ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

絵画市場を拡大する仕掛け   アイデア 広場 その368

2018-05-31 16:29:03 | 日記

 フィレンツェが隆盛を誇っていた時代、優れた芸術家も次々に現れました。レオナルドダビンチやミケランジェロ、そしてラファエロの作品は、ウフィツィ美術館で見ることができます。レオナルドダビンチやミケランジェロの影響うけながら、ラファエロの能力は開花していったわけです。彼の偉大さは、先人達を学んで、独自の絵画に昇華させたことにあるようです。ウフィツィ美術館を見て回ると、美術の教科書に載っている絵画を見ることができます。この美術館の入り口からヴェッキオ橋までの長い距離に、これらの素晴らしい絵画が展示されているのです。まさに、世界遺産といえるものでしょう。名画は見るだけでも、感動やすばらしさを届けてくれます。でも、もっと深く理解したいという欲望もあります。
 そこで、絵画のすばらしさとその理解を同時にかなえることを考えてみました。絵画作品の評価指標には、創造性、主題、質、の3つがあるとされます。ルネッサンスの3大巨人の作品は、この3つの要素がバランス良く備わっています。この3つを理解するためには、キリスト教文化やギリシアやローマの神話と歴史などの知識がないと鑑賞できないとされていました。いわゆる教養の有無です。3大巨人の絵画は、キリスト教やギリシャを題材にして描かれています。鑑賞する側に、知識の有無を問いながら作品を創作していったわけです。
 絵画も時代により移り変わります。19世紀半ばになると、ヨーロッパで印象派が出てきてきます。彼らは、創造性をもっとも重視し、あまり質を重視しなくなります。印象派の絵を見ると、刷毛跡や筆のタッチがそのまま残っている作品が多いのです。以前の作品には見られない未熟さでした。彼らは、ユニークさを追求することばかり一生懸命になります。鑑賞する側がどう楽しむか、どうすれば心地よくなるかは完全に置き去りにされる事態になるわけです。
 ここからが、ビジネスのお話です。世界の美術市場は約6.7兆円です。日本は、3000億円程度です。これからの可能性を秘めているというべきか、市場としては価値がないというべきか、迷うところです。市場の可能性を高める方法を考えてみました。絵画の面白いところは、知識があってもなくても楽しめるということです。印象派以前の絵画は、見る側に一定の教養がないと鑑賞することができませんでした。でも、印象派のころから特に知識がなくても、絵を楽しむことができるようになったわけです。印象派は、多くの市民の人気を獲得しました。要は、絵画をたくさん見て、自分の好みを見いだすことのようです。絵画を探すアプリを準備します。スマホにある絵画アプリで、世界の名画をいつでもどこでも鑑賞できる環境を用意します。良いと感じた絵画を、ピックアップできるようにします。ピックアップした画面を、自分の好みに応じて順序よく展示します。個人の美術館のできあがりです。8Kや16Kの高精細化された画像で、本物より素晴らしい美術館がスマホの中に作られかもしれません。スマホと50インチ程度の高画質のテレビに接続すれば、美術館よりステキな美の殿堂になるかもしれません。絵に関して知りたいことがあれば、その場でAIスピーカーに聞く仕組みも作れるでしょう。
 でも、これではビジネスの市場としては狭いようです。もっと大きくしたいという要望もあります。日本の3000億円の市場を、1兆円ぐらいにしたいというものです。その場合、狙いは現代アートになります。日本人は、現代アートには非常に関心が薄く市場がほとんど存在しない状態です。スマホにある絵画アプリで、現代アートの名画をいつでもどこでも鑑賞できる環境を用意します。その現代アートの創造性、主題、質の3つの簡単な解説を加えます。現代アートの理解者を増やすわけです。理解者の中から、絵画に関心を示す人が現れれば、絵画購入者の裾野は広がるでしょう。余談ですが、現代のアプリは進化を続けています。絵画アプリの使用者は、徹底した追跡を受けることになります。検索結果のクリック率や各ページの滞在時間なども全部追跡されることになります。検索結果が出た後も、使用者の行動を全部追跡し、検索アルゴリズムに再活用されるようになります。これらの情報をすさまじい速度で処理していくわけです。現代アートに関心を持つ人を把握し、その購入者として育てていくことも可能になります。



中国おける野菜工場の可能性  アイデア広場 その367

2018-05-30 21:10:59 | 日記

 中国では、食べ物の安全性への関心が高まっています。農薬の大量使用などが問題視され、消費者が食の安全への意識を高めているのです。生産時の管理を明確にし、栽培履歴や流通過程が確認しやすい農作物を売り物にする販売手法が、高い評価を受けているのです。食の安全への意識の高まるにつれて、野菜工場への注目を集めています。2010年ごろから、各地に野菜工場が設けられるようになってきました。日本の企業では、パナソニックがこれまで蘇州のイオンやイズミヤなどで販売してきました。蘇州でレタスや水菜を栽培し、サラダに調理し蘇州や上海のスーパースー30店舗で販売してきた実績があります。この動きが、加速しつつある状況にあります。
 そこで、中国おける野菜工場の可能性について考えてみました。パナソニックの野菜工場は、気温や湿度、そして二酸化炭素を一定に保ち、発光ダイオードの光を調整しながら野菜の生産を進めるというものでした。設備を徐々に充実させ、月9トン程度の農作物を生産する体制を整えつつあります。価格は、地元産の2倍程度で販売しています。価格が2倍になっても、安心安全の信用を獲得すれば、商いはできるという環境です。でも、儲けのあるところに、競争相手が出現することは世の習いです。地元企業が、パナソニック工場の9倍を上回る野菜工場が登場しています。なぜかその生産量は5倍ということです。規模が大きいけど生産効率が低いということになります。日本の企業に一日の長があるのかもしれません。
 でも、いずれ中国企業は大型化と効率化を進め、市場の制覇を狙ってくることは確実でしょう。そこに、健康産業と飲食産業という永遠の市場が存在しているのです。手放すことは、ないでしょう。そこで、日本の企業が負けても得を取る方策を考えてみました。まず、野菜工場は、機密性が重要です。この工場が農薬を使わない理由は、雑菌が繁殖しない仕組みを持っているからです。建物内に雑菌が入らないような機密性を備えているのです。パナソニックが野菜工場を運営できるのは、半導体の工場のノウハウがあったからです。半導体工場は、ゴミを極限まで減らすように設計されています。このノウハウがあれば、植物工場の作物に被害をもたらす細菌を排除できるわけです。クリーンルームで作られる細菌のない野菜は、長く新鮮さを保つ商品として消費者に提供できるのです。
 最新鋭の半導体工場が、中国にたくさんできつつあります。半導体工場と類似の精密デバイス工場などもクリーンルームのノウハウを蓄えています。中国には、有名な黄砂があります。この黄砂は、ある面で厄介な物質です。半導体工場などでは、この物質を遮断するダストを備えています。でも、黄砂の激しいときには、そのダストも潜り抜けて、ウェハーの不良品を数多く出す厄介な物質なのです。中国も、この対策には力を入れています。クリーンルームに関するノウハウは、いずれ蓄積されてくるでしょう。ということは、植物工場の稼働率も上昇してくるということになります。
 現在、中国は最新鋭の半導体工場を建設したり、世界の著名な半導体大手を買収しています。考え方を変えると、古い半導体工場や精密デバイス工場は、廃棄されることになります。この工場を、野菜工場にしていく案が当然出てきます。日本の半導体に関わる企業は、パナソニックをはじめ富士通なども野菜工場のノウハウを持っています。そのノウハウは、廃棄された半導体工場を利用しながら得られたものです。廃棄された安価な工場を使って、消費者が望む安心安全な野菜を提供しているのです。この提供には、ちょっとした工夫を付け加えているようです。パナソニックは、野菜工場を活用し高付加価値の野菜の生産と販売に着手しています。この工場は、年間を通じてべータカロテンなどの豊富な野菜を栽培しています。べータカロテンは、ご存じのように皮膚や粘膜の健康を維持したり、抗酸化作用や免疫賦活作用を高める物質です。大気汚染の厳しい中国の環境では、必要な物質でしょう。富士通には、カリウムの少ない野菜を作るノウハウがあります。腎臓病の増加している中国では、患者に求められている野菜です。特定の機能に特化した野菜は、高価格で取引されます。特定の患者が求める野菜も、同じように取引されるでしょう。中国の大都市は、生鮮野菜を流通させる環境が整っています。特定の希望者や患者に、有効な野菜を提供する仕組みを作る下地が十分に整いつつあります。現地のネット通販会社と連携して、販路を広げることも可能な環境にあります。機能食品に特化した野菜工場を、運営するのも面白いかもしれません。  



カタツムリ・浄化作用、食器洗い  アイデア三題噺 16

2018-05-29 15:33:17 | 日記
 
 洗剤のテレビコマーシャルが、お昼に流れています。リズミカルで楽しいものです。久しぶりに食器を洗ったのですが、水を多く使い、洗剤も使い、手も使うという手間暇に少し苦労しました。食器洗い機を買えば済むのかなとも考えてしまいました。でも、良く考えると洗剤の材料にはいろいろな化学物質が含まれています。化学物質の使用は、地球の浄化能力を考慮すると減らした方が良いようです。食器洗い機にも、専用の洗剤もあるようです。
 そこで、地球に優しい食器洗いの方法を考えてみました。カタツムリの殻は少しくらいゴミが付いていても、雨の日に出歩けばたちまち綺麗になります。水洗いをするだけできれいになる構造をしているのです。この性質を利用して、雨が降れば汚れが落ちる外壁を作った企業もあるようです。特に、高層建築では一定の美観が求められます。その求めに、この汚れない外壁は貢献しているのです。この性質を食器洗いに利用できないかと考えたわけです。要は、洗いやすい食器を開発し、食器洗いの負担を少なくする工夫を編み出したことになります。
 食器に、汚れが落ちるカタツムリの機能を付加します。カタツムリの殻には、極めて細かいミクロの溝が刻まれています。このミクロの溝には、水があるのです。汚れの原因であるゴミはカタツムリの殻には付着せずに、溝の水に付着することになります。そのために、雨が降ると水の上にあるゴミは、簡単に流されてしまうという仕掛けなのです。この仕掛けは、カタツムリが太古の時代から現代に至るまで持ち続けてものです。食器にこの溝を付けておけば、いつも簡単に皿洗いができるようになります。洗剤を使わずに、なおかつ節水を実現する優れものになるでしょう。漆の食器にこの溝をつくることができれば、高級感溢れた食器が手軽に洗えるようになるかもしれません。
 



月額10万円の老人ホームプロジェクト スモールアイデア NO144

2018-05-29 15:22:07 | 日記
  
 「里山資本主義」という本を読んだとき、衝撃を受けました。毎年4万トンを排出する木くずを廃棄するためのお金が、2億4千万円かかっていたということでした。経営者の方は、10億円でバイオマス発電施設を作り、年間4億円の利益を上げることに成功しました。2年半で、減価償却をしたのです。以後は、4万トンの廃棄物が、宝の山になったというお話でした。無駄と思われていたものが、視点を変えると利益を生み出すものに変わります。そして、継続的に利益を生みだしているのです。地域から財源を持ち出すことなく、他の地域から利益引き寄せ地域を豊かにする仕組みのすばらしさを見せて頂きました。
 そこで、「無駄」とか「余ったもの」が利益を生み出すものに変える案を考えてみました。過疎地の老人ホームで、豊かに暮らすプロジェクトを立ち上げてみました。有料老人ホームは、平均で入居するときの費用が350万円で、月額利用が20万円ということです。もう一つの見方は、平均より高い施設を望む人が多いために、ならすと実際はもっと少ない額になるというものです。この場合、中央値を使います。これですと入居時費用が18万円で、月額利用17万円になります。実際、このお金を払える人は、少ないと思われます。、「無駄」とか「余ったもの」を利用して、入居時費用を10万円で、月額利用10万円程度に抑えた運営を考えてみました。離農が増えて、未耕作地は90万㌶を超えています。山林は、それ以上の割合で持ち主が分からない状況です。団塊の世代で生まれた人は260万人で、現在生まれる子どもは100万人です。260万人が通った小中学校は、どんどん廃校になっています。
 過疎に悩む村の村長さんが、有料老人ホームプロジェクトを立ち上げるのです。廃校になった小学校を、老人ホームにリフォームします。土地代や建築費は、ごくわずかになります。健康の方を優先的に受け入れます。加齢により介護状態は悪化していきます。そこで、要介護2のレベルの方まで月10万円で受け入れるようにします。学校のまわりの農地を利用して、自分たちの食べ物を自給自足に近い形に持っていきます。農地の利用は、無料です。小学校には、給食施設があります。そこの施設をつかって、自分たちで調理をいていきます。まわりの山林から、枝落としの木材や間伐材を無料で集めてきます。それを燃料にして、調理を行い、お風呂を沸かし、さらに集中暖房をするわけです。
 健康で老人ホームに入り、できることを行って、支出をできるだけ抑えるホーム生活をします。食材と燃料を50%程度まで自給すれば、月10万円の快適老人ホームの生活が可能になるでしょう。元気に働く介護施設の光景を見てみたいものです。


福島市の待機児童対策が前進しました スモールアイデア NO143

2018-05-28 20:40:17 | 日記

 福島県福島市の待機児童数は、2017年4月の時点で、223人、10月は250人と県内市町村では最多だったのです。この年の11月に市長選が行われ、新市長が誕生しました。選挙公約に掲げた「100人以上の減少」という目標をクリアし、公約を守ったのです。2018年4月現在、待機児童数が112人となっています。新市長が掲げた待機児童解消の施策は、これからも続けられていくようです。
 そこで、待機児童の問題をさらに解消していく方法を考えてみました。待機児童数の少ない地域は、子育てしやすい、そして働きやすい地域だという評価がついて回ります。工場が進出してくる場合でも、水や電気、そして流通網のインフラは大切です。でも、それ以上に働ける若者がいるかどうかが最大の問題になりつつあるのです。企業は、人を求めて地方に進出してくることもあるのです。現在は、黒字倒産が珍しくありません。その理由は、人手不足なのです。待機児童の急激な減少は、余裕のある若者の存在を内外にアピールするわけです。福島の可能性のイメージアップに繋がります。この成果を一過性のものにすることなく、次のステップに繋げてほしいものです。
 福島市の待機児童対策の成功は、認可保育施設の新設、企業主導型の保育施設の開園、公立保育所の受け入れ児童数の増加、保育士の採用数の増加、嘱託保育士の給与改善などが上げられています。市は、保育施設の増設と保育士の確保を精力的に進めたようです。全国的に問題になっている保育施設の数は、保育士の法定数確保によって決まります。どんなに保育所を増設しようとしても、保育士がいなければ、開設できないのです。他の市町村が停滞している中で、福島の躍進は見るべきものがあります。この対策は市長のかけ声だけで、できるものではありません。市長の声を真摯に受け取って、実現に向けて邁進した市職員の方の努力に頭が下がります。
 そこで、さらに働きやすい保育環境や制度を考えてみました。保育園に求められるのは、良い子を育ててほしいという親の願いがあります。昔の大家族は誰もが子どもの面倒を見て、家のカラーに染めていきました。子どもを親や兄弟、そして祖父母が仕事をしながら面倒を見ていたわけです。子どもの立場からすると、近親の人々に守られ、声をかけられ、安心と安全な環境で育ったことになります。母と子が近くにいて、一緒に生活することが自然の理だったのです。現在の保育制度では、お母さんが保育士の場合、自分の子どもを別の保育所に預けることになっています。これを一緒の保育所にすることはできないものでしょうか。母親と近くにいれば、子どもは心身ともに安定します。母親は、迎えに行く手間暇が緩和されます。保育士の方が心理的な余裕を持てば、多くの子ども達に質の高い保育を提供できます。疲労した状態では、良い保育はできません。幼児期において、母と子が可能な限り近くで安心安全の状態で生活することが望ましいわけです。自然の理を、公の制度に取り入れる仕組みを工夫してほしいものです。全国には、資格を持ちながら保育の仕事に付けない方が70万人います。もし、自分の子どもと同じ保育所で働くことはできないものでしょうか。もし一緒にできれば、保育の仕事に復帰しても良いという方も出てくるようです。さらなる確保に向けて、保育士の方の就労ニーズに応える新たな取り組みを期待したいものです。

加齢・生活のバランス・健康寿命   アイデア三題噺 15

2018-05-27 17:43:51 | 日記

 リスクゼロはありません。リスクに備え、軽減する対策を持つことになります。津波を完全に防ぐために、遠大な防潮堤を築いても、自然の力には勝てないことが分かってきました。防潮堤に1兆4千億円の建設費をかけるより、津波を早く察知して高台に駆け上る体力を鍛えた方が、安上がりです。リスク軽減を低コストで行うことは、現代の経済状況を考慮すれば合理的な手法です。医療に関しても、多くの費用をかけて完璧を求めるより、少ない費用で苦しまない医療を求める人達も出てきているようです。人は、加齢に伴い病気にかかりやすい体質になります。
 そこで、高齢者に対する医療について考えてみました。日本人の平均寿命は、世界最高レベルになっています。これ以上の長命は、自然の摂理に反するものかもしれません。でも、健康寿命を全うしようとすることは、人間として当然の願望でしょう。健康寿命は、「日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間」と定義されているようです。日本人の高齢者の中には、肥満、糖尿病、高血圧、そしてメタボの症状を起こしている人が多くいます。でも、日常生活においては介護を必要としないで生活している人も多いのです。健康寿命を全うするには、戦略が必要になります。健康寿命を謳歌している人を観察すると、若いときから節制した生活をしているようです。三度の食事、適度な運動、十分な睡眠を享受できる職業についています。家庭生活においても、その3つの要素をバランス良く実践しています。長期的な戦略が、健康寿命の獲得を確実にしているわけです。子育ての時期には、親子ともども厳しい環境での生活を強いられます。その場合は、適切な戦術を用いながらリスクを回避します。父母の役割分担や祖父母の協力などを通して、子どもの発育発達に支障のない育児を行っているようです。
 高齢になっても、肥満や糖尿病そして高血圧などの症状を抱えていても、朝は早く起床し、重要な仕事や作業は早めに行っています。脳は、朝起きてから2時間の間に最も活発に働くといわれています。この貴重な時間を無駄にしたくない生活習慣ができているのでしょう。余談ですが、薬を5種類以上服用していると、副作用の発生率が高くなります。日本人は、インスリンの分泌が悪い民族に分類されています。糖尿病にかかる割合も多い民族ともいえるわけです。若いときから食事や運動への配慮が、個人的にも、地域的にも整えておくことも医療費の節約になります。給食での習慣形成や小中学校をの運動施設を使いながら運動に親しむことを、市町村では推奨することです。加齢に逆らうのではなく、加齢を受け入れる姿勢も必要です。加齢にあった過ごし方を工夫することが、健康寿命を全うすることになるようです。



シロアリ・共生・セルロース   アイデア三題噺 14

2018-05-27 17:39:31 | 日記

 シロアリの評価が高くなっています。このアリは、多くの選択肢のある中で、樹木を食物として選んだ動物なのです。シロアリの消化官は、植物の木質分解速度が猛烈に速いという特徴があります。この木質の分解の速さが、熱帯林の再生を確かなものしています。熱帯林は豊かそうに見えますが、地質が痩せています。地面の有機物を早く回転させることで、熱帯の気候に樹木の成長を合わせ、生態系のバランスを維持しているといえます。高等植物を構成している植物の3分の1は、セルロースからできています。木材には、セルロースが50%以上含まれています。このセルロースを分解できる動物が、シロアリなのです。この動物が、熱帯林を育てる基礎部分において、最も重要な土壌動物として評価されてきたわけです。
 多くのシロアリの消化管には、原生動物が共生しています。この消化管の中には、原生動物やバクテリアなどの菌類が数百種類以上共生しているのです。この菌類の中には、空気中の窒素を固定化できるバクテリアも住んでいます。この窒素をアミノ酸にして、シロアリに提供しているのです。また、セルロースを原生動物に分解してもらいながら、それをブドウ糖に変えてもらってもいるのです。もちろん、そのブドウ糖はシロアリに提供されていきます。
 シロアリは、日本では嫌われています。家の柱を腐らせ、災害などでは凶器に変える元凶ともいわれています。しかしところ変われば、有用な動物に変身するのです。蛇足ですが、シロアリの中に住む微生物の発酵能力は、A4一枚の紙から、水素2㍑生み出すことができます。将来有望な水素自動車の燃料生産者として、熱帯では有力な資源になるかもしれません。

お風呂の日本地図・モチベーションアップ・親の知恵  アイデア三題噺 13

2018-05-27 17:35:40 | 日記

 多くの家庭で、お風呂に「あいうえお」の一覧表や日本地図が貼られています。貼られていれば、それを見て覚えてくれると多くのご両親は期待します。最初は見たり声を出して喜んでいます。しばらく経つと単なる張り紙に変身してしまいます。でも、その日本地図に家族で行った場所の記念写真が貼ってあれば、その場所はいつまでも思い出として記憶されます。その記念の場所が、増えれば増えるほど、地図の有用性が増していくのです。「あいうえお」の一覧表の「あ」の場所に秋田の寒風山に行ったときの家族写真や県名が貼ってあれば、言葉と県名、そして名所旧跡が幼いうちから分かってしまう仕掛けができるわけです。
 学習グッズを与えているから、うちの子は大丈夫という考えは非常に危険です。機械的に学習することを続けていけば、勉強から子ども達は離れていきます。意味の分からないことをただ覚えていく学習は、子ども達のモチベーションを低下させていきます。「みんながやっているから」を学習を基準にすることは、危険を伴います。ライバルが目標だと、勝った瞬間に目標がなくなってしまいます。競争相手はいたほうがいいけれど、彼が目標ではないのです。自分を奮い立たせる名脇役という位置づけが適当でしょう。「うちの子どもに大切な事は何か」という視点から、学習を考えていく姿勢が必要になります。子どもの学習能力を伸ばすには、親が子どものモチベーションを引き出す方法をいくつか持っていなければなりません。
 知りたいというモチベーションを持たすことができれば、地図やおいうえおの一覧表に自分で手を加えていきます。自分で選択する機会を多くすることが、モチベーションを高める近道になるようです。運動の発達、芸術面の育成、知育の発達の3つの視点から、子どもを観察し、バランス良く育てていくスキルが親には求められるようです。蛇足ですが、モノで動機づけをすると失敗します。祖父母が陥りやすい方法です。




照葉樹林を日本観光の目玉にする  アイデア広場 その366  

2018-05-26 18:19:36 | 日記
 古代中国華北平原や黄土高原は、深い森に覆われていいました。殷周時代における黄河流域は、緑あふれる美しいゆたかな大地であったことが判明しています。野生動物が生息する広大な森は、原始社会の狩猟民に日々の糧をあたえていました。ところが戦国時代から秦漢時代にかけて、農地の拡大や大規模な建設にともない木材の大量消費が続きました。この結果、華北の森林は大きく減少し、深刻な自然破壊が進行したのです。日本でも同じような光景があります。三大はげ山と呼ばれたのは、愛知県、滋賀県、そして岡山県の山々です。この地帯は、古代から産業が盛んな地域でした。愛知県は豊かな森林と粘土を産す地域として、古墳時代より窯業が勃興していたのです。照葉樹林地帯でありながら、照葉樹が亡くなってしまった地域でもあります。もし、中国の華北地方が緑溢れる地域になり、日本の愛知県がの山々が照葉樹で覆われるようになれば、素晴らしい観光資源になるでしょう。
 そこで、地域のあるべき樹林を復活させ、観光資源にすることを考えてみました。国連世界観光機関は、観光ツーリズムが今後年率4~5%で成長すると予測しています。2030年には、世界の観光旅客数が30億人に達するとしています。この中の少なくない人々が、自然をターゲットにした観光に向かうとされます。特に、絶滅危惧種の動植物には注目が集まるでしょう。さらに、それを阻止した優れた対策やその成果は、単なる自然の姿より高く評価がされるかもしれません。
 世界で確認されている8300種の動物種のうち8%は絶滅し、22%が絶滅の危機にさらされています。イギリスには50種の哺乳類が生息しています。その全てが他の国にも生息する種です。ニホンカモシカなど日本に生息する陸生哺乳類97種のうち、38種が日本固有の動物なのです。イギリス植物1500種のうち、固有の種は15種しかありありません。日本に自生する5300種のうち、1800種が日本固有の植物なのです。同じ島国で、同じ緯度にありながら、日本は世界的な生物多様性を持つ、ホットスポットの一つになっています。この日本の生物の多様性は、生物資源としては当然ですが、観光資源としても計り知れない可能性を持っているのです。
 日本の大きな可能性を持つ観光資源は、照葉樹林の再生でしょう。シイやカシなどの照葉樹林を伐採し続けると、コナラなどの落葉広葉樹林になるのです。かって日本は、照葉樹林で占められていたのです。でも、窯業のためにシイやカシは、伐採されてしまいました。古墳時代以降、照葉樹林の姿はなくなってしまったのです。次の窯業の燃料として、落葉広葉樹を使うようになります。この広葉樹を切り倒し続けると落葉広葉樹が、松林になるという具合に推移します。松類が進出した後、数十年経過すると、コナラやクヌギなどの落葉性のナラ属の樹木が松類を押しのけて生育するようになります。そしてさらに何十年か過ぎると、落葉広葉樹の下でシイやカシなどの照葉樹の稚樹が育ち始めます。照葉樹の稚樹が育ち始めて何十年かすると、落葉広葉樹を抑えて照葉樹が優占種になります。照葉樹が優占種になるころには、極相林になります。極相林になると、照葉樹同士で世代交代が行われることになります。照葉樹同士で世代交代が行われるようになると、それ以上は遷移が進まない状態になります。これが、照葉樹林地帯における極相林の姿です。日本では古墳時代以来、照葉樹林地帯における極相林を成立を見ないまでに、徹底した広葉樹の伐採とその利用を行ってきたのです。
 愛知県、滋賀県、そして岡山県の山々で、照葉樹林を育て、この推移を見える化するのです。松林が優先の時期、落葉広葉樹が優先する時期、この優先する時期に照葉樹の稚樹がどのように育っているのか、照葉樹が優占種になる時期、完全に照葉樹林になった全景を公開するわけです。古墳時代に失った日本本来の照葉樹林が、このような工夫を行いながら、観光資産に育ててほしいものです。日本の山林は、成長を続けています。でも、山林を経営している人は減少しているのです。余剰の山林は存在しています。そこで、日本本来の照葉樹林の再生のような試みをしても良いのではないでしょうか。樹林の自然を観光の呼び物にしたい町村は、この試みにチャレンジすることも面白いかもしれません。



快適な労働環境を外国人労働者に提供する  スモールアイデア NO 142

2018-05-25 17:06:26 | 日記
快適な労働環境を外国人労働者に提供する  スモールアイデア NO 142

 外国人技能実習生として来日したべトナム人男性が、福島県の除染作業に従事させられていたという報道がありました。ベトナム戦争でアメリカ軍が使用した枯れ葉作戦で、多くの遺伝子に関わる病状が発生した国です。その後遺症は、ベトナム国民の脳裏に刻まれています。ベトナム男性が、除染作業に拒否感を示したことは容易に想像できます。政府もいち早く、技能実習の項目に除染作業は含まれないことを通達しました。労働者の受け入れは、これからも続く政策になります。でも、外国人労働者の受け入れには、難しい要素が含まれていることを理解する必要があります。
 そこで、移民の問題を含めて、外国人労働者の受け入れについて考えてみました。移民の大国アメリカは、貧しい人も多いのです。貧しい人達には、月15,000円程度のフードスタンプという食料クーポンが支給されます。このクーポンで、食料品を買うことができるのです。この券を受け取る受給者は年々増加し、4,500万人になっています。フードスタンプの総支給額は、8兆円規模になっています。移民や外国人労働者の受け入れて、国全体が豊かになるのであれば理想的です。でも、外国人労働者の不利益の上に成り立つ豊かな国は、望ましいものではありません。アメリカ人口は3億人です。そのうちの6分の1が食料クーポンを受給される状況になっています。あまり、望ましい状況ではないようです。移民や外国人労働者を多く入れる場合、長期的に受け入れの仕組みを整えていくことになります。お互いが、ウインウインの関係を築く仕組みがなければならないのでしょう。
 外国人労働者の労働条件や環境を改善しなければ、長期的にはマイナスの影響が出てきます。除染作業のベトナム男性のように、多くの日本人がつきたたがらない職種に従事しています。この状況をフェアトレードという視野から見れば、日本は国際的評価が低く見られる国ということになります。外国人労働者の社会的経済的地位を、安定したものにしたいものです。単身で来日するというパターンより、家族で来日するというものが望まれます。家族の支えの元で、精神的に安心して働ける環境を準備するのです。家族離ればなれで生活することを許容する日本の文化は、世界からすると異質なものと見られます。
 自然環境や治安の良い日本で本人は働き、子ども達は日本の学校に通い、出身国に帰るときは知日派になってもらっていれば素晴らしいことです。知日派になり、出身国と日本の架け橋になってもらうのは、エリート層だけではできません。幅広い層の人達が、架け橋になることが大切です。海外の人達に日本で働いてもらうということは、その人達を幸せにする自信がなければやってはいけないことです。日本には、ブラック企業がありました。日本人は、この企業に苦しめられた経験があります。外国人労働者にその苦しみを、再び経験させることのないようにしたいものです。