ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

 ヒートテックが冬の活動を高める  スモールアイデア NO 168

2018-07-31 16:14:34 | 日記
 ヒートテックが冬の活動を高める  スモールアイデア NO 168

 最近の服装は、シンプルなものも目に付くようになりました。衣服の機能としては、身体を守るといものがあります。特に、寒さを防ぐという機能が衣服にはあります。森林から平原に進出した人類は、毛皮を捨てました。あらゆる動物にいえることですが、海から陸上に進出する時の障壁は紫外線だったのです。固い甲羅や毛皮で体を覆うことで、紫外線から身を守るという防御機構を作りあげました。人類の場合、それが毛皮でした。その毛皮を捨てた最初の人類は、紫外線から身を守る解決法として、紫外線を通さない黒い皮膚を持ったのです。メラニン色素が濃くなればなるほど、紫外線を防ぐことができます。人間の皮膚の色には、地理的多様性が認められます。その違いが、黒人、黄色人種、白人という人種の特徴を持つにいたったというわけです。
 そこで、衣服の機能性と人の積極的活動について考えてみました。人類は、毛皮を着ることで、紫外線からの被害を避け、行動半径を広げていきました。森から平原に出たときには、皮膚をメラニン色素で濃くしながら身を守りました。北へ移動した人類は、色素を濃くすることもなく、動物の毛皮で寒さを凌ぎました。暑い環境でも、寒い環境でも、湿気の高い環境でも、人類は高い適応能力を示しました。特に、身体的特性を高める手段以外にも、文化的要素を蓄積していったのです。火力がその最大のものでしょう。そして、気候に合わせた衣服があります。麻に始まり、綿布を作り、そして絹にまでその対象を広げていきました。もちろん、毛皮の利用は続いていきます。
 20世紀をなると、化学繊維が登場してきます。この繊維は、最初は天然物の代用として利用されていました。でも、その機能の向上は素晴らしく、ある面では天然物を超えるまでになっているのです。1950年初頭ごろ、寒い中外出する場合、厚いオーバーを着て、その下に何枚もの重ね着をして出かけたものです。寒い季節には、軽快な動きができない時代でした。20世紀半ばを過ぎると、世の中も落ち着いてきます。より良い生活を求めるようになります。先進国では、冷蔵庫や洗濯機などが普及します。健康志向が徐々に高まってくる時代になります。最初は栄養が重視されます。次は、睡眠です。そして、現在は適度な運動が大事という時代になっています。アメリカのエリートは、身体を鍛えることが常識とされています。肥満は、意志の弱い人間の現れと評価されてしまいます。身体を鍛え、その成果を得るためには、継続的な運動が求められるわけです。
 いつでも手軽に運動ができる運動着が、求められるようになりました。特に、寒い季節に運動しやすい服装が求められたのです。軽く機能的で、保温性に優れたヒートテックは、この習慣を維持するために貢献しているようです。ヒートテックは、冬の厚着から人々を解放しています。寒い日でも、積極的に外出ができる衣服という認識が共有されています。四季を通じて運動ができれば、人間の健康はより確実なものになります。健康を考えたときに、体を常に動かすとか、継続的に体を動かす習慣は望ましいものです。その望ましいライフスタイルを支援する服装を作りあげた企業や開発者に感謝します。
 余談ですが、日本では、ユニホームを一刷新する動きが活発になっているそうです。セブンーイレブンは10月、40万人の従業員が店頭で着用する制服を変えます。ある航空機会社も客室乗務員らの制服を切り替える予定になっています。工場やオフィス、そして病院など向けのユニホーム市場は、2016年が5400億円でした。それが2017年には5800億円になると見られています。従業員が、快適に働ける服装を取り入れる工夫がなされています。特に、秋冬向けに発熱繊維を組み合わせたポリエステル素材を準備する企業も多いようです。屋外で勤務する建設作業者の方を、大切にする環境になってきたようです。2018年には、ユニホーム市場が6000億円を超える勢いになっています。四季を通じて、快適に働ける服装は好ましいものです。同時に、快適に運動できる環境も好ましいものでしょう。


原発事故地域の復興を考える  アイデア広場 その387 

2018-07-30 19:55:46 | 日記

 震災復興資金が、だぶついています。税金を投入しても、このお金使う人や企業がないのです。毎年、兆単位の予算が消化されずにいます。無駄なことです。原発事故が起きた周辺の地域では、放射能の除染が終了した地域も出始めました。でも、帰宅者が非常に少ない現状が続いています。若い人たちの中には、帰らないと意思表示する人も多いのです。東京電力や国の責任を追及する裁判は、これからも続きます。その間に、原発事故の周辺地域は、疲弊していくわけです。日本は、第二次世界大戦に負けて、焦土と化しました。でも、復興に力を注ぎました。1956年には、「戦後ではない」と言い切っています。広島は原爆を落とされてから、3日後には市電が走っていました。そして、今の繁栄を築いています。
 そこで、原発事故が起きた周辺地域の復興を考えてみました。この地域は、地域の広さに比べ、人口が極端に少ないのです。人口が少なければ、スーパーも飲食店もビジネスとして成立しません。復興するためには、働く場がなければなりません。当たり前のことですが、投資したお金を増やさなければビジネスは成り立ちません。税金だけつぎ込んでそれで終わりでは、働く場は継続的に利益を生み出しません。利益を上げるビジネスをまず考えました。高性能のゴミ焼却処理施設を作ります。1日1000トン程度の処理能力を持つものです。この施設を中心に、ビジネスを生み出していきます。まず、この施設を駅前の高台に作ります。1日1000トンのゴミは、原発地区にありません。せいぜい100トン未満です。首都圏のゴミ処理能力の低い市町村から、ゴミ900トンを有料で引き受けるのです。費用は、1トンにつき2万円から3万円です。1日2000万円から3000万円の利益が出ます。年間70億から100億円です。輸送は、トラックではなくJR貨物を利用します。
 駅前にあるゴミ処理施設なので、鉄道貨物が有利になります。ゴミを燃やして発電を行います。売電が成立します。次は、ゴミ焼却で生じた温水を利用します。駅前に建てたマンションに温水を供給し、暖房とお風呂などに利用します。マンションに付属した病院や介護施設に温水を供給します。暖房費を使わない施設は、コストパフォーマンスに優れた居住環境になります。介護施設を運営する場合、他の施設より低コストで運営が可能になります。職員への給料を他の施設より高くすることができるわけです。
 温水は、植物工場にも利用できます。駅前に植物工場を作り、首都圏に出荷します。貨物輸送ができますので、流通コストは有利になります。安定的な生産と流通により、ブランドイメージは確立されることになります。優れた生産技術を持った農業生産者は、燃料のハンデがなければ有利に作物栽培ができます。有利な立場で戦えば、勝ちは目に見えています。養魚場にも温水を使います。廃校になった小学校や中学校のプールを利用し、高級トラフグを養殖している地域があります。温水は、ただ同然で使えます。養魚場としては、有利に運営ができます。技術力さえあれば、他の業者に負けない位置を確保できるはずです。
 900トンのゴミが運ばれて、その帰りが空の貨物では寂しいものです。帰りの貨車には、農産物や福島産の木材やバイオマス燃料を入れて運びます。もちろん、いわきの海でとれた魚介類を送ることも可能でしょう。首都圏の火力発電所では、ペレットなどのバイオマスエネルギーが垂涎の的です。会津山系や阿武隈山系でとれた木材を、ペレットにして駅に集めます。ここから首都圏の火力発電所に供給することになります。只見線、磐越西線、磐越東線などの近辺の森林資源を駅に集めるわけです。
 日本のペレットは、水分が多く外国産に比べ質が劣るといわれています。同じような質まで高めて、輸送をすればよいわけです。ペレットの材料を、ゴミ処理施設から生じる熱を利用して乾燥させるわけです。その材質でペレットを作ります。付加価値を上げていきます。ここにもビジネスが生まれます。外国産の木材は、高騰しています。南洋材にしても北洋材にして、品不足なのです。日本の森林資源利用は、森林成長の速度に追い付かない状態です。基本的には、どんどん切り取って利用してよい状態です。日本の木材の自給率は、近年急速に向上しています。ここにもビジネスの芽があります。
原発事故のあった地域は、土地が余っています。利用されない土地を利用し、ビジネスを起こし、儲ける仕組みを作ることが今ならできます。仕事のある所には、人が集まってきます。人が集まれば、知恵も欲も出てきます。原発で事故で被害を受けたことは事実です。でも、いつまでも土地を利用しなければ、停滞するだけです。


環境問題・総合的学習・売電収入  アイデア三題噺 76

2018-07-29 16:43:41 | 日記

 日本の小中学校には、総合的学習の時間というものがあります。教科を横断した学習で、自ら課題を見付け、自ら考える授業です。現代の問題の解決や探究活動に主体的,創造的,協同的に取り組む授業でもあります。この授業では、環境問題や 途上国の問題を取り上げるケースも出てきます。世界で76億の人々が1年間に消費するエネルギーは、10の20乗ジュールという値になるそうです。このエネルギーは、太陽から地球に降りそそぐ1時間のエネルギーの総量と同じなのです。このことが分かれば、子ども達は再生エネルギーについて興味を持つのではないでしょうか。1時間で世界のエネルギー問題が解決するかもしれないのです。
 そこで、子ども達がより再生エネルギーに興味を示す仕組みを考えてみました。日本の耕作放棄地は、40万㌶に及びます。東京都2つ分ぐらいの面積が、放棄地になっているわけです。この土地を利用しない手はありません。この土地を、再生可能エネルギーを造り出す基地にするわけです。例えば、放棄した農村に観光客を呼び寄せることは難しいでしょう。でも、その土地で太陽光発電を簡単に設置出来る体験ができるとなればどうでしょうか。村や町で太陽光発電の体験イベントを開催するするのです。
 対象は、小中学校の修学旅行になります。村と旅行業者、そして学校が連携して、この企画を立てます。村は太陽光発電の下準備をします。家庭用のソーラーパネルは標準的な3㎾のシステムで100万円程度で手に入ります。おそらくその売電価格は、10万円程度かと思われます。例えば、修学旅行を東北から関西地区に行くとすると、一人10万円程度かかります。この費用を5万円程度してもらいます。空き家を借り、共同自炊をすると安上がりになります。すると、20人で100万円ができます。20人がお金を出し合って、太陽光パネルを設置するわけです。もちろん、事前に設置の方法などを総合学習の時間を使って学習しておきます。再生可能エネルギーの事業は、知識と経験によって進むものです。その経験や知識は、人から人にゆっくり伝わっていくものです。ここでは、子どもから子どもへとなります。
 余談ですが、現在福島原発事故のあった地域では、太陽光発電施設が数多く作られています。この地域に、このようなイベントを行う施設を設けてはいかがでしょうか。修学旅行は一過性です。でも、作った設備からは、継続的に売電の利益が得られます。地元の方が、その維持修理をする手数料を除いて、子ども達に還元すれば一つのビジネスに育ちます。蛇足ですが、この利益を途上国の子ども達に教科書を送るという支援になれば、ステキな国際交流になるかもしれません。

ウェザーマーチャンダイジング・自然災害・シジュウカラ アイデア三題噺75

2018-07-29 16:30:43 | 日記

 小売業では、店舗で、毎日の仕入れや販売量の売場づくりなどにMDが使われます。
MDとは、ウェザーマーチャンダイジングのことです。天気や気象に関する情報を、商売に利用することになります。暑くなるに従って、カロリーの高い食物を避け、あっさりしたカロリーの低い食く物を好むようになります。その暑さや寒さによって、商品の仕入れる数や商品を並べ替える工夫をすることで、販売を増やそうとします。その気象情報が、販売を左右する要素になっています。今は、インターネットやスマートフォンを使えば、天気予報の詳しい情報を入手できるようになりました。でも、食品メーカーやアパレル産業では、小売業よりもっと長いスパンでの季節の天候が必要になります。これらの産業では、中長期的に日本周辺の気候がどう変化するかといった情報が重要になるわけです。
 そこで、中長期にわたる情報の獲得方法を考えてみました。エルニーニョ現象が発生している場合、夏は低温傾向に、冬は高温傾向になりやすいということになっています。しかし近年は、この傾向が当てはまらないことも増えてきているようです。そこで、今までの気象情報に加えて、動物たちの本能を利用することを考えてみました。シジュウカラという小鳥がいます。この鳥は、人間をあまり恐れないという特徴があります。観察しやすい鳥ともいえます。シジュウカラの食べ物は、昆虫の成虫や幼虫、クモなどになります。この鳥は、昆虫が多い年に多くの卵を産むのです。シジュウカラは、自分が食べるものより大きな幼虫をヒナに食べさせています。幼虫は、大食漢なのです。昆虫の幼虫が一番多くなるときに、ヒナを産んでいるともいえます。ヒナを十分に育てられる昆虫の発生を予測して、年によって卵の数や産む時期を変えているのです。つまり、昆虫が大量に発生したり、少なくなる気候を予測しているともいえるわけです。
 天気予報の精度は、確実に向上しています。でも、春の天気予報は精度が低いことも業界では知られています。春の天気予報は精度が低いことに対して、各産業は最小限の対策を講じています。天気や気温の見込みが外れたときに、大きな損害を発生させないようにしなければならないわけです。気象情報の王道は、気象庁の予報です。でも、近年の気候による自然災害は、突発的ゲリラ的な様相を示してきました。保険をかける意味でも、シジュウカラのなどの動物の本能的行動も参考にしてはどうでしょうか。




マラリヤ・遺伝子ドライブ・表と裏の研究   アイデア三題噺 74

2018-07-29 16:21:16 | 日記

 毎年、マラリアに感染する患者は、2億人以上になります。世界の人口が、2017年現在76億人ですから、100人のうち2.5人がマラリアに感染していことになります。明るいニュースと悪いニュースがあります。良いほうは、感染者が徐々に減少しているという報告です。悪い方は、温暖化によりこの病気が熱帯地方から温帯地方にも拡散し始めていることです。北朝鮮では患者が発生しており、韓国が人道援助に乗りだしているとの報道もあります。いずれ、朝鮮半島から日本に入ってくるとの観測もあるようです。依然としてマラリアは、結核やHIVと並んで多くの人々を苦しめています。
 そこで、マラリヤが広がらないような対策を考えてみました。その対策には、遺伝子ドライブの利用があります。ゲイツ財団は、マラリヤ撲滅の研究に力を入れています。この財団以外にも、多くの国で研究がなされています。これらの研究の中に、遺伝子ドライブの利用があるわけです。これを蚊の事例でいえば、ゲノム編集技術を利用して、蚊の遺伝子を改変し、マラリヤを媒介する蚊の機能をなくしてしまうということです。マラリア原虫を持っているメスのハマダラカが、原虫を持てなくすれば良いわけです。蚊が特定の病原体を運べないようにすれば、感染経路が立たれ、伝染病は広がりません。そのような遺伝子ドライブを、開発しようとしているわけです。
 当然、副作用もあります。科学の研究には表と裏があります。表が病気のない健康を目指すものであるならば、裏は病気を人為的に起こそうとするものです。いわゆる生物兵器です。細菌に本来はない遺伝子を加えて、新たな機能を持たせるのです。例えば、病原体を熱帯だけでなく、温帯地方にも運べる能力を持つ蚊の開発もあります。媒介する蚊を、熱帯以外の気候でも生息しやすいようにするわけです。さらに進めて、マラリヤ原虫だけでなく、デング熱などの複数の細菌を媒介する蚊を創り出すことも考えられるでしょう。この蚊にかまれれば、複数の病気を併発する症状がでるというものです。でも、これらの裏の研究は余り考えないで、健康で病気のない社会を目指してほしいものです。





セントラルキッチンでハラールの認証の料理を用意する スモールアイデア NO167

2018-07-28 16:46:35 | 日記

 ムスリムの人口は、16億人を超えようとしています。今もっとも人口増加をしている人達ともいえます。その経済力も、石油資源による収入だけでなく、あらゆる分野における経済活動を通じて経済力を高めています。特に、東南アジアにおいては、その発展が顕著になっています。日本を訪れるムスリムの方も徐々に増加しています。私事ですが、先日浜松に行ったときに、ファミリーレストランで食事をしているムスリムの方を拝見しました。ハラール認証を取っているようには見えないレストランでした。ごく自然に食事をしている姿が印象に残っています。
 そこで、ムスリムの方をインバウンドとして向かい入れる方法を考えてみました。日本を観光するムスリムの特徴は、高級志向と観光志向があるようです。向かい入れる日本の観光業は、年間の需要の安定と平準化を求めています。観光産業には、繁忙期と閑散期があります。この存在が、生産性の低下の原因になっています。平準化ができれば、雇用の安定に繋がります。そして、持続的な営業利益の確保に繋がるわけです。ムスリムのインバウンドで成功しようと思うならば、年間を通じた観光開発が不可欠になります。その潜在的な可能性は、インドネシアにあります。ムスリムの最大の国は、インドネシアでです。さらに経済成長の進んでいるもう一つの国に、マレーシアがあります。さらにもう一つ、隠れた潜在的ムスリムの国があります。インドのムスリム人口は、1億8千万人になっています。インドネシアが2億人、パキスタンが1億7千万人という数字が出てきます。これらの国々が経済成長をしていけば、潜在的インバウンドの下地になります。
 一般的にインバウンドでは、美食を味わえるプレミアムなレストラン、高級宿泊施設、有名観光施設の有機的な組合せが重要だと言われています。でも、これだけの可能性があると、高級志向よりも、中級志向にターゲットを合わせても継続的利益が生まれるようです。そこで、ファミリーレストランレベルのメニューを提供する戦術が考えられます。大量生産と大量消費の仕組みを導入することになります。ハラール認証を確実に取り、食の安全だけは確保する食事を提供します。その切り札が、ハラールの認証を受けたセントラルキッチンでの料理を作ることになります。セントラルキッチンで調理した半製品を、ファミリーレストランに供給する仕組みを作るのです。
 最初は、平準化するほどのムスリム観光客を獲得はできないと予測されます。その場合、ムスリムの方が多く居住している地域に注目します。例えば、静岡県は外国人労働者多い地域です。ヤマハなどの企業がインドネシアなどのイスラム圏に進出する場合、ムスリム労働者や技能者が増えます。この人達をベースロード消費者として、ハラール認証を受けたセントラルキッチンの食品を購入してもらうことになります。ムスリムの方も、安心してリーズナブルに食事をするためには、一括納入されたものが理にかなっています。観光志向のムスリムの方には、リーズナブルなハラール認証の食事を提供して、日本を知ってもらうことも良いのではないでしょうか。

インバウンド・発酵文化・海の幸   アイデア三題噺 73

2018-07-28 16:29:50 | 日記

 外国人旅行者が、2018年下半期で1500万人の大台を突破したという記事が心地良く受け入れられます。日本への観光客が、スイスを上回るわけです。なんとなく、誇らしい気分になります。でも、日本には、「勝って兜の緒を締めよ」ということわざがあります。訪日された方に満足してもらうと同時に、「次も来てみたい」という要望の芽を育てていきたいものです。
 そこで、外国の方が求めるものと、日本が用意できるものを考えてみました。おそらく、旅行をする方が求めることは、今まで見たことのないものを見たいという要求があります。欧米にはないが日本にはあるものは、旅行者の要求を満足させるものになるでしょう。アジアの旅行者には、アジアで最初の先進国がどのような変化を遂げているのかなどもその一つになるでしょう。たとえば、台湾の旅行者が日本に関して発信するSNSは、中華圏に浸透していきます。その発信を参考に、多くの人が訪れるというパターンも出てきています。もう一つは、食べ物と飲み物でしょう。乾燥したヨーロッパでは、パンやワイン、そしてチーズといった発酵文化を築き上げてきました。アジアはメコンデルタを発祥地とて、魚を保存する形の発酵文化を発展させてきました。日本もアジアの発酵文化を継承しています。醤油や味噌、そして日本酒は、発酵によって作られた最高の産物です。
 日本列島の東にある太平洋の海底は、世界で一番古い海底になります。この海底は生まれてから、1億8000万年以上たっています。人類の祖先は、もともとは海から生まれた生物です。海の恵みである魚や海藻は、人類にとって自然な食べ物といえるものです。日本のまわりの海は、美味しい海の幸を日本人に提供してきました。魚や海藻を基本とする日本食は、日本人の体と暮らしに適合したものになっています。人類が海から生まれたという視点に立つことのできる旅行者であれば、和食が自然に食べれるものであることを体験できることでしょう。ガイドの方が各国から来日する旅行者へ、日本の気候や食の違いを歴史の経過を加えながら説明することも、理解を深めることになるでしょう。
 外国人旅行者が、大雪を見て感激する姿も素晴らしいと思います。でも、雪室で熟成した日本酒を味わって飲む外国旅行者の姿を見るのも、日本酒の「通」が一人増えたという意味でも、素晴らしいことです。



 

外国人労働は現在も将来も貴重な戦力になります  スモールアイデア NO 166

2018-07-27 16:36:47 | 日記

 東日本大震災の時は、コンビニがほとんど使えない状態でした。弁当も惣菜も、福島に入ってこなかったのです。熊本地震の時には、復旧が早かった。コンビニ別当にしても、各店舗に配送され、被災者に提供できました。コンビニ各社が、熊本に届ける弁当を増やしたのです。工場は、昼夜と問わないフル稼働の状態が続きました。このフル稼動は、外国人労働者の助けも多かったのです。九州は日本語学校が、多数存在ます。アジア諸国を中心に、日本で勉強をして日本で働いて、お金を持って祖国に帰ることを夢見ています。午前中は、日本語学校で日本語を学び、午後はバイトで、学資と生活費を賄っているわけです。熊本地震直後、これらの外国人の方は、午後はもちろん朝まで働く日々が続きました。大量の弁当供給の陰には、外国人労働者の存在があったわけです。
 そこで、外国人労働の様子を少し調べてみました。日本で働く外国人技能実習制度の期限は、3年間です。お隣の韓国では、3倍以上、10年近く働けます。韓国の失業率は、5%と高いレベルで推移しています。大学卒業生が、コンビニで働いている姿も珍しくないお国です。そのために、韓国政府も、国民の仕事が奪われないような配慮をしています。韓国の人が就職を望まない企業を対象に、外国人の採用を認めているのです。さらに、受け入れるのは、政府が覚書を交わした国の労働者だけという制限を設けています。この制度による外国人労働者は、2016年で約27万人になっています。実質、この労働人口は日本が受け入れている人数を同じ数に匹敵するものになっています。
 日本にも、留学生30万人計画や改善されている実習制度があります。これらの計画や制度は、発展途上国の安価な労働力を確保したいという本音が透けて見えます。留学生や実習生の名の下に、安価な労働力を受け入れているわけです。近年の新聞報道では、留学生や実習生の労働にブラック企業の存在があるかのような記事が出てきています。韓国では、外国人の受け入れと生活支援をセットで行っています。全国各地に、40箇所の外国人支援センターが開設されています。日本は、1つの仕事に限定され、3年過ぎると帰国しなければなりません。韓国では、3つの仕事を変えることが可能です。就労期間も10年と長く、日本より優位な立場を築いています。オーストラリアは、政府が間接的に関与して、信頼できる仲介業者の認定制度の元で外国人労働者を受け入れています。
 日本も韓国も限られた縮小する国内市場だけでは、成長を維持していくことができなくなっています。海外に目を向け、進出することになります。海外進出には、現地の方と緊密な提携が必要になります。トップとは当然ですが、ミドルとの連携も必要になります。3年で覚えた仕事と片言の言葉では、この連携に不安を感じます。10年であれば、仕事も言葉も、そして文化も、深いレベルの相互理解が可能になります。深いレベルで理解し合った人とビジネスは、息長く両国の成長に貢献するものになります。外国人労働者の方が、日本で働いて良かったというような環境を作っていきたいものです。


オリンピックはテレビの意向を無視して開催できない  アイデア広場 その386 

2018-07-26 18:40:25 | 日記

 膨らむ開催経費と大会後の施設利用の困難さが嫌気でされ、欧米ではオリンピックの招致熱が冷え込む傾向にあります。2018年韓国、2020年日本、2022年中国のアジア3連続開催は、今までのオリンピックでは違例の招致になります。でも、良く考えるとオリンピックは冬の時代を迎えているのかもしれません。2024年のパリと2028年のロサンゼルスの開催は、やはり違例の2開催同時決定でした。存在感が低下するオリンピックと益々存在感が高まるオリンピックの虚構の姿があるようです。
 そこで、オリンピックの光と影を調べてみました。今のオリンピックは、テレビ局の意向を無視しては開催できないようになっています。オリンピックを開催するIOCの財源は、放送権料と協賛料の二本立てになっています。その中でも最も大きなスポンサーが、アメリカNBC になります。このテレビ局は、すでに2014年ソチから32年夏季まで10大会分のアメリカ向け放送権を獲得しています。その放送権獲得料は、120億ドル(約1兆3千億円)になります。ちなみに、日本のNHKと民放が、18年平昌から24年パリの4大会分で契約した放送権料は1100億円になります。アメリカNBCは、世界放送権利の約50%、IOC全収入の約4割を支払っているわけです。
 余談ですが、オリンピックの招致熱が冷え込む傾向のある欧米では、フェアトレードが台頭してきています。この台頭の背景には、ファストファッションへの反動があります。ファストファッションは、産地の人々や自然を搾取して、暴利をむさぼる行為です。これを如実にした事件が、バングラデシュの縫製工場で起きました。劣悪な労働環境で、労働を強いていたことが分かったのです。フェアトレードは、労働者の健康を守りながら、適正な賃金を保障する過程を経て、公正な取引を目指しています。IOCが資金を得る仕組みと選手に強いる競技日程は、ファストファッションが途上国の労働者に行う行為に類似したものに映ります。IOCの理念と現実の乖離は、欧米の心ある人達には苦々しく見えるようです。
 韓国で開催された平昌冬季五輪は、日本と時差のない選手にも理不尽な大会になっています。選手としてもっともパフォーマンスを発揮できる競技時間帯に、競技ができない理不尽さがありました。ヨーロッパで人気のあるスピードスケートやジャンプが、夜の遅い時間帯に行われました。冬季オリンピックの華であるフィギアやスノーボードは、アメリカでは人気が高い種目です。フィギュアスケートは、昼夜逆転のスケジュール組まれていました。今のオリンピックの舞台裏では、アメリカのテレビマネーが糸を引いています。IOCも、テレビの意向を無視して開催できない組織になっています。でも、理不尽な番組編成は、お金をたくさん出しているテレビ局の意向を反映したものなのです。フェアトレードの精神を受け入れてきた欧州を初め、これから公平な競技を求める人々には反発を買う仕組みが明瞭に写し出されるようになりました。
 蛇足ですが、経済力を付けてきた国や地域でオリンピックやワールとカップを開催することが多くなります。IOCもFIFAも、経済力を付けたアジアの国や地域に近寄ろうとしています。アジアの3連続オリンピック開催が、その一つの象徴です。さらにワールドカップの参加枠がアジアに優遇されて増やされていることもその現れです。経済力のある地域に、世界のスポーツ団体はすり寄ってきます。ある方は、オリンピックにおけるNBCの影響力は、市場としてのアメリカが在感を失っていないことも示していると主張します。でも、個人的にはローソクが消える最後の光かなと思うこともあります。最後に、フェアトレードの運動が盛んになった時、オリンピック協賛企業は苦境に立ちます。選手に理不尽な競技をさせることに、違和感を持つ人々が出てきているからです。なぜ選手にとって理不尽な競技会に協賛して、お金を出すのだろうという疑問が出てきます。フェアトレードの浸透ともに、スポーツを見る目にも倫理的要素が入ってくるようです。選手が最も良い状態で、競い合う場を提供することができなければ、世界最高や新記録の意味が薄れます。最高の場で、最高のコンディションで、最高の選手同士が、競技するスポーツ大会を運営してほしいものです。












熱中症と子ども達   アイデア広場 その 385

2018-07-25 16:33:10 | 日記

 2018年7月19日(木)の日本列島は、高気圧に覆われて気温が上がり、京都市で39.8度の最高気温を記録しました。他の各地でも、35度以上を越すの猛暑日になりました。熱中症で、搬送された方がこの日1日で2600人以上になっているのです。不幸にも、亡くなった方は、10名になりました。厳しい暑さは続く見通しで、気象庁は水分補給といった熱中症の対策を呼び掛けているところです。小中学校でも、熱中症で搬送される子ども達が多くなっています。テレビを見ていると、体育館の集会で熱中症になり搬送されている映像が流れていました。その番組の出演者は、熱中症対策策として体育館にクーラーを入れるようという提言をしていました。体育館に設置するクーラーは、教室に入れるものとは桁違いにお金のかかるものです。限界集落を抱える市町村には、支出できる予算ではありません。
 そこで、お金をかけずに熱中症にならない方法を考えてみました。2600人の搬送者の半数以上の方が、60歳以上の高齢者の方でした。亡くなった方のほとんどが、80歳以上の方です。加齢により抵抗力が低下している方が、熱中症になっていることになります。抵抗力の低下している方には、クーラーなどで過ごしやすい環境をつくることが求められます。余談ですが、日本人は、毎年130万人以上死亡しています。1日に死亡する人数は、3600人以上になります。熱中症で亡くなった方が10人です。他にこの日に亡くなった方は3600人程度いることになります。日本人の死生観としては、1人の死亡も3000人の死亡もどちらも同じく痛ましいという捉え方になるようです。
 サウナのような体育館という同じ条件下でも、倒れる子どもと倒れない子どもがいました。個人的には、倒れた子どもと倒れなかった子どもの生活習慣を知りたいと思いました。よく寝て食事を規則的に食べている子どもは、倒れなかったと推測できます。生活が不規則な子どもは、倒れる割合が高くなるはずです。学校は、子どもの命を守るところでもありますが、一方で逞しい命を育てる場所でもあります。暑ければ、クーラーの下で動かず黙っていることが、ある面では正しいのでしょう。でも、社会で働く人は、暑くても働かざる得ない状況に追い込まれます。暑くても、クーラーのない環境で働く場面も出てきます。
 子ども達も、いずれ暑さや寒さにある程度耐えなければならない能力が求められることになります。耐性の一番低い子どもに集団全体を合わせれば、集団としての能力は低下します。強い子に合わせれば、弱い子は熱中症などになります。集団の中間に合わせながら、その中間のレベルを少しずつ挙げていくことになります。その目安は、小学校であれば、食事と睡眠でしょう。遅刻が常習化しているクラスでは、家庭での睡眠が十分でないことが推測されます。給食で残り物が多いクラスは、耐性のレベルが低いと判断されます。これらの指標を少しずつでも、高めて行くことが求められます。食事、睡眠、適度な運動を積み上げることにより、健全な身体が形成されます。このような子ども達は、体育館で倒れることが少なくなります。
 余談ですが、熱帯地方の住民は、熱中症になりにくいことが知られています。彼らは、手足が長く、細身の体型をしています。この体型は、熱放散に有利なのです。つまり、熱中症にかかりにくい体型をしているわけです。最近の日本の若者は、四肢が細長く、体幹全体が細身になりつつあります。日本の若者の体型は、熱帯の住民に近づきつつあるともいえます。若者の身体は、暑さに順応する体になりつつあるのかもしれません。若者は無意識のうちに、地球温暖化に順応しようとしているのでしょうか。