ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

優雅な時間貴族・高齢者・モバイル機器に習熟   アイデア三題噺 129

2018-10-07 21:47:51 | 日記
 
 現代の社会で求められているものは、ちょっと人と異なる発想を持つということのようです。人と同じことを考える頭脳は、これから相対的に重要度が低くなります。人と異なる発想やアイデアを出すためには、情報を少し加工する知恵を身につけることです。同じ内容の仕事を、2人が同じようにしている限り付加価値はつきません。例えば、淡水魚の鯉を、ブラジルから空輸で日本に輸入する仕事があります。この鯉が輸送中に一定の割合で死んでしまうケースがありました。一人は、一定の損失を考慮して発注していました。もう一人は、鯉の空輸の際、水槽にピラニアを入れておく手法を取り入れました。すると、鯉の生存率が高くなり、利益が増える結果になりました。頭の中で、ひと手間かけると有用な情報が加工されて出てきます。一般にストレスは、悪だという考え方があります。しかし、ストレス理論を知っている方は、ストレスがある場合、生きる力を増大させることも理解しています。ピラニアは鯉にストレスを与え、空輸の間は生きのびる力に変えていたわけです。
 そこで、人と異なる発想やアイデアを出し続ける方法を考えてみました。多くの情報が、常に流れています。刻々と流れる情報は、増大しながらなおかつ速度を上げながら流れる社会になっています。今までは、日本という限られた地域の情報だけでした。でも、今は世界中から情報が流れてきます。以前は、語学ができなければ理解できなかった情報が、翻訳アプリを使うとある程度分かるようになっています。言葉も映像も、ほぼ自由に読んだり見たりすることができるようになっているのです。そこには、他人とは関心の異なる情報が無数に存在し、その組合せは無限大になるほどです。これらの情報には、誰でもがアクセスすることが可能になっています。
 ただし、アクセスするには、時間が必要です。この時間の確保が、なかなか難しいのです。そんな中で、自由に時間を使える人達が時間貴族と呼ばれています。この貴族の大部分は、高齢者層になります。自由な時間の確保に苦労し、努力する現役の社員層に対して、高齢者層は時間貴族と呼ばれているわけです。高齢者層は、多くの経験の蓄積があります。ここに異質の情報をインプットすれば、異質の発想やアイデアが出てくることは容易に想像できます。もう一つは、情報機器の使い方です。高齢者は、最新の情報機器の使い方に不慣れです。もし、時間貴族がモバイル機器を使いこなすことができれば、有力なアイデア製造機になります。
 アイデアを作りだすことは、楽しいものです。楽しければ、脳はドーパミンを放出します。この物質が出てくれば、やる気が出てきます。時間貴族が、モバイル機器の操作に習熟し、情報を自由に操作するようになれば、楽しい時間を過ごすことができるようになります。楽しい時間を多くの人が過ごせるようになることが、社会を豊かにすることにもなります。高齢化社会の生産性の向上は、時間貴族の双肩にかかっているのかもしれません。


復興は・少し遅れた方が・良い  アイデア三題噺 128

2018-10-07 21:41:37 | 日記

 復興とかけて、少し遅れた方が良いと解く。その心は最適解が求められます。2018年は、災害の多い年となりました。でも、災害は毎年起きているのです。1000人以上の死者が出る災害は、12年に1度起きているといわれています。その起きる災害で、徐々に明らかになってきたことがあります。災害の復旧が早ければ早いほど、工賃や資材が高騰していることです。考えてみれば、これも当たり前のことです。
 そこで、工賃や資材の高騰が起きる理由とその解消法を考えてみました。全国には、建設業者が45万社もあります。その90%が、売上げが6億円以下の建設業なのです。ほとんどの建設業者は、高齢の社長と社員が5~6人の年配社員から構成されています。この業界で顕著なことは、他の産業に比べて、55歳以上の割合が非常に高いという特徴があることです。建築業者は、熟練作業員の大半が定年を迎えようとしているわけです。29歳以下の就業者の割合は、10%を切っているのです。この高齢者の方達に、復興作業を急がせたらどうなるでしょうか。厳しい復興作業に、ついて行けない作業員も出てきます。それでも急がせれば、高い工賃という流れになります。資材が不足すれば、需要と供給の関係で値上がりすることが、当然の経済原理になります。
 コマツには、優れたコムトラックスというシステムがあります。IoTの原型を作ったシステムでもあります。コムトラックスは、どの機械がどこにあり、どの機械のエンジンが動いているかが、遠隔地から分かるようになっています。この見える化によって、燃料の残量、稼動時間のデータなどが、本社でわかる仕組みです。稼動時間が分かれば、部品の消耗度合も分かります。交換部品の取り替えの時期には、機械が稼動する近くの営業所に準備すれば、建設機械は渋滞なく稼働することができるというものです。この仕組みを構築した理由は、全体の最適解を求めることにありました。コマツ建機は優秀です。作業を素早く行います。でも、作業で掘り出した土砂を運ぶダンプの手配が遅れれば、どんなに素早く土砂を掘っても、現場の生産性はあがりません。コマツは、建機の製造、販売、修理、そして、工事そのものの最適解を求めるビジネスへと徐々にシフトを移していったのです。
 災害は、地震や台風の特徴により千差万別です。その復旧も、優先順位の取捨選択の過程があります。復旧が、災害前より良い環境に変わっていることが望ましいと誰もが考えます。以前に課題があったとすれば、その課題を克服するような復旧が望ましいものになります。速い復旧は、窮地に陥った人間の求めるものです。でも、ちょっと一息おいて、地域のより良いインフラをみんなで考える時間も必要かもしれません。東日本大震災の復興費は、20兆円を越えたといわれています。でも、住民にとって良いインフラだったかというと疑問もあります。こうすれば、もっと良かったという点が、今考えると次々と出てきています。でも、一度決まったことは、行政が淡々とこなしていきます。いらない施設もあるようです。必要な施設を、少し考えて地域に残したいものです。

凍ったチョコ・人間の味覚・糖尿病の減少  アイデア三題噺 127

2018-10-07 21:37:53 | 日記

チョコレートの香りは、甘い香りがします。本物のチョコレートは、凍らせると香りがしなくなるのです。でも、私たちが食べるアイスのチョコレートは、チョコレートの香りがします。合成したチョコレートの香りが、パッケージを開けると広がるように工夫したものなのです。アイスクリームを食べる方は、合成したチョコレートの香りをアイスクリームから出ているものだと勘違いしているわけです。地球上には、4億2500万人の糖尿病患者がいます。日本には、1000万人の糖尿病患者がいるのです。できるだけ、患者数を少なくしたいものです。
 そこで、香りや冷凍という手法でカロリー制限を実現する仕組みを考えてみました。挽き立てのコーヒーの香りは、コーヒー好きには好ましい匂いになります。缶コーヒーなどでは、コーヒーの香りを楽しみながら味わうことができないことになっているのです。カンやボトルでは、匂いを嗅ぐことと飲むことは同時にできない人間の形態的限界があります。でも、カンの上部空間にさまざまなアロマ物質を注入する企業もあります。コーヒーの香りではなく、人工的アロマの匂いとコーヒーを同時に味わっていることになります。人間の味覚は、ある程度「騙し」が可能ということです。味を感じる味蕾は、低温では活動が低下して、甘さを感じなくなります。でも、匂いは感じ続けることになります。カロリー制限の手法は、この低温における味覚と臭覚を利用した工夫にあるようです。
 食品会社はアイスクリームの甘さを引き立てるために、バニラのフレーバーを添加することが一般的です。低温ではバニラアイスクリームの味覚が感じなくなるので、それをフレーバーの匂いでカバーするわけです。製品そのものよりもパッケージに香りを付けたほうが、バニラアイスクリームの体験が向上するとしているわけです。味覚とは別の臭覚や視覚、そして聴覚を用いて、砂糖の摂取量を抑えることができないかと、各国の保健機関は工夫しています。砂糖の摂取量が低下すれば、糖尿病は減少します。余談ですが、知覚という点で、味覚はそれほど重要ではないことが分かってきました。世界トップクラスのシェフは、食は基本的に脳の活動だということに気づいてきました。その脳を満足させる手法を、料理に取り入れてきました。フランス料理は、以前トリフやキャビアなどの食材にこだわりました。でも、今は料理に見栄え、ゲストの心理状況を見ながら料理を出す工夫をしています。
 これから糖尿病が増える国は、中国やインドを初め、経済力を付けてくる新興国です。これらの国々が健全な発展をするためには、生活習慣病のまん延を防ぐことが求められています。その中でも、糖尿病は最優先になるでしょう。知らないうちに、心身がおかされていくのです。そのような状況の中で、匂いで砂糖の摂取を軽減できるお菓子や食材ができれば、素晴らしいことです。できるだけ早く開発して貰いたいものです。蛇足ですが、人間は本物を好みます。できれば、植物などから抽出した本当の物質で作ってほしいものです。