ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

企業統治を重視する世界の潮流  アイデア広場 その285 

2017-11-30 16:56:30 | 日記

 投資家の間に、環境や社会、そして企業統治を重視するESG投資が広がりを見せています。アジアやアフリカの農園や工場で問題になっている環境破壊や児童労働に対して、世界の消費者の目が厳しくなっているのです。事実が公になれば、企業のイメージは悪化し、株価の下落は確実になります。投資家も、環境問題や児童労働に細心の注意を払わざるを得ない状況に追い込まれているともいえます。ブラック企業の過酷な労働によって支えられるサービスは、決して持続可能なものではありません。サービスが有益であることは当然として、社会全体としてバランスが取れていることを証明する義務を企業は負っているのです。
 そこで、環境破壊を行う企業は、なぜ利益を上げているにもかかわらず厳しい目で見られてるのかを考えてみました。利益をあげる企業は、経済活動という面からみれば合理的な企業経営をしているはずです。なぜなのか。例えば、農薬による生態系の破壊を考えてみましょう。世界の食料生産の3分の1は、虫や動物の受粉に頼っています。ハチや小鳥の送粉共生による無償の協力で、世界の食糧生産は成り立っているのです。環境破壊によって、これらの担い手が受粉活動が出来なくなった時、誰がそのコストを負担するのでしょうか。人間も利益を得て、ハチや小鳥も利益を得るような生態系の存在が必要になるわけです。もしこの共生が消滅すれば、人類は取り返しのつかない損害を受けるのです。
 20世紀前半は、環境破壊が人類にどのような悪影響を及ぼすか半信半疑でした。でも、徐々にその影響は、大きな被害を広い範囲にもたらす事例が出てきました。対処方法も、人間の叡智で考え出されてきました。それまで情報を発信るところは、テレビ、新聞、雑誌、そしてラジオなどのマスメディアでした。今はそれらに加えて、ネットが大きな力を持つようになってきました。予報や予測の技術も、急速に進歩しています。IoTの技術などで、自然環境からいろいろなデータを取得できるようになりました。高度情報化社会では、専門家からだけではなく、一般の方からもSNSを通して多くの生の情報を得ることができるようになりました。異常はすぐに伝わり、その原因の探求や対処法もいち早くできる体制ができつつあります。人々は情報を共有し、事態を理解し、生態系を守り、ともに生産性を高める合理的手段を獲得するようになっています。
 企業の損益計算書は、経済指標のみが優先していた現実があります。そこに、環境面の配慮と社会面での配慮が加わるようになったのです。今や、原料の仕入れから、製品の製造、そして発送まで全体を把握することが可能です。その中で、経済合理性を貫きながら、環境破壊や長時間労働などが行われていないことが評価される時代になったわけです。ここで、再度提案です。企業は資源の節約をし、二酸化炭素の排出を削減し、人権の配慮をした経営を行っていくことになります。このような企業を認知して、この企業の商品を購入することが市民の叡智になります。このような企業に、優秀な人材が入社する社会的仕組みを作ることも大切です。企業は、入社した社員に経済合理性と環境負荷削減の重要性を教え、持続可能な生産を行っていくことになります。もちろん、利益に応じた税負担をし、地域に貢献することも大切です。ある会社が週に1回30分早めに退社させて、地元のボランティア活動に参加することを奨励しました。社員にボランティア活動をさせる「対投資効果」は、きわめて大きかったのです。会社での30分間の生産性を大幅に上回る効果を、会社と本人に、そして地域に与えたということです。


地方創生は民間が主役で行政は裏方に回る   アイデア広場 その284 

2017-11-29 17:02:02 | 日記

 民間と行政が上手に長所を生かしながら、豊かな生活を謳歌している地域も出てきています。少子高齢化をうれいて下流に流されていくだけでは、楽しい生活はできません。自分の役割や出番を待ち望んでいる人達は、数多くいるようです。でも、その場が用意されていません。高齢者を、朽ち果てていく存在とみるべきではありません。後期高齢者と呼ばれる年齢になっても、税金を払い、地域に貢献している人は多いのです。
 そこで、地域に住み、働いている人々がより豊かになる方策を考えてみました。その家の様子は、その家のトイレを見れば分かるといわれています。同じように、財布を見ても分かるようです。トイレのきれいな家は、家もよく手入れがされ、気持ちよい生活をしていることが経験上わかります。財布にカードや硬貨が山のようにある人は、整理ができない人とみなされます。見ただけで、低い評価が出されてしまいます。同じように、雑草が多く、ゴミ出しが不適切な街は、低い評価を得ることになります。ゴミの回収は、民間が請け負うことが多くなっています。行政の財政節約という面が強いようです。やり手の首長は、安い契約で事業を行わせようとします。でも、それだけでは良くなりません。安い契約で仕事をする業者は、従業員に給料が払えなくなってしまうからです。
 ゴミ回収業者も商売なのですから、営業活動が継続的にできる条件でなければ事業はできません。単に値切るのではなく、ゴミ業者にとって引き下げが可能な理由を作ることが大切です。合理的な仕組みを作り、改善点を明示し、コスト削減を行うことは、民間にとっても行政にとっても当たり前のことです。ゴミ回収ルートを効率的に設計し、回収時間もルール化し、カラス対策などは住民が行うなどの条件を付けることです。業者は、ルートと時間が決まり、そしてゴミの整理ができていれば、コスト削減の工夫がいくらでもできるようになります。人員の配置も、合理化できます。合理化した人員を、別の仕事に回すことも可能です。たとえば、自治体の車両を使用して、デイサービスや保育園の送迎、荷物の運搬などにフル活用するのです。ゴミ事業では、利益は減少します。でも、地域内の公的仕事が増加し、会社としては増益になるという仕組みです。人員を有効活用するのですから、増益になれば社員1人当たりの給与は増えます。地域の所得が増えれば、税収も自然に増えて、公共サービスは充実することになります。
 地域の活性化は、民間企業の活性化に尽きます。企業誘致よりも、地域にもともと立地する企業を伸ばすほうが、費用対効果は大きいのです。多くの地方自治体は、企業誘致に奔走しています。そこに、行政の人材や予算をつぎ込んでいるわけです。ある面では、効率の悪いことをしています。もう一つ、都市部の高齢者を地方の町村に移住させる施策があります。介護施設を目当ての移住促進であれば、無策といえます。現在のままでは、介護施設が地域に、利益をもたらしません。都市部の高齢者の移住を促進するなら、優秀な人材を勧誘することです。この地域には、このような人材、専門家、経験者の移住を求めていると条件を明示するのです。仕事の内容、給与、居住環境を明示します。退職し、自分のやって見たいことがあり、それが求められているものならば、能力高い意欲を持った人材がやってくるかもしれません。外部からの人材に求めることは、稼ぐ力です。理念も大切です。でも、まず利益を出すことが最初です。多くの地方の町村には、高度成長時代に借金や税金で土地や建物が購入されてきました。今その物件は、金食い虫になっています。その土地や建物が、能力のある人材の投入によって、地域の新たな稼ぎ頭になってもらってはどうでしょうか。能力を試してみたい高齢者は、爪を研いで待っていますよ。

キャリアウーマンの仕事術  アイデア広場 その283

2017-11-28 17:55:40 | 日記
 今や「美」が、努力なしに作れないことを多く女性は知っています。「美」に対する感性が、向上しているのです。服装に全く構わない人を見ると、外見だけでなく人格まで判断する傾向も出てきています。ニューヨークのキャリアウーマンは、新しい感性を持った高所得者層に分類されています。ニューヨークの市場も、彼女たちの要望に応える仕組みが、うらやましいほど整っています。
 そこで、キャリアウーマンの服装を通して彼女たちの行動様式を眺めて見ました。彼女がデパートの担当者に、予算を伝えると専用の部屋に服やバック、そしてアクセサリーが集められます。キャリアウーマンの担当者が、職業、髪の色、目の色、体型など考慮して準備するのです。もちろん、顧客の購入した服装の記録は残っています。昨年買った商品に合わせやすい服や小物も選んでおくわけです。キャリアウーマンは予約した時間にデパートの部屋に行き、30分でワンシーズンのワードローブが全て揃ってしまうという仕組みです。服装から、あらゆることを読み取る感性が、社会には備わってきているようです。戦う女性も、一定のセンスを表現することが求められています。ダサイという評価は避け、一定のレベルを超えた服装にしているようです。余談ですが、日本においても、高級服の上手な売り手はこの手法を使っています。上手な売り手は、高級服の購入者に以前の服装に合った最新の服装情報を伝えているようです。そこで利益を上げています。儲かっている情報は、流れてきません。利益を享受している部署は、沈黙が金のようです。
 衣服は、特定の時代における信頼を得るために必要なアイテムになります。模倣によって個人の選択という「わずらわしさ」から解放されます。同じような服装をするという模倣は、「私はあなたたちのグループに所属していますよ」という意思表示でもあります。この意思表示が、メモと予算を渡すだけで完了するのです。メモを見た担当者が気の利いた服装を考え、小物まで用意しておいてくれます。服装に気遣う時間を、職場をハッピーにする仕事に回しているのです。キャリアウーマンは、生産性を高め、実績を上げることが求められます。業績を高める職場にするためには、いくつかの配慮も必要になるようです。ここでも、デパートの専門職の役割が重宝がられます。メモを渡すと、家族や友人、そして会社の同僚から部下に至るまでのクリスマスのプレゼントを準備します。上司と部下の円滑な関係は、欠勤を減らし、生産性を向上させることになります。
 キャリアウーマンのような高所得者層への販売戦略は、周到に準備されていることに驚きを感じます。また、それを空気のように使いこなす高所得者層の合理性にも感心します。ただひたすら働き、時間を無駄にしない彼女たちという先入観が消えていきます。流行をある程度意識し、仕事も人一倍成し遂げる姿が浮かび上がります。一方で、それを支える専門職の存在も見て取れました。富裕層の目的を達成するお助けマンが、多数存在しているのです。アメリカが三次産業の生産性を高めている理由が、垣間見えたようです。仕事に集中できるシステムが、市場に繰り込まれていることが分かります。

シニアの好奇心は果てしなく広がる アイデア広場 その282  

2017-11-27 17:52:03 | 日記

 各地の食べ物や歴史を探るテレビ番組が、シニアの人気を集めています。新しい発見に、心が揺さぶられるとき、来て良かったという気持ちになります。私事ですが、石仏や100名城巡り、そして西国三十三観音巡りをしていた時期があります。最初は、観音巡りで壺阪寺を訪れました。涅槃の姿が印象に残っています。次に訪れた時は、奥の院にあたる五百羅漢を見るためでした。最初から、一緒に見ていればという後悔が起こりました。3回目は、近くにある高取城を見に行ったときです。全て、壺坂阪寺を基地にして、移動をしたのです。若いときであれば、3つを一気に歩いて見られたと思います。シニアになり、好奇心と知識は増えました。でも、体の衰えは隠せないようです。
 そこで、シニアが憂いのない好奇心の探求方法を考えてみました。今のシニアには、知的好奇心も金銭的余裕も備えています。豪華寝台車は、シニアのリピーターの独占状態です。ななつ星などは、値上げをしても値上げをしても、20倍以上の予約で埋まっています。豪華寝台車は、JR九州だけでなく、JR東日本やJR西日本でも人気シリーズです。これを支えるのは、シニアです。今までに経験をしてこなかったことに、貪欲にいどもうとしているわけです。豪華寝台列車は、この要望に応えるように多くのアイデアを提供しながら、運営されています。地域の隠れた資源を見いだし、レアな体験を提供しているともいえます。そのレアなサービスが、お金にでは換えがたい満足を与えているわけです。最も、満足は高価なサービスの中だけではなく、シンプルの中にも存在します。
 以前、若狭湾の三方五湖を中心にドライブをしたことがあります。ここには、縄文遺跡では有名な鳥浜貝塚がありました。現在は縄文ロマンパークに衣替えをしています。縄文遺跡としては、一級の史跡です。2~3度お伺いしましたが、訪れるごとに知見が深まり、好奇心が拡散していった遺跡でした。三内丸山遺跡や北海道の巨大な遺跡が明らかになる前に、この周辺の遺跡には、その原型がありました。話は大きくそれました。小浜の海岸に沿って多くの民宿があります。これらの民宿は、三方五湖の外海に広がる若狭湾で養殖されたトラフグを冬場に提供しています。もちろん、名物の越前ガニも喜んで食してもらっています。関西方面の食通は、顧客としてリピーターになっています。1997年以前は、ロシアさんのカニを出していたようです。でも、越前町漁協は、地元産だけをブランドとすることにしました。そして、地元にたいし優先して魚介類を卸しているのです。
 無理をして、市場に出してよその産地と競争しても、利益がでないことが分かったのです。フグにしても越前ガニしても、大きく育て、美味しいものを地元で提供した方が喜んでもらえ、利益が出ることに気がついたのです。フグやカニを遠方に送ることは、輸送による品質の低下をもたらします。美味しいモノを食べたい好奇心の強い人に来てもらった方が、鮮度の良い、美味しいモノを安く提供できるわけです。ただし、その味覚を求める労力をおしまない、時間に余裕があり、好奇心が強く、こだわりを持つシニアの存在が必要です。余暇時間を有効に使おうとするシニアが益々増えるので、好奇心の未来は安泰です。

日本の余剰製油所をアジアの国々が有効利用する アイデア広場 その281 

2017-11-26 17:46:06 | 日記

 日本の製油所は、新興国の大規模製油所に比べ、規模の経済効率の点で遅れを取っています。新興国に押されて、余剰施設を廃棄せざる得ない状況に追い込まれているのが実情です。日本国内全体の石油製品の需要が、減少しています。製油所の生産も減少し、余剰設備も縮小することは、経済の原理にかなうことです。石油精製業などの装置産業は、一定の規模の生産を継続しなければ、経営的に打撃を受け続けることになります。赤字を垂れ流すことになるわけです。
 そこで、日本の石油精製業の継続的生産を行う仕組みを考えてみました。中国をはじめとするアジアの新興国では、石油製品の需要が確実に増加しています。石油製品の需要が増加している地域では、石油製品の自給率が低下するのです。つまり、輸入が増えるわけです。石油は、石油精製工場でいくつかのいくつかの製品に作られていきます。ガソリン、ナフサ、軽油、灯油などです。ナフサは、さらにエチレンやプロピレンなどの化学工業の原料に加工されていきます。さらに、そこから私たちに直接関係するペットボトルや衣料品が生産されることになります。夏の暑い日には、ジュースやコーラなどの飲料水が売られます。天候により生産量を上げたり下げたりするたびに、プラスティック工場は稼働率を適時変えながら対処していくことになります。在庫を作り過ぎないことや製品の供給を切らさないことが、至上命令になっています。
 新興国の石油精製工場は、日本より規模が大きいものです。ただ、全てを揃えることが困難な場合もあります。例えば、中国のガソリンは硫黄分が多量に含まれています。粗悪なガソリンです。これが大気汚染の原因になっています。中国政府は、環境汚染対策に本格的に乗りだしています。環境規制の強化を打ち出し、汚染物質の排出に総量規制を導入しました。規制に対応できない現地企業が、多数でてきています。生産を減らす状況が、生まれているのです。アリババ集団は、中国の消費市場が2021年に約680兆円になり、日本は370兆円になると予測しています。中国は日本の2倍近くになるわけです。数字は、ともかく中国の成長は、確実でしょう。世帯収入が月20万円を超える層は、2016年に比べて倍の1億世帯に達するという予測も出ています。月20万円を得る中間層は、より品質が高い商品を選ぶようになります。外見にお金をかける男性や、環境に優しい商品を選ぶ人など、従来にはない需要が高まることになります。
 日本の石油業界は、長年続いた国内限定の消費地精製方式を変えることを求められています。空いている石油精製装置を、新興国で必要とする企業に利用してもらうのです。硫黄分の多いガソリンを使用している地域で、喘息患者が多くなれば、地方政府も対策を打たなければなりません。硫黄分のないガソリンを義務づけることは、人民に喜ばれることでしょう。日本には、硫黄を除去できる余剰の石油精製装置があります。これを貸し出しても良いでしょう。環境に優しい石油製品のノウハウを、中国の方に身につけてもらうのです。空いている資源を使うことは、お互いにウインウインの関係になります。

自転車のシェアサービスはビックデータの宝庫だ アイデア広場 その280 

2017-11-25 17:02:47 | 日記


 従来、自転車は新しく買わないと使えませんでした。でも、自転車がリースやレンタルで、利用する仕組みが急速に進んでいます。その最先端の企業に、中国の「モバイク」があります。中国国内の会員数が2億人を超え、170都市で700万台の自転車を運用しているのです。日本でも、セブンイレブンが立地のよさを生かして、自転車のシェアサービスの参入を決めています。2018年度までに1,000店に5,000台配置する予定です。同サービスは、中国勢が先行しています。でも、コンビニの利便性を活かして全国展開していければ、私たちの身近な乗り物として良いビジネスになるでしょう。
 そこで、自転車のシェアビジネスの可能性を考えてみました。モバイクは、全ての自転車にGPS(全地球測位システム)と通信用のSIMカードを搭載しています。スマホの操作一つでカギを外して乗ることができます。目的地に着けば、スマホで自動決済できるようにしてあります。利用料金は、30分間1元(約17円)と手ごろな値段です。必要な時に必要な分だけ自転車を使え、盗まれる心配もありません。手頃な料金と利便性を兼ね備えていることが、消費者に受け入れられた要因でしょう。さらに、これにエコのコンセプトが加わると、利用者の自尊心は満足度を高めます。700万台の自転車は、ガソリンの消費量を減らしています。運動量を増やして、中国で問題になっている肥満解消にも役立っています。環境に優しく健康に良いビジネスが、利用者に満足感を与えているのです。
 新たなサービスには、新たな工夫が求められます。利用する側とサービスを提供する両者が、最適に使い続ける仕組みが必要になるわけです。何十年か前、北京や上海の大通りを雲霞のように走る自転車は、中国経済の貧しさの象徴でした。でも、今レンタサイクルで走る姿は、エコ意識の高さとして認知されるのです。利用者の満足度を高める仕組みは、今の時代を先取りしたものです。光があれば、闇もあるのが新しいビジネスです。人々の生活や社会を変えるようなインパクトのあるビジネスが出現する時には、摩擦や問題は必ず起きるようです。南京市でも45万台が配置されています。ここでは、自転車の無秩な放置に悩まされる状況が生まれています。さらには自転車を改造してお金を払わすずに利用する人もいるようです。
 まずはやってみて問題が起きたら対処するという方式が、中国式かもしれません。700万台の自転車の利用回数は、1日2,500万件になります。ここから送られてくる利用者のデータは、利用者の移動経路など毎日、20テラバイトものデータが集まってくるのです。誰がいつ乗り、どこを通り、どこで降りたのかが分かるのです。雨の日は、晴れた日は、気温の低い日はなどのデータは、ビックデータの出番になります。ビックデータの得意技は、予測、絞り込み、見える化です。スマホを介した有機的データを、ビックデータで分析できるのです。もし、スマホを通して消費行動が把握されるとすると、まさに宝の山になってしまいます。自転車が脇役のように見えてきました。セブンイレブンがシェアサービスを始める狙いは、このデータの収集なのかと思うのは私だけでしょうか。自転車を使う方の消費行動は、「見える化」で筒抜けになります。満足と利便性を提供しながら。確度の高い有機的データを駆使すれば、多くの有用な予測や絞り込み、そして見える化が可能になります。それをいち早く使いこなす企業が、新しいビジネスの機先を制することになります。

転換期の農業を克服する人々 アイデア広場 その279 

2017-11-24 17:35:12 | 日記

 農産物の国内生産は、8兆円程度です。その8兆円の農産物が、加工され、飲食業を経ると80兆円の産業になっています。単純に考えると、農家が農作物の加工と販売、そして飲食業の6次化を行えば、10倍の収入を得ることが可能になるということです。可能性が、必ずしも実現するとは限りません。農産物の加工食品を、全て加工から流通まで自前で行うにはリスクが伴います。実現を目指すには、葛藤もあります。
 そこで、実現に近づいている人達の様子を探ってみました。西欧の中世では、ブタが広葉樹林で放し飼いにされていました。ブタは、森のドングリなどを食べて育っていたのです。新大陸からジャガイモがもたらされ、ブタの餌になることがわかりました。豚の増産が可能になったのです。豚が増えれば、その排泄物を肥料として利用できます。土地の生産性が上がり、酪農とか混合農業の出現することになったわけです。一つの転機が、それまでの農業形態を変えていったのです。日本に、このような転機があるのでしょうか。私は、農業の意識改革が転機になると考えています。
 道の駅の直売が、脚光をあびています。でも、玉石混交の様子が見られます。品揃えの不備や経営の甘さから、赤字の店舗が増えている現状もあります。上手く運営している道の駅は、同じレベルの鮮度と品質を維持しながら、品切れを起こさない工夫をしています。売れれば、仕事は面白くなります。ジャガイモやキャベツなどの畑作農家は農協や流通業の言われるままに作れば、営業努力なしでも売れる仕組みになっています。でも、この仕組みでは自分の商品という意識が育ちにくいことも事実です。自分で値札を付けて売るという意識を持てば、おのずと効率や品質管理を考えるようになります。
 これからの農家は生産者であると同時に、経営者としてすぐれた手腕を発揮することが求められます。北海道では、秋なると早生の品種から順番に新ジャガイモの収穫が始まります。それを貯蔵し、本州に冬から春にかけて販売していきます。課題は、いかに長くジャガイモの貯蔵性を高めるかということです。貯蔵の効くジャガイモならば、長期間にわたって、値ごろ感のある時に市場に出荷できます。カルシウムを多く含んだ、ジャガイモは貯蔵性が高くなることはよく知られています。貯蔵性を高めるカルシウムをどう上手く、ジャガイモに吸収させるかという工夫を追究することも楽しいことでしょう。このような工夫に挑戦している農家の人達も、現れているようです。
 北海道のジャガイモ農家は、ジャガイモ、小麦、豆類、テンサイを毎年順番に輪作をする傾向があります。同じ畑で同じ作物を作ると、土の中に特有の病原菌が増えて病気がでやすくなるのです。でも、近年は小麦やテンサイも、採算が取れないのです。利益が少ない作物にこだわるのは、経営的に得策ではありません。カボチャやニンジンに切り替えるて、利益を上げる経営に変えているようです。ジャガイモ、豆類、カボチャ、ニンジンを組み合わせた4年輪作を行い利益を追究する農家も増えています。
利益を上げ、離農家の土地を買い取り、営農地を増やしていきます。ある農家は、新しく手に入れた5㏊の畑に2~3年間は毎年300トンの堆肥を入れていきます。毎年畑ごとに土壌診断をして、土の情報を集め作物に必要な肥料成分を配合します。冬の間、出荷や機械類の整備、翌年の作付け計画や畑ごとの施肥の計画を行うのです。肥料を必要な成分ごとに購入し、それぞれの畑ごとに適した肥料を配合して施すわけです。貯蔵性の優れたジャガイモを、このような肥料の配合を行いながら検証していくことになります。目的を持った農作物を作るために土壌や肥料の配分を考え、稼げる農作物作りに挑戦している人々がいるのです。羨ましいかぎりです。
 最後にロマンを少し。インシュリンの成分を含んだジャガイモも開発中する人達もいます。もし、可能になれば、糖尿病の方には福音でしょう。抗酸化物の多い野菜やインシュリンの多いジャガイモなど栽培ができるようになれば、医食同源の理想に接近することが可能になるかもしれません。



ビックサイズの服装からマイノリティを考える  アイデア広場 その278 

2017-11-23 16:48:59 | 日記


 普通の売り場に置かれている衣服は、9号をメインに7号から11号までです。11号を超えるサイズは、ビックサイズになります。普通サイズの選択肢とビックサイズの選択肢は、9対1以上の差になるのです。ビックサイズの人口が少ない日本では、このサイズがマイノリティの衣服になるわけです。時代は、マイノリティに配慮する時代になりつつあります。ビックサイズの人たちを、ターゲットにする販売戦略が起きることになるわけです。
 そこで、ビッグサイズの服装からマイノリティについて考えてみました。大きな体格の方には、着られる服が少ないという悩みがあります。服装の基本として、清潔感に心がけることが現代では求められます。一定数の衣服を持つと同時に、気に入った服も必要になります。ファッション誌は、ギャルやアラフォーにターゲットを絞り込んでいます。この雑誌は、対象とする読者層を細分化していきました。細分化することにより、ターゲット層の服装やメイクなどの情報を編集しやすくなりました。でも、大きな体格の人は、雑誌の対象にならなかったのです。比較対象の負の意味での対象になったのです。体格の良さを活かした方向での情報発信をする雑誌が、今現在求められています。
 服を着る人と、時代背景がマッチしたときに、美しさや輝きを増すことはよく知られています。傾国の美女といわれた楊貴妃は、現代から見ると「ふくよか」過ぎていたように見えます。時代による好みがあるのでしょう。着るだけのビッグサイズから抜け出して、お洒落なビッグサイズや個性派ビッグサイズの評価を確立する時期になっているようです。普通の人が身につければ、着負けしそうなアイテムも、ビッグサイズだから着こなせることも多々あります。ファッショの広がりや深化という面で、大きな可能性を持っています。
 肥満に対する極端な拒否の姿勢は、潔癖症という病的欲望に陥った日本人の負の側面でした。おかげで、日本の若い女性は、一時健康を損ないました。痩せ願望で、貧血や骨粗しょう症などになる女性が増えたのです。人々は美しくなりたいと願います。人とは違う自分を表現しようとします。レアな自分を求めるわけです。その流れの中に、両性志向を求めたり、中性化志向を求めたりする風潮が生まれました。この風潮に、アンチエイジングが加わり、いつまでも若くありたいという願望が生まれています。
 ビッグサイズの方達は、潔癖症という虚偽の風潮に流されることはありませんでした。健康のために一次欲求に基づいて食事をし、身体を形成しています。人間らしい生き方を貫いていたわけです。その生き方そのものが、自己表現することになります。生き方プラス服装が、素敵な身のこなしになれば最高の自己実現です。ところが、20世紀以降、ビッグサイズの服装についての知見が貧弱なまま推移してきました。それを挽回するように、マイノリティの存在意義やその価値観などの理論構築は、徐々に進んできました。その理論をビッグサイズのファッションに応用しては、どうでしょうか。新しいファッションが生まれる可能性があります。多様化と健全化の両方を受け入れる社会の構築です。ビッグサイズに、優しい社会とはどんなものになるか、見守りたいものです。

福島県の学力向上策を考える  「ふくしま」を少し良くするアイデア その41

2017-11-22 17:31:55 | 日記
 小学生より中学生の方が、将来に対する希望が小さくなっているのではないか。学年が進むにつれて、積極的に授業に参加する行動が減少しているのではないか。日本の子どもは勉強ができるけど、勉強が嫌いだという子が急増しているのではないか。これらの話題は、多くのマスコミで取り上げられています。でも、実証されたわけではありません。これらの問題が、起こっている学校もあれば起こらない学校もあるからです。学習指導要領は、確実な学習内容の習得のために、授業時間を増やしました。小学1年生850時間、2年生910時間、3年生945時間、4年生980時間です。これらの時間を学習して、目標に到達するわけです。
 そこで、福島県はどのような到達状況になっているのか、それをさらに向上させるためにはどうすればよいのかを考えてみました。「全国学力テスト」は、子どもたちの学習状況を把握するため、文部科学省が小学6年生と中学3年生を対象実施しているものです。文科省は、2014年度から市町村教委による学校別の成績公表を認めました。福島県の各市町村の学力状況が把握できるようになったわけです。文科省は、過度な競争をあおらないようにと配慮しています。小数点第一位を四捨五入して、整数値で公表しているのです。でも、福島県は独自に小数点第一位まで計算し公表しています。結果は、国語がおおむね全国のレベルより上で、数学が少し下という結果です。残念なことは、中学校の数学が全国学力学テスト開始以来、全国平均を上回ったことがないことでしょうか。福島の学校教育は、数学に弱点があるのかもしれません。もちろん、対策も行っています。現職教諭の中で指導力が優れている「コアティーチャー」を各小中学校に派遣して、学力向上につなげる事業を行っているのです。この成果が、全国との学力差を改善することに、つながってきたといわれています。
 このままの指導体制をとっても、学力は向上するでしょう。でも、今回は既存の資源を使った学力向上を提案します。日本はOECDの先進国で教育費が非常に少ない国といわれています。でも、家計に占める教育費は、非常に多いのです。つまり、政府や市町村の教育予算は少ないのですが、それを各家庭が補っているわけです。総額では、もちろん日本の子供一人当たりの教育費は世界の上位に入ります。いわるゆる塾やネットを使ったエドテックなどに、家庭の教育費が使われているのです。
 学校と塾、そしてエドテックの3者が、協力して子供たちの学力を高める仕組みを作ってほしいのです。3者がバラバラにやっていれば、重複の無駄が出ます。遅れている子には丁寧にわかるまで教えます。このことは、丁寧に教えるのが上手な先生や塾にお願いすることになるでしょう。進んでいる子には、より高度な学習を提供する仕組みを作るります。子供たちの中で、教えたり教わったりする仕組みが自然にできれば、福島の学力向上は確実なものになるでしょう。公と民がスクラムを組んで、学力向上を目指して欲しいものです。

人を大切にする懐の深い地域  アイデア広場 その277  

2017-11-22 15:26:13 | 日記

 生まれてから亡くなるまで、昔50年が今は100年といわれる時代になりました。統計的には、日本人は3組に1組が離婚しています。長い一生を考えていくと、一人親の世帯や親一人子一人の世帯を、地域も考えざるを得なくなります。子育てを重視する地域が、活力のある街をつくり出していると言われるようになりました。子育てを地域で行い、地域の生産力を高める自治体が理想とされるのでしょう。この理想の自治体は、いろいろな引き出しを持つ、懐の深い地域でもあるのです。
 そこで、一人一人の住民をを大切にする地域の特徴を調べてみました。地域に大学や病院が建てば、学生や看護師などの医療関係者をターゲットにした貸しアパートが建つようになります。若い働く人が集まれば、結婚生活に入る人も出てきます。性格が合っていつまでも生活をする人がいる一方、合わずに離れていく人もいます。どのような状況になっても、生活は営まれていきます。母親が幸福ならば、子どもも幸福でになるようです。子どもを育てる家庭は、地域に良く根付いています。子育てを重視する地域は、母親が意欲的に活発に働ける地域でもあります。
 意欲を持って活発に活動できるようになるためには、地域に一定の仕組みができています。母親が意欲を持って働く姿を見て、子どもが幸せになります。子どもの脳は、「快」状態になり、行動を助長する回路が形成されます。子どもが接触する場所は、学校であり、子ども達の遊び場であり、大人と接触する場であり、図書館や公民館です。これらの出会いの場が有機的に作用し合って、子ども達に良い影響を与える地域は懐が深いといえます。サッカーの経験者が、子ども達にサッカーを教えている地域があります。正規のサッカー場ではないのですが、遊び場で週に2回程度ゲームを楽しみます。大人と子どもの関係ができます。1年とか2年と続いていくと、子ども達の中に上下関係ができます。5年~6年と続くと地域の子ども達の多くが、上下の関係ができます。当然のように、中心的指導者を助けるコーチも出てきます。雨の日は、サッカーができません。図書館や公民館で本を読んだり、工作などをしながら過ごします。その時も、随時教えてくれる大人がいて、子ども達の才能は広がり、技能は高まります。
 地域には、人々の多様な能力を伸ばす「引き出し」が求められます。子ども達が、公民館でたむろしています。勉強と称して、集まっているわけです。そこで、気の利いた上級生が、問題が解けなくて困っている下級生にヒントを出している光景などは、ほほえましいものです。サッカーなどで培われた仲間意識が、下地にあります。地震をリスクと考えるべきではありません。地震は、起きるという前提で考え、次の行動を予測しておくことです。地震は、地域に損失をもたらします。と同時に、住宅の建設や雇用を生み出す機会と捉えることもできます。地域は、多くの引き出しを用意しておくことです。子どもも、母親も、高齢者もそれぞれの立場で、無理なく引き出しを利用できる仕組みを作ることです。こんな地域が、懐の深いといえるのでしょうか。