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やっぱり民主党政府というのは、現実と頭の中身が乖離しているようだ。

「西日本への旅行を呼びかけた政府を群馬県知事が批判」
読売新聞ネット版によると、夏の電力不足を軽減するために、民主党政府は「旅行をするなら西日本」という方針を打ち出したのだという。

まったくもって、アホとしか言いようが無い。
菅直人、あんたの政府はJR西日本の駅アナウンスレベルか。

震災発生後、当たり前だが東北地方および北関東への観光客が激減している。
これも報道によると日光東照宮を訪れた観光客は3月はたったの5000人。
これは通常の十分の一以下ということで、日光の観光業に従事している人たちは悲鳴を上げているのだという。
それもこれも地震と原発事故が原因だが、それにしても、人が来なくて困っているところに、それをなんとかしなければならない政府が、

「節電のために、旅行は西日本へ」

というのは、理解不能の愚策である。

政府として、観光旅行のために何をやるべきかというと、ここなら安全ですよ、とか、東北地方の旅行へはこのルートを通ると便利です、というような、経済を少しでも下支えするような施策であって、妨害することではない。
西日本の大阪に住んでいる私が言うのだから、間違いないが、関西では東北地方や北関東地方は普段でも観光では縁の少ないところで、とりわけ北関東は何があるのかさえ知らない人が多い。

たとえば宇都宮と聞いて「餃子」が出てくればましな方で、宇都宮が栃木にあるのか群馬になるのか茨城にあるのか知らない人もいる。
白虎隊は知っているけれど会津若松はどこなのか知らない人。
藤沢周平の小説に出てくる海坂藩が山形県に実在すると思っている人。
男鹿半島をオジカ半島と読む人。
などなど。
それほどに、関西人や九州人にとって東北・北関東は移動に時間のかかる場所なのだ。

運賃も安くない。
例えば、大阪から福島や秋田へ飛行機で往復すると割引運賃で5万円から6万円もかかる。
大阪から5万円出すと通常の格安航空券で香港、台湾はもちろんのこと、バンコク、シンガポール、ハワイ、グァムなんかも行けてしまえる金額だ。

航空各社も今回の震災で利用者激減という甚大な被害を受けているのだから、この際政府は東北地方への旅行は往復2万円均一。
茨城空港なら1万円均一。
航空会社へは期限付きの助成制度。

ぐらいできないものか。

そう、政府はむしろ、こういう関西人や九州人にこそ東北・北関東へ足を向けてもらえるように努力すべきところを反対のことをやっては話にならない。
これで経済活性化なんてできるはずも無い。

もうここまでくれば立派な人災だ。

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