最近のテレビを見ているとバラエティ番組が増えてきました。それに反して、ドラマは減少傾向にあるようです。時代劇ファンとしては、寂しい状況です。それはさておき、ドラマにはホームドラマ、恋愛ドラマ、刑事ドラマ、そして時代劇があります。刑事ドラマや時代劇は、社会の変化に影響されにくいという特徴があります。日常の延長描くホームドラマや恋愛ドラマは、時代背景や世相を色濃く繁栄されています。私たちがテレビに求めているものには、いつの時代にも同じものがあるようです。そして、テレビなどのメディアが発信するものには、私たちを魅了し、ある方向に向かわせようとする働きがあるものもあります。最近は、これにSNSなども加わってきました。
そこで、メディアやSNSが行っている能動的作用を探ってみました。私たちがメディアに求めているものは、多様なものです。社会で何が起きているのか、気分転換や暇つぶしに面白いもの見たい、新しい情報を知りたい、非現実的な体験をしたいなどの要望があります。この要望に答えながら、実利を得る営みがメディアの本質になります。具体的には、記事の配信や番組の放映と広告の二本立てになります。新聞に広告を掲載するなどマス広告を行うと広告効果が現れます。同じようにテレビコマーシャルを行うと広告効果が生じます。注意しなければならないのは、読者層の選別です。例えば、新聞の読者層は50歳代以上の男性が多くなります。若い女性対象の化粧品をどれだけ多くの新聞広告を行っても、50歳代の男子しか見てないとすれば、載せても効果が薄いことが分かります。新聞広告には、身体の衰えに訴える高齢者向けの広告が多くなるようです。加齢を阻止するアンチエイジング商品の広告が目に付きます。メディアとすれば、当然の戦術になります。
消費者の要求の分散化が、顕著に進行しています。若い歌手に関心のない中高年には、その歌手のCDやグッズの存在を知らないように、市場の分散化が進んでいるのです。もっとも、全員に「いいね」と思ってもらう必要はないのです。関心を持つターゲットにさえ歌手の情報が届けば、市場は成り立つように構築されてきています。その最たるものが、家の購入でしょう。都心に一戸建てを求めることは不可能です。東京都心から横浜近辺で、賃貸住宅に住み、住宅ローンの頭金ができた供稼ぎの方は、一戸建てを求めます。首都圏周辺でこれらの方に住宅を供給する地域は、千葉県や埼玉県に限られてきます。例えば、千葉県の流山市が、首都圏の希望者に情報を提供するとします。当然、効果的な情報の提供を工夫するようになります。流山市がポスターをだすとすれば、テレビや新聞では効果がありません。東京都心から横浜近辺で、賃貸住宅に住み、子どもの教育に関心のある世帯がターゲットになります。テレビも新聞もダメなら、都内を走る地下鉄のポスターが効果的になるでしょう。
余談ですが、都心を中心に3000万人が生活をしています。でも、その方達への住宅供給は、今後じり貧になっていきます。これからは、中国やインドが狙い目です。戦前は、東京の肺がん患者数は、ロンドンの10%程度でした。それが戦後工業化が進むと、ロンドンと同じ割合に悪化したのです。現在、中国やインドの大都市は、日本と比較にならないぐらいの肺がん患者が出てきています。大気汚染が進んでいるのです。これらの国々でも、郊外の宅地を希望する人々が増えていきます。その時、日本の健康に良い住宅が見直されるようになります。高密度の住宅設計が、高い評価を受けることになります。日本人は、住環境や健康の面において恵まれています。でも、自分たちがいかに恵まれているか、余り分かっていません。日本のヒノキなどの木材を使用した住宅が、東京近郊に立てられたように、インドや中国にも供給してほしいものです。家が1軒建つことによる付属する設備や備品は、大きな経済効果を持つことになります。もちろん、その情報はテレビやSNSによるストリーテリングを駆使して行われることになりますね。