高齢になるにつれて、他人にはわかりづらい苦痛が増えていくものです。最初に、目の異変に気がつきます。文字が、よく見えなくなるのです。でも、明るい日光の下では、よく見えるのです。そんなこんなで、目の老いが始まったことを、実感するわけです。高齢者の不便さは、次々に増えて、いつの間にか聴力の衰えに及んできます。最近、まわりを見渡すと、補聴器を使う人も多いということに気がつきました。
スマホを使った難聴対策を考えてみました。補聴器の機能は、進歩しています。でも、本当の耳にはかないません。聞くという蓄積が、60年以上も続けているのです。聞いて考え、行動するという経験を60年以上蓄積してきたわけです。それが、スムーズにいかなくなるわけですから、補聴器を付けたからといってすぐに同じレベルになるわけではありません。補聴器は、話す人の位置によっては、音が拾えないこともあります。そこで、スマホと耳にある補聴器の両方で、音を拾う仕組みを作ります。スマホには、高性能の集音マイクを内蔵させておくのです。このマイクから耳の中にある補聴器に音を伝達する仕組みです。
電車の乗ると分かることですが、多くの人がスマホを操作している姿があります。操作していない人はと見ると、高齢者が多いようです。高齢者は補聴器を付けても、できるだけ他人に見えないようにしていました。でも、スマホという道具を使えば、堂々と持つことができる環境になっています。普通にスマホを操作していいれば、音が拾えるようになるのです。会話で、困らない機能をスマホに付け加えるわけです。良く音が聞こえる機能を備えたスマホは、高齢者に福音をもたらすことになります。スマホの販売を倍増させるフロンティアは、高齢者になります。難聴の高齢者が喜び、スマホの保有者が少ない高齢者層に売れるというウインウインの関係ができることになります。
蛇足ですが、家族の声をAIに学習させることも面白いようです。家族の声を学習したAIは、小さな音でも拾うことが可能になります。高齢者の家の中でのチグハグな会話が、少なくなるかもしれません。このような機能は、進化するAIとスマホにとって、可能になる日がすぐに来るでしょう。
補聴器は、慣れるまで数ヶ月かかるといわれています。老後の準備は早ければ早いほど、安心できます。擬似的に老人の状態を体験できれば、将来に備えて対処する方法を学べます。そのような取り組みを、社会福祉の分野や介護の分野で行われています。補聴器においても、このような疑似体験ができる場を設けてほしいものです。何事にも、備えあれば憂いなしです。