例年体育の日に前後に報告される体力・運動能力テストの結果が、今年も報告されました。概ね日本人の体力は、向上しているとの結果を得ています。その中で、高齢者の体力向上は、過去最高の数字を示しているようです。もっとも、健康な高齢者が率先してテストに参加している姿が目に浮かびます。残念な結果は、中学生から40代までの女性は体力が低下し、特に19歳女性は大きく落ち込んだという点です。女性の平均寿命は87歳と男性の81歳を大幅に超えています。でも、日常生活を問題がなく送れる健康寿命でみると、女性75歳、男性約72歳になっています。女性は老後の12年間、不自由な日常生活をしながら過ごしているのです。男性は、9年間になります。男性より、3年間も不自由な生活が続くのです。老後において、日常生活を円滑に過ごせる身体機能の確保は重要です。
そこで、お婆ちゃんの健康寿命を長くする仕組みを考えてみました。活発に活動している女性をを見ると、一つの傾向が見られます。自分のやりたいことを実現するために活動している女性は、若々しいということです。もっともこれは、老若男女とわずいえることのようです。厳しく自分を律する社会的優等生よりも、この世を楽しむお婆ちゃんが、元気に長生きしています。良いお婆ちゃんを、演じし過ぎるとストレスをためてしまいます。必要以上に、世話を焼かないことも長続きの秘訣のようです。
楽しみ方は、人それぞれです。新しいことにチャレンジすることも、若さと元気を生み出すきっかけになります。新しいことをやる場合、できるだけ簡単なことから始めると良いようです。例えば、テレビで放送される料理を毎日自動録画で取っておきます。すると1年も立つ頃には、1000種類のレピシが集まります。この中から、気に入った料理を5つ程度を「もの」にできれば、13年間で65のレパートリーを増やすことができます。料理は、頭も手もデュアル思考で使います。惚けない訓練をするには格好の材料でしょう。惚けないと言えば、落語や漫才、そして浪曲なども効果があります。これなども、毎日ラジオやテレビで、自動録画をしておけば、一年間で1000題ほどたまります。これを好みに合わせて分類し、聞いたり見たりすれば、退屈ということはなくなるでしょう。まずは、小さいことから始めると、その後勢いがつくということのようです。
老後は、健康が気になります。大事なことは、肉体の衰えを素直に受け入れることなのです。信頼できるホームドクターを持つことも、大切になります。加齢は誰でも訪れて、進行していきます。その流れを、ドクターとお婆ちゃんで見守ることになります。できるだけ痛みのない治療と工夫をお願いすることになるかもしれません。もっとも、「2本の足は2人の医者」といわれる言葉があります。歩いている分には、急速に体力が衰えたり健康が悪化することはありません。どうしても不安だという方は、早い時期から筋トレや強めの有酸素運動をすれば、加齢の急速な進行は防止できますし、認知症のリスクも減少します。でも、やり過ぎて、膝や腰を痛める方も多いのです。ほどほどが大切です。
お婆ちゃんが家に籠もりっきりになり、逃げ場がなくなることが、心身には良くないようです。孫の世話に、生きがいを感じる方もいます。でも、子どもの人生に責任を持つのは、お婆ちゃんではなくその両親なのです。早い時期に、孫から距離を取ることも必要でしょう。お話相手や地域活動には、適度に参加できる伝手を設けることも一つの知恵になります。蛇足ですが、お婆ちゃんが健康面において、負う責任は以前より大きくなっています。高齢者が家庭内で病気になれば、家庭全体が暗くなります。お婆ちゃんの健康は、家族全員の生活にも影響を与えることをよく自覚しておくべきでしょう。