平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

ゴキブリ

2009-03-18 21:38:55 | その他
ゴキブリは、なんて可哀想なんだ
ゴキブリは汚い、というただそれだけで、
スリッパで叩かれ、ぺしゃんこに潰される
何故ゴキブリを殺すのだ
ゴキブリはバイキンの運び屋だというが、本当にそうだろうか
ゴキブリのせいで病気になったことがあるのか
あるやつは手を挙げろ
ほら、手が挙がらないじゃないか
ゴキブリを殺すなよ
彼らが人間に見つかったときの、あの慌てふためく様をみたら、
可哀想で殺せないじゃないか

ライオンと若い娘

2009-03-14 12:43:12 | 数学
講談社ブルーバックスに載っていた話です。

30年前に読んだ本なので、正確でないかもしれません。
つぎのような内容です。

王様には王女がいました。
王女は、王様の若い家来と恋に落ちてしまいました。
王様は、それを快く思っていません。
若者の身分が低かったからです。
しかし、反対されればされるほど、二人の恋は激しく燃え上がるのでした。

困り果てた王様は、あることを企てました。

若者を観客で満員の競技場の中に入れます。
若者の前にはドアが二つあります。
一つの部屋には、腹をすかせた獰猛なライオンがいます。
もう一つの部屋には、王国一美しい若い娘がいます。
若者は、どちらかの部屋を選択しなければなりません。
ライオンの部屋を選べば、かわいそうに…、若者はライオンに食べられてしまいます。
もう一つの部屋を選べば、ウエディングドレスに身をつつんだ美しい娘が現れて、
二人は満員の観客に祝福されその場で結婚式をあげることになります。
若者は、二つの部屋のどちらにライオンがいるか娘がいるか、知らされていません。
困った若者は、観客席の片隅で心配そうに彼を見守っている王女に目をやりました。
王女はすべてを知っているのです。
若者の視線に気づいた王女は右側の部屋を指差しました。
若者は、王女の指示にしたがって、右のドアを開けました。

右のドアから出てきたのは、ライオンでしょうか?
それとも若い娘でしょうか?

2009-03-03 20:36:25 | その他
遠くで声がする
声がしだいに近くなり、私は静かに眼をあけた
若く懐かしい母が、私を優しく見つめている
父もいる、祖母もいる、二つちがいの姉もいる
目覚めとともに記憶が鮮明になっていく
私は11歳、いまは夏休み、私は4時間前に昼寝をした
そうか、私は長い夢を見ていたのだ
つらいこともあった、悲しい別れも経験した
でも、すべては夢だったのだ、
私は見た夢の一つひとつを母に語った
母は、とりとめのない私の話を、
やさしく頷きながら聴いている
私は安心し、再び深い眠りに落ちていった

それから、彼は静かに眼をあけた
そこには若い母の姿はない
父も、祖母も、姉もいない
彼にはわからない、
いま目覚めているのか、
それとも目覚めた夢を見ているのか
彼は長い沈黙のあと、声を忍ばせて泣いた