ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

良い保育園により多くのお金を助成する仕組み  アイデア広場 その406

2018-10-08 18:03:44 | 日記

 待機児童の数が、かなり減ってきました。子どもを思う親が次に望むことは、良い保育園に入り、良い保育を受けたいということになります。戦後の日本は、食糧不足に悩みました。その不足をすぐに乗り越えて、コメを大量に作ることに成功したのです。すると次は、美味しいコメを望むようになりました。そして、現在ではカロリーオフの食糧が幅を利かせています。一つの要求が克服されると、次の要求が出てくることは、世の習いです。
 そこで、親が望む良い保育園と良い保育について考えてみました。政府は、待機児童ゼロを目指して行政を総動員して対策を立てました。その一つに、企業主導型保育所があります。企業は、人手不足に悩んでいます。そんな中で、子育ての女性に注目が集まりました。子育ての心配がなくなれば、働きに出てくれると企業も政府も考えたわけです。女性の生涯就業は、「M字」を描くと言われています。学校を卒業して働きに出て一定の所得を得ます。子どもができると職場を辞めて、所得が減ります。子どもが親の手を離れる頃から、働きに出て所得を得るというパターンです。この子育ての時期に、働いて所得を得れば、M字はなくなるわけです。企業も、政府も、そして子育ての女性もウインウインになると考えられた保育所が、企業主導型保育所でした。人手不足の中、企業は保育所完備しているので、弊社で働いて見ませんかとアピールしたわけです。
 この鳴り物入りで作られた企業主導型保育所の多くが、定員割れを起こしているのです。一般に、空きが多い保育所は評判があまりよくありません。ある親は、「無料でも空きの多い保育所に子どもを預けてまで働こうとは思わない」と言い切ります。地方自治体の関係職員は「地方の認可保育所だけで希望者をを吸収できている」とも言っています。でも、企業側は、企業主導型保育所に対する意欲が非常に高いのです。この3者のギャップを、深掘りしてみました。
 企業主導型保育所は、保育士の数など一定の基準を満たせば、開設費用の4分の3の助成を受けられることになっています。さらに運営において、認可保育所並みの助成金を受けられる恩典もあります。企業主導型保育所は、定員20人のモデル例では開設工事だけで1億円余りの助成金を受け取れるのです。2017年度の募集では、2万人分の枠に5万人分の開設希望がでるほど、企業には人気があるのです。政府は、2018年度の整備を1万人分上積みし、3万人分にすることにしています。
 不条理なことは、手厚い助成金が得られるため、待機児童のいない地方でも乱立している点です。中小企業がよく考えずに、企業主導型保育所をつくってしまい、バブルのような状況になっていのです。これが、定員割れの理由なのです。政府の助成が続けば、続くほど足の引っ張り合いになるだけのようです。大都市はともかく、地方で企業主導型をつくるのはもはや辞めた方が良いという意見も出てきています。でも、政府が一度決めたことは、官僚の方が粛々と行うパターンになります。認可保育園を運営している市町村は、保育園の数を調整できる制度にしてほしい考えています。でも、政府の意向が優先し、企業が届け出をだせば、認可するようになる仕組みにです。
 良い保育所は、良い保育士だけで成り立つわけではありません。良い料理人は、良いお客と切磋琢磨して腕を磨いていきます。保育士の方も子どもを見て、親と話し合って、ここの子どもに合った保育をしていきます。その中で、保育士の方は良いスキルを増やして行くのです。幼稚園や保育園の内容は、人工知能がもっとも進出の困難な分野といわれています。それほどハードルの高い保育を、一朝一夕に良くすることは難しいという理解が必要です。施設と資格のある保育士の数を揃えれば、保育ができると安易に考えない方が良いということです。優秀な保育士でも、時間と適切な環境に恵まれなければ、良い保育はできないということです。保育士の給料は、一般の給料より安く、労働環境は厳しいものがあります。
 そんな中で、誰でもが是非入れたい入れたいという保育園があります。優秀な保育士が揃っていて、子ども達の成長発達が他の保育園に比較して優れているところです。競争率が激しくなります。でも、入れたいと願う親は多いという保育園です。子どもが年齢に応じた成長発達をすることを支える保育園は、子どもの親に安心感と満足を提供します。このような保育園に預けることができれば、親は安心して働くことはできます。働く意欲も高くなるでしょう。企業と政府の狙いは、このような意欲の高い人々を雇用することのはずです。 
 であれば、このような良い保育園に1億円を助成してはどうでしょうか。みんなが入りたい保育園の定員を増やすわけです。優秀な保育士に新人の保育士が、鍛えられながら育っていきます。乳幼児期のしつけや保育体験がが小学校、中学校、高校、大学にいたるまで影響します。優秀な保育士に、子どもをみてもらうことは、子どもの能力の向上に繋がるのです。良い保育士かどうかは、子どもの成長を検証することで分かります。親も子どもその保育園で育ったとなれば、良い保育園でしょう。良いと分かっている保育園に、お金を使うことは合理的な判断です。余談ですが、保育士の仕事は過酷です。雑務を多いのです。資格のない職員の方が保育士の雑務を引き受ける仕組みを作ってほしいのです。子どもと向き合う時間をできるだけ増やすことが、優秀な保育士の潜在力を活かすことになります。そして、1億円は、保育士と雑務をする職員の方にも使えるようにしてほしいものです。待機児童ゼロの次のステージは、レベルの高い保育です。子どもの才能をのばすことが、日本の未来を明るくすることになります。そのためにも、優秀な保育士の方が、思う存分能力が発揮できる環境を整えてほしいものです。