<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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時期が時期だけに恐縮なのだが、家族を連れてUSJを訪れてきた。

ユニバーサルスタジオジャパンを訪れたのは今回で2回目。
ハリウッドのユニバーサル・スタジオも2回訪れたことがあるので、これで回数が並んだことになる。
回数が並んだからといってどうといことはないのだが、やはり映画ファンとして訪れるユニバーサル・スタジオとしてはハリウッドのほうが魅力的だ。
なぜなら大阪のユニバーサル・スタジオは映画をモチーフにした遊園地に過ぎないことに対して、なんといってもハリウッドのは本物のスタジオだからだ。

とはいえ、娘との約束もあり、仕方が無いので日本全国にエンタテイメント自粛モードが漂う中、朝の開園時間9:00に大阪市此花区のベイエリアにあるUSJに到着した。

私は日頃、土日も忙しくて働くことも多いので(実際2月は1日しか休みがなかった)たまの平日休みもいいだろう、と思ってUSJには娘の春休みに訪れることにしたのだ。

たぶん春休みだけれど平日だし、自粛モードだから、きっとUSJは空いているに違いない。
と私は勝手に思っていたのだ。
なんといっても、私は大の雑踏嫌い。
混雑している所には絶対に行きたくない。
できれば人もまばらな平原や、砂漠、洋上などで休みの日は過ごしてみたいものだ、と密かに思っているくらいなのだ。
だからUSJには混雑する土日は避けて、できれば平日に行こうと計画していたのだった。

で、その計画と期待は早くもチケットブースで裏切られることになった。

開場時間という早い時間にもかかわらず、各チケットブースには長い列が。
暇な私と同じ思惑の人がこうも多いとは思はなかった。
しかも、チケット購入にはそれなりの時間を要するようで、なかなか列が前へ進まない。
財布を握りしめて待ちながら、ゲートを見るとそちらも長蛇の列が出来ているではないか。

何が、平日だ。
何が、自粛モードだ。
何が、節電だ。

世間のニュースとは裏腹にUSJは大盛況なのであった。

やっとのことで開園し、E.Tのアトラクションの後にできたという「スペースファンタジー」という新しいアトラクションへと引っ張っていかれた。
「ここ、クルクル回って面白いねん。おばあちゃんと来たとき面白かったんやで。」
と娘。
おばあちゃんと来たことがあるのなら、何も私と一緒に来なくてよさそうなものだ。
できれば再びおばあちゃんと一緒に来てもらいたいくらいだ。

アトラクションのある建物の前まで来ると待ち時間が表示されていた。
「130分」
なんということだ、2時間と少しの待ち時間だという。
「おばあちゃんと来たときは4時間待ちやってん。」
と天真爛漫に語る娘に私は「アホかいな」と思ったのは言うまでもない。

結局午前中を潰して僅か数十秒のアトラクション。
「クルクル回る」
としか教えてもらってなかったので「何が起こるのか」と思っていたら、ただの真っ暗闇を驀進する室内型ジェットコースターなのであった。
真っ暗闇の中で色々な物語がダイジェストで展開されていくのだが、正直のところ何も知らずにコースターに乗ったので最初の数秒間はそんな物語を楽しむゆとりはまったくなかった。
視界には星が瞬き彗星がビュンビュン飛び、キャラクターが動きまわる姿が展開されたのだが、落ち着いて見ることのできたのは、もうほとんど終わりのところであった。

「スペースマウンテンとどこがちゃうねん」

スペースファンタジーのコースターを降りて最初に持った感想がディズニーランドの「スペースマウンテンと同じやないかい」というものなのであった。

1978年の夏休み。
初めて訪れた外国とテーマパークだったアナハイムのディズニーランドで感動したのはAからEまでが一冊になったアトラクション用のクーポンではなく、スペースマウンテンという室内型のアトラクションなのであった。
真っ暗闇で星がキラキラ輝く中を疾走するジェットコースターに私は大きく感動したのであった。

スペースファンタジーはそのスペースマウンテンといたく酷似していたのであった。

午前中、ひとつしか楽しめなかった私たちは、一個500円のホットドックを購入し、家から持参したコーヒーを飲みながら、今度はハリウッドなじゃらかんじゃらというジェットコースターに乗車しに向かったのであった。

どのアトラクションも面白いのだが、なかでもスパイダーマンは何度見ても面白い。
今回は二度目ということもあり、どのような設備とシステムになっているのかアトラクションそのものよりも、大型のスクリーンと動画に連動して激しく動くカートのメカに注意を払ってみた。
すると人間の生理的な弱点を上手く利用して作られたCG映像やセットに大いに関心することしきりで、気がついたらアトラクションそのものをほとんど楽しんできないことに気づいて愕然としたりしたのであった。

で、どうしてこうもUSJが混雑しているのか。
その謎のヒントはターミネーター2のアトラクションで片鱗を見ることになった。

ターミネーター2は劇場型アトラクションなのだが、最初に登場するホストの女性が観客に向かって色々と質問するところがあり、その時に「みなさ~~~ん、どちらからいらしたんですか~~~?」訊いてきた。
すると、半数以上が関西以外からの来客で、呼びかけに答えた人は東京、横浜など関東から来た人々なのであった。

どうもTDLに行くことができなかった人たちがTDLに代わりにUSJへ訪れていると思える節がある上、今、多くの人々が働く亭主を残して関西に引っ越してきたり、もどってきたりしているので、そのために関東の人が多いのだと、会場内のオーラが漂っていたのだった。

ともかく「節電しましょう」との呼びかけも関西以西、というか静岡の大井川以西では意味がなく、開園10周年を迎えたUSJでは20:00~から無数のLEDがキラキラ輝くイルミネーションパレードが実施され、きらびやかな映画の世界が展開されていたのであった。

USJ滞在12時間。
ともかく、まいど体力が必要なのには参るテーマパークなのである。




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