<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地





あまりの暑さにトマトが立ち枯れを起こした、ということを書いたのはつい先日。
この暑いさなか。
スーパーで売られている葉物野菜も値上がりが著しく、キャベツ1玉250円、植物工場生産の弱々しいリーフレタスが1束200円、かいわれ1パック50円、キューリ1本70円、と家計を直撃。
このままでは行けないと葉物野菜を育てることを考えたが、以前レタスを作ったところバッタの攻撃にあって全滅に近くなったことや、暑さに強いはずのコリアンダーを植えてみても土が悪いのか発芽せず、元気に育ったのバジルだけ、ということがあった。
バジルだけで生食するのは困難であり、だいたいがハーブであるバジルだけなんか料理しても食べるのは難しいので、
「こりゃどうする」
と考えていたところで、奈良の農家の話を聞く機会があって「つるむらさき」を植えてみることにしたのだった。

「つるむらさきは奈良の地野菜ですが暑さに強い」という言葉を信じて種を買い撒いてみた。

すると酷暑35℃を超えで太陽光ギンギンの中、1週間ほど発芽した。
あとは水やりだけを欠かさずしてみたところかなりの大きさに育って今や手のひらより大きくなったのだ。

トマトが立ち枯れしている横ですくすく育つ「つるむらさき」。

これを収穫したら海苔の佃煮といっしょに食べてみようかと思っている。
もちろん使う佃煮は「江戸むらさき」。

ダジャレでも言ってやんと暑さでボケるワイ!


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一昨年の検査で引っかかってから食事がなにかと煩くなった。
正確には食事ではなく、カミさんがうるさくなったという意味であることは言うまでもない。
一種の成人病で引っかかっている人は多いらしいが、要は酒の飲み過ぎ、塩分のとりすぎ、脂っこいもののとりすぎは「イカン」ということなのである。

この結果、酒が飲めなくなった。
これも正確には酒は大好きで飲めるんだが「飲んじゃ駄目」ということになってしまった。
脂っこいものを避けるために焼肉、ラーメンの類は極力食べなくなった。
これも全然食べないなんてことはまったくなく、食い放題の焼肉、や、こってり天一のラーメンなんかを食わないようになった。

問題は塩分だ。
塩分を減らすと食事が不味くなり、食欲をそそらない。
このため、カミさんはなんでも「減塩」の製品を買うようになった。

減塩味噌の味噌汁。
減塩塩昆布。
減塩漬物に減塩キムチ。
減塩の出汁。

なんでもかんでも減塩である。
この減塩。
最初の頃は何も考えずに受け入れていた。
きっと減塩は体にいいに決まっている、なんて思っていたから我慢しながらも「減塩でこんなに味付いているの?」と思うこともなかった。
しかし、そこは減塩。

そもそも減塩の塩昆布なんぞ塩昆布と言えるのか。
私にとって大いに謎な部分もあった。
しかも減塩商品のほうが通常の商品よりも価格が高い。
そこへ持ってきて昨今の物価上昇、エンゲル係数の膨張。
食材にかかるコストのリスクと健康のリスクを天秤にかけると、あまり意味がないように思えてきた。

よくよく考えてみると、例えば「塩分25%カット!」と書かれた食品を25%多く食べると体に与える影響はなんら変わることがない。
これに気がつくのに少し時間がかかったが、要は通常商品を食べすぎないのが塩分カットの本当のやるべき対策であることに気がついたのだ。
25%塩分をカットした食品を100食べるよりも、カットされていない普通の食品を75食べるほうが健康にもいい。

相乗効果というかなんというか、酒を絶っているために食べる量が大幅に減っており、この食事量の大幅減を考えるとわざわざ減塩する必要はないように思われるのだ。

この考えが間違っているのかどうか。
100を75にした食品に塩分25%カットの食材を入れるへなちょこ正論を与えそうでカミさんに話すのは躊躇しているところだ。


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スターバックスのコーヒーというと、比較的価格の高いカフェだと私は思っていた。
ところが最近の世界的な消費者物価の高騰で何もかもが大きくかわりつつあり、スタバのコーヒーも相対的に見て高いものではなくなってきていることに先日気づいたのだ。

そもそもセルフサービス式のカフェの価格ランクは次のようなものだったと思う。
ヴェローチェ<サンマルク<ドトール<プロント<スターバックスというような感覚だ。
ところがヴェローチェやドトールが値上げされていく一方スターバックスの値上げは軽微でほとんど据え置き状態。
この結果、安いカフェチェーンとスタバの価格差が縮まってきているのだ。

これは私鉄の運賃が値上がりする一方、JRの運賃が国鉄時代からあまり変わらなかったつい最近までと似ている。

コーヒー豆の価格そのものはアップダウンが激しい状況が続いているが、総じてゆるやかに上昇しているから、独自仕入れの焙煎業者でもあるスタバのコーヒーも徐々に上がってくるのかもしれない。

それでも相対的に安くなったスターバックスだ。


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自転車に乗って商店街を走っていると鯛焼き屋が目に止まった。

私は酒飲みの甘いもの好きなのだが、今のところドクターストップがかかった関係で酒を控えている。
どのくらい控えているかと言うと、今年になって5回しか飲んでいないのだ。
それも家飲みはゼロで、あとはぜ〜〜んぶ付き合い酒。
相手に飲まないことを心配させてはいけないという思いからビールを1杯か2杯。
それでおしまいという従来の私を知っている人にはとても想像のできない慎ましやかな生活をしているのだ。

そんなもんだから甘い方は少々食べすぎというぐらい食べている。
ケーキやシュークリームといった洋菓子はもちろん、おはぎに回転焼き、まんじゅうに生菓子などなど。
ある意味酒を飲むよりも高くつく場合があるが、それはそれでよしとしたい。

高級ケーキや茶道に供する生菓子ばかり食べるわけにもいかないので、手軽なところで鯛焼きがある。

商店街の鯛焼きチェーンの鯛焼きがなんと1個230円もしているのだ。
私の目は鯛焼き一個のかかくに釘付けになった。
鯛焼き1個に230円はありえない。
ついこのあいだまで1個110円ぐらいだったと記憶しているので、わずかの期間に価格が倍以上になってしまっていたのだ。

鯛焼きという庶民のスイーツが庶民的名価格でなくなる物価高。
今年に入って続く各種製品価格の高騰を最も実感することになった瞬間なのであった。

で、用を済ませて自宅に帰って、
「お〜い、鯛焼き1個230円もしとったで」
とカミさんに話したところ、
「え〜〜〜〜〜〜!鯛焼きみたいなもん、1個80円で当たり前や」

いつの時代なのかと思ったのは言うまでもない。


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ここんところ暑いことも相まって洋菓子よりも和菓子を食べることが多くなった。
和菓子、と言っても茶道に出てくるような美しいお茶菓子などを買うとケーキ以上に高く付くので、だいたいは「おはぎ」「わらび餅」「草餅」「団子」の類をスーパーマーケットで買っている。
洋菓子と一緒で和菓子屋で買うと高いのでスーパーで安いのを買うのだ。

先日とあるスーパーでおはぎを買おうと思って物色していると、これには2種類の製品があることがわかった。
作っているメーカーも違う。
両者とも2個入り1パックで価格が一方は198円。もう一方は298円なのであった。
何が違うかとチェックをすると、ああ!びっくり。

安い方にはこう書かれていたのだ。
「原材料:つぶあん(中国製造)」
信じられない!
つぶあんを中国で製造しているとは。
中国といっても広島とか岡山ではない。
チャイナの中国で作っているのだ。

「誰がこんなもん買うかい!」
と高い方を買うのもなんなので、その日はおはぎを食べるのを諦めることにしたのだった。

で、おはぎのあんこが中国産なら他のもどうなの。
と疑ってかかって他の製品をチェックすると、「あんこ」には「こしあん」であろうが「つぶあん」であろうが中国産と韓国産が少なくないことが判明したのだった。
まず比較的安い「桜餅」「おはぎ」「鮎」「草餅」などは産地を疑ってかかる必要がある。
パッケージに「十勝あずき100%」というものは、とりあえず信頼するとして、なんで食品製造に疑わしいところ満載の中国、韓国で日本の心「あんこ」を作らないとならないのだ。

さらに「米国産」とか「オーストラリア産」なる小豆の産地の国々産の「あんこ」は今のところ皆無でもある。
恐らく西洋人は「あんこ」が苦手なのも理由になるだろう。
うちの義弟はフランス人だが、あんこ系は食べないという。

心を捨てるな。日本人なら「あんこ」は国産で。
餃子の例に漏れないように中国なんかで作ると反日職人が「あんこ」に「○んこ」を入れる可能性もあるのだから。


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玉ねぎの値段が異常だ。

大阪府は玉ねぎの産地でとりわけ南部の「泉州たまねぎ」はブランド物である。
しかも大阪湾を挟んで対岸の淡路島も玉ねぎの産地として有名で、これでだけ産地に囲まれているにも関わらず最近1ヶ月ほどの玉ねぎの値段は常軌を逸しているものがある。

たとえば2個入ったネットのものがスーパーで300円近くもする。
6個以上まとまって入っているものは500以上することも普通で、これでは我が家の料理のバリエーションに多大な影響が及ぶことこれ必須なのである。

ちょっと前なら398円も出せばどっさりとした玉ねぎの袋を買い求めることができた。
なぜか地元産のものよりも北海道産のほうが安かったりするのだが、フードマイレージの観点からして地元産を買うのが適当だと思っていたが、今や地元産はおろか北海道産も手に入らないくらい高価な食材になっている。

原因はなんなのか?
ウクライナ情勢か、それとも石油価格の高騰が原因なのか。
はたまた円安のためか。

で色々調べてみたら北海道の玉ねぎが記録的不作で需要に見合うだけの収穫量を確保することができていないのだという。
その原因は干ばつということだが、一体この状態はいつまで続くのか。
このままでは美味しいデミグラスソースもカレーライスも味のパンチダウンが続いてしまう。
玉ねぎのスライスサラダは夏場には欠かせない。

今年はトマトとともに玉ねぎを家庭菜園で作ってみようかと画策している我が家なのである。


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ラーメン屋というのは何故にこんなに自己主張が強いのか。
例えば、
「京都〇〇通りで生まれて30年...」
とか、
「福岡の〇〇ラーメンを食べて衝撃をうけ、豚骨を極めるべく...」
とか、
「お釣りのないように厳守してください...」
とか、
「ちゃんと並ぶべし。自転車を入り口に置かないこと」
とか、
言ってみれば「それがどうしたんだ」という自己欺瞞や「客を客とも思わない」ぞんざいな発言をするところが少なくないように思う。
実際はどうかは知らないが、総主張する文章を大きくかげたり、入り口にダンボール製プレートに寺西化学工業製マジックで中学生のような汚い字で大書きしたりしているところを見ると、どうもいい感じがしないということも正直な感想である。

先日名古屋で入ったラーメン屋もそんな店の一つだった。
名古屋ではそこそこ著名なチェーン店のようだがメニューの横のご託がなかなかであった。
要約すると、
「この店の創業者は、九州のあるラーメンを食べて感動をした。あまりに感動をしたものだからそれを名古屋で再現しようと切磋琢磨した。それでもなかなか実現できなかったので修行の旅に出て自分の味を見出し、ついにこの店を開いたのだ〜」
みたいなことが書かれていた。
だから、
「うちのラーメンは美味いのだ!」
という論理なのであろう。
大変疲れる一文ではあった。

そういうこともあって名古屋の一等地に構えるその店には行列ができている。
この日、私は開店時間早々ということもあり並ばずに入ることができた。
もちろんこの店をターゲットにして立ち寄ったのではなく、昼前ということもあり単に腹が減っていたのでたまたまこの店に入ったのだ。
で、オーダーを選ぼうとするとメニューのヨコに目に飛び込んできたのは件の「主要趣意書」あるいは「創業者の苦労物語」なのであった。

目の前に文章があると無意識に読んでしまう活字中毒一歩手前の私なので当然この宣誓文書を読むことになってしまった。
で、読んで抱いた最初の感想は、
「.........ほんで、美味しいんやろな!」
ということであった。
クダクダ屁理屈を述べる前に味で勝負いただきたいと思った。
こういう苦労話や御託を色々並べる飲食店に美味いところがあるとは思えないからだ。

私はベーシックなスープの煮玉子入りラーメンとランチタイムのサービスである唐揚げセットを注文。
暫し待つこと運ばれてきたラーメンは九州ラーメン独特の白いスープでそこそこ美味そうであった。
ただ、丼の中央に渦巻状の鳴門かまぼこが1枚配置されているのが印象的なのであった。
鳴門かまぼこは直径2センチほど。
いかにも小さい。
しかもかなりの薄切りで歯ごたえはなさそう。
かまぼこのサイズに少々失望しながらスープをレンゲで掬って飲んでみると、これが美味い!
豚骨の出汁がよくできていて口に含んだ瞬間に「美味い!」と思える出来栄えなのであった。
流石に厳しい修行の旅の後に獲得したスープ。
創業者がそれを自慢するだけの価値のある素晴らしいものなのであった。

ところが、ランチサービスの唐揚げを食べてその印象は一変。

名古屋は手羽先が有名なように唐揚げも美味いことが多い。
しかしこの店の唐揚げはサイズが大きくビックリさせることを除くと、あまり良くなかったのだ。
良くないというより残念な出来栄えなのであった。

唐揚げそのものは一般的な唐揚げの倍サイズはある。
見た目は美味そうだが、実際に食べてみると「なんじゃこりゃ?」という代物なのであった。
唐揚げの上には何やらソースのようなものがかかっていたのだが、これが甘い。
ヒジョーに甘い。
唐揚げというどちらかというと塩味の大切なものに甘い汁をかけてどうするんだ。
私はこの残念な仕打ちに暫し呆然とした。
そして口直しに美味かったスープを口に含むと、愕然。
食べ合わせが悪いのかスープが美味いと感じなくなってしまっていたのだ。
「クドい」
という味に変化してしまっていたのだった。

塩辛いはずの唐揚げが甘い。
ナポリタンスパゲティの上に粒あんをドサッと乗っけて食べるこの地の文化は知っていたけれども手羽先の美味しい文化を持ちながらこの唐揚げはないやろうというものなのであった。

確かに主張の強い味ではある。
とかく名古屋は関西とも関東とも違う不思議な食文化が存在する。
しかし御託を並べて主張する前に普通のラーメンを食べさせていただきたいのであった。
独自の薀蓄を展開するのはその次で良いではないか。
ラーメン屋の味に妙な解説や御託は必要ないと感じた昼前のひとときなのであった。

帰宅してチキンラーメンで口直ししたのは言うまでもない。


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家に引きこもり家庭で食事、とうシュチュエーションが増加しているためにスーパーマーケットの売上は絶好調。
それに対してコンビニは負け組になっているそうで、流通が一昔前に戻っているようだ。
私んちもご多分にもれず外食が激減。
というか無くなってしまい、ほとんどの食事を家で食べるようになった。
不急不要じゃない外出をしたときも外で買って食べずにできるだけ自宅に戻ってから食べるようにしている。
そのうち腹が減って背中の皮とお腹の皮がひっつくかもしれない。
なお、その場合肋骨や背骨はどうなるのであろうか。

それはともかく、スーパーマーケットへ行くと生鮮野菜の値段が急上昇していて驚くことがすくなくない。
例えば白菜は1/6サイズで1つ200円ほど。
キャベツは1玉498円
茄子は3個で298円。
チンゲン菜が1束148円。
ブロッコリ1個198円。
などなど。
天候に左右されないはずのえのき茸なんかが値上がりして1つ98円だったのが128円もしていることがある。
優等生は玉ねぎぐらいで1袋5〜6個入って298円。

私は体がなまってはいけないということで仕事の合間に自転車で10〜20kmほど走ることがあるのだが、先日関西空港対岸の泉佐野市の畑の中を走っていたら衝撃的な光景を目にしたのだった。

なんと、収穫前のキャベツが放棄され、腐っているのだ。
キャベツである。
1個498円もするキャベツ。
「ああ、もったいない!」
その畑は一面キャベツ畑になっており、サッカーボール大のキャベツが出荷も収穫もされずに腐っていたのだ。

「これは......キャベツの値段を吊り上げるための陰謀なのか.....お好み焼き屋が目撃したら激怒するぞ」
と思ったのは言うまでもない。

もしかすると農業の実態を目撃したのかもわからない。


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我が家では時々「生八ツ橋」がおやつの時間に登場する。
京都の定番お土産品である生八ツ橋。
最近はニッキ以外の味、たとえばチョコレートやイチゴなどもあるがそれらはゲテモノ。
私はニッキオンリー。
百歩譲って抹茶を許すかどうかというところだ。
で、大阪や京都では普通にスーパーマーケットで売られていて手軽に楽しめる和菓子の一つなのだが、どういうわけか個装になったものがなかった。
食べたいと思って買ってきてパッケージを開けたらすぐに食べきらなくてはならなかった。
なんせ生ものなので消費期限が限られている。

先日、東京へ出張しなければならないが「どうするどうする」という状況で新幹線に乗るべきか中止すべきかどうか迷いながら新大阪駅をウロウロしていると「おたべ」の広告を見つけた。

「おたべ再生 おたべは生まれ変わりました」

と改札外のコンコースの天井に大きな看板が吊られていた。

何が生まれ変わったのかというと、おたべは個装になったというのだ。
プラスチック包装資材を削減しなければならないこの時代に大胆な、と思ったが生八ツ橋の個装は確かに革命的な発想かもしれない。
これでパッケージを開けた瞬間から急いで食べる必要がなくなるわけで、保存もしやすくなるというものだ。

おすそ分けもやりやすくなる。

ということで、出張は迷っている間に客先の責任者と連絡が取れて、
「打ち合わせ、やめときましょう。午後からWEB会議形式で」
ということになったので即事務所である我が家にもどることになったのであった。

で帰宅してみるとカミさんが、
「おたべもろてん」
と、個装になったおたべが一箱。

お茶を入れてWEB会議に備える一時なのであった。



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「そうめんが食べたい」

と数週間前からカミさん。
よくよく調べてみるとラーメン屋、うどん屋、蕎麦屋というものは無数に存在するものの「素麺屋」というものはあまり聞いたことがない。
もしかすると「うどん屋」や「蕎麦屋」の夏季メニューとしては存在するのかもしれないが素麺専門店というのは存在しないのではないか。
すくなくもと私の地元周辺では「ぐるなび」や「食べログ」で検索しても素麺屋やそうめんが積極的メニューに採用されている店はなかった。

「家で作ったら」

と言ったら、

「誰かに作ってもらいたいの.......あなた作ってくれる」

となってしまった。
私は料理が全くできず、作れるのはチキンラーメン程度だ。
チキンラーメンができるのであればマルタイラーメンも作ることが可能だから、同じ乾麺である素麺はその応用と考えると作れないことはないと思うのだが、いかにせん面倒ください。
よって、

「そのうち奈良に行ったときに食べに行こうか」

と適当に答えておいたのだ。

その適当に答えていたことに応える必要が出てきた。
所要で奈良へ行くことになったからだ。
奈良というえば、かなりのパーセンテージでものの始まりが存在する。
最大のものは酒造り。
日本酒は奈良で作られ始め、それが各地に広がり現在に至っている。
考えてみれば当たり前で奈良は太古の昔は首都だったので、そこでいろんなことが始まってもいたって自然である。
酒について言えば、奈良の中南部に三輪明神大神神社があり、ここが酒の神様であることは酒飲みであれば知らないものはいない。
山の辺の道に接するこの三輪の地は素麺の産地でもあり、三輪そうめんといえば全国に名前の通っているメジャーな存在だ。

この日、私達は奈良市内に要件要件があったのだが、少し遠まりをして桜井市を周り三輪を訪れた。
そもそも三輪へ素麺を食べに来たのは関西で生まれ育って半世紀のわたしも初めての経験なのであった。

かみさんが旅行ガイドブックで目をつけていた三輪山本というお店に行ってみると、すごかった。
駐車場を埋める自動車は全国各地からやってきていた。
奈良ナンバーや大阪ナンバーだけではなかったのだ。
もちろん国道から駐車場に入るには車列ができていて駐車するまで15分待ち。
駐車してから店に併設されるレストランは1時間待ちなのであった。

店の中では素麺はもとより、素麺を使った菓子類も販売されていた。
素麺そのものも太さの異なる種類があり、この後レストランで食べることになった白龍というブランドの素麺は太さ0.6mmだが腰があり実に美味で奥行きのある風合いなのであった。
また菓子類も大阪帝塚山にある人気パティシエと共同で作ったと思われるクッキーは素麺のパリパリ感と小麦の香ばしさが相まってこれまた絶品なのであった。

素麺の専門店はなかなかない。
それでもその産地を訪れるとそこでしか見つけるのことのできない絶品を体験できるというのを強烈に感じた奈良訪問なのであった。
なお、三輪は案外近くて大阪の私の自宅からは1時間かからないことが判明。
今年の夏は素麺にハマってしまいそうな、そんな予感がしているところなのだ。


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