永続する幸福を求めることは、世界中の人々の願いです。キリスト教やイスラム教を信じる人びとは天国を求めて、在世の生活の中で、神の栄光を高める行動を取ります。その具体例が立派な教会やモスクになるのかもしれません。宗教から離れて、個人の幸福を求める人達も増えています。その人達の中に、自分の経験が財産であり、その経験を情報として伝えたいと願う人がいます。ところが、その経験が完璧なものだと検証することが難しいのです。もし、確度の高い情報だけを集めることができれば、その中の情報を昇華して、より高次な情報を発信していくことができます。一般に、古典の中により確度の高い情報があるとされています。
そこで、より高次の情報を集める方法を考えてみました。ネット情報に頼ると、自分の好みに合った情報がまわりに集まる仕組みができています。知らず知らずに、特定の情報に囲まれ、その情報を使って新しいアイデアを作り出すことになります。でも、これでは不満なのです。特定の情報からは、特定のアイデアしか生まれません。できれば、特定の情報と異質の情報の中からアイデアをたくさん作りたいのです。人工知能は、人間のスキルを上回る分野を増やしています。コンビニやスーパーには、原因と結果をマニュアル化した販売システムがあります。このようなシステムは、人工頭脳が得意な分野になります。やればやるほど、精度を高くし、利益を上げる仕組みになります。そんな中で、人間は、人工知能が取って代わることができないスキルを磨く必要があります。その一つに、異質の情報を掛け合わせてアイデアを作る手法があるようです。そのアイデアの質を高める古典に匹敵する本は、どこにあるのでしょうか。その本を見つけることができれば、多くのアイデアを作る下地ができます。
良い情報を内包した本に巡り会いたい場合、不条理な理由で立場を追われた人の本が狙い目になります。国策逮捕で逮捕され、外務省から追われる立場になった佐藤優氏の本などは、多くの情報を提供してくれます。蛇足ですが、この逮捕は日本のインテリジェンスから見ると、多大な損失を伴ったようです。一般国民の感知しない水面下で、国家の危機や利益を守る仕事があります。その守る人達を全て陸の上に上げてしまえば、動くことのできない陸の上の「カッパ」になってしまいます。一方、そのおかげで、私たち一般市民は国際社会の深淵部を少し理解できる機会を得ました。
国策逮捕とかけて、不条理と解く、その心は情報の大判小判が続々