ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

貿易黒字の一部を発育阻害撲滅に使う スモールアイデアNO 299 

2019-06-30 19:36:27 | 日記

 インドは、近い将来中国と肩を並べる経済大国になるといわれています。インドネシアは、世界第4位の経済大国になると新聞で報道れています。この理由は、人口ボーナスにあります。人口増加率が高いアジアの新興国は、総人口に占める生産年齢人口比率が非常に高いのです。これらの国々は、経済成長を高める「人口ボーナス」期にあるとされています。インドには、右肩上がりの市場があります。ここには、適切な教育育や研修さえ受ければ大きな労働力となる膨大な若い労働人口があるのです。
 でも、懸念もあります。インドの場合、約4660万人に上る子供が発育阻害の状態にあるとされています。発育阻害は、乳児への不十分な栄養補給や不衛生な環境などによって起こります。この状態になった子供は、学業で苦労することが多く、後の人生を左右するのです。不安を増幅していることは、発育阻害の状態で成長した子供が母親となっていることなのです。発育阻害の母親から生まれた子供も、母親の影響を受けて栄養不良になる悪循環に陥いるケースが多いわけです。
 発育阻害の問題は、世界の発展途上国の新興国でも深刻になっています。この問題は、フィリピンやインドネシアといったアジアの新興国でも深刻なのです。フィリピンでは、子供の3人に1人が発育阻害の状態にあるとみられるています。十分な食事を取ることもできず、教育も受けられないままに、地方に暮らす多数の貧しい人びとが存在しているのです。フィリピンでは、子供の発育阻害の状況は過去20年間ほとんど変わっていないといわれています。栄養不良が現代の労働に向かない人材になり、経済成長を妨げるのではないかという懸念が広がっているわけです。労働力を生み出す膨大な青年達が、役に立たない人材と化する不安が出てきているのです。
 発育阻害にならないようにするには、人的資本への投資は有効です。栄養改善のために、1ドルを投資すると最大16ドルの経済効果をもたらすとの推計もあります。インド政府は、発育阻害の子供の割合を22年までに25%に減らす目標を掲げました。たインドネシアでは2017年、年に約39億ドルを投資して発育阻害の解決をめざす政策を掲げました。発育阻害に関連して、各国が負担するコストは巨額にのぼります。でも、政府機関だけの対策では不十分のように見えます。
 政府とともに、国民の健康や生活を豊かにする民間の活動も盛んになっています。インドでは、慈善活動と利益獲得の両方を狙うインパクト投資が広がっています。この投資金額は2025年には8800億円の規模になり、2016年の6~8倍に増えていく見込みです。この投資は、世界でも注目を集めています。例えば、インドのオデイシャ州では、乳業の近代化が遅れていました。生乳の大半が、地元で消費されていたのです。酪農家の収入は少なく、地元の生活は苦しい状態でした。ここに起業家が、殺菌など近代的な設備を持つ工場を立地して、高品質の牛乳乳製品を作ることを可能にしたのです。品質と鮮度を保つ容器に入れるなどして、販売先を他の地方にも拡大しました。この起業と契約する農家の3~4割は、過去5年間で収入が2倍になったのです。起業家は従来より高価格で生乳を買い取るために、酪農家は潤い地域に雇用も生まれました。地域と起業の好循環が生まれたわけです。結果として、発育阻害児は減少していくことになります。
 インドは多くの社会問題を抱えながらも、経済成長の中で多く投資家が育ってきています。起業家精神も旺盛なのです。投資家の中には、社会的貢献が十分ならば、金銭的リターンが市場平均より低くても良いと考える人達も少なくないのです。もっとも利益を上げれば、投資先が新規株式公開をする際に持ち株を手放し、投資したお金を回収することも忘れていません。ここで上げた利益を、次の社会問題を抱えた分野に投資していくわけです。日本は、2018年の経常収支が20兆円弱の黒字になりました。日本企業が海外の株式や債券の配当などから得る所得収支が黒字で拡大しているわけです。この株式投資の一部を、社会問題に挑戦している起業家の事業に投資してはどうでしょうか。経常収支の1%の2000億円を投資すれば、10年で5倍以上のリターンを得ることが出来るかもしれません。そして、アジアの諸国からは、発育阻害を減らしてくれた国としての賞讃を得ることができます。


正規社員を忌避・昇進の敬遠・安易な副業   アイデア三題噺 247

2019-06-29 22:11:54 | 日記

 関東の大手スーパーでは、小型店舗の実質ナンバー2である管理パートの不足に困っています。通常のパートから管理パートになれば、時給は50~80円上がります。でも、今の勤務先の人間関係が良いとパート社員は断るそうです。パートから管理パートになると、近場の別店舗への異動することになります。今まで築き上げてきた人間関係を絶ってまで、職場異動をしたくないということなのでしょう。会社側が、昇給などメリットで説得しても断られるケースが多いようです。スーパーでは、パートの限定正社員化に力を入れています。でも、拒否するパート社員も多いという実情があります。不本意でパートをしている人は25~34歳で22%、35~55歳が15%程度と意外に少ないのです。正規社員になれる道があるにも関わらず、パートで過ごす方も多いということです。自ら非正規を選んだ80%の人びとは、昇給と責任の増減を考慮しながら、職場で働いているようです。
 余談ですが、公務員の中にも昇進を敬遠する職員が増えています。先輩の激務ぶりを見て、昇進を敬遠するのだそうです。上級職になればなるほど、調整など責任を負う場面が多くなります。このような複雑で激務になる仕事に挑戦するより、今の平均的仕事を望む方が増えているのです。管理職への昇進を避けたいという中堅職員が想定以上に多いようです。似たようなことが、副業の分野でも出てきています。副業を行う人びとが、増えています。先進的な企業では、副業の効用を認めています。会社の業務に影響のない限り、多くの業種を経験することを求めています。その経験が、回り回って自社の業務向上や新たな発想に結びつくと期待しているわけです。でも、現実の副業の現場は、少し違う様相を示しているようです。
 副業で、人気の仕事は相変わらず簡単な事務作業になっています。求人の多くは、データ入力や郵便物の封入など特別なスキルや習熟がいらないものなのです。データ入力など単発で、だれでもできるものが主流になっています。時給が割高でも、体力的に技術的に負担の大きい仕事は敬遠されるのです。翌日からの本業に響かない範囲で、収入を増やしたいという方が多いようです。同じ仕事内容でも、土日のみという条件にするとを応募が集まりやすくなるという傾向があります。パートにしても副業にしても、キャリアアップを狙う人達はマイナーのようです。主流は、無理のない作業量で一定の収入が確保できればよいという傾向が見られます。
 作業の下支えをする戦力としては、これらのパートや副業従事者で十分でしょう。でも、より事業業績を上げようとすると、物足りません。そこで、次の戦力が外国人労働者ということになります。今年の4月、カンボジアの首都プノンペン近郊に、特定技能人材を育成する全寮制の日本語学校が開校しました。20~30代の若者20人が朝から晩まで寝食を共にして日本語を学ぶ姿が印象的です。彼らの一人で、地元のIT企業に勤めていた男性は、日本語を習得して日本でいい仕事を見つけたいと話します。このカンボジアの日本語学校の特徴は授業料が無料な点なのです。ここで育てた人材を、日本の企業に斡旋する学校なのです。外食企業向けに、年内にもこれらの人材を日本に送り出す計画です。蛇足ですが、実質的に単純労働の受け皿となってきた「技能実習生」には不安がありました。彼らは、悪質ブローカーからお金を借りて日本に来ることが多かったのです。結果として、賃金の高い職場を求めて、転々とすることが多くなったのです。この借金の問題を解決すれば、優れた人材を集めることができます。日本で働いても、長期の雇用が可能になると期待されます。日本の人材を有効活用し、さらに外国人技能者を活用しするパターンが増えるかもしれません。



外国人労働者定住のメリットとデメリット  スモールアイデア NO298

2019-06-28 18:40:51 | 日記

 ある市長は、「国の制度が変わり、技能実習生も定住できるかもしれない」と大きな期待を寄せています。少子高齢化の進行により、生産者人口が減少し、税収の落ち込みが厳しいのです。企業を誘致して、雇用を増やし税収を増やそうとしても、その働く人材が町にいません。今のうちに、外国人に良い印象を与える街づくりに着手している市町村もあるようです。
 そこで、外国人労働者が定住した場合、どのようなメリットとデメリットが生じるのかを考えてました。日本には、すでに200万人以上の外国人が合法的に居住しています。その中でも、群馬県にある人口4万人強の大泉町は、住民の20%が外国人です。全国の市町村では、外国人の居住率がもっとも高い町になります。富士重工やパナソニックが、広大工場で生産活動を展開しているのです。この工場の周囲には、下請けや孫請けの町工場が存在します。1990年に、出入国管理法が改正されました。日系の二世や三世と家族の就労基準が緩和されました。大泉町は、出稼ぎのブラジル日系の方を大量に受け入れたのです。彼らは、就労ビザで働くことができ、家族を連れて来日できました。
 この町を歩くと、ポルトガル語の表示が目に付きます。ブラジルは、ポルト語を話します。大泉町は、ポルトガル語だけで生活できるといわれています。近年は人手不足になり、日系人だけでは補えない状況になっています。外国人技能実習も増えています。多くの外国人が共生している町でもあるのです。近年、外国人居住者の高齢化が進み、年金受給に満たない人の生活保護家庭も増えています。外国人に、税金を使うことに不満が持たれるところです。ところが、大泉町の町民から、この件についての苦情は、4年前に2件があったきりだそうです。外国人の受け入れが、息長く続けられる町だということが見えてきます。大泉町は、役場に通訳を常に常駐させ、転入者に区長を紹介するなどきめ細かな対策を立てているようです。
 技能実習生の定住が可能になれば、彼らの市場が形成されます。実習生の市場が形成され、消費税などの税が増えれば、財政や社会制度も安定します。もちろん、経済成長も見込めます。定住する方には、税金も年金保険料も払ってもらうのです。実習生同士の結婚や実習生と日本人の結婚が増えれば、少子化に歯止めがかかります。生まれてくる子ども達を日本の小学校で教育し、日本の文化や習慣を身につけてもらいます。この子どもが成長したら、日本と母国の橋渡しの人材になってもらうこともできます。
 以前、台湾にいったとき、日本人よりきれいな日本語を話す老人に出会ったことがあります。戦前の日本の教育を受けた人達でした。台湾が親日だという理由は、教育のなせる技も多いのでないかと考えます。大泉町のように、外国人にやさしい地域をつくり出したいものです。

市民マラソン大会の差別化を提案する  アイデア広場 その478

2019-06-27 21:28:11 | 日記

 オリンピックは、ある意味でお金を生み出すイべントになっています。その中でも100mとマラソンは、陸上競技の花です。高い視聴率をもたらす選手には、高い契約金が待っています。商業主義がオリンピックの高い視聴率を、お金に換算するシステムに代えているともいえます。このシステムを上手に利用して、スポーツ文化の向上を図って欲しいものです。
 ゴルフのプロには、トーナメントプロとレッスンプロがいます。マラソンにも、競技だけに特化して、年に数本のレースで結果を残すタイプがあります。もう一つは、レースにたくさん出ていろんな人と交流しマラソンの楽しさを伝えるタイプの人です。公務員ランナーとして活動してきたマラソンの川内選手が、プロに転向しました。新しい形のマラソンとスポンサー企業の関係が注目されています。地域に密着した活動が展開されるかもしれません。マラソンや長距離文化を育てる存在になって欲しいものです。マラソンも単に選手が走るだけでなく、社会や地域に貢献する形態を取るようになっています。地域の活性化に貢献するマラソン行事も増えているということです。
 そこで、マラソンが個人や地域に良い影響を与える仕組みを考えてみました。42.195kmを走りきるためには、約2500㎉が必要になります。マラソンで頻繁に見られる現象は、後半の失速です。この失速の原因のひとつに挙げられるのが、前半のオーバーぺースによるエネルギー切れです。序盤から飛ばして糖を使いすぎれば、枯渇を早めることになり、体が動かなくなります。失速のリスクを減らすには貯蔵量の多い脂質を効率よく使い、糖を節約する必要があるわけです。コンビニは、にぎりが1コ残る状態が最高の売上げになるといわれています。マラソンにおいても、糖と脂肪を最後のぎりぎりまで保つ選手が勝利者となるといえます。
 グリコーゲンとして体内に蓄えられる量は、体重60kgの人で約1600㎉になります。一般に、レース3日前から炭水化物をとりグリコーゲンを多量に蓄えるカーボローディングをすることになります。マラソンにおける後半の失速は、多くのランナーが直面する課題になります。カーボローディングを適切に行って、糖質によるエネルギー代謝から脂肪によるエネルギー代謝へのスムーズな切り替えが勝負の分かれ道になります。脂質代謝を活発にする方法として知られるのが、長い距離をゆっくり走る練習です。20~30分走ると糖質代謝から脂質代謝に代わるというものです。でもこの方式ですと、前半のスピードが上がったレースには遅れを取ります。そのため、練習の課題として、できるだけ早く脂質代謝に切り替えられる体にする練習方法が求められています。
 朝は貯蔵されているグリコーゲンレべルが低くいので、脂質代謝が起こりやすい状態になっています。ここで朝練習をすると、脂質代謝を活発にすることになります。朝のランニングが、脂質代謝を起こしやすい体つくりになるわけです。また最近、グリコーゲンの貯蔵量が低下することで脂質代謝が促進されることが明らかになってきました。lkm4分程度で走ると、グリコーゲンレべルは確実に低下するのです。そこで、lkm4分程度を1~2本走り、その後ぺース走やジョグを行えば、脂質代謝を促すことができるわけです。時間のない市民ランナーには、喜ばしい練習方法になっています。
 サブ3やサブ4のマラソン愛好家には、記録短縮が達成されたときが喜びの瞬間でしょう。もちろん、サブ5の方にとっても記録短縮は楽しいものです。マラソン中での失速は、自身の記録を超えるために挑戦してた結果の状態と割り切る方もいます。失速の原因が分かれば、次のレースで修正ができます。現在多くのマラソンを運営している団体は、競技団体、自治体、報道関係などと共催で行っています。参加者にはユニホームやゼッケンを記念に提供し、終われば記録カードを渡すことになるようです。レース内容は、参加者個々人が反省したり、検討したりすることになります。何か物足りない感じがします。
 そこで、再度これからのマラソンについて深掘りをしてみました。マラソン愛好家をターゲットに、科学的な運営を行う時期にきているかもしれません。市民ランナーが自分なりの達成感を数多く体験できる仕掛けを、レースの中に作るわけです。アップルウオッチは、血圧や心拍数をクラウドに送り自分の健康指数を計ることが可能です。このシステムを、大会で使用してはどうでしょうか。参加者には、リストバンドを着けてもらいます。このバンドは、心拍数や血圧、そして歩数計の役割を持つものになります。1kmごとの通過地点からセンサー発信して、リストバンドが送受信すれば経過の記録は可能になります。lkmごとに、リストバンドで一人一人の記録が表示できるようにします。42.195kmの走力状態が、一目で分かるようになるわけです。1kmごとの記録、走った速度、歩幅、心拍数を一覧にした個人記録票を大会参加者に渡すことになります。
 マラソンは、エンドルフィンの分泌による楽しさもあります。でも、理性によって、自分が練習してきた成果を知る楽しみ方もあります。自分がいかに向上したかを知ることは、心地良いものです。市民マラソンの運営は、ユニホームの提供や記録のみ提供よりも、1km毎のレースの記録を提供した方が、コアな市民ランナーには喜ばれる時代に入ったかもしれません。マラソン大会も選別の時代に入ってきました。差別化の時代には、市民ランナーの本質的欲求に根ざしたサービスを提供することも選択肢の一つにします。モノよりもコトのサービスということでしょうか。




デジタル教育・外国語指導助手・教員の負担軽減  アイデア三題噺 137

2019-06-26 21:23:33 | 日記

 日本の教育現場が、デジタル化の対応に立ち遅れている実態が報告されています。OECDは、2018年に48カ国の小中学校の教員に国際教員指導環境調査を行いました。この報告内容は、残念なものになります。日本の小中学校における先生は、ICT(情報通信技術)を活用する非常に頻度が少ないというものでした。ICT を使う割合は、OECD平均が51%なのに対して、下から2番目の18%の低さなのです。小学校では、2020年度からプグラミング教育が必修化されます。先生方のデジタル機器に習熟していない実態が、明らかになったわけです。これからの日本のデジタル教育に、不安を感じるのは私一人ではないでしょう。
 日本の先生方は、1週間の仕事時間が小学校54時間、中学校が56時間とOECDの中でともに最長の労働時間となっています。一般的国々の平均は、38時間で日本よりはるかに少ない時間です。他国より、部活動などの「課外活動」が6時間ほど長く、事務業務が3時間ほど長くなっています。一方、研修などの教員自身の能力を高める時間は、小学校で0.7時間、中学で0.6時間に留まっています。教員の職能開発にかける時間は、小中学校ともに最低なのです。プログラミング教育を導入するといっても、それを担う先生方のデジタルに対する能力の不足、そしてその能力を高めるための研修時間の不足が大きな壁になっています。先生方の研修の時間を確保することが、喫緊の課題になっています。
 そこで、日本の小中学校におけるデジタル教育について考えてみました。日本がもっとも輝いていた頃、世界は日本にもっとお金を使いように強要していました。湾岸戦争で日本が1兆円のお金を供出しても、貢献した国のリストに載らないような時代でもありました。そんな時代に、外務省がジャパンバッシングを和らげるために設けた制度があります。小中高校の授業において、日本人教師を補助する「外国語指導助手」(ALT)という制度です。この制度は、アメリカなどの英語圏の国々から青年を日本に招致し、英語教育の支援をさせるものです。1人の「外国語指導助手」に対しては、渡航費、住居費、各種保険料を含め、年間600万円以上の費用を費やしています。現在、外国語指導助手は全国の小中学校に配置され、約2万人が働いています。
 「外国語指導助手」制度は、ジャパンバッシングを緩和するため、1987年に外務省主導で導入されました。アメリカやカナダなど英語圏で英語を第二外国語として教えるためには、TESLなどの資格が必要です。でも、「外国語指導助手」には、TESLの資格なしに、日本で英語を指導しています。アメリカ人やイギリス人の大卒者なら、誰でもなれるという資格基準の甘さがあります。資格の甘さが災いしているのか、この制度が導入されてから30年が経過しましたが、日本人の英語力はアジア諸国で最下層に低迷しています。「外国語指導助手」制度は、日本の英語力向上に貢献してこなかったともいえます。
 ここで、提案になるわけですが、「外国語指導助手」制度が世界の標準に会わないのであれば、より効率的な制度に変えていくことが求められます。ジャパンバッシングを和らげるために作られた制度ですが、その批判もなくなりました。その制度が成果を上げていないことが分かりました。日本が必要とする制度に作り替えることは、合理的なことです。英語とプログラミングの両方の能力を持つ「外国語指導助手」を、採用する仕組みにしてはどうでしょうか。学校の教員の負担は少なくし、子ども達の必要とするの能力を高める環境を整えるわけです。

培養肉の普及・文化的偏見・社会的要因   アイデア三題噺 245

2019-06-25 15:34:03 | 日記

 生活水準が上がると、穀物主体の食事から、肉の割合が増える食事に変わっていきます。でも、肉の生産量は、穀物の生産を増やさなければ増えません。中国を始めとして、経済成長の著しい国々の肉消費量は増大しています。そんな中で、牧畜業による環境への弊害も出てきています。家畜の糞尿の処理などに問題が出ているのです。増大する肉の生産量と汚染問題を解決する方法も出てきました。培養肉の出現です。培養肉は、従来の畜産業と比べて土地や水の使用量を、9割以上も節約できるのです。
 そこで、培養肉について考えてみました。ある企業は、2019年に培養肉を使用するレストランへの卸売りを始めます。まず、生きた鶏から細胞を採取します。これを、アミノ酸やビタミンなどの栄養素を含む培養液で育てるのです。鶏だけでなく、和牛の細胞を使う培養肉の開発も、行われるようです。鶏や牛などの動物は、口から栄養を補給して育ちます。一定の動きを伴いますので、消費エネルギーも多くなります。つまり、餌を多く食べることになります。培養液で細胞を育てる場合、運動をする必要がありません。培養液の中で育つために、2~3週間でナゲット用の肉にすることが可能です。
 次に問題になるのは、味付けになるようです。食べ物には香り、硬さや粘度、温度、色、形といった情報が含まれています。この食べ物の特徴を、培養肉が出せるかという課題です。これは、元々が、鶏の肉ということで何とかクリアーできるようです。世界共通の味覚としては、甘・塩・酸・苦味そしてうま味を加えた5つがあります。各国では、食の文化が習慣化されています。それに基づいて味付けをしていけば、培養肉の普及は可能になるかもしれません。もう一つ最大の関門は、自然の肉でないものを食べる勇気が私たちにあるかどうかという問題になるようです。私たちの食への嗜好には、単に不足した栄養を補うための生理的行動だけでは説明がつかないものがあります。この関門を乗り越えれば、培養食の広がりは、加速化するかもしれません。
 乗り越えるヒントは、歴史上の出来事にあるようです。ジャガイモがヨーロッパに普及した事例が、参考になります。17世紀の西欧では、ジャガイモを食べる人はいませんでした。ジャガイモを食べると腹にガスがたまるとか、ライ病になるととかの偏見に満ちた食べ物だったのです。その理由は、ジャガイモが聖書に出てこない食物だったからです。これを食べれば、神の罰が下るという文化的偏見があったのです。でも、ジャガイモの浸透は、まず土地のやせているところで普及し始めました。肥えた土地では、浸透しなかったのです。このジャガイモの浸透を加速させたものが、戦争でした。土地の痩せたドイツでは、戦争とともにジャガイモの収穫が認められていっったのです。ナポレオンの時代になって、軍事的見地から食糧の自給と増産が求められました。その結果として、ジャガイモ生産量は15倍以上になったのです。培養肉の普及には、社会的な必要性と文化的偏見を乗り越えることが関門になるようです。


アフリカ豚コレラが世界の食糧事情を悪化させる スモールアイデアNO297

2019-06-24 22:48:40 | 日記

 中国国内で、家畜伝染病アフリカ豚コレラのまん延が深刻化しています。アフリカ豚コレラは、1912年ケニアで報告例がありました。その後、徐々にヨーロッパに広がり、2007年にはロシアに侵入したのです。そこから短期間で中国に侵入したようです。中国には、2018年8月に遼寧省瀋陽市の養豚場で感染を初めて確認されました。それから、猛威を振るうことになります2019年春までには、中国全土に広がってしまったのです。
中国の豚肉消費量は5500万トンで、世界全体の半分を占めています。アフリカ豚コレラが猛威を振るっために、2019年3月の豚の飼育頭数は前年同月比19%減まで落ち込んでしまったのです。このペースで、減少が続けば、豚肉価格は2019年の冬に過去最高を更新するとの予測が出てきました。中国政府は、豚肉を国家備蓄してきました。これまでも、価格が高騰すると、在庫を放出し価格を抑えてきた経緯があります。世界最大の豚肉消費国である中国は、国内生産量の減少を埋め合わせる策を取らなければならない局面に立たされています。
 見つかれば「殺」が、世界共通の処置になっています。アフリカ豚コレラにかかった豚は1週間程度でほぼ100%死亡します。人へに感染することはありませんが、豚への有効なワクチンや治療法はなく致死率が非常に高いのです。中国のある養豚農家で、2018年12月、豚舎で数頭の豚がアフリカ豚コレラに感染しました。発覚後、1700頭の全頭殺処分を余儀なくされました。この養豚農家は、それから路頭に迷うことになりました。感染地域の周りを封鎖して、すでに102万頭もの豚を殺処分しています。でも、封じ込めには成功していません。路頭に迷う農家は、これからも増えることになります。もし、アフリカ豚コレラに有効なワクチンができれば、大きなビジネスチャンスになります。
 アフリカ豚コレラが流行した国々では、根絶に最低5年はかかっています。中国の養豚業者の6割は、小規模事業者が占めています。これらの事業者が運営する養豚場は、衛生水準の悪さが感染を拡大させる震源地にもなっています。このような中国市場の規模や衛生基準の低さを考慮すると、10年はかかるといわれています。アフリカ豚コレラは、スぺイン産ハムで140日間残存します。このウイルスは、豚肉に3~6が月残存し、活性を保ち続けるのです。相当に強いウイルスということになります。
 中国において、豚肉は庶民の食卓に欠かせない食品の一つです。中国の歴史を見ると、国民が食べられない状況になったとき、王朝を転覆させるほどの暴動が起きています。共産党は、このことを熟知しています。アフリカ豚コレラのまん延で、中国の豚の飼育頭数減少しています。中国で豚肉の供給不安が一段と広がってきたわけです。国内の治安状況を表す指数に、ジニ係数があります。このジニ係数は1に近いほど不平等が大きくなり、0は完全に平等を示します。ジニ係数数が、0.4を超えると暴動が起きる警戒水域になります。日本は0.3.で、中国は0.5に達しています。ある意味で、中国には不満のマグマがたまっていると言えるのかもしれません。豚肉の高騰は、マグマを噴出させる誘因になる可能性があります。
 米中貿易戦争で、関税の掛け合いになっています。アメリカ産豚肉は、もともと中国の輸入量全体の3割を占め、量質とも安定した主要調達先でした。でも、中国はアメリカへの報復として2018年7月、米国産豚肉への関税を62%に大きく上げました。高関税をかけた2018年の輸入量は、前年比で3割の減となりました。ところが、アフリカ豚コレラのまん延で、中国国内の豚肉が減少しています。2019年の米国産豚肉の輸入量は、2017年の17万トン超え、過去最高の30万トンなる見通しなのです。価格の高い米国産豚肉の輸入は避けられず、米国産の輸入量は増えているのです。もっとも、中国はこのまま米国産豚肉に頼り続けるわけにはいかないことも当然でしょう。
 中国の苦境を見て急ぎ動いでいるのが、海外の大手食肉企業です。供給不足への対応で、ロシアやタイなど外資が中国で大型投資をする動きが出てきています。中国の養豚業の潜在力は大きく、早く事業を進めたいとロシア企業が名乗りを上げました。このロシア企業は総額5500億円を投じ、青島に複数の養豚場、豚肉を加工する工場を建設する予定です。これは養豚への投資額としては中国最大級となる見込みです。このロシア企業の年間生産目の標は、280万頭になります。
北のロシアに対して、南のタイも参加してきています。タイの最大財閥グループも4月末、中国南部の湖南省で新たな養豚施設を着工しました。チャロン・ポカパングループは、もともと中国で上位の養豚生産能力を侍っています。このグループは、さらに50万頭を上積みし、供給拡大を急いでいます。さらに、西からはEU諸国も今後、中国向け輸出を増やす見通しです。アフリカ豚コレラによる生産減で、豚の生産能力のある国々らの輸入量が急増していいます。
 ここで、日本が貢献できるものはないのでしょうか。養豚では日本ハムが2018年12月、飼育現場でloTやAIを生かす実験を始めました。センサーを設置して、そのセンサーで感染を防ぐシステムを作り始めています。こんな技術を各国に提供して、豚の安定生産が可能になれば、食への安心感が広まります。美味しい豚肉を、世界中の人びとに食べて欲しいものです。


スマホゲームと保育園の融合  アイデア広場 その 477

2019-06-23 21:26:07 | 日記
 最近の新聞を読んでいると、気になる記事が載っていました。一つは、スマホゲーム業界の勢いが下り坂になっている点です。もう一つは、保育園の全入はもちろんですが、質の良い保育園を求める保護者の要望です。下り坂のスマホゲーム業界のV字回復と質の良い保育園の同時実現が、良い意味で成立しないものかどうかを考えてみました。
 スマホゲーム業界も、不振になってきました。利益が低下しているのです。中国でもゲーム産業は、冬の時代を迎えたとされています。共産党が、ゲームの有害性について言及を強めています。ゲームをし過ぎる子ども達の成績が低下する現象が、顕著になっているからです。世界保健機構(WHO)は、ゲーム依存症を健康被害の一つとして取り上げるようになっています。問題は、子ども達の成績の低下だけでなく、生活習慣にも悪い影響を与えているのです。
 一方、ゲームの可能性を強調するする人びとも現れています。平成時代を通じて進化してきたバーチャルリアリティ(VR)の応用先としてゲームを有望と考える人達がいます。VRが、教育や訓練に大きな可能性を持っているのです。パイロットの訓練や医師向けの仮想臓器を使った手術シミュレーション教育が、実験段階から実用の段階に移行しつつあります。これらのシミュレーションの中で、VRが利用されるようになります。修学旅行などで、工場見学を組み入れる学校も増えています。ただ修学旅行の期間中に、十分な見学をすることが、時間的にもの物理的にも難しいものがありました。VRを使えば、工場見学など離れた場所からできる遠隔教育などに利用が可能になります。VRとゲームの融合は、すでに実現しています。たとえば、医療業務のゲームを作り、このゲームを一通り行えば、医療現場の仕組みや要求されるスキルや必要とされる能力がわかるようにしておくわけです。
 このゲームの長所と短所を教育に活かすことを考えてみたわけです。最近、よく話題になる幼児研究があります。ノーべル経済学賞を受賞したジェームズ・へックマンが、注目したぺリーの幼児研究です。
内容は、以下のようなものです。
8ケ月間、週5日毎日150分の教育的働きかけをする教育プログラムを実施した。
この教育プログラムは、週1回90分の家庭訪問による母子への指導も行った。
3~4歳時に行った8ケ月間の教育の効果が40歳になるまで維持されたというものです。
3~4歳時に行った子ども達の追跡調査を7歳から40歳まで5回にわたって行った。
3~4歳時の知的領域の教育効果はないが、社会生活や人間関係の効果は長く続くとした
この教育プログラムは、「知的領域」の教育効果はない。
この教育プログラムは、「非知的領域」の幼児期の教育がより有効なことを証明した
結果として、このプログラムを実施した子ども達は、社会に貢献する人材になった。
具体的には、犯罪者は少なく、資産運用は上手に行い、社会階層も低位から抜け出した。
ジェームズ・へックマンは、このような結論を導き出したわけです。

 もし、この教育プログラムが、保育園に導入されて、成果を上げることができれば良い保育園になります。教育は、人生100年を豊かな生活を成就することを支援するものです。蛇足ですが、へックマンのこの大胆な仮説については、他の研究者からいろいろな補足事項が付けられるようになってきています。8ケ月間、週5日毎日150分の教育的働きかけと週1回90分の家庭訪問による母子への指導だけで、人生の成功が獲得できれば非常にハッピーなことです。補足事項は、家庭訪問によって訓練された母親が、おそらく社会的に望ましい変容を遂げたと考えるわけです。非知的領域の子どもへの働きかけは、母親によってプログラム終了後も続けられたとしています。8ケ月間だけではなく、子どもが成長する毎に、「人と仲良くしなさい」、「ものを盗んではいけません」とかの社会性を陶冶する訓練が続けられていたのです。経済学者のジェームズ・へックマンは、経済的コストからいえば、「非知的領域」の幼児期の教育がより有効だとしたわけです。でも、母親の努力や支援があったことが抜けていたようです。
 最後の提案になります。ゲームは、データとしてはある程度いい加減であることが許容されている世界です。いい加減であることの特徴に中に、ゲームの発展する可能性があります。この進化の中には、人間を飛躍させる要素と堕落させる要素が潜んでいます。ペリーの教育プログラムの効果は、知的発達については7歳あるいは14歳でほとんど消えてしまいました。でも、母親の支援があれば、知的領域にはダメだが、非知的領域では成果が出ることが分かったわけです。もしゲームが、知的領域か非知的領域で成果を出したという事例ができれば楽しいことになります。ゲームは、仮想現実の世界をよりリアルに感じることができるよう進化を続けています。さらに、利用者のモチべーションを高める心理学的な効果のある場面や行動を展開できるようになるとも言われています。保育園の子ども達が、ゲームを通して一定の教育プログラムを受け、将来成功する仕掛けが出来れば、素晴らしいことです。ゲーム関係者と保育関係者が、そのようなソフトを開発して欲しいものです。


高知県が70万人を割る・地域の復元力・ピンチをチャンスに アイデア三題噺244

2019-06-22 22:48:01 | 日記

 坊ちゃんの街、松山市に滞在している時に、隣の高知県の人口が70万人を割ったというニュースが報道されていました。鳥取県が58万人、島根県が68万人の次に、高知県が位置したということでしょうか。高知県といえば、議員のなり手不足から「村総会」の設置を一時時検討した大川村議会が思い出されます。地方自治法は、自治体ととの請負関係にある団体や法人の役員の議員の兼業することを禁止していました。この条項が、議員のなり手を制限していたわけです。でも新たな条例では、村から補助金を得て事業をしたりすることの中に、「請負」に該当しないものもあるようになりました。補助金をもらう関係者が立候補しても、支障のない法人や議員団体名を村長が年度ごとに公表するとしたなどの是正処置が、執れるようになりました。議員の確保に光明が出てきたわけです。一方、人口が減少する地域では、小中学校の統廃合は避けられないでしょう。統廃合には、必ず反対する人びとが現れます。
 そこで、統廃合は避けられないが、子ども達は立派に成長する学校運営を考えてみました。簡単にいうと、子ども達が少ない予算で、稼ぐ人材になっていく仕組みを考えたわけです。少子化が進み70万人を割れば、自治体は学区制の再編を必ず行うようになります。楽観論の立場からは、再編をして、有能な人材を輩出する小中学校にしていけば良いということになります。学校は、知育、徳育、体育の3本立てが基本になります。子どもの資質を伸ばし、社会が必要とする知識やスキル、そして継続的に学習する能力を身につけさせれば、経済的成功や地域の豊かさは後からついてきます。高知の教育が、社会的に自立した自由な経済活動のできる起業家を育てていく分けです。村議選に村民が立候補しやすい環境をある程度整えた土壌のある高知県ならば、教育においても十分に可能でしょう。
 そのヒントは、フィンランドにあります。この国の教育の成果は、エリート教育を重視してきた国々の教育関係者に衝撃を与えました。エリート教育を重視する教育者は、平等とエリートが対立するものと考えていたのです。フィンランドの教育は、学習につまずいて、遅れる子どもの割合がとても少ないのです。しかも、この国の成績上位者は、ドイツのギムナジウムの選抜されたエリートより高いレべルなのです。さらに驚くべきことは、フィンランドの子ども一人当たりの公教育費も、教師の給与もOECDの中で平均レレべルなのです。この国は、塾も学習センターもありません。日本は学校と塾でかろうじて学力を保っています。でも、日本より少ない教育費で、世界最高レベルの教育を行っているわけです。
 余談ですが、現代の清潔志向が子どもの免疫力を奪っているといわれています。20世紀の初頭、アメリカの家庭に石鹸が普及しました。不思議なことに、石鹸が使われるようになった後、アメリカではポリオ(小児マヒ)が大流行しました。不潔であった時期よりも、清潔になった時期のほうがポリオの患者が増えてしまったのです。不潔であれば、体内に抗体が形成されていて、少々の病原菌には耐えうるだけの抵抗力を持つことができたわけです。石鹸は、この少しの抵抗力までも奪ってしまったのです。子どもの教育においても、このことが言えるかもしれません。
 フィンランドは、子どもの家から5km以内に学校を建設し3km以内はスクールバス、3km以上はタクシーを使います。田舎の小学校は、60名程度で校長を含めて教師が3~4名で、給食の職員1名が普通の配置です。当然、複式学級が行われています。この複式学校が、質の高い学びの基盤になっているのです。日本では、少し贅沢な通学風景になります。日本において統廃合が進めば、スクールバスの配置がされるかもしれません。でも、あえてこれを断り、子どもを鍛える手法を取り入れる仕組みを考えてみました。中国・四国地方は、サイクリングのインフラが整っていました。松山市や岡山市の歩道や自転車道は落差が少なく、自転車が使いやすい街になっていました。自転車に乗る子ども達のマナーが非常にすばらしいものでした。
 統廃合になって、通学距離が伸びても、自転車通学を多用すれば、体育における体力向上という目的は達成できます。徳育は、忍耐や耐性、協力や自立という徳目の成就になります。5kmや10kmの通学距離を雨の日も風の日も毎日通うことで、この徳目のいくつかは成就できるようになるでしょう。知育では、一定の学習時間が必要になります。日本語であれば、一定数の漢字を覚えることが必要です。算数であれば、九九は覚えなければなりません。それを記憶する時間は必要です。30分とか1時間とかと通学時間が長くなれば、この時間を使って覚えれば効率的です。デュアルタスクという手法があります。同時に2つのことを学習することだと思えば良いでしょう。自転車通学をしている間に漢字を覚え、もう一方で自転車で持久力を高める運動の2つをこなしてしまうということです。
 学校の統廃合は、地域を荒廃させるだけと考えるのではなく、これはチャンスだと捉える視点も必要です。おそらくこれからの人材は、温室の中からは輩出されにくくなるでしょう。統廃合された学校が、温室の役割を脱皮して、激動の社会に適応できる人材を輩出していってほしいものです。



年金生活者・シニアの生きがい・地域の活性化  アイデア三題噺243

2019-06-21 21:54:56 | 日記

 ある年金生活者の方は、定年退職を迎えた当時、どうやって時間をつぶそうかと悩んでいたと言います。老後を過ごす中で、メリハリをもたらす趣味に充実感をつかんだと喜んでいました。年金受給者であれば、経済的に基礎部分は保障され、ある程度余裕ある生活ができます。社会的に見て高度な仕事であっても、彼らは低い賃金で働くことを厭わないいのです。年金受給者であれば、社会的に見て高度な仕事であってもはボランティアで行うこともあります。有能な人的資源を有効に活用することは、社会の進歩に繋がるものです。
 そこで、シニアの活躍する場を準備するためには、どうすれば良いのかを考えてみました。自分の知識と経験を活かし、誰かの役に立つことはシニアには、やりがいや楽しみの一つになります。このやりがいの一つに、シニア世代が中心になって行う「おもちゃドクター」があります。大事なオモチャが壊れてしまい、メーカーにも修理を断られてしまい、子どもが困っています。そんな不運に見舞われた子どもたちを救うボランティア活動をしている人達が、おもちゃドクターです。オモチャが直ったときの子どもの笑顔が見たい一心で、日々の研さんを積んでいるといいます。壊れた宝物を直したとき、子どもの笑顔で感謝されることが本当の楽しみだということです。
 オモチャに限らず、絵画、陶芸、園芸、茶道、生け花、書道、パソコン、川柳、短歌、墨絵、人形造りなど多くの趣味があります。これらの活動の中で、形になるような作品ができたとき、さらに充実感が得られるようです。作品を作る作業も楽しいものですが、社会に貢献することも、シニアにとって最高の楽しみになります。他人と喜びを分かち合うことは、とても心地がよいものです。公民館などでは、数多くの教室が開催されています。作品を作る喜びを作る場を用意することは、思った以上に有意義なことになるようです。その中に作品を作ると同時に、作り出す仲間が増やせるような仕掛けができれば、素晴らしい活動になります。これらの活動の場を用意することが、市町村の重要な役割になるかもしれません。
 これからの若者は、グローバルビジネスに要求される能力や,技術を磨くことが求められます。これらの能力や技術を身につけるためには、小さい頃からの積み重ねが必要になります。準備を継続的に行っていないと、その育成はかなり困難ということになります。国際化について、シニアは多くの知見を持っています。シニアが培ってきた経験や知識などの知的資産を、次世代の子どもたちに移転していくことは重要です。このことが、国の民度を高めて行くことになるからです。そして、シニアの中にはこの移転に熱意を持つ人達も多いのです。
 シニアの能力を、もっとも必要な場所で発揮してしてほしいものです。その発揮する場所は、学校にあるようです。かっては日本の学校は、世界に誇れるものでした。最近は、世界の趨勢からおくれる場面が多くなっています。その原因は、教員の疲弊にあるようです。教員の勤務は、過酷なものになっているようです。授業、学校行事、部活動など教員の仕事は、多肢に渡ります。それを一人の教員がミスなくやろうとすれば、無理が出てくる勤務条件になっています。ここに経験の積んだシニアが、協力者として授業や学校行事、そして部活動のお手伝いをする仕組みを作ってはどうでしょうか。既存の学校職員に余分な負担をかけることなく、授業や部活動のボランティア活動を行うわけです。子ども達に多くの経験を提供できれば、豊かな感性が育ちます。子どもや父兄、現場の教職員などに余裕が生まれ、教育活動に好循環が生まれる可能性もあります。学ぶことと同様に教えることに対して、シニアは大きな情熱を燃します。そんな情熱を通して、地域の活性化を図りたいものです。