ティッシュの特売回数が、少なくなっています。特売にかかりやすい低価格ブランドティッシュが、1年前に比べ2割弱上昇しているのです。仕入れ価格の上昇を受けて、スーパーやドラックストアが利幅を削ってまで安売りする状況ではなくなりました。以前、ティッシュペーパーは、洗剤おむつと並んで三白商品と言われていました。これらは、特売の目玉にされることが多かったのです。でも、洗剤はコンパクト化により、おむつは通気性などの高機能化により、安売り商品から撤退していきました。今また、ティッシュも特売商品から抜け出しているようです。
ティッシュの輸入ソフトパックは、店頭価格が200円程度で好調です。外箱がなくフイルムで包装したソフトパックと呼ばれるティッシュが、存在感を増しています。販売が好調になった背景には、箱入りティッシュの値上がりがあります。箱入りのティッシュの品薄感は、2019年11月頃まで続いていました。ソフトパックは、以前からありました。でも、型崩れしやすいという理由で販売が伸びなかったのです。ところが、ティッシュは値上げの状況が続いたために、割安感が出てきました。安いために、その利便性を工夫する愛好家が生まれました。徐々に評価を上げて、ティッシュ全体に占めるシエアが約1割にまで高っています。
ティッシュを取り巻く環境は、この1年半で激変しています。1994年以降は、200円前後で推移します。ところが、家庭紙最大手の大王製紙は、2019年6月出荷ぶんから10%以上の値上げをしました。家庭紙の他社も、これに追随したのです。現在は、箱入り5箱パック入りの代理店卸値は現在285円から350円になってきました。各社が、消費税10%増税前の駆け込み需要も見据えて備えていました。さらに、悪い言ことが起きました。2018年から2019年にかけて、国内製紙各社でティッシュの生産設備にトラブルが続出したのです。ある意味で日本の製紙会社の施設は、老巧化しています。無理な生産は難しい面があるようです。そして、決定的な理由は、物流コストの高騰です。国内製紙各社が、物流コストの上昇により値上げに踏み切っているのです。
ティッシュは、製品単価が安いため隙間なく積み込まなければなりません。隙間なく積み込まなければ、輸送効率が上がらないのです。人手で荷物を積み降ろす作業が求められるために、ドライバーにとっては重労働になっていました。この一年で、全産業の物流費は2割から3割上がっています。売上高に占める物流費は、洗剤など日用品雑貨で3~4%になります。化粧品は、2%前後に止まっていますが、ティッシュなどの家庭用紙は物流費に占める割合が7%前後になります。物流費の増加が、ティッシュ業界には大きな負担になっていたのです。重労働の作業では、運んでくれるドライバーがいなくなってしまうという危機感を業界は持っています。家庭用紙業界では、トラックの運転手不足の影響が他の業種以上に深刻でした。それが、値上げの大きな理由になっています。
この業界にも、コロナショックが襲いました。アマゾンで販売されるトイレットペーパーの出品価格が、跳ね上がったのです。12巻ひとパックのトイレットペーパーが、2020年2月17日の497円から2月28日には3500円になってしまったのです。NTTの言語分析ツールで追跡したところ、2月28日には88万件に急増したのです。それ以前のトイレットペーパーに関するツイートは、1000件に満たない流れだったのです。この急な値上がりは、SNSのうわさの拡散によるものでした。感染拡大を受けてトイレットペーパーが、中国に輸入を依存しており、品薄になるとの間違ったうわさが流れたのです。良く調べれば、すぐに間違いだと分けるうわさが、コロナショックやマスク不足などの情報とともに流れ出たわけです。ティッシュなどの国内出荷に占める中国からの輸入量は、全体の3%に過ぎません。在庫も、十分にある状態だったのです。買い急ぎとドライバーの不足が、トイレットペーパー不足を招きました。普通の消費行動を取っていれば、何の問題も起きなかったのです。
SNSで情報が拡散する流れは、コロナウイルスが人間に感染し発病する流れと似ています。ウイルスは、人間に「付着」し、細胞に「「侵入」するという感染になります。感染をすると、細胞内で自己増殖をし、次に「飛散」の段階をくぐりぬけて、外部の他人に付着するという流れを作っています。情報の拡散は、まずスマホにうわさが送られてきます。そこで、除去する人もいますが、見る人もいます。ラインなどで結ばれている人たちは、受け入れることが多くなるかもしれません。受け入れれば、感染と同じ状態になります。そのうわさに尾ひれをつけて、仲間に送ります。これが自己増殖と飛散に類似した流れになるわけです。トイレットペーパーに関する自己増殖と飛散が飛躍的に増加したために、88万件にものなってしまったわけです。
余談ですが、SNSの良くない面が、強調されることが多くなりました。うわさの拡散や長時間の視聴は、精神を阻害するなどの弊害が述べられるようになりました。でも大局にみると、素晴らしい功績を上げているのではないかと言われ始めています。1993年は、インターネットが初めて社会の主流に入り込んできた年になります。この年代の12歳から24歳の年齢層は、歴史上初のデジタル世代と言われています。12歳から24歳の年齢層の生活は、圧倒的なまでにネット上の活動で評価されているのです。一方、1993年以前のアメリカでは、12歳から24歳までがもっとも暴力や犯罪が多かった年齢集団だったのです。銃器犯罪が多いとされるアメリカでも、1993年以降の20年間で暴力犯罪が半数以下にまで減少しているのです。日本は言うまでもなく、EUなどの諸国でも、12歳から24歳の年齢層の犯罪は減少しています。西欧社会は、1993年以降、暴力犯罪が急速に減少している事実があります。この理由は、SNSにあるという仮説がこれから検証されていくでしょう。
SNSのウソを見破れる人は、鋭い人かもしれません。でも、SNSのウソにつき合える人は温かい人です。良い人の基準というのは、いくつもあるようです。気配りのできる人、面倒見の良い人、優しい人、思いやりのある人、裏表のない人などは、良い人として認められます。相手の気持ちをくみ取って行動できる人は、機微のわかる人です。人間存在を向上させるためには、憎悪などの感情や病気にあえて身をさらさなければいけない場合も出てきます。そんな中で、悪いうわさは自分からはしないで、そのうわさを聞いても誰にも伝えない人でいることも、これからの世界では必要なマナーになるかもしれません。
ティッシュの輸入ソフトパックは、店頭価格が200円程度で好調です。外箱がなくフイルムで包装したソフトパックと呼ばれるティッシュが、存在感を増しています。販売が好調になった背景には、箱入りティッシュの値上がりがあります。箱入りのティッシュの品薄感は、2019年11月頃まで続いていました。ソフトパックは、以前からありました。でも、型崩れしやすいという理由で販売が伸びなかったのです。ところが、ティッシュは値上げの状況が続いたために、割安感が出てきました。安いために、その利便性を工夫する愛好家が生まれました。徐々に評価を上げて、ティッシュ全体に占めるシエアが約1割にまで高っています。
ティッシュを取り巻く環境は、この1年半で激変しています。1994年以降は、200円前後で推移します。ところが、家庭紙最大手の大王製紙は、2019年6月出荷ぶんから10%以上の値上げをしました。家庭紙の他社も、これに追随したのです。現在は、箱入り5箱パック入りの代理店卸値は現在285円から350円になってきました。各社が、消費税10%増税前の駆け込み需要も見据えて備えていました。さらに、悪い言ことが起きました。2018年から2019年にかけて、国内製紙各社でティッシュの生産設備にトラブルが続出したのです。ある意味で日本の製紙会社の施設は、老巧化しています。無理な生産は難しい面があるようです。そして、決定的な理由は、物流コストの高騰です。国内製紙各社が、物流コストの上昇により値上げに踏み切っているのです。
ティッシュは、製品単価が安いため隙間なく積み込まなければなりません。隙間なく積み込まなければ、輸送効率が上がらないのです。人手で荷物を積み降ろす作業が求められるために、ドライバーにとっては重労働になっていました。この一年で、全産業の物流費は2割から3割上がっています。売上高に占める物流費は、洗剤など日用品雑貨で3~4%になります。化粧品は、2%前後に止まっていますが、ティッシュなどの家庭用紙は物流費に占める割合が7%前後になります。物流費の増加が、ティッシュ業界には大きな負担になっていたのです。重労働の作業では、運んでくれるドライバーがいなくなってしまうという危機感を業界は持っています。家庭用紙業界では、トラックの運転手不足の影響が他の業種以上に深刻でした。それが、値上げの大きな理由になっています。
この業界にも、コロナショックが襲いました。アマゾンで販売されるトイレットペーパーの出品価格が、跳ね上がったのです。12巻ひとパックのトイレットペーパーが、2020年2月17日の497円から2月28日には3500円になってしまったのです。NTTの言語分析ツールで追跡したところ、2月28日には88万件に急増したのです。それ以前のトイレットペーパーに関するツイートは、1000件に満たない流れだったのです。この急な値上がりは、SNSのうわさの拡散によるものでした。感染拡大を受けてトイレットペーパーが、中国に輸入を依存しており、品薄になるとの間違ったうわさが流れたのです。良く調べれば、すぐに間違いだと分けるうわさが、コロナショックやマスク不足などの情報とともに流れ出たわけです。ティッシュなどの国内出荷に占める中国からの輸入量は、全体の3%に過ぎません。在庫も、十分にある状態だったのです。買い急ぎとドライバーの不足が、トイレットペーパー不足を招きました。普通の消費行動を取っていれば、何の問題も起きなかったのです。
SNSで情報が拡散する流れは、コロナウイルスが人間に感染し発病する流れと似ています。ウイルスは、人間に「付着」し、細胞に「「侵入」するという感染になります。感染をすると、細胞内で自己増殖をし、次に「飛散」の段階をくぐりぬけて、外部の他人に付着するという流れを作っています。情報の拡散は、まずスマホにうわさが送られてきます。そこで、除去する人もいますが、見る人もいます。ラインなどで結ばれている人たちは、受け入れることが多くなるかもしれません。受け入れれば、感染と同じ状態になります。そのうわさに尾ひれをつけて、仲間に送ります。これが自己増殖と飛散に類似した流れになるわけです。トイレットペーパーに関する自己増殖と飛散が飛躍的に増加したために、88万件にものなってしまったわけです。
余談ですが、SNSの良くない面が、強調されることが多くなりました。うわさの拡散や長時間の視聴は、精神を阻害するなどの弊害が述べられるようになりました。でも大局にみると、素晴らしい功績を上げているのではないかと言われ始めています。1993年は、インターネットが初めて社会の主流に入り込んできた年になります。この年代の12歳から24歳の年齢層は、歴史上初のデジタル世代と言われています。12歳から24歳の年齢層の生活は、圧倒的なまでにネット上の活動で評価されているのです。一方、1993年以前のアメリカでは、12歳から24歳までがもっとも暴力や犯罪が多かった年齢集団だったのです。銃器犯罪が多いとされるアメリカでも、1993年以降の20年間で暴力犯罪が半数以下にまで減少しているのです。日本は言うまでもなく、EUなどの諸国でも、12歳から24歳の年齢層の犯罪は減少しています。西欧社会は、1993年以降、暴力犯罪が急速に減少している事実があります。この理由は、SNSにあるという仮説がこれから検証されていくでしょう。
SNSのウソを見破れる人は、鋭い人かもしれません。でも、SNSのウソにつき合える人は温かい人です。良い人の基準というのは、いくつもあるようです。気配りのできる人、面倒見の良い人、優しい人、思いやりのある人、裏表のない人などは、良い人として認められます。相手の気持ちをくみ取って行動できる人は、機微のわかる人です。人間存在を向上させるためには、憎悪などの感情や病気にあえて身をさらさなければいけない場合も出てきます。そんな中で、悪いうわさは自分からはしないで、そのうわさを聞いても誰にも伝えない人でいることも、これからの世界では必要なマナーになるかもしれません。