ファンタジアランドのアイデア

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いじめにたえる知恵も必要か  アイデア広場 その415

2018-10-28 17:55:10 | 日記

 文部科学省の調査で2017年度に学校が把握したいじめが、過去最多の41万件を超えとの記事がありました。2016年度から9万件増えています。内訳は、小学校の認知件数は31.7万件、中学校は8万件、高校は1.5万件した。いじめという事件は、倫理上の問題にすり替えられがちです。でも、いじめにあっている子どもが、成績で上昇することはありません。この事実からいえることは、いじめは子どもの将来を破壊する行為でもあるのです。子ども個人だけでなく、毎年42万人の児童生徒の学力を低下させている社会的問題でもあるのです。42万人の学力低下は、日本の将来を考えても、憂慮すべき問題だという捉え方も必要になります。とは言え、長い歴史上において、いじめがなくなったことはありません。
 そこで、いじめに耐える方法について考えてみました。小学校3年から4年にかけて、子ども達は仲間集団を作り、集団を操作していく能力が育ってきます。子どもに集団を操作していく能力ができてくると、いじめられっ子を作る能力も出てきます。小学生で、いじめが多くなる理由の一つになるでしょう。いじめには、排除するいじめと拘束するいじめがあります。仲良し集団が、孤立した子どもをいじめる光景もその一つです。また、仲良し集団の中で特定の子どもをいじめる光景もあります。初期のいじめは、モノを取ったり、隠したりすることが多くなります。次に、悪口、からかい、仲間はずれ、脅しなどと種類も強度もエスカレートしていきます。
 今回の調査では、小学校では7年連続で増えており、中や高は減少傾向にあります。大津市の中2の男子の自殺を境に、軽微な事案も報告され、いじめの認知数は急増しました。大きな変化は、子どもが心身の苦痛を感じる状態をいじめと捉えるという認識が共有されることになったことです。けんかやふざけ合いでも、生徒が被害を感じている場合には、いじめになります。学校現場が積極的にいじめを把握を促した結果、過去最高の件数になった面もあるようです。これは、好ましい傾向といえます。結果として、小学校の認知件数の増加とその指導が、中学や高校の減少に繋がった推測することもできます。
 新しい問題も起きているようです。学校内で把握できないいじめが、現れているのです。今回の調査では、ネットを介したいじめの認知割合が3%と報告されています。近年のスマホや会員制交流サイトの普及を考慮すると、この数字は氷山の一角という見方が多いのです。学校だけに対応を任せず、家庭や地域社会も連携して、対策をたてることになるでしょう。協力する組織や会社もあります。たとえば、写真共有サイト「インスタグラム」は、いじめと捉えられるコメントを自動で非表示にする機能を導入しています。いじめが、社会に拡散しない仕組みを設けているわけです。42万人の学習が低下する状況は、国家の損失です。国家として対策を考える時期かもしれません。いじめに関するネットの情報を収集し、AI(人工知能)でその対策を立てることも面白いかもしれません。歴史上、解決できなかったいじめを、AIが解決する事ができれば、快挙になります。
 いじめの状況は、一様でないことにも理解が必要になります。多くのいじめについて最終的にいえることは、成績の推移からいじめの有無が推察できるということです。仲間集団が成績も向上してる場合は、いじめがないと判断できます。仲間の一人だけの成績が低下している場合、その仲間集団に何かあることが推察できます。そこに、指導や支援の手をさしのべる教師がいることを希望します。調査では、いじめがこれからも増加する形で発表されるでしょう。学習塾では、ある面でチャンスが訪れたことになります。いじめられている生徒を支援すれば、学習成績の急上昇が望めます。障害がなくなり、学業に専念できる環境を作れば良いわけです。学習塾でも、良好な仲間関係の作り方などのノウハウを蓄積しておくことが望まれるところです。あの学習塾に行けば、仲間ができて、成績が向上するというブランドは得がたいものでしょう。
 最後に、余談です。ある都立高校の教師は、生徒を罵倒しながら部活動をしていました。いわゆるパワハラ的な行為だったのかもしれません。でも、教師の人柄もあったのでしょうか、生徒達は聞き流すスキルを身につけていったそうです。この生徒が就職をし会社に入ると、一緒に入社した高校生や大学生が次々に辞める事態が続きました。上司の厳しい指導や注意に、絶えられなかったようです。いわゆるパワハラ的な行為だったのかもしれません。都立高校卒業したこの生徒は、上司の厳しいと思われる指導や注意は当たり前のように受け入れていきました。後日、母校を訪れたこの生徒は、「先生の罵倒で指導されていたので、今の会社は快適です」と述べたそうです。