ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

財政力指数の高い豊かな町の作り方  アイデア広場 その528

2020-02-29 17:17:22 | 日記


 成長ばかりを考えてきた今までの都市政策は、限界を露呈してきています。旧市街か、郊外に発展してきたスプロール現象は、道路や下水道の公共投資の効率を悪化させてきています。スプロール現象は、環境保護の視点からも問題で、都市の持続可能性に赤信号をともしています。広範囲に広がった水道や道路のインフラの維持や補修にかかる費用が、地方自治体の財政を圧迫しているのです。「拡大」が悪ければ、「縮小」ではどうかという発想になります。この発想から生まれた都市が、コンパクトシティです。拡大から縮小に発想のベクトルを変えているわけです。このシティは、エンジンやモーターのような化石燃料の手段に頼らない仕組みを取り入れます。徒歩や自転車で移動可能な範囲に、日常の生活機能を集約しています。可能な限り、化石燃料の役割を縮小させ、人間のできることは人間が行う発想になります。この新しい手法によるコンパクトな都市づくりが、注目されているわけです。
 健康意識は、世界中で高まっています。人類は甘いものを食べれば、満足するように進化してきました。甘いものは、糖分を多く含んでいます。これを食べれば人間は満足し、栄養も取れる都合の良い仕掛けになっていました。でも、十分な食糧が確保される時代になると、糖分の取りすぎは、健康を損なう元凶になると分かってきました。糖尿病という現代を象徴する病気が出現したわけです。健康意識は、世界中で高まっています。糖尿病や肥満対策として、ダイエットが注目を集めているのです。現代における課題解決には、コンパクトとダイエットなどの「縮小」というキーワードにあるようです。
 痩せるためには、食事で摂取した栄養が脂肪として蓄積される前に、消費することになります。「ウオーキングは食後にやるべきだ」とされるのは、運動によってすぐに糖分が消費されるからです。この実践も良いのですが、もう一つの発想もあります。筋肉がつけば基礎代謝が上がり、何もしていなくても脂肪を燃焼するような身体になります。いつまでも元気にいることを目的にする場合、筋肉量を増やしたほうが良いとうわけです。筋肉を効果的につける場合、体がたんぱく質を欲しいという状態のときに供給すれば良いことになります。運動をした直後の身体は、栄養を欲する状態になるので、効率よく筋肉をつけることができます。筋肉を増やす場合、食前に歩いたほうが良いということになります。ダイエットを効率よく長く続けようとするならば、食前に運動をしたほうが良いようです。強い運動選手は、朝練習を欠かさないと言います。長期的に見れば筋肉量が増えたほうが、ダイエット効果があるということです。
 人間ドックでは、メタボリック症候群かどうか計測する検査があります。この検査で、メタボという宣告を受けた方は、すぐに痩せるためにランニングを始める場合があります。体重が重いままで、いきなりランニングを始めると、ひざや腰を痛めることがよく知られています。ランニングは、ウオーキングに比べ足にかかる負荷が大きくなります。体重の重い方は、まずはウオーキングで足慣らしをするのが賢明です。まず、ウオーキングで少し体重を減らすことでしょう。ランニングに移行したければ、そのとき決めれば良いのです。怪我を避けることが、最優先になります。
 加齢とともに、「なぜ」ひざや腰を痛めるかという仕組みを理解しておくことも必要です。ストライドが大きい歩き方をすると、若々しく見えます。しっかりひざを伸ばして歩くことは、若々しく見えるだけでなく、足腰を丈夫にします。理想的な歩行姿勢を維持することは、いつまでも元気に歩くためには大切になってくるわけです。足指で蹴るように歩くと、姿勢がよくなって歩行がきれいに見ます。この美しさと足腰の強化には、少し速めに歩くことが求められます。これができれば、いつまでも元気に生活できることになります。体にある程度の負荷をかけ、筋力を維持ししておけば、後期高齢者になっても元気に歩けるというわけです。
 歳を重ねるほど筋力はどうしても落ちます。サルコペニアというのは、加齢とともに筋肉の量が減り、筋力が低下する現象をいいます。50歳を超えると、筋力の衰えと並行して歩行能力は落ちてきます。でも、80歳になっても20代のように歩いている若々しいシニアもいます。この方たちの歩き方には、特徴があります。足の運びにおいて、足指で蹴った力が、足裏からふくらはぎへ、そして太ももや上半身までの動きが円滑に流れる歩行を行っています。いわゆるつま先を上げた歩き方をしています。20代からつま先を上げない歩き方をしていれば、50歳を超えたとき、一気に老化が進むようです。
 大腿骨頚部骨折は、一年間に10万人以上の高齢者に起きています。下半身の骨折は、寝たきりや認知症を引き起こす要因にもなっています。男性ホルモンの減少を始める時期から、骨量が急に減っていきます。骨量、はカルシウムとコラーゲンから構成されています。骨量が減ることはカルシウムが溶け出すだけでなく、コラーゲンの量も減ってしまうことを意味します。カルシウムとたんぱく質の両方を摂ることが、骨の維持には重要になるわけです。たとえば、腰の曲がった高齢者の方がいます。高齢になり、腰椎の骨密度が低下すると、このリスクに直面します。腰椎の上から骨密度の少ない骨が圧迫をされると、背中が曲がりその状態で固定されてしまうわけです。
 身体を支える骨や体を動かす筋力が衰えれば、若々しい歩き方に不都合な条件が付け加わることになります。でも、きれいに歩くシニアがいます。そして、トボトボと歩くシニアもいます。この違いは、歩き方にも大きな要因があります。高齢になるにつれて、歩き方が不安定になるのです。「最初4本足で、次は2本足、そして最後は3本足になるのは?」という「なぞなぞ」がありました。答えは「人間」です。赤ちゃんは、4本足で安定を保ちます。よちよち歩きから元気に走り回る幼児や少年期から青年や壮年期は、2本足で安定が保てます。でも、高齢者になると杖が必要になる人も増えてきます。二本足だけでは不安定になるのです。高齢者の歩行を見ると、右足と左足が左右に広く開き、足も外向きになってきます。これは、身体を安定させようとしている歩き方になります。高齢者の脚力が衰えてくると、左右の安定性が最大のポイントになってくるのです。後期高齢者の歩き方は、左右方向への揺れる歩き方になります。足が外向きになるとひざの内側に力がかかりやすくなり、ひざの痛みを訴える人が増えてくるのです。健康のために歩いている人が、ひざが痛くなり、かえって動かない体になっていく人がいることは残念です。
 きれいに歩くシニアは、骨量を維持し、筋肉を適当に鍛え、ひざに負担のない歩き方をしていることがわかりました。では、どうすれば、そのような歩き方ができるのでしょうか。歩くときの足にかかる負荷をやわらげ、前へ進むための推進力を生み出すのがアーチ(土踏まず)になります。アーチに注目すると、「足の一生」は、三つの時期に分けられます。18歳までのアーチが完成してくる時期、20~40代までのアーチを維持できる時期、50歳以降のアーチが崩れていく時期となります。足の指をしっかり使いながら、歩いていれば、アーチは維持できます。足の指を推進力に使わなければ、アーチの崩れも加速されます。これが崩れると、地面からの力をやわらげることができなくなり、足に大きな負荷がかかるようになります。つまり、ひざへの負担が大きくなる歩き方になります。アーチを守ることは、いつまでも元気に歩くことと直結しているわけです。
 アーチをいつまでも維持するためには、足の指を使うことが大切だということがわかりました。それでは、足の指を上手に使うようなするためにはどうすれば良いのでしょうか。足指で蹴り、アーチからふくらはぎ、太ももや上半身まで、筋肉の動きを円滑に伝える歩き方ができれば良いことになります。人間は文明の発展の中で、素足から靴を履く習慣に移行しました。問題は、この靴になります。かかとが抜ける大き目の靴や幅の広い靴を履くと、足の指が靴の中で靴を「つかむ」動きをするようになります。この靴を「つかむ」動きをすると、足指の「蹴る」動作ができなくなるのです。「つかむ」という動作では足裏からふくらはぎにつながる筋肉の動きが円滑に伝わりません。アーチからふくらはぎへ動きが円滑に伝わらないと、正しい歩き方ができなくなるわけです。
 ここからは、ウオーキングシューズの登場になります。自分の足に合った靴を履くと、足の指に体重がかかった状態で歩くことができます。最近のウオーキングシューズは、いろいろな用途にあったものが発売されています。たとえば、アシックスは日本人を中心とする足形のデータが100万人分集積しています。また、この会社はデイサービス施設を運営しています。ここで、要支援の方や要介護の方が、どのような歩き方になるのかの知見も蓄積してきています。これらのデータから、若者向け用の早足に適したシューズや高齢者用の安定を重視したシューズを販売しています。足は、第二の心臓といわれる部分です。大切な第二の心臓が履くシューズは、格好よさや値段だけでは選ばないようにしたいものです。
 最後に、ウオーキングで町おこしを行っている自治体もあります。そんな自治体へ、こんなことをしてはどうかという提案です。財政力指数という言葉があります。これは、行政サービスの提供に必要な費用に対して、その町の税収入の割合をいうものです。この指数が高いほど、健全な自治体といえます。少ない予算で、住民の皆さんを健康にすることができれば、理想的な自治体ということができます。医療費も少なく、介護費用も少ない町は、ある面です理想的といえるわけです。歩きたくなる歩道を作り、散歩に来た人々が公園にある運動の器具を使い、人と語らい、楽しい時間が過ごせる環境を整備すれば、この理想に近づきます。できるだけ多くの人々が、正しい歩き方を続ければ、医療費も介護費用も少なく抑えられるという発想です。
 歩きたくなる2㎞程度の歩道に、数十台のカメラを設置します。自分の歩き方を、カメラで撮り、その映像をスマホで見ることのできる仕組みにします。これは、カメラとスマホを連動させることで可能になります。アシックスには100万人の足のビックデータあります。中国にはおそらく億単位のデータがあるでしょう。これらのデータのいくつかを教師用データとして購入します。AIに学習させて、「歩きたくなる歩道」を歩いた方に、「こうすればもっと良い歩き方になりますよ」という提言をしていくわけです。1㎞過ぎから、腰の下がった歩き方になる方には、「少し、スクワットなどの筋力トレーニングをしてはどうですか」などの助言をAIがすることになります。町では、医療面以外の住民の多くの方の健康状態を把握することが可能になります。運動量が少なければ、肥満や糖尿病になる方が増えるという推定も成り立ちます。この推定から、栄養指導や運動処方などのサービスも可能になります。病人を治すより、健康な人を健康のままにしておくことのほうが、医療費はかかりません。健康な人が多ければ、町は元気になります。元気な町には、人が集まってくるものです。



ファンタジアランドにおけるトット記者の文章の作り方   令和2年2月28日

2020-02-28 07:22:46 | 日記


今まで、1000を超えるブログを書いてきました。
最近、このブログ1000の内容の中から、2つか3つを合体して文章にすることもあります。
このようにして出てきたものが、ファンタジアランドのお話になります。
基本は、参考文献の中の気に入った部分を40文字以内の1行で文章にまとめます。
気に入った文章は、一つの本から10~100行程度作ります。
40文字以内の1行の文章を1万行ぐらいで、ひとまとめにします。
1万行の中から問題意識とかかわりがある文章を25~100行選びます
この25~100行を並べ替えながら、相反する文章や時事問題からアイデアを出します。
最近は日経新聞の話題から具体例を引き出して、アレンジすることが多くなりました

余談ですが、文章を合体させる場合、関心のある話題を意識します。例えば、引きこもりや不登校になる子供が増えています。この対策に力を注いている方たちが心理療法士です。でも、心理療法士の方が増えているにもかかわらず、引きこもりになる人たちが増えています。本来ならば、減ると思うのですが、現実は不都合な方向に進行しています。どうすれば、この不都合な進行を止められるかということが問題意識になります。そのヒントは、熱と下痢になります。高熱は悪いとされますが、身体は高熱になって細菌やウイルスから身体を守る免疫を作るわけです。身体の中に増殖した悪い細菌やウイルスを排出する作用が下痢となります。人間には、身体的に身を守る防御機構があったのです。同じように引きこもりなどの精神的不都合に対して、防御機構があれば良いなという発想がでてきます。そして、おそらく精神的防御機構があるはずだと思いながら、いろいろな参考文献に目を向けていくわけです。


参考文献 

JR貨物の魅力を探る本 梅原 淳 河出書房新社 2019.2.5
銅のはなし  吉村泰治  技法堂出版 2019.8.25
大便革命  辨野義己  幻冬舎新書 2018.7.30
コーヒーの科学 旦部幸博  ブルーバックス 2016.2.20
同時通訳はやめられない 袖川裕美 平凡社 2016.8.10
最強の暗記術  本山勝寛 大和書房 2018.8.1
未来予測入門 上田篤盛 講談社現代新書 2019.10.20
覚悟の競馬論  国枝 栄 講談社現代新書 2019.10.20
金川流人材募集要項  金川顕教  秀和システム 2019.7.5
昆虫食と文明 David Waltner Toews 片岡 夏実 訳 筑地書館 2019.7.11
次に不足するのは銅だ 谷口正次  アスキー新書 2008.12.10
捨てる  やましたひでこ 幻冬舎  2018.8.5
社員が好きなように働く会社  瀬古恭裕 幻冬舎 2019.2.18
鳥と人間の文化誌 奥野卓司 筑摩書房 2019.4.25
ゆかいな認知症 奥野修司 講談社現代新書 2018.11.20
頭の引き出しが多い人の習慣 和田秀樹 あさ出版 2003.11.3
非鉄金属の大研究 南 正明  産学社
考えるとはどういうことか 梶谷真司 幻冬舎新書 2018.9.30



合理的ミレニアム世代の投資方法  スモールアイデア NO360

2020-02-27 18:54:35 | 日記

若者の投資家に、変化が出てきています。資産形成するなら株式など金融資産の方が効率的です。でも、金や絵画などの現物投資に目が向いているのです。彼らは、「有価証券と違い価値がゼロにならないので持っておくと安心感がある」と話しています。継続的に金を買う純金積立の加入者が、若年層に目立つようになっています。金や絵画、そしてスニーカーなどの実物資産への投資が人気です。現物投資は元本割れの苦痛を和らげことができます。この投資に人気があるのは、元本割れしても現物として利用価値を失わないことにあるようです。
世界の美術市場は約6.7兆円で、日本は、3000億円程度になります。日本人は、現代アートには非常に関心が薄く市場がほとんど存在しない状態です。そんな中で、あえて現代アートを選択する若者もいます。ある30代の男性は約2000万円を現代アートに投資しています。5年以上の保有期間が一般的で、無名アーティストの人気が高まれば作品の価格は高まるというものです。現在保有する70点の作品のうち、1割は購入時から10倍以上の値上がりをしています。つまり、1割で投資額の2000万円を回収していることになります。彼は、「作家の成長を見届けるのが楽しみだ」と言っています。
趣味と投資の要素がうまく融合した格安の投資が、スニーカー投資です。ナイキが17000円で販売した限定スニーカーが、18万円で取引されています。スニーカーを媒介するのは、25歳から35歳が多く9割がスニーカー愛好者の個人です。業者を通さないところが、面白いところです。スニーカーを家で鑑賞した後で、売りに出す例が多いようです。スニーカーは単価が比較的安いために、若年層でも手を出しやすい投資になります。実物投資は、自分で見つけたという宝探しの感覚が受けています。ある意味で、趣味と実益を兼ねているのかもしれません。 
 余談ですが、2019年10月に消費税が8%から10%に上がりました。このとき、9月の金の販売量が前年の2倍となり、駆け込み需要が目立ったことに気が付いたでしょうか。金地金は購入するときは消費税を支払いますが、売却したときは販売店から消費税を受け取ることができます。消費税が8%の時に購入し、10%の時に売却すると、8%の消費税を支払い、10%の消費税を受け取ることになります。 仮に9月の金価格が1g5000円とすると、今回増税された2%は100円に相当します。この100円は、次に金を売るときの儲けになります。5000万円の1㎏の地金を買って、10月に売れば100万円の差益を得ることができたわけです。もっとも、金の価格が下がらないことが前提の差益になります。消費税の値上げによる差益を確保したい個人は、金の値下がりがないことを見越して、買いに出たわけです。
これまでの金の売り買いは、金の相場が上がると利ザヤを狙って売る傾向が強かったのです。金が高値をつけると、金の延べ棒や指輪、宝石宝飾品を持ち込む個人で貴金属店は賑わっていました。でも、今回は40年ぶりの高値にも関わらず金の売りの勢いが弱いのです。継続的に金を買う純金積立を行っている方は、「今の価格は高いが売る気にはない」と語っています。これらの投資家が、なかなか金を手放さない最大の要因は、景況感の悪化にあります。投資家の心理は、安全資産とされる金を手元に置いておきたいという思案があるようです。
金の価格は1g5700円前後と40年ぶりの高値圏にあります。経済の先行きに不安が増したりすると金市場に流入するマネーは増えます。景気が順調な時期には、銅の価格が上がります。設備投資やインフラ投資が増えれば、銅の需要増える流れができます。現在は、設備投資やインフラ投資が増えず、銅の需要は鈍い状況にあります。景気変動は、銅の国際価格に敏感に反映されます。高値の金相場と銅の需要の低迷は、世界的な景気減速を見通す指針になっているようです。投資家は、市場の混乱に備える準備態勢に入っているようにも見えます。
国家の借金を増やし、予算を増やして続けて経済を成長させれば、いずれ限界がきます。このような状態は、1937年に起こった大恐慌に代表されるものです。2019年のままいくと恐慌が来る可能性があると見る投資家もいるようです。この恐慌が襲ってくれば、大チャンスと大ピンチがやってくることになります。大ピンチは、市場に混乱が起き、不動産や株価が下落し、会社が次々と倒産することです。土地や不動産の価格が暴落し、銀行が貸したお金は回収不能になり銀行も倒産するかもしれません。1937年状態が2019年以降に起こると、株は40%くらい下がることになります。株価がもうこれ以上、下がりようがないという底値になります。底値に至りますので、株を新たに買う人たちにとっては、ビッグチャンスになるわけです。ここでは、株や債券は紙くず同然になる場合もあります。でも、金を現物で持っている人たちは、安定した資金を持っていることになります。この資金で、暴落した株や土地を買えばよいことになります。
アメリカや中国を中心に、世界の景気が減速するとの不安感がでてきています。ロシア、トルコ、中国などのアメリカと関係が悪化はしている国が金の購入をしています。これらの国に共通するのは、アメリカ国債の保有残高を減らし代わりに金を購入していることです。世界経済の減速懸念が強まるなか、株式や債券などの金融資産の先行きが読みにくい状況が続いています。ビットコインは、国が発行する通貨の安定性に対する不安の表れとして登場したものといえます。
地政学リスクが高まると、金市場に流入するマネーは増えます。世界の中央銀行による金の購入が、高水準で続いています。世界の中央銀行の2019年の購入量は、650トンと過去最高を記録しました。金の年間生産量の2割を、各国の中央銀行が購入した計算になっています。中央銀行による購入量はこの10年で5019トンなっています。国や中銀行の動きと並行するように、各国の年金機構にも新しい流れがあるようです。年金機構は、運用利回りをあげることで、多くの年金を支給することが求められています。金利や配当がないにも関わらず、各国の年金機構が運用資産に金を組み込んでいるのです。金の投資は、資産全体の価値を安定させます。歴史を通じて、金の価値はほとんど変わりません。今、中長期的に価値が目減りしにくい資産として金が従来以上に注目されているわけです。
 最後に、ミレニアム世代は、投資に新しい方向を打ち出しています。その流れは、現物に投資をしている流れです。金や絵画、そしてスニーカーなど多様な現物に投資をしています。もちろん、穀物や銅などにも投資先を探っているようです。スタートアップ企業を見極めて、先行投資も行われています。流動性が低い不動産を売却して現金化し、投資に機動性を持たせています。彼らは、マクロ経済の動向を注視できる情報商材にも投資をしています。時代が変化するスピードは、日に日に増しています。次世代技術を、勉強しなければならない立場にあります。自分のスキルを磨き続けなければ、社会に提供できる問題解決能力も劣ってきます。若年層の現物購入は、将来の不安という社会心理が反映しているのかもしれません。運とは、チャンスが近づいたときに準備している人が獲得できるものです。我々シニアは、若者の感覚を、見習うべきなのでしょうか。


アルツハイマー・バリアフリー・脳活性化の仕掛け アイデア三題噺 303

2020-02-25 14:17:57 | 日記


 インドで、アルツハイマー型認知症が少ないのは、カレーのせいではないかと言われています。このような情報に接すると、シニアの関心が高まります。「いやあ、ボケたくないからね」と言うシニアの仲間が増えているのです。「身体の機能が衰えると脳も衰える」という説は、医学的にも証明されています。「健康のために適度な運動が大事」とは、身体だけでなく、同時に脳にも言えることです。このような主張や説に、関心を持ちながら過ごしていると、つい、楽にこのような状態を作り出すことはできないものかという誘惑にかかります。運動が、「楽しく」「自然に」できるようになれば、こんな良いことはありません。当たり前の生活をしているだけで、脳や身体が活性化する仕掛けを作ってほしいと願っているわけです。
 よく、「寝たきりになったら認知症になった」という話を耳にします。トイレに自分で行けなくなることは、「寝たきり」で「オムツをする」になることです。寝たきりになった瞬間から、人のすべての動作と心身が衰え始めます。衰えた身障者自身も大変ですが、それを介護する方も大変になります。自力でトイレに行けること、それは人間の尊厳にも関わる切実な願いでもあるのです。身障者施設や老人介護施設でも、極力オムツをせずに自力でトイレに行かせるところがあります。実際に、自力でそれができた人は本当にうれしそうな顔をされると言います。
 不自由な身体を、懸命に動かそうと頑張っているお年寄りをよく見かけます。進んだ医院や介護施設では、ベットにいる時間が長いお年寄りにも、つとめて歩かせようとします。歩かせることが無理なら、せめて指先の運動だけでもさせようとします。指を開いたり閉じたりするだけでも脳への血行を促進し、退化を食い止めるのです。大リーガーの選手は、よくガムを噛んでいる映像が流れます。私たちには、慣れることのできない光景です。これには、理由があるそうです。ガムを噛むことで脳を刺激し、中枢神経を覚醒し運動神経の働きを高める作用もあるのです。毎日のわずかな運動が、脳を活性化させるか、もしくは,老化させるかを決定することもあるというわけです。
 今回の課題は、普通の生活をしているだけで、脳や身体が活性化する仕掛けについて考えることです。家にいるだけで、脳や体が良くなれば、ハッピーです。その家の作りそのものに、ハードとソフトの仕掛けを施すことになります。そこで、住まいのあり方を少し深く考えてみました。オールバリアフリーのような「行き過ぎた便利」を持つ家は、確実に脳の退化を早めるといわれています。「便利」と「楽」を追求するあまり、身体が弱る方向にベクトルが向いていくのです。健常者にとっては、バリアフリーの家は便利すぎて、身体の衰弱をもたらし、脳の退化を招くようです。今までは、段差につまずくことが危険だから、段差をなくすることが常識でした。でも、段差を意識し、それを避けるような機敏な動きを、常に求められる家の作りは、人間を鍛える機会を常に与え続けていることになります。人間、楽ばかりしていると、ロクなことがないと言われる所以です。不便な家にこそ、脳や身体を弱体化させない仕掛けのヒントがあるのかもしれません。
 喫煙も、脳の老化を高めることが知られています。昔はアメリカなどの疫学研究において、「喫煙がボケのリスクを下げる」とされたこともありました。この研究の欠点は、喫煙者がボケの進行する前に亡くなるケースが多いことを意図的に見逃していたことでした。タバコを吸った人は、一酸化炭素のために酸欠状態になってしまいます。酸欠にしたマウスの脳を調べると、ストレスを与えられたときと同じ状態になっています。酸欠状態は、人間にとってもストレスとなるのです。当然、酸欠状態は人間の脳に非常に悪い影響を与えます。記憶中枢である海馬を、縮小させるのです。結果として、脳の老化を早めることになります。厄介なことがあります。副流煙の問題です。タバコを喫煙する本人より、周りの人々に悪い害を与ええることが分かってきました。家で吸えば、家族全員の健康や脳へのリスクを高めることになるわけです。喫煙者のいる家庭は、健康を悪化させる仕掛けを家自体が持つことになってしまうのです。
 「家を建てる」作業には、やるべきこと、検討すべきことが山のようにあります。土地の購入、お金の算段、どんな家か、メーカーを決めて、発注する作業などは、一生の中でも最大級の困難で楽しい仕事ということができます。家は「かたち」ではなく、想いや魂が宿るところといわれる所以です。ひたすら自分の魂が宿り、心地よくひそめる家にしようと考え抜いていくわけです。災害などで仮設住宅に住む方がいます。しかし、十分に満足のいく仮設住宅は少ないようです。仮設住宅は、その人にとって家とは言えないものになっているようです。自分の生活、歴史、匂い、そうしたものが詰まったものこそが、自分たちの家といえます。
 老後が長い時代の生活を支えてくれるものが、趣味の存在になります。読書やゲームなど頭を使うものと、園芸やスポーツといった身体を使う趣味などがあります。頭を使い、体を使う趣味は、脳を健康にすると言われています。であれば、家の中でこれらが日常的に行うことのできる空間があれば良いことになります。作物を作る方は、種を蒔き、水をやり、手入れをして育てていきます。食物をつくることの魅力は、収穫した作物を食べる幸せに加え、育てる悦びが味わえます。家庭に、このような仕掛けがあれば、脳の老化を抑え、楽しい生活ができることになります。蛇足ですが、定年になったら趣味を見つけるという方がいます。それでは、少し遅いようです。定年前から、一定のスキルを持って、趣味に取り組むことが、良いようです。
 少し余裕のある方は、部屋を防音にして、高音質のオーディオセットを用意するそうです。ただ聞くのではなく、自ら歌うことがポイントになります。発声すると喉が刺激され、姿勢も良くなるため横隔膜が鍛えられます。さらに食べ物をのみこむ力が向上します。いわゆる嚥下障害を、防止することにつながります。高齢者は、嚥下力が衰え、肺炎を誘発することが多くなります。歌い、声を出すことは、高齢者の肺炎を軽減させることにつながります。高齢者の死亡原因は、肺炎が上位を占めるようになっています。このように考えてくると、脳を活性化する仕掛けは、家の中で行う趣味の中に、仕込んでおくことになるようです。家の設計は、非常に大切になるともいえます。



若さを凌駕する美しさ  スモールアイデア NO 359

2020-02-22 15:31:33 | 日記


日本舞踊や華道や茶道の先生は、高齢でも姿勢や立ち振る舞いが非常にしっかりとしています。茶道のお稽古で、正座からすっと立ち上がるときには、大変な筋力が必要です。彼らは、その動きを作法という形で優雅に行います。芸に精進する人達は、常日頃からよい姿勢を基本としています。人間の体のしくみに素直な姿勢というものは、美しい形になるという認識が古来よりありました。特に、自分で歩くことは、自立した生活を送るための基盤とされていたのです。
でも、人間は、加齢を必然とする動物です。50代半ばになったとき、隠しようのない衰えを感じ始めます。大病して、一気に体重が落ちたときは、「衰え」を認めざるを得なくなります。短期間で痩せると、賛肉ではなく筋肉が落ちてしまい、一気の老人または老女になってしまいます。急激に筋肉が落ちると、踵の高い靴がはけなくなってしまいます。筋肉がついているいる時まで着ていた服なども、何もかも似合わなくなります。加齢にともない外見的にも内面的にも、衰えを実感することになります。いわゆる美しさとか優雅さが、失われていくと感じられることになるわけです。
若さに付随している美しさは、何の努力をすることなく手に入れることができます。若者ならば、誰でももともと持っているものです。でも、若者に負けまいとして、熟女ブームや美魔女など若さ礼賛という風潮の渦中に入ってしまうと、歳を重ねていくごとに苦労や出費が増えていきます。若さ礼賛は、長い人生のほんの一瞬です。加齢との戦いにおいて、若さは必ず敗北に行きつきます。人間は、賢い動物です。負ける戦いを回避するすべをいくつかを手札として持っています。そのヒントが、イタリアにあります。女性の価値は若さではなく、成熟にあるという思想がこの国には根付いています。歳を重ねた美しさは、そのひとの努力や歩んできた道のりが育んだ経験と優雅さがあります。経験に裏付けられた優雅さを評価する社会的基盤があるのです。
立つために必要な筋肉ほど、年をとると細く弱くなってしまう傾向があります。筋肉が落ちると、姿勢は悪くなり、うつむき加減に歩く傾向がでてきます。この姿勢で歩くことは、決して美しいとも優雅ともいえません。加齢が進む中で大病を患うと、衰えは体を直撃します。腰椎の骨密度が低下し、上体から背骨が圧迫をされ、背中が曲がり、その状態で固定されてしまうケースも出てきます。でも、加齢をコントロールし大病をやり過ごすことができれば、希望も出てきます。体調が良くなり始めた頃、筋トレやウオーキングなどを開始し筋力が少しずつ戻ってくると、「自信」という光明が見えてきます。いつまでも若々しくいたいという気持ちは、「ヒト」の本能的な欲求なのかもしれません。ワザを使いながら、若さを超える美しさや優雅さを発揮していく人たちも出てくるのです。
人も物も古いものを大切にし、そこに価値を見出す文化があります。その典型が、欧米に見られます。欧米の服装にはどんなに前衛的に見えても、伝統のレールを外れたものはないようです。場所と時間にあわせて着替えるという習慣は、上流階級のものでした。欧米の服装には、厳然とした歴史があり、伝統があり、規範があります。欧米の服装はただ流行を追うものではなかったのです。18世紀末の庶民といわれる一般的な女性が持っているドレスの数は2着から3着でした。その少ない服装で、日常生活を過ごしていたわけです。上流階級とは、異なる習慣をしていたことになります。でも、産業革命や民主化の流れから、それまでできなかった服装を、楽しむことができるようになりました。服装には、政治的にも経済的にも歴史が刻みこまれているようです。
大人の「おしゃれ」にはワザがいります。ベーシックカラーの服装は、普通の社員が身に着ける一般的なものです。そのベーシックカラーのコートを着ている女性がなにげないしぐさで、ふと見せた手袋の裏地が、きれいなピンクでした。その女性社員の見せた「素」の部分が、おしゃれになります。見えないところにおしゃれをする姿は、江戸趣味の着方に通じるところがあります。喜びや苦労によって磨かれた内面の充実が、成熟していく加齢とも言えます。生きている限り、おしゃれをあきらめない生き物が人間なのかもしれません。この気持ちを持つ限り、何回でも、変化のときはやってきます。蝶の卵が芋虫になり、蛹を経て美しい蝶になるように、変化は人間にも訪れるわけです。人間の場合、流行という経済的文化的状況により、この変化のサイクルが短くなっています。変化のときはやって来るそのたびに新しい可能性が生まれ、新しいおしゃれの扉が開くというわけです。
 このおしゃれの流れが、グローバルになっています。以前のおしゃれは、自分の体型や年齢、立場を考慮しながら行われてきました。世界的流れが、この個人的な趣向に、多様性という要素を加味し始めたのです。国際色豊かな都会ほど、ひとつの「常識」ではなく、「多様な価値」を評価するようになっています。おしゃれに関しても、一つの常識ではなく、多様な人種の人々の共生に価値を置いているのです。現代は、これまでにできなかったおしゃれを、立場を超えておしゃれを楽しむようになった時代ともいえます。
欧米では、このような融和を歴史的に何度か経験しています。その一つは、ルネッサンスとして知られているものです。古典復興としてのルネサンスは、ギリシャの多神教と一神教としてのキリスト教の矛盾を内包していました。多神教とキリスト教は、本来は相容れないものでした。フィレンツェはこの時代に、近隣諸国との争いや内乱、ペストによる打撃などにみまわれていました。現在コロナウイルスで、クルーズ船が検疫を行っています。この仕組みができたのは、この時代のフィレンツェが最初でした。ペストの侵入を防ぐ仕組みとして考案したのです。ギリシャとキリスト教、そしてペストによる混乱を同時に解決することを求められました。当時の人々はこの解決のために、非常な努力を強いられたのです。幸運にも、レオナルドとミケランジェロ、そしてラファエロの3大巨匠が揃いました。ラファエロの聖母子像は、若く美しく優しげなマリアと愛くるしいイエスが描かれています。「若く美しく」の要素はギリシャから、「愛くるしい」はキリスト教の信仰から、そして、「若く美しく、愛くるしい」の融合は、ペストの恐怖からの解放を暗示したのかもしれません。
 最後に、日本の美しさに共通していることは、気候の影響を受けていることです。日本は、中国や朝鮮から多くの文化を受け入れてきました。でも、日本独自の文化を築き上げてきました。日本人の取捨選択の判断は、独自の価値観がありました。日本特有の気象条件や地理的条件の中で、生活してきた日本人がいました。彼らが、現在の日本文化の基礎を築いてきたわけです。日本人には、美と自然が密接に結びついていると刷り込みがなされているようです。自然が破壊されれば、人々の心は荒廃していくことも本能的にわかるようです。自然と美が融合したものを求める気風があります。ワザを使いながら、若さを超える美しさや優雅さを発揮していくヒントが、自然と美の融合の中にあるかもしれません。「枯れた味」などが、その一つでしょうか。




中食と外食・美味しいご飯・業務米の作付け  アイデア三題噺 302

2020-02-20 16:58:01 | 日記


 外食や中食の市場は、5年連続で拡大しています。外食や中食の市場は、2018年1兆97億円から3.4パーセント増の見通しになっています。午前中に、外食や昼食を利用する消費者は、2017年から10%以上も伸びているのです。朝食を家の外で食べる人が、増えています。外食産業も、消費者の動向に合わせたメニューを用意します。ある企業は、390円から590円で3つのおかずセットになる1汁3菜朝膳の提供を始めています。簡単に作れて、そして食べるほうも、飽きないメニューになっています。働き方改革による朝方シフトが、外食や中食を拡大しているようです。
 国内における食の消費は、「親と子」世帯が支えてきました。でも、今は2人世帯や単身世帯が多くを占めています。若年層の未婚率上昇が、単身者を増やしています。高齢者を見ると、ひとり暮らしの老人の増加から、単身世帯が年々増えているのです。若い共働き世帯は、出動前に料理時間が取れない状況が生まれました。そのために、早起きの高齢者や通勤客に対応した早朝開店の店が増えています。増えている層に標準を合わせた販売が、行われているわけです。コンビニやスーパーの弁当や中食が、高齢者や独身者に多く食べられる時代になったともいえます。
 中食や外食の需要者が増えて、困った事態も生じています。中食や外食産業の求める手ごろな価格帯の米が、常に不足しているのです。近年の米価上昇で、業務用米は200万トンほど不足しています。日本の米の総需要が、700万トンから800万トンと言われています。その25%に当たる中食用の米が不足しているのです。中食や外食産業が求める米が不足しているということは、高齢者や若者の要望に応えられない状況が生まれつつあるということになります。需要と供給のミスマッチが解消しないまま米作りをしていては、農家は自滅してしまう可能性があります。でも、このピンチをチャンスに変えれば、金の卵を産む領域に変えることができます。
 そこで、中食や外食と米作りのマッチングを考えてみました。近年の米作りは、特Aの米に限られた市場の中での競争に終始しているようにみえます。各県は農協と一体になり、特Aの生産とその販売に力を注いでいます。今の米作りの風潮に対して、冷めた見方の人達もいるのです。旅行をしていると気づくのですが、お土産の価格帯は、980円の近辺が多くなっています。高級なものよりも、手頃感のあるものが売れ筋になっています。その流れに対して、外食産業や消費者の要望に沿う手ごろな価格帯の米が少ないのです。顧客の要望は、手間暇をかけた高級米ではなく、毎日食べても飽きない米を第一に考えてほしいという点なのです。
 食味がおいしいコメは、タンパク、アミロース、脂肪酸、水分などの数値が低い米です。その中で、飽きない美味しいと評価されるお米は、アミロース含量の低いものになります。この成分の含量の低い米は、冷めてもかたくなりにくくおにぎりでも美味しく食べられます。逆に、アミロース含量が多いお米は、冷めるとかたくなり、パサパサしてしまうのです。高温で日射量が多い条件で稲が育つと、アミロースの含有量が低く粘りのある米ができます。このお米は、日本のモンスーン気候に適したお米ということができるわけです。
 現在、消費者の米離れが進んでいます。1人あたりの米消費量は、年間54kgとピーク時から半減しているのです。消費者の価値観は、低価格を求めるものと、高価格のブランド米を求める価値観に二極化してきています。でも、ブランド米を食べる人の数は、それほど増えていない現実があります。消費者の傾向を見極め、彼らの変化に追いつかなければ、淘汰される時代になっています。ミレニアム世代やその下のZ世代は、環境や健康への意識が強いようです。Z世代には、温暖化の危機を訴えるスウェーデンの少女グレタさんのような行動的な方もいます。環境や健康に対する意識が、高いという事例になります。
 ミレニアム世代やZ世代は、健康維持から一歩進んで積極的に体を鍛え鍛えたい人たちもいます。筋肉を効率的に鍛えるためには、タンパク質を数回に分けて摂取し、体内でタンパク質を切らさないことが重要になります。もし、炭水化物の摂取が減りカロリーが不足すると、体内のたんぱく質が熱量を発生するために使われます。結果として、筋肉がやせ細るということになるわけです。現在の健康観は、一定の筋肉が機能的に働くことを前提にしています。健康志向の商品の中でも、特にタンパク質に注目が集まっている理由です。そんな中で、面白い商品が開発されました。豆腐を作るときにできる「生のおから」は、栄養価が高いことが知られていました。欠点は、腐敗の早いことだったのです。キッコーマンでは、この生おからを乾燥させるノウハウを確立して、パウダー状に仕上げることに成功しました。このおからは賞味期限が約1年間と、筋肉愛好家には重宝な食材になります。ご飯やヨーグルトにかけて食べれば、いつでもたんぱく質の供給が可能になったわけです。味付けを工夫すれば、マーケットは広がることでしょう。
 最後になりますが、消費者の求める食材が変化してきています。そして、消費者の求める食材に対して、それに応じようと企業は努力をしています。外食産業で問題になることは、川上における業務用のお米の不足です。200万トンの不足があるわけですから、作れば売れるわけです。食味がおいしいコメは、タンパク、アミロース、脂肪酸、水分などの数値が低い米になります。その中で、飽きない美味しいと評価されおコメは、アミロースの少ないものになります。これを、人手や手間をかけずに作れる工夫をすればよいわけです。まずは、品種改良があります。蒔けば、あとは収穫まで、人手がいらない品種を作り出すことです。現在、各県の農業試験場では、特A米に力を集中しているように見えます。この努力を、業務用米に切り替えるわけです。消費者は、安くて美味しいお米に、たんぱく質の豊富な「ふりかけ」をかけて、健康を向上させることになります。








子どもの稼ぐ力を向上させる仕組み  スモールアイデア NO358

2020-02-18 18:09:03 | 日記


 年金は、年々厳しい状況になってきました。現在、働いている人たちがもらえるとしても、現在より少ない額になるようです。企業寿命は徐々に短くなり、定年まで存続しないケースも増えてきています。ゆりかごから墓場まで安心して過ごせるかどうか、不安になる人々も増えています。親は、子どもが生涯にわたって安心できる生活を支援しようとしてきました。でも、親は子供の支援に心を砕くだけでなくだけでなく、自分自身の将来を心配しなければならない状況に追い込まれています。祖父母の方も、世界の高齢社会の先陣を切り、今まで経験をしたことのない状況の中で生活をしています。子ども達の教育のためなら、いくらでも援助する頼もしい親の存在がありました。上位の学校に進学し、良い企業に就職するということは、一つの「手段」にすぎません。子供の能力育成と職業選択には、慎重な配慮が求められます。いわゆる稼げて、やりがいのある仕事の選択です。さらに、転職しても、十分に適応できるスキルと課題を学習する能力が必要になります。お爺さんとお婆さんも、お父さんとお母さんも、お子さんも安心して一生を過ごせる仕組みを考える時期にきているようです。
 稼げる力は、子どものうちから鍛えておくことです。会社に勤めるようになっても、稼げる力は高めておきたいものです。お金を稼げる人の働き方は、合理的です。一生懸命働いても、生活に追われる人々がいます。でも、世の中には、一生懸命に働かなくても稼いでいる人たちがいます。その人たちは、株や債券の運用などで収入を得ています。働いて充実感を獲得することに加えて、お金の心配をしない程度の生活設計の構築が望まれます。お金を大切にする姿勢は、大人になってからいきなりできるものではありません。子どものうちからの精進が、大切になるかもしれません。どの家庭も、子どもを育てる中に塾や習い事が入っています。その一つに、お金の教育につながるようなものを必ず入れておく配慮が求められるようです。
 1945年の廃墟から、日本国民は奇跡の復興を起こしました。ようやく、先進国並みの所得を獲得できるようになったわけです。でも、生活の豊かさに関しては、もう一歩という状態です。日本の正社員は、年間2000時間働いて、夏休みは1週間ほどしか取れません。欧米では、1600時間働いて、1ケ月のバカンスが取れます。お金を得ても自由になる時間は少なく、生活費を稼ぐことに毎日追われ続ける生き方をする人が多いのです。自分のスキルを磨き続けなければ、社会に提供できる問題解決能力も劣ってきます。そのためには、十分な自由時間、余暇時間が必要になります。余暇時間を使って能力開発を行えば、ブレイクスルーは可能になります。高みで仕事ができれば、仕事は楽しい行為になります。「仕事ほど楽しいことはない」という仕事を、自由に選択できる立場になれます。
 個人的なことですが、1100兆円も借金しているにも関わらず、なぜ日本は安定しているのかという疑問を持っていました。数年にわたってブログを書いていると、いろいろな情報を集めることが可能になります。すると、この疑問に答える情報が集まってきたのです。日本人の個人金融資産は、1800兆円もあります。つまり、日本全体としては、700兆円のお金持ちと他国から見られているということでした。さらに、国は1100兆円の借金があるのですが、政府の資産は600兆円ほどあるということです。現在のところ、国債という借金はあるけれど、国民の持っている資産が保証金の役割を果たしているということのようです。もう一つ、面白いことが分かりました。日本の金融資産は、1800兆円の半分以上の52%が預貯金でした。アメリカは13%、ドイツやフランスなどの欧州先進国は20~30%が預貯金です。
 お金を使わずに貯蓄をすることは、世の中にお金が回らなくなることを意味します。お金が回らなくなると、人はモノを買わなくなり、市場にモノが余る状態になり、モノの価値が下がります。いわゆるデフレ状態になるわけです。この状態が続くと、収入が減り、支出が減り、人はモノを買わなくなり、市場にモノが余るという負の循環に陥ります。過剰な貯蓄は美徳ではなく、社会全体からすると悪いことでもあるという理屈が成り立ちます。日本人全体のファイナンシャルリテラシーは、世界的に見てもかなり低いようです。でも、お金の教育がスムーズに行われるようになれば、眠っている資金が有効に使われて、国民を豊かにすることができます。例えば、銀行に100万円を定期にすると、0.2%の2000円が利息としてもらえます。1株1000円で配当が10円の銘柄を、100万円で1000株買うと配当金が2万円もらえます。これを100兆円単位で考えると、2兆円の配当金が入ることになります。もし、この2兆円を量子コンピュータ開発に使うことができれば、この分野で日本は主導権をとれるかもしれません。
 国レベルでは、多くの可能性を持っている日本国となります。問題は、国民一人一人が儲ける意識に淡泊なことです。儲ける意識を高め、そのスキルを身につければ、国民全体が豊かになる可能性を秘めています。文部科学省のデータによると、小学生の習い事の平均月額は1.8万円程度になります。中学生になると、塾の費用と習い事を足すと、月5万円以上の支出になっている家庭も多いのです。中学受験用の進学塾代は、3年間通うと模擬試験などを合わせると約300万円かかります。300万円の出費は、一般家庭の収入から考えると大きな支出になります。多くのご家庭で、塾の費用や習い事は大きな出費となっているわけです。塾通いが、子どもにどれだけのリターンが見込めるのかを冷静に親子で判断することも大切な作業になります。
 良い学校に入り、良い会社に入るレースに乗ることが、求められてきました。順調に成功の階段を上って、会社に勤める方もいます。でも、その会社の業績が悪化し、リストラされていく人が存在する現実もあります。ある会社は、既存の市場が縮小したために、リストラをすることになりました。でも、社員を首にすることはしなかったのです。会社は、ワークシェアリングを提案しました。仕事が減ったので、週休3.5日制の勤務体系を導入したのです。だれもやめる必要はなくなりましたが、働く時間が半減しました。もちろん、給料も半減したのです。
 この会社の面白いところは、副業をあっせんしたのです。給料は、半分になりました。でも、増えた余暇時間に行う副業で、生活は豊かになったということです。そして、労働時間を減らしましたが、時間当たりの生産性は向上するという結果をもたらしたのです。例えば、庭仕事が好きな社員は、庭の剪定資格を取りました。この社員は、10人程度の固定客を確保し、四季に応じて庭の剪定を副業としています。さらに、面白いことが続きます。庭を持つような高齢者の中には、IT機器の対応が未熟な方もいたのです。剪定資格を持つ社員はITスキル持っていたために、高齢の固定客のパソコンの相談にのることも多くなりました。顧客のパソコンの維持管理する仕事も、受け持つようになったのです。つまり、本業の会社を3.5日行い、副業の剪定を、時々行い、さらにパソコンの指導や講習を行うことにより、収入を増やしていったそうです。
 日本の平均世帯年収は、約540万円ぐらいです。この中から、将来に備えて、預貯金をしている方もします。年金も、ゼロになることはないでしょう。お子さんの教育費には、それ相応の費用を出費することになります。中学生になれば、塾の費用は年間で50万~100万円で、月額4万~8万円強となります。この中から、2万円程度を「ジュニアNISA」などの投資に回すことも選択肢になります。習い事のお金の一部を投資に回す時、投資先を子どもと一緒に決めることがお金の教育になります。どんな仕事が、良いかを判断するためには、働く現場を知ることが大切です。アルバイトをするときでも、「お金を得るためならどこでもいいや」という選択は、あまりよくありません。お子さんが、マクドナルドのバイトを希望したとします。マクドナルドでバイトをするならば、「マクドナルドのチエーンの仕組みを学ぶため」とか、「なぜ、マクドナルドには人が集まるのか」などを問う姿勢が必要です。時給900円をもらうために働くという姿勢より、900円もいただいて学ばせていただいているという姿勢が大切になるかもしれません。お金を払って、儲かる仕組みを勉強することも必要でしょう。一方では、お金をもらいながら、儲かる仕組みを勉強させていただく知恵も大切になります。
 蛇足ですが、現在中学1年生は、100万人ほどいます。彼らの半分の50万人が、学習塾などの習い事から2万円をジュニアNISAに投資するとします。すると、年間1兆2千億円の投資金額が集まることになる計算です。この条件で、中学生の1年生、2年生、3年生が、2万円をジュニアNISAに投資すれば、3兆6千億円になります。消費税を1%上げると2兆円と言われています。2%消費税に近い金額が、中学生だけで動かせることになります。


苦しみを軽減する臨床心理  スモールアイデア NO357

2020-02-15 18:08:31 | 日記


 世界中で、多くに人が苦しみ、悩みを持ちながら生活をしています。ある文化人類学者は、人間は苦しみ、悩みながらも、前向きに生き抜く動物であるといいます。「苦しみ」の度合いが進むと、それを乗り越える前向きなシステムを持っているというのです。私たちが20万年前に、ホモサピエンスとなる以前から、この仕組みが作られてきたという説を述べています。苦しみや悩みに耐えて、それをプラスにする遺伝子を増やしてきたというわけです。確かに、成功した人たちを見ていると、困難を克服して、新しい局面を作り出しているケースがあることがわかります。苦しみを克服した遺伝子が、生存や繁殖に有利な結果をもたらしているということです。そして、それを次世代に伝えている進化の過程があるというわけです。
 現在、苦しみや悩みから抜け出す手法として、臨床心理の支援があります。臨床心理の視点から見ると、人の苦しみや悩みは4つに分類できます。「人が恐い」、「自分を責める」、「人と上手につき合えない」、「死ぬのが恐い」になります。この4つには共通の構造があります。一つは、「こうしたい、こうすべきだ」などの希望や理想に関することになります。もう一つは、「そうできないので、悩み苦しむ」など理想は分かるが、できない現実の自分に苦しむというものです。この理想とできない現実の対立構造が、悩みや苦しみの根源になります。
20万年前から進化してきた人間は、生存や子孫を残すためにいくつかの仕組みを持っています。発熱や下痢という症状は、遺伝子に組み込まれた適応の一つになります。人間はウイルスなどの病原体に感染したとき、発熱したり下痢をしたりします。熱に弱い病原体を、発熱によって殺すことが人間の適応行動になります。または、体温をあげることで、免疫を作る化学反応を速めていくわけです。発熱する症状は、体の抵抗力を高める仕組みにもなっているのです。腸内に増えた病原菌を下痢によって体外に排出し、体を守る適応行動もとります。発熱と下痢と同じように、苦しみや悩みにも遺伝子の適応行動によって解決するような仕組みが人間にはあるようです。
深刻な悩みや苦しみに耐えられない場合、人間は押しつぶされてしまいます。現代社会は、うつ病などの精神疾患が増えています。このことは、押しつぶされる人が増えていることを意味しているかもしれません。ある人に大きな苦しみが生じたとき、コルチゾールが分泌されます。コルチゾールは、ストレスホルモンともいわれ、苦しみに対抗し、体内の環境を非常事態に備える働きをします。軽い苦しみならば、すぐに正常に戻ります。でも、苦しみが続くと、コルチゾールが分泌され続けることになります。このストレスによる非常事態が続くと、脳や体内の組織が弱体化していきます。この事態になると人間の体は、次の適応行動を取ります。副腎皮質からデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、脳の視床下部からニューロペプチドY (NPY)が分泌され始めるのです。DHEAやNPYはコルチゾールの作用を抑制し、苦しみの感覚を低下させる効果をもっています。脳には、苦しみや悩みに打ちひしがれた心理状態を切れ目なしに続くことを防ぐ仕組みも備わっているのです。
 余談ですが、ホモサピエンスよりも何億年も前に誕生したゾウリムシは、現在でもバクテリアなどを食べながら生息しています。ゾウリムシは、水中で障害物を避けて餌に到達します。危険な化学物質や捕食者から、離れようとします。分裂によって固体を増やし、子孫を残していきます。ゾウリムシの外界の把握は、現在までそれほど間違わずに来ているようです。もし、外界の把握が間違っていたならば、ゾウリムシは現在生き残ってはいなかったでしょう。当然、現在の地上の覇者であるホモサピエンスも、ゾウリムシのような適応戦略を遺伝子の中に秘めていいます。人間には、何万年も生き延びてきた適応戦略が、今でも活動していることになります。
「理想とできない現実の対立構造」が、悩みや苦しみの中核になります。こうしたいのだけれど、そうできないので、悩み苦しむ、という構造を取わけです。この苦しみを和らげる専門家が、臨床心理士といわれる人たちです。彼らの手法の一つに傾聴の技術があります。クライアントのお話を傾聴することは、心理的苦痛を伴うと言われています。お話を聞いている中で、クライアントが「愚痴をこぼし続ける」時期があると言います。何の生産性もない愚痴に思えますが、傾聴という視点からは重要な分岐点です。愚痴を言い尽くすと、クライアントは変わります。愚痴の中にある苦しみや悩みを吐き出す段階を過ぎると、自分を見つめたり、考えようという意欲が出てくると言います。悩みや苦しみをじっくり聴いてもらえると、自分自身を改めて考える機会を得るようです。蛇足ですが、理想を下げるとこの苦しみや悩みから解放されるケースが多くなるようです。ようは、要求水準を下げれば、苦しまなくとも良い状況が生まれるということです。このことに、自分自身で気が付き、自分で克服することが大事な点です。
 最後に、現代社会では、苦しみや悩みなどでうつ病になる方も増えています。臨床心理にかかわる専門家は、この軽減に多くのエネルギーを使っています。でも、苦しみや悩みを持つクライアントは増加する傾向にあります。臨床心理士の方だけでは、この事態を防げないという現実があります。であれば、人間が進化の過程で培ってきた適応規制を強化することで、乗り切ることはできないものでしょうか。幸いにも、脳科学の進歩により、ホルモンの研究は進んでいます。コルチゾールやデヒドロエピアンドロステロン、ニューロペプチドY などの分泌状況は、量的に把握されることも近い将来可能になるでしょう。臨床心理士のカウンセリング技術と併せて、人間の持つ適応規制を数量的に利用した診療体系ができれば、苦しみ悩むうつ病などのクライアントを軽減することができるかもしれません。そんな診療体制を作ってほしいものです。






オランダのバラ・満足の獲得・ウイルスのサバイバル  アイデア三題噺 301

2020-02-13 17:56:40 | 日記


快適な住まいや適度なお金、確度の高い情報と良好な人間関係、そして行動的な健康は、人生を豊かにします。戦後の日本は、欧米より安い賃金で長時間労働をこなすことにより先進国の仲間入りを果たしました。働く人は、お金を得ることができようになりました。でも、なかなか自由になれずに、生活費を稼ぐことに毎日追われ続ける人がなくならないのです。一生懸命働いていているのですが、お金持ちにもなれずに、将来の安心も自由も確保できない状況が続きます。働くことに集中しすぎて、周りが見えなくなっているのかもしれません。集中から距離をとって、周りを俯瞰する姿勢求められます。
花卉農家の方は、労働力を必要以上につぎ込み、肥料や農薬を十分に使い、美しい花を育てます。花の美しさを追求するあまり、利益という要素を軽視するところがあります。売る値段より作る値段が高くなっては、所得を増やすことができません。美しい花を育てることに集中して、周りが見えない状況になる方もいるようです。欧米の農家は、全体の仕組みに重点をおいています。手順や分担、そして時間の合理的に割り振りをして、確実に利益を上げていく仕組みを作り出していきます。日本の農業は、局所戦には強いのです。でも、日本の農業は全体の仕組みにおいて弱点があるようです。消費者が今どのような品質の花を望んでいるのかを見極めて、そのニーズにあった花を出荷することが一般的です。世界に花を出荷するオランダは、柔軟にこの仕組みを整えています。たとえば、東京や大阪はバラの大消費地です。ここには、ケニアやエチオピア産のバラが供給されています。初期においては、ケニアからオランダに運ばれ、そこから日本に空輸されていました。でも、現在はケニアやエチオピアから中東のドバイ経由で日本に空輸されています。この経由のほうが、短時間で花を傷めずに運べるからです。もっとも、ケニアやエチオピアのバラ農園は、オランダ資本によって運営されているものが多いのです。バラを作るだけでなく、その販売やロジスティックも含めて、最適化を図っているわけです。
食品ロスの問題が、注目を浴びています。食品に限らずロスとか無駄を考える場合、目的とか立ち位置を考慮しなければ、十分な評価を下すことはできません。麺を約2割減らしたカップヌードルが、人気があるそうです。シニア層は、元気な若者のように多くのカロリーを必要としません。カロリーを2割程度減らした程度で、十分なのでしょう。カップヌードルに野菜などの副食を1~2品添えることで、食事のバランスを取ることができます。また、ダイエットを気にする女性層には、丁度良い昧と量に仕上げたカップヌードルが人気になっているようです。無駄が出ないようにデザインした食品が、生活の利便性や健康に寄与しているわけです。
商品やサービスにどの程度の価格をつけることが、妥当なのかを悩むものです。この場合、消費者の要望と会社の人的資源や資本、そして開発能力どのを考慮しながら判断していくことになります。これは、会社だけでなく市町村にも言えることです。住民税を低くする代わりに、行政サービスを薄くするという発想もでてきます。私たちの町は、住民税を安くします。でも、ゴミの収集は週1回だけになります。回収に必要な人件費と輸送費などが節約されます。その分を、公営住宅費を半額にします。保育費も半額です。こんな市町村が住民の支持を獲得するかもしれません。
外食、旅行、そして趣味などは、生活を豊かにしてくれます。豊かな生活を享受したいと願うのが、人間です。新鮮な卵やバターが贅沢に使われたパンを、厚切りのハムを挟んで食べたい。交通の便利な温泉につかりながら、体をゆっくり休めたい。例えば、この二つを1000円で実現する方法を考えてみます。酪農を経営している農家とパン屋さんが、仲良くなります。農家からは卵やハムを供出し、パン屋さんからはできたてのパンと交換すればよいのです。そして、食べるところは、東京の銀座や青山になります。銀座や青山にも450円の銭湯があり、温泉気分で湯に浸れます。
現在、肺炎を起こすコロナウイルスが問題になっています。この感染症を食い止めるための疫学の法則があります。病因、環境要因、宿主要因の側面から対策を取っていくことになります。 病因は、ウイルスで、これを無害化すればよいわけです。 環境要因は、感染経路とも呼ばれ、空気、飛沫どのことです。マスクをすればよいとか、人と接触をしなければよいわけです。 宿主要因とは、人間の抵抗力とも呼ばれるものです。免疫力を高めておけば良いことになります。今回のコロナウイルスは、高齢者や持病を持っている人が重症化する傾向がありました。免疫力を高めておくことが求められるわけです。でも、人間が対策を取れば、ウイルスもいくつかの対応策を取ってきます。
たとえば、1997年香港でH5N1型高病原性鳥インフルエンザウイルスが人に感染し、6人が死亡しました。このインフルエンザウイルスに感染した鳥は、100%死んでいます。強力な毒素を持ったウイルスでした。一方、宿主である鳥や人間が死んでしまうと、このウイルスも死んでしまうのです。つまり、子孫を残せないという無駄を行ったわけです。ところが、この無駄を教訓に、次のH7N9型鳥インフルエンザウイルスが発生します。H7N9型鳥インフルエンザは、ウイルスが弱毒型であり、感染した鳥は症状を呈さないのです。この弱毒型ウイルスは、肺の中で増殖するのですが、発熱や肺炎を起こさない事例が多いのです。静かに、鳥や人間の肺で生き延びていくわけです。H5N1型の強毒型は感染した鳥は発症し100%が斃死するので異常が分かります。でも、H7N9型はウイルス学的な検査をしない限り、ウイルス感染は検知されないのです。ウイルスの巧妙な生き残り戦略です。
 効率や安全の両方の疑問に答える手法が、パーコレーションといわれるものです。ウイルスが、生き延びるために人間と共生する現象は、腸内細菌で見られます。そこには、善玉菌や悪玉菌、そして、日和見菌まで混成しています。人間に利益をもたらしたり、悪さをしたりしながら生き延びているわけです。私たち人間は、楽しさを求めて活動します。楽しむためには、それなりの健康の管理も大切になります。趣味に邁進する人は、体調や人間関係をコントロールすることが大切です。そして、ウイルスの気持ちも理解することも、必要かもしれません。
蛇足ですが、鳥から人間への感染には、高い壁があります。鳥も人間も恒温動物です。体温が、どちらも一定です。でも、鳥の体温が人間より高いのです。鳥インフルエンザのウイルスは、高温で増殖します。人間の体温では、繁殖しにくいのです。この温度差が、鳥インフルエンザの流行を人間に波及しない要因と考えられていました。このインフルエンザウイルスの種にも、徐々に人間の体温でも繁殖するものが出現するようになりつつあるようです。人間側の備えが必要になっているかもしれません。








ゲーム依存症にならない工夫   アイデア広場 その527

2020-02-11 19:41:11 | 日記


 知人のお父さんが困っていました。お子さんが、オンラインゲームにはまってしまって、言うことを聞いてくれないのです。いくら、時間を決めてやるように言っても、効き目がないようです。ゲームのやりすぎは、確実に学習能力を低下させるという報道もあり、途方に暮れているようでした。ゲームの中で使うアイムを買うために、時々お母さんに小遣いをねだることもたびたびあるようです。アイテムを手に入れることによって、友人に自慢ができる場面も作らなければならないようです。仲間同士の話題に入れないことは、子どもにとってストレスになります。いくら無駄遣いをするなと口うるさくいっても、親の言うことを聞かないそうです。ゲームやスマホに対する大人達の規制は、ほとんど子供たちに効果を上げることなく日常化していく風景が見えます。
 子どもの遊びに関しては、大正や昭和や平成を通じていろいろな禁止や規制が行われてきました。映画館や喫茶店の出入り禁止、エレキバンドの禁止や規制、PTAによるお笑い番組の規制、そしてゲームへの規制などが次々にでてきました。時代の流れによって、娯楽や遊びに対しては、禁止、規制、啓蒙のパターンが次々に行われてきたわけです。この流れは日本だけでなく、海外でも顕著になっています。特に、学力や試験に敏感な東アジアの国々では深刻なようです。上海や香港は、OECDで行う学力試験において、最高レベルの成績を上げています。これらの国や地域では、ゲームに対する規制が厳しいようです。上海では、オンラインゲーム依存が保護者を悩ましています。中国政府も、この現状を憂いて、ゲームの規制に乗り出しています。でもよく観察をすると、ゲームを行っているが、おぼれない層、無関心な層、巻き込まれる層の3つがあることがわかります。これは、日本の娯楽の歴史を見ても明らかです。むしろ、映画やエレキにのめり込んだ子供たちほど、現在は充実した生活をしているシニアも多いのです。多く子ども達は、俗物と言われているものに触れても、毒されることなく成長していくことが歴史を見ればわかります。
 ここで、注意したい点もあります。最新のゲームが映画やエレキと違う点は、熱中を生むように設計されていることです。人気のあるゲームを分析すると、快感と脳内麻薬の理論が上手に組み込まれています。このゲームには、巧妙に報酬系を刺激し、ドーパミンを分泌させるように設計されているのです。ドーパミンは、快感をもたらしてくれます。この物質だけを求めるようになれば、ゲーム依存症になってしまいます。でも、人間はそれほど弱い存在ではありません。人間には、ドーパミンとは逆の作用をする物質を産生する能力があります。感情の高揚を抑制するセロトニンなどの物質が、ドーパミンによる過度な興奮を抑えてくれる機制も備えているのです。株式や投資の場において、ゲームやギャンブルに対する耐性を持った人たちが活躍しています。ゲームに一時的に溺れる子供たちもいます。中には、その状態を克服して、ゲームのネガティブな影響を受けない強靭な耐性を獲得する子供たちもいるのです。自分でゲーム依存症を克服し、社会生活に復帰し、活躍する人も多いのです。
 余談ですが、依存症に多くのものがあります。代表的なものに、プロセス依存症があります。ギャンブル依存症、ネット依存症、セックスや買い物を過剰に求める性向、そして仕事中毒などが、この依存症になります。ゲーム依存症は、ギャンブル依存症にはいります。ゲームは、依存症としては軽い部類に入ります。次に、人間関係への依存症があります。カルト宗教へのめり込む人々や虐待がやめられない人々が、これに当たります。もっとも厄介な依存症は、ニコチンやアルコール、そして麻薬などによるものです。これらの物質を体内に入れば、ドーパミンが分泌され、快の状態になります。この薬物に対する依存症が進むと、その薬物に対する耐性ができます。薬物にたいする「耐性」ができると日常生活でのドーパミンの分泌量では、快の反応しない状態になります。結果として、服用する量が増え、肉体も精神も荒廃していきます。
 ゲームは、仮想現実の世界をよりリアルに感じることができるよう進化を続けています。たとえば、戦争に関するゲームがあります。戦場の悲惨な現実は、なかなかわからないものです。戦場に行った兵士は、自殺する割合が高いと言われています。戦争の悲惨さを理解せずに戦場にいけば、その対応が難しくなります。その悲惨さやその対応の仕方を事前に、仮想体験させるゲームがあります。たとえば、仮想のイラク戦争を、ゲームを通して体験させるものがあります。戦場では、非日常的な嫌なことがたくさん起こります。仮想の経験を積むことで、戦場に立つたとき、その現実に立ち向かうスキルを備えることができるようになるというものです。戦場で起こる事件に対する感情を、どのように処理するかなども事前に理解するようになるわけです。
 発想の豊かな方はこの話を聞いて、次のようなことを思い浮かべるかもしれません。疑似体験をとおして、新人の就業時におけるスムーズな仕事への移行ができるかもしれない。この課題を解決するために、ゲームを導入することも選択肢になる可能性がありそうだ。会社の仕事内容を、ネットゲームで配信します。そのゲームで高得点をあげた就職希望者を、面接の優先候補者にします。無駄な面接時間を、節約できます。さらに、会社に適性のある人材を選抜するツールにもなるわけです。
 現代のゲームは、クリエイティブな構成になっています。ゲームを攻略するためには、自分でいろいろな工夫をする必要があります。あるゲームでは、Plan (計画)-Do (行動)-See (観察)Action (改善)で脳を能動的に使わなければ、できないものもあります。ゲームをする中でトライ&エラーとかPDCAを無意識のうちに実践する構成になっています。ロールプレイングゲームをすることにより、認知面の向上に寄与するわけです。ゲームには意欲を高め、協調性を高め、前向きにする力もあることが分かっています。トライ&エラーとかPDCAの実践能力が、将来子供たちの生きる力を高める可能性があるとされるわけです。
 とは言え、ゲームといっても、何でもいいわけではありません。ゲームに支配されることは、生活の質が落ちることが分かっています。ゲームへの依存症は、学習を妨害し、睡眠不足をもたらし、人間関係作りに悪影響を与えるケースもあります。スマホでCMを流しているような課金制のパズルゲームなどにハマっても賢くなりません。スマホの課金制のパズルゲームはアイテム課金でお金を吸い取られるだけのようです。ボタンを押すだけの頭を使わない課金ゲームは、やらないほうが良いようです。賢くならないゲームには、フィルターをかける工夫も求められるかもしれません。
 保護者は、子どもが、どんなゲームで遊んでいるかを知ることです。子どもの利用状況を知った上で、子どもと話し合いを持つことが大事になります。子ども自身が無駄だと感じていなければ、ゲームにお金をかける無駄遣いを止めることはありません。ゲームにお金を使えば、何が得られるかを話し合うのです。無駄遣いをするなと言う代わりに、ゲームはどんな価値かあるかを話し合うわけです。子どもには無理やり行動させるよりも、話し合いながら、選択肢を浮かび上がらせます。その選択肢の中から、選択権を渡し好きなほうを選んでもらうやり方が、子どもの納得を得やすい方法になるようです。ゲームを禁止するのではなく、長所や短所を話し合い、ゲーム使用のルールを考えることになります。最近のゲーム機器ではゲームをしている時間を可視化してくれるものもあります。親子で使用に関する約束を決めれば、その約束が守られているかを容易に知ることができるわけです。親子がストレスなくゲームを楽しみ、学校の勉強もしっかり行う仕組みが家庭にできれば、ハッピーになります。