平ねぎ数理工学研究所ブログ

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輪島の倒壊ビル

2024-01-10 12:32:37 | 耐震構造

輪島の倒壊ビル、土台が地中の杭から抜けたか…東大教授「同様の被害は阪神大震災で見て以来」



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柱のせん断破壊が原因ではないかと思ったのですが、柱に損傷が見られないのであれば、
楠氏が言われるように、原因としては、杭の折損の可能性が大きいと思います。

なぜ杭が折れたか?ですが、それは地盤が液状化したからです。
倒壊ビルが地中に深くめり込んでいるのをみれば液状化していたことは明らかです。

液状化していない場合は、杭周辺の地盤がバネとして働くので、杭に大きな曲げは発生しません。
ところが、液状化すると杭周辺の地盤バネが無くなるので、突出杭のようになり、大きな曲げが発生します。


圧縮力と曲げモーメントに抵抗できない場合は、杭は折れ、建物の荷重を支えられなくなって倒れます。
杭の折損メカニズムを図で表すと、つぎのとおりです。





このようなビルは全国各地にあるので注意が必要です。

追記 2024.01.10

楠氏のこの説明は、破壊の順序が間違っています。

>ビルが、縦横に激しく揺さぶられて西側の杭が土台から抜けて東側に傾いた。
 さらに東側の地下構造でも何らかの損傷が起きたことで、そのまま横倒しになった。

つぎに示す破壊の順序が正しいと思います。

東側柱直下の杭が折損⇒鉛直荷重支持機能消失⇒東側柱沈下⇒東側に傾きそのまま転倒⇒西側柱の抜け上がり


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