菅江「はい、『NPO法人 旅とトラック』では、睡魔に対しては代行運転、肩凝りにはマッサージ、腰痛にはフォークリフト+ロボットスーツの旅人を配置することにしたのです。たとえば、東京から福岡(1200km)に行くドライバーが、睡魔に襲われる地点の代行運転を希望します。東京在住で、福岡の須玖・岡本遺跡を訪れたい大型免許を持つ旅人が、出発日時と帰宅日時を登録します。この二つがマッチングすれば、臨時の二人組ができるわけです。睡魔が襲われる地点で2時間程度、旅人が運転をして、ドライバーの睡眠時間を確保します。」
記者「フォークリフトの資格を持つ旅人を求める需要が多いと聞きますが、どうしてなのですか」
菅江「ドライバーの仕事で大変な作業は、荷物の積み卸しなのです。ここでは、フォークリフトが活躍します。2人でやると、負担が少なく、そしてスムーズに作業が進むのです。ロボットスーツも使われるようになりました。NPO法人が、貸し出しをしたのです。旅人は、熟年老人ですから、非常に助かっているようです。現在、この法人に登録しているドライバーが5万人で、旅人が8万人となっています。NPO法人の仕事は、この両者の仲介になります。乗っても、運転しても、マッサージをしても、荷物の積み卸しをしても、無料です」

記者「面白い仕組みですね。ところで須玖・岡本遺跡は、どこにあって、どんな遺跡なのですか」
菅江「南福岡駅の近くにあります。博多から南福岡まではJR九州でいけば230円です。この遺跡は、『後漢書』にも登場した『奴国の都』です。南北2km、東西700mの大きさのこの都は、吉野ヶ里遺跡よりはるかに広い面積を持つ遺跡です。青銅器やガラスが大量に出土しており、『弥生銀座』の異名を持っています。当時の先進的文化が、花を咲かせていた場所なのです。」

記者「吉野ヶ里よりも大きな遺跡があったのですか」
菅江「須玖・岡本遺跡の特徴は、甕棺墓でしょう。一度は、その壮大な甕棺墓の姿を見ておくことは、熟年旅人の義務といってもよいものですよ。北九州には、このほかにも多数の遺跡があります。リピーターにならないと、知り尽くすことは難しいかもしれませんね」

記者「なるほど、『NPO法人 旅とトラック』を利用すれば、何度も訪れることが可能になるわけですね。最初の安い旅行というテーマの課題は、クリアしました。使った交通費が、460円だったのですから」


注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。