ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

豊かになっていく漁村   アイデア広場 その505

2019-09-30 20:54:54 | 日記

 ところてんや寒天は、健康志向や猛暑の影響で需要が増えています。ところてんや寒天の材料は、テングサです。この主要な産地は、静岡県と愛知県が有名です。太さや粘りの良さから、国内最上級品とされるもが静岡県の伊豆半島のテングサになります。このテングサが、不漁になっているのです。伊豆半島は、多様な魚介類やテングサの宝庫です。ところが、黒潮潮大蛇行の影響で、栄養塩が十分に供給されなかったのです。結果として、テングサの不漁となったわけです。
 兵庫県が、時代に逆行するようなことを始めました。瀬戸内海で「海をきれいにし過ぎない取り組み」を進めているのです。瀬戸内海は過去において、赤潮に苦しめられました。赤潮防止のために、窒素の排水基準を厳しくした経緯があります。この処置が成果を上げて、瀬戸内海の窒素量を減らすことに成功していたのです。窒素が減るにつれて、海の透明度は上がってきました。でも、「水清ければ魚棲まず」の状態になってきたのです。窒素は植物の生育に欠かせないもので、リンなどと並んで海水中の栄養塩と呼ばれています。植物プランクトンの生育に不可欠な窒素が減り、漁業に影響が出ているのです。伊豆の漁場と同じ状態になっているわけです。そのためプランクトンの生育環境を改善しようと、県内3カ所の下水処理場で排水基準を緩めた上で排出することにしています。
 ニシン漁で栄えた北海道北西部にある増毛町では、夏を迎えるとコンブが大量に採れるようになりました。日本海に面した海岸には、黒茶色のコンブが豊かに生えそろいます。この海岸は、5年ほど前まで、海藻が生えない磯焼けの海岸だったのです。日本製鉄が地元の漁協と組み、2014年から植生回復の実証事業を始めたのです。製鉄時に出る鉄分を含んだ砂利を、土と混ぜて、ヤシの袋に入れて浅瀬に埋設することを行ってきました。コンブの生育に欠かせない鉄分を、供給する仕組みでした。鉄分を供給することにより、コンブの成長が1本当たりの重さが8倍も大きく育つという成果を上げています。
 日本製鉄の狙いは、単にコンブの植生の回復だけではなく海藻が吸収する二酸化炭素対策でした。国連は、海藻をブルーカーボンとして取り上げ、高い評価を与えたのです。
アマゾンなどの森林で貯留される炭素は、グリーンカーボンと言われています。国連は、
海草の働きを調べました。その結論は、海は陸と同程度の二酸化炭素を吸収する能力があるというものでした。アマモなどの海草よりも、コンブやワカメなどの大型藻場の潜在力が大きいということも分かりました。余談ですが、藻場が回復すれば小魚や海烏など沿岸の生き物も集まってきます。一つの生態体系が、構築されることになります。環境に優しい地域になるわけです。もうひとつ、面白いことがあります。横浜市では、沿岸でワカメを養殖しています。その理由が、トライアスロンと関係しているというのです。ワカメの養殖で減らした二酸化炭素の量を、トライアスロン大会で排出される二酸化炭素と相殺しようとしているのです。大会が行われれば、役員や参加者が車を使った移動に、二酸化炭素は排出されます。それを、ワカメが補完するというわけです。
 夏になると、岩手県洋野町の食堂は観光客でいっぱいになります。ウニ丼やウニ焼きなどの新新鮮なウニを堪能できるのです。洋野町は、「ウニの楽園」とも呼ばれています。昆布を思う存分食べるから、うま昧、甘みがあり、実入りも良いウニが育ちます。海藻をたっぷり食べて育った洋野町のウニは、世界の人を魅了しつつあります。このウニはタイや香港、台湾などへ生きたまま出荷されているのです。海岸沿いに十数km続く岩棚には、ウニの大好物の海藻が生い茂っています。もともと豊かな漁場でしたが、50年前に漁師が海中にウニ用の岩棚を作ったのです。さらに、地元の研究機関が常時約250万匹のウニの赤ちゃんを育てています。この稚ウニ250万匹を楽園へ放流し、4年かけてウニを太らせるわけです。この大量の放流は、安定供給するための工夫になっています。狙いは旬の夏だけでなく、ウニを通年で出荷するビジネスチャンスを狙っているのです。ウニが、過疎化が進んでいた町を盛り上げている様子が見えるようです。
 お隣の青森県では、ホタテの生育が順調です。生育に適した海水温が続き、一回り小さいべビーホタテ出荷量が過去最高を更新しました。べビーホタテは半成貝と呼ばれ、1年で出荷できます。水揚げの季節も4~7月と早めで、ホタテの先行指標ともされています。大きなホタテは、出荷まで3年以上かかります。近年不漁とされてきましたが、嬉しいニュースです。稚貝を海底にまいたり、カゴに入れて海中につるなどして、3年ほど成長させて出荷します。冬のしけや夏の高水温などで被害を受けると、回復までに数年がかかり、経営を圧迫する材料になってきました。経営リスクを軽滅するために、青森では短期間で出荷できるべビーの養殖に転向者増えているとも言われています。一方、北海道のサロマ湖ではホタル御殿などが立っているようです。色々な水産物が高騰する中で、ベビーホタテは、特売できる貴重な食材になっています。この小さなホタテの値段は、1~2割ほど安く、都内の鮮魚店では特売品として並んでいます。
 ざっと、漁業の様子を眺めてきました。そこで気がつくのは、時間をかけて漁場をじっくり作ってきた地域や漁協が豊かになっていることでした。天然魚の生産は、世界的に行き詰まってきました。地球温暖化が進めば、天然漁の生産量は現在の80%程度になると言われています。これからは、養殖が主流になるでしょう。漁協と企業、そして地域が養殖業で共生していく姿が見えるようです。




AI技術者の養成にはリカレント教育が求められる  スモールアイデアNO328

2019-09-28 16:51:11 | 日記

 日本は、統計学やデータサイエンスという学問が遅れていました。結果として、人工知能(AI)の技術者を養成する機関が確立しないままに現在にいたっています。AIは、幅広い研究分野や産業において必須のスキルになりつつあります。この遅れを取り戻すために、日本政府は、「AI戦略」を立ち上げ、人材の育成目標を掲げました。第一段階は、年間約50万人が卒業する大学や高専の学生に、初級レべルのスキルを教えることにしました。第二段階として、文系や理系を問わず25万人の学生に対しては応用レべルのスキル習得を促すことにしたのです。特定分野の学生だけでなく、幅広くAIやデータクサイエンスについて学ばせる内容になっています。
 現代は、Alやプログラミンがもてはやされていることがわかりました。AIだけでは、ものをつくることができません。AIの技術を現場で生かすことには、壁があるようなのです。ものづくりに習熟した技術者が、AIの知識を身につけると、ものづくりをする仕組みがスムーズいくのです。高等専門学校の卒業生は、各企業から引く手あまたです。彼らは、実際に手を動かしてものづくりをしたり、課題解決に取り組んでいます。この高専生が、プログラミングやそのソフトを理解すると、ハードの面にすぐに対応できることが分かっています。電機や機械が分かる高専生はソフトが分かれば、ハードの面ではすぐに対応できることを示しているのです。
 政府も、この点に気がついて、それなりの対策を立てています。政府のAI戦略でも、AI分野と機械や経済の専門分野のダブルメジャー(二重専攻)の学位が取得できるようにデザインしているようです。これからの人材輩出を担う大学では、学生が本来の専門分野とAI分野を二重専攻のような形で学ぶ動き出てくるわけです。企業も、自社の事業とAIの知識を併せ持つ即戦力の育成を急いでいます。一方、新卒の大学生を十分に、確保できない企業も出てきています。次善の策として、ものづくりの技術者にAIのソフトを注入し、即席のAI技術者を養成しようとしました。ところが、高専の学生を見るまでもなく、ものづくりをしている技術者がAIを理解すると、AIの技術者より生産現場に適した仕組みを構築していくのです。ダブルメジャーが、すでに現場で生きていることを示しているようです。
 A1は、大量のデータから学ぶ機械学習が中核になります。この機械学習は、思ったより手間暇がかかるのです。この機械には、データを与えるだけでなく、物事の判断を教える必要があります。赤ちゃんに「この写真は犬」だとか「この写真は猫」だと教えるような作業が必要になります。この写真を猫と教えるような作業が、タグ付けやラべリングといわれものです。タグ付けやラべリングは、単純な作業です。でも、この作業には人間の見識が必要になるのです。さらに、大量の学習教材が欠かせません。有名なお話があります。AIの審査による美人コンテストが開催されました。世界中から、6000人以上が応募しました。このコンテストで、最終審査に残ったのは、白人が37人、アジア人が6人、他が1人という状況でした。イギリスの新聞「ガーディアン」は、この結果を人種差別ではないかと主張したほどの不都合な判定でした。不都合な理由は、AIが学習する写真が足りなかったのです。美人であることを判定させるには、美人の特徴を持つ人々の写真を大量に用意する必要がありました。ところが、肌の白い写真だけが多く用意されたために、AIはその中からしか選択できなかったという単純なものでした。ものづくりの現場に精通している技術者ならば、決して侵さない間違いです。
 余談ですが、全国の大学で、リカレント教育(社会人の学び直し)を後押しする動きが広がっています。社会に働きに出たか社員が、再度学校で学び直す仕組みです。欧米は、リカレント教育が充実しています。日本は欧米に比べて、リカレント教育への意識が個人にも企業的にも低い傾向にありました。企業は、AIのスキルを修得する必要に迫られています。大学も社会や企業のニーズに応えるために、カリキュラムを整備するところも出てきています。ある会社では、技術習得のために受講料は会社が負担し、受講も勤務時間に含める優遇対策をとっています。大学も、この企業のニーズにあったカリキュラムや講師陣を配置して受け入れ体制を整えています。大学でも、学習成果の可視化が求められています。
働きながら高度な知識や技術を学べる企業であることが、徐々に企業の評価を高めるファクターになりつつあるようです。




アイデアを産む情報の収集方法   アイデア広場 その504

2019-09-27 20:10:04 | 日記

 先日、原発事故の裁判で、東京電力の経営陣が無罪という判決を受けました。法的には無罪とされましたが、原発事故は大きな被害をもたらしました。以前は、国も東京電力も原子力発電は安全だとピーアールしていました。被害者の方も、東京電力が地元に還元するお金を利用して豊かな生活をしていました。東日本大震災による大津波により、安全神話は崩壊します。住民の方は破壊された生活を取り戻そうと、法廷闘争に取り組んでいます。国や東京電力の安全ピーアールを信じなければ、原発を誘致しなかったという後悔があるのでしょう。現代人には、世間の常識やメディアからの刷り込みが行われます。原発は安全という刷り込みがあったのかもしれません。地元には、それ相応のお金が落ちてきました。刷り込みと資金が、「絶対の安全はない」という感覚を麻痺させたのかもしれません。
 一度、良い環境に慣れてしまうと、状況が一変したときに対応ができなくなります。もともとのインプットの質が悪ければ、良いアウトプットは出ないものです。一方、心地良いピーアールを信じることなく、正確な情報を収集している人びとは存在します。自分の人生を国や会社に全面的に任せるだけでは、安全は確保できず豊かにならないことを知っているのです。大震災や原発事故で証明されたように、国家や企業を全て信用しきったり頼り切ったりはできないようです。
 そこで、情報を収集し、判断する能力を高める方法を考えてみました。本や新聞と接する量の多い少ないによって、情報の格差が生じることは昔から知られていました。富山県や福井県は、学力テストで常に上位を占めている県です。この両県は、人口100万に当たりの図書館数が全国で1~2を占めているのです。ネットに接する子どもたちが得られる情報量は、他の子に比較して多くなることも知られています。先進国では、中学生にもなるとネットを使って勉強をするようになります。ある程度の出来事や統計の知識は、ネットで調べればすぐにわかるようになりました。一般的には、情報が多いと知識が増え、学力が高くなります。
 日本の学力テストで常に言われることは、基本は良くできるが、応用問題が苦手だということです。ネット情報がちまたに溢れ、覚えるためにわざわざ頭を使う必要がなくなってきました。でも、今求められていることは、みんなと同じ情報に接しながらいかに人とは違う発想のアイデアを出せるかという点です。いわゆる応用問題ができることを求められているわけです。みんなと同じ情報に接しながら、新しくものを「考えだす力」がより求められているわけです。考えるウエイトは、ますます重視されてきているのです。
 多くの情報に接する環境は、整いました。大量の情報に流される人も、増えてきています。かといって、情報を遮断しながら、生活や仕事をするわけにはいきません。適切な情報を選択して、新しいアイデアを考えをつくり出す人達も現れました。彼らは、大量の情報に接しながら、考えるという少し矛盾した行為を両立させています。速さや効率を重視しながら、安全や安心を確保するという矛盾することに応える手法があります。アマゾンの森林火災を考えると、火災の「渋滞」は歓迎すべき現象です。これは、あらゆる森林について言えます。木の間隔が開いていれば、火は通り道がなくなり、火災は渋滞します。でも、間隔を開けすぎると火災の備えができますが、林業の効率が悪くなります。この両者の最適化を探る手法が開発されるわけです。
 最適化の問題は、生産現場の工場などでは頻繁に出てくるものです。原料から最終製品を作り上げるまでの時間(リードタイム)を短くする必要があります。リードタイムを考える場合、生産や運搬、そして在庫などの視点が必要になります。在庫は少ないほど、良いとされます。そのために生産過程において、各工程に必要な物を、必要な時に、必要な量だけ供給することで在庫を徹底的に減らした生産活動を行う技術体系が作られました。いわゆるジャストインタイムといわれるものです。トヨタ自動車が開発した技術体系は、世界に誇るものです。でも、形だけを採用した企業では、半分以上が失敗しているとも言われています。技術体系の形は、手に入るようです。でも、自社の工場で円滑に動かしていくためには、工員各自が考えたり工夫する習慣がなければ成功しません。人と同じことをしている限り、付加価値の高い製品は生まれないようです。
 考える視点や問題意識が、大切になるのです。問題意識というのは、いわば、情報を引っかけるための「トゲ」のようなものです。面白いアイデアがないかとか、何か楽しいことがないかなどの好奇心が、「トゲ」といえます。たとえば、溢れる情報の中に、健康なシニアが増えてるというものがあります。これがトゲに引っかかります。さらに、国の医療費が2017年は42兆円になった。そして、2040年には67兆円になるという推定が引っかかりました。この二つから、医療費を少なくするために、どうすれば良いかという課題解決に取りかかります。この答えは、健康なシニアがより活動的になる分野に資金を投じることなのです。病気の人にお金を使うより、健康な人を健康のままにする仕組みにお金を使うことが、結果として医療費の軽減に繋がります。
 溢れる情報が、人びとのまわりを飛び交っています。溢れる情報を、全て保存することはできません。飛び交っている情報を、自分が持っている好奇心で集めていきます。いくつか集めて、具体的な形にするわけです。それをいくつか持っていれば、次の「トゲ」になります。自分の関わる世界をより多く持ち、可能性を広げられるように準備しておくことは大切になります。いくつかの好奇心を持っていれば、みんなと同じ情報を材料にしながらでも、面白いアイデアはできるようです。




カラオケの映像革命・記憶理論・元気シニア   アイデア三題噺 270

2019-09-26 18:02:11 | 日記
 カラオケ喫茶などにいくと、高齢者が楽しそうに歌っている姿が好ましいものです。若さを維持して、健康を謳歌しているようです。高齢者の健康は、本人にとっても地域にとっても有益なものです。これからの日本は、高齢者の方に元気で楽しく生活をしてもらうことが大きな課題になります。カラオケは、その意味で高齢者に愛される趣味の一つになります。
 そこで、高齢者のカラオケをより楽しいものにすることを考えてみました。シニアの方が歌う歌は、時代背景があるようです。自分たちが青春を謳歌した時代の歌を、楽しく歌っているように見えます。歌詞の表現には、喜怒哀楽のような感情や伝えたい情意の世界が必要になります。身体的にも精神的に充実した時代の記憶は、感情や情意の形で残っているのでしょう。現在の記憶理論では、長期記憶がほぼ永久に残るという考えが優勢になっています。つまり、若いときから高齢いたる間に蓄積された記憶は、何らかの刺激を与えることで、アウトプットしてくることがあるわけです。
 この記憶は、使わなければ次第に脳の奥の方に追いやられるようです。長期記憶は、貯蔵の状態がたえまなく変えています。記憶は、ある情報とある情報とが一緒に使われる機会が多いと、圧縮され使いやすくなる傾向があります。長期記憶は貯蔵の状態をたえまなく変え、短期記憶からのさまざまな要請に応えることになります。例えば、カラオケボックスで、歌詞を選ぶ時に「一曲いかがですか」と要請があるとします。「何の曲にするかなかな!」と考え、長期記憶にある昔の思い出の曲を選ぶことになります。長期記憶は、短期記憶からのさまざまな要請に即座に、適切に答えられるように準備してるわけです。短期記憶と長期記憶との間の情報の交換が活発に行われている脳は、若々しさを保っているということになります。
 最近のカラオケは、音響効果に加えて、映像が曲や歌詞にマッチしています。映像情報は、頭の中ではイメージとして処理されます。イメージにかかわる情報処理の特徴は、短い時間で直観的に全体がつかめるところにあります。歌を歌い、そして映像を見ているときに、昔の懐かしい光景が出てくれば、長期記憶の奥底に保存されていたものが鮮明に思い出されるという流れになります。これは、楽しい瞬間でもあります。楽しい結果が目の前にすぐにあらわれれば、気持ちが良いものです。このような現象は、即時強化と呼ばれています。ゲームなどでは、この即時強化の状況が操作と画面変化との間に多用されています。即時強化の巧みさが、ゲームにのめり込む仕掛けでもあります。
 カラオケで、歌の上手さは数字で評価されてきます。でも、数字だけでは楽しさも、もう一つです。高級レストランでは、顧客の味覚にあった演出をするようです。美味しかった時の情景を、再現するわけです。例えば、誕生日の時のディナーやプロポーズの時の晩餐などが、その事例になるようです。カラオケにおいても、このような映像が出てくる工夫はできないものでしょうか。現在の技術を持ってすれば、視線を追うことで、顧客の好みを把握することができます。歌う人の好みに合わせて、カラオケの映像を変えていく手法は作れないものでしょうか。ゲームは、即時強化と画面変化を効果的に使っています。画面と視線から顧客の嗜好を分析し、より嗜好性高い映像をカラオケを歌っている中で流します。即時強化の仕組みを取り入れた映像を、カラオケにおいて活用するわけです。もしこんな仕掛けができれば、楽しいカラオケになるかもしれません。



健康寿命を全うするペットと飼い主  スモールアイデア NO327

2019-09-25 17:02:53 | 日記

 最近、ぺットにお金や時間をかけることを、惜しまない傾向が出てきています。旅行の様子を撮影して、愛犬をブログに載せることを楽しみにしている人達も増えています。ぺットのツーリズムは、30~50代の夫婦の利用が多く、現在のところ好調です。このツーリズムは、リピーターが多いことが特徴なのです。ホテル関係では、貴重なお客さんになるかもしれません。鬼怒川などの温泉旅館では、1泊2食付きで1人3万を超える宿泊料で受け入れています。
 ぺットを家族の一員として、一緒に旅行や外出を楽しみたいという愛好家が増えています。独り暮らしの高齢者の中には、癒やしを求めて犬や猫を飼っている方が多くいます。縄文人は、骨折した動けない犬を、最後まで面倒をみたという事例が報告されています。昔から、人間と犬などの関係は、密接なものがあったようです。でも、この癒やしのペットを飼っている方に、思わぬ不利益をもたらしているという事実が報告されています。ぺットを飼っている人は、そうでない人に比べ、うつ病になった経験が1.9倍も多かったというのです。
 そこで、ペットを飼う場合に、精神的に落ち込まない仕組みを考えてみました。2017年10月の統計で、初めて飼い猫の953万頭が飼い犬の数の892万頭を上回りました。2018年10月の時点で、飼い猫は965万頭、飼い犬は890万頭になっています。2013年の改正動物愛護管理法において、飼い主はペットの命を終えるまで飼うことが義務付けられました。困ったことに、動物愛護管理法の精神とは違って、行き場のないぺットも増えているのです。行き場のないペットを自治体が引き取る場合、原則として引き取った犬猫は殺処分になります。
 犬の平均寿命は15歳程度で、猫は約16歳です。犬や猫の平均寿命は、人間の約6分の1の寿命です。飼い主は、ペットの老齢化が進行する姿を見ながら過ごすことになります。
長年一緒に暮らしてきたペットの最後を、看取ることは苦しいことです。飼い主が看取りに関わる時間が長くなれば、精神的に落ち込む状態に陥ることになります。ペットの看取りで、うつ状態になることも容易に想像できます。
 日本人は、毎年130万人以上の方が亡くなります。配偶者が亡くなったときに、相手方は精神的に落ち込むことが分かっています。この落ち込みは、あらゆる落ち込みの中で最大級のものです。精神的に崩壊する方もでてきています。いわゆる、うつ状態になるケースもでてくるわけです。偶然ではないでしょうが、犬と猫のペットも、毎年人間と同じ130万頭ぺットが亡くなっているのです。これだけの多くの看取りがあれば、精神的に落ち込む方が増えることは容易に想像できます。もうひとつの心配は、飼い主が亡くなった後のぺットの世話が心配になることです。60~70歳代でぺットを飼い始めれば、飼い主の死後も生きる可能性が高くなります。不安があれば、不安を払拭するビジネスが必然的に出現します。
 最近のぺット関連の市場規模は、1兆5千億円を超えています。ぺットを取り巻く市場環境は、ぺットフードや衣類などのモノ消費から、旅行や娯楽などのサービスへと広がりを見せています。そのサービスに、老犬や老猫のホームが、需要を増やしています。高齢になり体が不自由になると、ぺットホームなどに世話を依頼する人も増えてきます。ある老人ホームでは、入居者と犬猫の共同生活を認める施設もあります。また、入居者が亡くなった場合、残されたぺットを最後まで面倒を見てくれるケースもあるようです。ぺットのことで心配がなくなれば、安心して老後を送ることができます。
 人口減少の時代に、観光業界が新たな観光需要を掘り起こす起爆剤として、ペットツアーがあります。あるぺット施設はオープン以来、年間来場数が20万人を超えています。ぺットにやさしい町を掲げ、愛犬家を誘致する自治体も出てきています。このような施設では、ペットを楽しませる遊具や仕掛けが揃っています。良い施設は、ある面でペットの健康寿命を延ばすノウハウが備えているとも言えます。健康寿命を全うすることができれば、飼い主は満足することです。それ以上のことは、誰もできません。私の提案は、ペットに優しい施設や自治体の中に、看取りに関する心理療法士を配置してはどうかということです。看取りの際の心の準備を、ペットに優しい施設で事前にカウンセリングを受けて、看取りに対する備えをしておくというものです。ペットの安心を望む飼い主の方とおなじように、いつまでも飼い主が元気でいてほしいとペットも願っているものです。そんな仕組みを、密かに作ってはどうでしょうか。



国内に滞留する廃プラの有効利用   アイデア広場 その503

2019-09-24 14:43:12 | 日記

 日本のコンビニなどで回収されたペットボトルは、破砕され、プラスチック片になります。この破砕されたプラスチックは、中国に輸出されていきました。輸出された廃プラ(プラスチックごみ)は、人形やオモチャになどになり世界中に輸出されてきたのです。でも、廃プラを再生し、製品にする過程で、大気汚染や水質汚濁などの公害が現れ始めました。この公害の被害が、オモチャの輸出で得る経済利益を相殺する事態に陥ったのです。中国政府は、2017年末から輸入制限を開始しています。環境汚染による外部不経済が、発生してきました。外部不経済とは、市場取引の当事者以外の国民に及ぼす不利益のことを指します。中国がプラごみの輸入をわくの制限を強化しために、大量のごみがアジア諸国に拡散していきました。日本も、中国から東南アジアに輸出先を変えてきています。
 日本の廃プラの排出量は2017年に903万トンでした。903万トンのうち約90万卜ンを、中国に輸出していました。中国以外へ東南アジアへの廃プラ輸出量は、2018年が、96万トンで、前年から4割増えました。2018年のプラごみ輸入量は、中国が5万トンで前年の100分の1以下に減少したのです。その代わりでに、マレーシアは6割増の87万トン、タイは3.2倍の48万トン、インドネシアは2.5倍32万トンと増加をしています。中国には、日本からだけでなく、アメリカやEU諸国からも輸出されていました。これが、東南アジアの諸国に流れ始めたのです。
 スリランカでは住民から、コンテナ111個から悪臭がすると苦情のありました。放置コンテナ111個から医療廃棄物などが見つかり、輸出元のイギリスに送り返すことになっています。カンボジア政府は、米国とカナダから港に届いたコンテナ83個を送り返す方針を決めています。コンテナを送り返される国は、アメリカやフランス、そしてドイツなどの先進国の名前が連ねています。マレーシアやフイピンに続き、インドネシアやカンボジアも、強硬措置に乗り出しています。東南アジアの国々も輸人規制を強めたために、輸出できない廃プラが先進国の国内に滞留し始めています。
 山梨県内では、2017年度にプラステックを含む廃棄物が計637トン不法投棄される事件が発生しました。輸出制限で処理費用が高騰すれば、不法投棄の増加を招くことになります。中国の輸入禁止の影響で、日本の自治体の24%で廃プラの保管量が増えて来ているという現実があります。環境省は、廃プラ処理に関わる19年度分の予算を前年度の約6倍に増やしました。廃プラの国内処理能力が、限界に近づいているのです。汚れたままの廃プラは、各国とも国内処理が原則になる状況を迎えています。
 危機があれば、それをチャンスに代えようとする企業が現れるものです。日揮株式会社(日揮)は、建設とエンジニアリングを兼ね備えた会社です。この日揮が、世界的に輸入規制の強まる廃プラに目を付けました。この会社は、廃プラを化学原料に転換するプラントの建設事業に乗り出したのです。廃プラから生成したガスは、アンモニアやエチレンなどの基礎化学品の原料にできます。このプラントができれば、従来アンモニアを生産する際の原料だった天然ガスの調達も不要になります。エチレンなどを生成する場合は、ややコスト増になるようです。でも、アンモニアガスは従来と同価格で取引ができるとのことです。廃プラを化学原料に使う動きが広がれば、国内滞留の問題の解決につながる可能性がでてきています。ある企業は、国内の廃棄欧物の0.8%にあたる年7万トンを処理してきています。廃プラを7万トンとわずかですが、化学原料に転換するプラントを動かしている実績はあるのです。
 当分の間、世界国々においてはプラの滞留問題が続きます。この廃プラを一気に引き受ける自治体が、現れないものでしょうか。この廃プラを化学原料にするプラントの投資規模は、数百億円かかります。でも作ってしまえば、その後は天然ガスなどの材料代はかからなくなります。さらに、廃プラを引き取る場合には、引き取り手数料を得られることになります。エチレンやアンモニアの化学基礎原料は、需要が途絶えることはありません。日本の零細処理業者だけでは、廃プラ処理設備の大規模投資に踏み切るのは難しいでしょう。でも、大手企業の日揮が、産廃業者と連携しこのプラント用の廃プラを調達する仕組みも整えることは可能です。産廃業者が、廃プラを収集し、プラント施設に運ぶ作業が可能になります。不法投棄をする必要がなくなるのです。さらに、この計画に自治体の協力があれば、盤石になります。
 自治体が、このプラントの建設地を提供するわけです。建設資金の補助もするようにします。ふるさと納税による2018年度の寄付総額が前年度の1.4倍の5100億円になりました。ふるさと納税の目的を明確にした上で、寄付を募る動きが広かっています。このプラントの建設と運営に賛同する方から、ふるさと納税を提供してもらうわけです。もっとも、地元住民の方には反対する方もいます。その反対を見越して、「蜜」を用意します。この地区の住民の方には、最近注目をあびているベーシックインカムを導入します。これは、古代ギリシャの自由市民をモデルにしたものです。ギリシャの市民は、働かなくとも自由な行動がとれました。生活に必要なことを、奴隷がしていたからです。ギリシャ市民は、都市国家が支給するお金で、世界最先端の文化活動を行っていたわけです。最低限の生活が確実に保障されると分かれば、人々は創造的な活動を行うようになります。
 例えば、人口2000人の村の場合、1人100万円をベーシックインカムとして支給すれば、20億円になります。これを、廃プラプラントの稼動と廃プラの受け入れ費用、環境省の補助金、さらに、ふるさと納税で賄うということになります。もちろん、100万円では十分な生活はできません。従来の仕事を行うとか、バイトなどがあります。時給500円として、1日8時間労働で4000円です。年間260日働いて、104万円になります。この他に、残りの余暇時間を使って、起業なども考えられます。最低限の生活と十分な余暇時間のある故郷は、魅力的な居住地になると思います。



中国の監視体制の試金石  スモールアイデアNO326

2019-09-23 18:27:11 | 日記

 中国では、学歴や支払い履歴のデータを使い個人の信用力を人工知能(AI)で数値化する信用スコアの利用が広がっています。芝麻信用は、世界で10億人超が使うススマ決済アプリ支付宝(アリペイ)の機能の一つです。これは、学歴や職歴などの社会的身分、税金などの支払い状況や保有資産、公共料金やカード支払い履歴、人脈や交友関係、消費傾向の特徴など5指標に分類し、膨大なデータをAI が分析して点数化していくものです。一定以上のスコア(点数)だと、低い金利で融資を受けられるなど特典があります。信用スコアが高ければ、保証金などを払う手間も省けるメリットもあります。逆に、信用スコアが低いと公共交通機関の利用が制限されたり、就職などにも影響が出てきたりします。中国の消費行動を劇的に変えているともいえます。信用指数の高い人同士の取引は、スムーズに行くのです。信用指数が下がると、商取引が上手くいかないケースがでてきます。アリぺイの仕組みが進みすぎると、ちょっと恐ろしいなと思っていました。すると2020年には、信用情報や交通違反の履歴などの点数を一人ひとりにつけて管理する「社会信用システム」の導入を目指すということが報道されるようになりました。これは、明らかに管理監視社会を目指すものと考えざるをえません。
 そこで、中国における監視システムがどのようになっているのかを見てみました。中国には、「天網」と「雪亮」という二つの監視システムがあります。これらは、中国全土に張り巡らされたハイテク監視統治システムです。「天網」と「雪亮」は、人民の犯罪行動の予防を目的に監視するシステムになります。「天網」は、非常に高い性能を持っています。「天網」は、都市部の犯罪予防を目指しています。そして、犯罪者や逃亡中の指名手配犯の追跡確保を主な目的としたものです。このシステムのすごさは、数万人の群集の中から、指名手配犯を探し出す能力です。たとえば、中国本土で行われた香港人気歌手の会場で、数万人単位の群衆の中から約60人の指名手配犯を割り出し、逮捕しているのです。天網の構築は、2018年末までに主要な駅、ターミナル公共施設に顔認識AIカメラが導入されています。都市部の顔認識AIカメラのカバー率は、ほぼ100%だと中国当局はいっています。中国には、監視カメラはすでに27億台が設置されており、1人当たり2台の監視カメラが人びとを見張る体制ができているのです。天網の構築をより確実にするために、2億台前後の顔認識AI カメラが導人されています。画面に映る人間の身元を数秒で割り出す高性能のAIカメラが、2~3人当たり1台配備されていることを意味しています。
 農村部の治安維持を目的とした「雪亮工程」の構築も、急速に進められています。雪亮は、県、郷、鎮レべルの農村で農民による集団事件を予防するためのシステムになります。雪亮は四川省がテストケースとされ、2015年から2016年までに4600村に導入されました。この農村監視システムの導入の結果、犯罪の発生率は50%減少し、犯罪検挙率は50%増加したという実績を上げています。村の隅々を網羅する監視力メラ映像と、村民の個人情報をリンクさせて監視を強化しているのです。監視力メラ映像と村民の個人情報、そしてスマホをスリンクさせた監視体制ができたともいえます。2017年には、この雪亮工程の重点地域として新疆ウイグル地区が挙げられました。新疆のカラマイ市の大学や中央公園、観光名所などに800カ所監視カメラが配置された。このカラマイ市では、2017年までに雪亮工程が実施されました。新疆ウイグル自治区の個人情報は、身分証明書、職業、宗教信仰、パスポートの有無、人間関係、家族関係、スマホへのダウンロード記録、生体情報、位置情報まであらゆる情報が集積されているのです。これらと監視カメラを組み合わせた監視体制が、強化されつつあるわけです。
 習近平政権が始まるころから、新疆ウイグル自治区の監視体制が強められていきました。そのころからウイグル人が国境を越えて、トルコ経由でシリアに赴いていました。トルコの情報部は、ウイグル人を大量に受け入れ、若者をムジャヒディンとして教育していたのです。この時期から少し経て、ウイグル人が義勇軍として戦闘やテロに参加しているというニュースが報じられはじめました。トルコ経由でシリアに渡り、戦闘経験を積んでいたのです。イスラム過激派組織に参加するウイグル人戦闘員が、中国に対して宣戦布告するビデオも流れ始めました。ウイグル自治区のムスリムが、今までのように再教育施設で迫害されているならば、戦士が集結する可能性も出てきます。
 イスラムの過激派アルカイダの活動は、常にムスリムが迫害されている地域に向けられます。旧ソ連のアフガンの撤退後は、ボスニアヘルツゴビナに戦場を変えています。その後に、9.11テロをアメリカで起こしています。イスラム国(IS)が崩壊した後は、世界各地に分散していきます。そして、集合する場所が推測されています。I Sやアルカイダ系のテロ組織が、次に向かう先はフェルガナ盆地と専門家は見ています。フェルガナ盆地は、麻薬の流通経路として、資金や武器の調達に困らない地域です。タジキスタンとキルギスにはさまれたフェルガナ盆地が、次の活動拠点になると見ているわけです。フェルガナ盆地から新疆のカラマイ市まで、1000km程度の距離になります。武力紛争にならずに、漢族とムスリムの共存が平和裡に進むことを願っています。





腸内細菌叢・食糧問題の解決・健康状態の把握  アイデア三題噺269 

2019-09-21 18:43:03 | 日記

 最近の研究で、優れたスポーツ選手には特殊な菌があることが分かりました。ボストンマラソンに参加する選手の協力を得て、走る前と後で「便」を採取しました。この便からトップアスリートの腸内にすむ細菌をマウスの腸に移植したら、マウスの運動能力が高まったのです。選手と科学者たちが一緒になって、腸内細菌と運動の関係を探る研究が行われるようになり始めたのです。
 人の腸には500~1000種類の菌と100兆から1000兆個の細菌がいるとされています。この重さは、1kgともいわれてます。人や動物の腸管内に住み着く微生物の集団は、腸内細菌叢と呼ばれています。これらの菌には、いわゆる善玉菌と悪玉菌がいます。蛇足ですが、食物繊維が便通を良くして、善玉菌の増殖を助け腸内細菌叢のバランスを保つことなどは、よく知られていることです。腸内の善玉菌の働きは、腸管内の酸性を低下させます。さらに、悪玉菌の増殖を防ぎ腸内の働きを調整しています。腸内細菌の状況により、体調の悪化や病気にかかりやすくなるなどのケースが少しずつわかり始めてきました。
 そこで、運動に寄与する腸内細菌を利用して、新しいビジネスと考えてみました。パプアニューギニア高地人は筋骨は逞しいことで知られています。この高地人は、肉を食べずにイモを主食にした食事をしています。タンパク質を主体にした食事でないにもかかわらず、どうして筋骨逞しい体になるのかが疑問でした。高地人は粗末な炭水化物だけで、身体は筋肉質で素晴らしい運動能力を備えているのです。仮説的には、腸内細菌が炭水化物をタンパク質に変える働きをしているのではないかとういうものでした。もし、タンパク質を摂らないで、運動能力が高まるのであれば、体重制限のあるスポーツ選手には、福音になるかもしれません。
 最近の研究では、スポーツ種目の違いによって、腸内細菌叢には違いが分かってきました。たとえば、腸内細菌を調べると、選手の競技がラグビーか長距離がわかるというのです。長距離選手は体調が悪く成績が落ち込むときに、腸内細菌叢にも変化が見られるのです。長距離選手では、体調が悪くなると、酪酸菌やビフィズス菌が減っていました。ラグビーのような激しい運動は、特に体に負荷がかかり、一時的に免疫の低下を招きます。この免疫を早くは回復させる腸内細菌叢を、ラグビー選手は持っているといわれます。すでに動物に関しては、腸内の善玉菌がビタミンやアミノ酸を合成することが知られています。つまり、タンパク質の元になるアミノ酸を作り出す能力があることになります。菌類の多様性に関する研究は日進月歩で、毎年1000種を超える新種が発表されています。この菌と免疫力の復元の関係を調べる研究も進められていくことでしょう。
 カロリーベ-スでは、穀物が世界の全ての人びとに行き渡る生産量を確保しています。でも、現実には何億人という餓えに苦しんでいる人達がいるのです。この理由は、家畜の飼料として穀物を利用していることにあります。牛肉1kg作るためにトウモロコシ11kgが必要です。このトウモロコシが飢えた人びとに提供されれば、飢餓の報道はなくなるかもしれません。一方、肉を食べることは、人間の豊かさを象徴するものとなってきました。この象徴と現実の分配が、課題になるわけです。この課題が解決されれば、食糧問題の解決に繋がります。
 腸内細菌と運動の研究やパプアニューギニア高地人の観察から、人間には自分の体内で有用なタンパク質を作る仕組みがあることが徐々に分かってきています。腸内細菌叢が炭水化物をタンパク質に変えているという仮説があります。炭水化物と腸内細菌叢、そして厳しい運動が、筋肉質の身体を作っているという仮説を実証されていけば、面白いことになります。欠乏に耐えながら、粗末な食事で、筋骨隆々の体になることも夢ではなくなるからです。そういえば、低カロリーバランス栄養の食事が、長寿遺伝子を活性化させるなどの説もあったようです。
 広大な菌類の世界のほとんどは前人未到であり、新たな発見に満ち溢れています。細菌が共生をする多様な植植物種に息づくことで、土壌中の窒素の分解と循環が活性化されます。大豆に代表されるように菌根菌からは、有機化合物を安定的に得ることができます。毎年、1000以上の菌が発見されています。この菌の中から、人間や動物の腸内で効率的にアミノ酸を作る菌を見いだすことができれば、福音になります。余談ですが、腸の中には多種多様で膨大な数の細菌がすみ、健康状態や病気の発症などと深く関わっていることは、常識になっています。自分の健康状態を、容易に定性的に調べたり、定量的に調べることできれば、充実した生活を送ることができます。視点を変えれば、この細菌叢の状態を常時知ることができれば、健康な生活が実現します。トイレに行かない人はいません。毎日トイレで、尿や便の状態を計る試薬ができれば、このことは可能になります。最新のウオッシュトイレなどに試薬を入れておき、試薬で細菌叢の状態が把握できれば良いわけです。「健康ウオッシュトイレ」などの商標で、売り出す企業が現れるかもしれません。



幸せの見つけ方   スモールアイデア NO325

2019-09-20 17:50:07 | 日記

 大学入試のために、全勢力を使い果たし、入学すると目標を失う大学生も多いようです。目標を達成した時点が、感情や精神のピークになっているのです。そのピークが過ぎてしまうと、気力が低下してしまいます。目標を達成してしまうと、精神や感情が継続的に満たされることがなくなります。達成感の後には、虚しきがやってくるものです。自分の達成感のなかだけに幸せを追い求める姿勢は、ある意味で危険なことかもしれません。かといって、他人の幸せのために働き続けることも難しいものです。他人の幸せのためだけに働くことは、身体的にも精神的にも消耗し、疲弊していくことが多いのです。この矛盾したことを、上手に乗り切る人達がいます。「他人のため」と「自分のため」の最大公約数を、見つけることができる人達がいるのです。彼らは、自分と他人の双方が幸せになる働きかけをします。その時、人は幸せを感じ、大きな力を発揮できるというのです。
 そこで、他人と自分の両方を幸せにする仕組みを考えてみました。注意深く、自分の身の回りを観察することが大切です。日々自分たちが何気なく買っている製品に、関心を持つのです。安い賃金で働かされ、学校に通うことができずに、将来の可能性を失う子ども達がいます。この子ども達が作る洋服を購入することは、児童労働を存続させることに協力していることになります。使っている金融機関にも、目配りが必要です。殺人兵器として悪名高いクラスター爆弾を製造する会社に、日本の複数の金融機関が投融資を行っていたことがあります。国際法で禁止されている爆弾を製造する会社に、日本の金融機関が融資を行っていたのです。できれば、このような金融機関の利用は避ける姿勢が必要でしょう。利益を上げれば良いという立場から、社会正義を助長する会社を利用することが求められます。あるタオルの会社は、食品工場の衛生レベルを保ちながらタオルを作っています。食品工場の基準を意識する理由は、安全なタオルを作りたいからです。あまりにも価格が安すぎるようなタオルに出会ったら、注意が必要になります。世の中には、「本物」と「偽物」があります。本物には、品質と道義的要素が備わっているようです。
 これからの時代は、お金や安定だけで仕事を選択すると、不幸になってしまうこともあります。働くことに対して、自分なりの喜びや意味を見出でなければ、モチベーションが持続できません。利益や成長するかどうかより、社会に必要とされる仕事の方が良いようです。感性を活かしたような仕事、新たなものを創造する仕事、効率を考えない仕事も選択肢のひとつになります。やりがいや家族の健康など、評価のしにくいものに価値を置く姿勢が求められます。本物の一つの基準は、長い時間を経ても「良さ」を感じられるものということになります。
 望ましい「他人のため」と「自分のため」の最大公約数の対極にあるのが、ブラック企業です。低価格を実現するために、児童労働や自然破壊などの何かかが犠牲になっていることがあります。ブラック企業のような風土のある会社でも、一人一人の社員は素晴らしい人ということも少なくありません。このような素晴らしい社員が、過労死に陥ることがあります。この過労死は、長時間労働という側面があります。でも、それだけではないのです。ブラック企業で起こる過労死は、ストレスが主要な原因です。この過労死は、お客を欺く手法を使って利益を上げるようと強制されることにもあります。そして、生産過程における違法な労働に対する罪悪感が、ストレスを高め耐性を低下させて、過労になっていくのです。
 余談ですが、年収800万円から1000万円の所得層に位置する人達が、一番多く働いているようです。年収5000万円の人や年収5億円の人よりも、年収800~1000万円の人のほうが多く働いているのです。5億円の所得を取る人達は、一生懸命働く人びとを笑顔で見ながら、多くの所得を得ています。忙しさと収入が、比例しないことがわかります。仕事を選ぶ時、給料の多い仕事を選んでも必ず幸せになるということはないようです。注意したいことは、お金の山に登るとお金を目的とした人にしか会えないことです。お金の山を登り始めると、幸せの山には登ることができなくなります。複数の山を征服する術を身につける事が必要な時代なのかもしれません。


中国市場で生き残る優良企業  アイデア広場 その502

2019-09-19 17:20:19 | 日記

 先日ネット通販の巨人アマゾンが、が中国市場から撤退するニュースが流れました。一筋縄では、なかなか成功しない市場が中国にはあるようです。その中で、顕著になってきた現象があります。中国の消費者の嗜好が、大きく変わりつつあるのです。これまで、価格は高いが高品質という海外ブランドが、人気を集めてきました。この海外ブラントの高額商品を買いながら、見えを張るという消費行動が変わりつつあるのです。数年前までは、オシャレなトレンドを象徴していたスターバックスにも、変調が見られるようになりました。
 そこで、最近の中国における消費行動を考えて、これから中国で成功するビジネスについて考えてみました。スターバックスは、1999年に中国進出して20年間で約3600店を構えて、盤石の展開を果たしてきました。そのスターバックスが、2018年に参入した新進企業の激しい追い上げにあっているのです。その企業は、ラッキンコーヒーチェーンです。ラッキンコーヒーチェーンは、1~2年の間に、すでに2500店を中国の主要都市で営業を行っています。中国の消費者に言わせると、「コーヒーの昧もスタバと変わりないし、安いのでラッキンコーヒーばかり飲んでるわ」ということになるようです。コーヒーは、繊細な香りを扱います。その香りと味をつくり出すには、一定のスキルが求められます。このラスキンのやり方が、かなり強引です。中国の先進都市上海市の会社員は、平均月給が16万円程度です。この会社は、カフェチエーンで10年以上の経験を持つ人を月32~48万円で採用していくのです。この破格の条件提示により、スターバックスからのかなりの人材が流れていると言われています。
 かっては安かろう悪かろうで不人気だった中国製品やサービスは、急速に改善しています。中国企業が豊富な資金力やAI、そして地の利を生かして安くて品質もまあまあに良い商品を開発しているのです。中国企業は、その潜在力を付けてきている現実があります。外国のブランドへの憧れが、薄れてきています。割安でも品質に満足できれば、中国の地場産業の製品を選ぶ消費者が増加してきているのです。一方、外国の良いものは、積極的に取り入れる姿勢が企業にも出てきています。無印良品は、中国でも人気があります。この無印良品デザイナーを長く務めていた日本人を起用して、水筒や文房具などのを開発し始めているのです。価格は無印良品より割安に設定しながらも、品質にこだわるのが戦略を取っています。
 中国は、消費減速の懸念が強まっています。国民もそのことを薄々理解するようになり、生活防衛をするようになってきました。若い世代では、中古品を売買するアプリが人気を集める消費の傾向は顕著になっています。中国市場は、巨大です。工夫次第では、ビジネスチャンスが生まれる素地はあるのです。そのためには、販売のターゲットを絞り、きめ細かにする必要があるようです。例えば、20代男性、30代女性など属性ごと細やかな展開をすることが求められます。「高所得者」「自営業者」「年金生活者」など様々な属性ごとにきめ細やかに販売戦略を練る必要が出てきます。
 人気の良品計画の無印良品も、中国勢に押され始めたという報道があります。一方、良品計画は、4期連続で最高を更新しています。この会社は、中国を中心とした海外事業では堅調でした。良品計画は、中国が成長市場をであるとの考え方を全く変えていません。この良品計画は、中国での店舗数は今期、31店で純増をを実現しています。
 自動車産業において、素材や運転性能が良ければ、消費者に受け入れられる時代が続きました。でも最近では、素材や運転性能に加えて、電子通信の部品、コンピュータアプリ、デザイン、そしてエンタテインメントの要素が重要視されるようになりました。日本は、素材や運転性能、電子通信の部品に強みを発揮してきました。でもこれからは、コンピュータアプリ、デザイン、そしてエンタテインメントの質が求められる時代になってきます。素材や運転性能、電子通信の部品などの部分は、出来る限り低コストで共通化した部品をモジュール化することになります。モジュール化とは、全体構成や部品を新しく設計することを避け、消費者が要求する機能に対して適切なものを選び、組合せていく方法ということになります。
 例えば、中国市場では日本と同じようなペースで、高齢化が進んできました。シニアが好むものを提供することは、ビジネスとして自然なことです。シニアが好む習い事をいくつか挙げるなら、次のようなものになるでしょう。日常的に行うスポーツには、ゴルフ、ランニング、エアロビクス、水泳などが普及するでしょう。軽スポーツや健康維持には(釣り、登山、ハイキング、太極拳、ヨガ、ピラティスなどが行われます。ダンスでは、バレエ、社交ダンス、ジャズダンス、フラダンス、フラメンコ、べリーダンスなどに関心をもつシニアが増えるでしょう。音楽ではピアノ、バイオリン、チェロ、フルート、サキソフォーン、合唱などに参加する方が増えると考えられます。蛇足ですが、日本の中古のピアノは、中国に輸出されています。中国では、このピアノの需要が非常に高いのです。これらのコンテンツには、道具が付きものです。その道具には、素材や性能、電子部品、アプリ、デザイン、そしてエンタテインメントの要素が付加価値として付きまとうのです。素材や部品を出来る限り低コストで共通化し、アプリやデザイン、そしてエンターテインメントの部分に付加価値を付ける流れになります。
 中国市場では、様々に異なる消費者、市場の嗜好に合わせていくことが求められます。そのヒントに、中国人の好む「色」、「模様」、「文字」があるようです。中国人が好む「色」には、赤、黄色、紫があります。「模様」には、牡丹、椿、菊、蘭、竹、桂花、松、胡蝶、蝉、蝙蝠、蜂、鹿、豹、象、獅子、牛、麒麟、竜、孔雀、鳳凰、鶴などがあります。「文字には、福、寿、貴、慶、利、宝、豊、順、茂、発、財、昌、隆、和、泰、義、協、合となるようです。中国で高い人気を得てきた外国企業も、戦略変更も求められています。戦略の変更は、現地に溶け込むことが一つになります。その上で、商品やサービスの利便性や機能
21世紀の製造業は製品の待つ利便性や機能性、そしてエンタテインメント性を加味したものを供給していく企業が中国市場で生き残れるかもしれません。