平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

飛角図式5手詰め

2012-06-28 19:52:21 | 将棋


詰め将棋ファンの皆様、こんばんは。
5手詰めと侮るなかれ、見た目以上に難しい。
初手がポイントです。

【出典図書】
新5手7手詰めパラダイス:詰め将棋パラダイス+週刊将棋編、㈱毎日コミュニケーションズ

いまさら地球温暖化(4)

2012-06-25 05:49:42 | 地球温暖化
「気象の話Ⅰ」(技報堂出版、1988)より転載。

炭酸ガスが増えると、温室効果が進みすぎて地球が温暖化し、自然環境のバランスがくずれ、人類の生存が危ぶまれることになります。炭酸ガスは人体にとっての薬のようなもので、少なすぎても効果がないし、多すぎても悪く、適量でなければなりません。
炭酸ガスが2倍になったとき地球の温度はどうなるかは、いろいろ難しい問題があり正確にはわかりませんが、地球表面の平均で2~4℃程度の昇温と考えられています。2~4℃はたいしたことはないと思うかもしれませんが、世界中の平均で2~4℃は大変な気候変化です。大気全体の流れが変り、以上に昇温する所が出たり、今までの湿潤地が乾燥地になるかもしれません。
異常気象で、食糧生産にダメージを与えた例を過去の東北地方で見ると、夏の平均気温が平年に比べて2℃低いだけで大凶作が起っています。近年、日本など多くの国の経済は世界中に互いに影響を及ぼし合います。異常気象でどこかの国の農作物が不作になると、他の国の経済・社会まで大きな影響が現われます。
気候変化は極地方で極端に現われると考えられています。極地方が異常昇温すると、氷が解けて海面が高くなります。世界の大都市は海岸地帯にあるので、東京やその他の主要都市は水没するでしょう。港湾都市が水没すると、各国では輸出入ができなくなり世界中で大混乱が起ります。そのような時代になれば、航空機に頼ればよいと思うかもしれませんが、航空機では間に合いません。
気候が温暖化して地球上に雪や氷が少なくなると、太陽エネルギーの反射量が少なくなり、地球はより多くの太陽エネルギーを吸収し、ますます温暖化しそうです。植生分布も海の状態も変化し、人知の及ばぬ予想もつかないことになるかもしれません。気候変動がゆっくりなら人間はなんとか対応できるでしょうが、100年以内の短い期間に急変するとなれば対応できないでしょう。
炭酸ガスの増加が地球の気候を変えるという大きな心配が、1956年ころから急激に広まってきました。最近、各国では炭酸ガスの増加を監視していかなければならないという機運が高まり、観測強化が行われるようになりました。


さて、クイズです。この文章はつぎの4名のうち誰が書いたのでしょう?

① 灼熱地獄からの使者      山本良一氏
② 数値解析占い師        江守正多氏
③ 主張を180度変えた気象学者 根本順吉氏
④ 日だまり効果提唱者      近藤純正氏

ところで、最後のページにこんな注意書きがあります。
本書の内容を無断で複写複製(コピー)すると法律で罰せられることがあります。
無断なんですけど、技報堂出版さん、訴えないでね。

【参考文献】
光田寧編:気象のはなしⅠ、技報堂出版、1988

小野俊一 > いちゃもんをつけるな!(4)

2012-06-15 20:06:10 | 小野俊一
「院長の独り言」からの転載です。せっかく「原子力安全・保安院/中間まとめ資料」があることを教えたのに、まだこんなことを書いています。

http://onodekita.sblo.jp/article/56476888.html(女川原発1mの地盤沈下と5mの東方移動)
さて、女川の状況。地盤を見て大変驚きました。フクシマでは50センチの地盤沈下でしたが、女川ではなんと1.2メートルの沈下、そして東方向に5.3メートルの移動。これだけ移動して大丈夫な建物、配管があるとはとても思えません。
保安院は,このことについて次のような呆れ果てる報告書を出しています。
平成23年東北地方太平洋沖地震の知見を考慮した原子力発電所の地震・津波の評価及び福島第一及び福島第二原子力発電所の原子炉建屋等への影響・評価に関する中間取りまとめについて から、平成23年東北地方太平洋沖地震の知見を考慮した原子力発電所の地震・津波の評価について平成24年2月16日経済産業省 原子力安全・保安院から

2.2.3 地殻変動量
国土地理院によれば、女川原子力発電所が位置する牡鹿半島の電子基準点「牡鹿」で約1.2mの地盤沈下し、水平方向の変動量(東南東)は約5.3mと報告されている。また、東北電力の報告によると、GPS測量による地形解析を実施した結果、地震地殻変動により敷地は1m程度沈下したが、その変動量は敷地内で上下・水平方向に一様であり、地盤の傾斜は生じなかったとしている。(図Ⅱ.2-4)

この報告書を読んで、地盤沈下のことを経産省が認識していることはわかりました。実はこの資料を提示して、フクシマで地盤沈下が起きても建物にはなんの問題もなかったと情報をくれた人がいました。
この考え方は甘すぎます。私は阪神大震災の時に、東電の安全関係部門にいました。阪神大震災が起きたときに、当然全電力が通算省(当時)に呼びつけられました。その時に通産技官が発した言葉は「阪神大震災では、新しい知見はなかった。それにそって、資料を作るようにと言われたのです。」今回は、GPSのデータがあるので、地盤沈下は認めざるを得ません。ところが、一様に沈下したから大丈夫と、誰が見てもわかるウソを書いているわけです。以前、柏崎はアリ地獄の砂丘に造られていたで書いたように、殆ど地盤沈下のなかった中越沖地震でも東電はとんでもない目に合わされました。今回の牡鹿半島は、ほんの僅かな距離で10センチ以上の地盤沈下に差があります。これで、敷地内に埋設された配管に異常が起きないはずがありませんし、サポートで固定された配管に不具合が起きないはずがありません。
それは、地震を経験したことのある工事現場の方なら議論の余地なく認めることです。この女川原発は、二度と稼働できないのは最早当たり前で、今の復旧工事は、体裁を整えるためにやっていると言って良いでしょう。


胸が悪くなりそうな文章です。特にこの部分です。
>ところが、一様に沈下したから大丈夫と、誰が見てもわかるウソを書いているわけです。
現地調査をしてもいないのに、なぜウソであることがとわかるのでしょうか。しかも、「誰が見てもウソとわかるウソ」とまで言いきっているのです。そこまで言いきれるのなら、その根拠を示すべきです。それが技術者(現役OBに関わらず)の務めでしょう。気分が悪いので、この記事にはこれ以上コメントしません。

私は、毎朝、マンションの4階からエレベータで約10m沈下しています。10mも沈下しているのに私の身体には異常は生じません。いうまでもなく私の身体全体が一様に沈下しているからです。身体の部位ごとに沈下量が異なる場合は、私の身体には応力が発生します。地盤沈下についても同じことが言えます。地盤の沈下量が一様でなく構造物の支点ごとに異なる場合は(不同沈下と言います)、構造物が損傷する可能性があります。しかし、女川や福島第一の沈下は、たとえて言えば、原発プラントの敷地ごとエレベータに載せて1m下げたようなものなのです。何の障害も起きません。1m下がろうと2m下がろうと関係ないのです…、と言っても彼には通じないでしょうね。

彼は、院内勉強会に飽き足らず、いろんな場所に出向き、デマを撒き散らしています。困ったものです。私は、学生のときに武谷三男編「原子力発電(岩波新書)」を読んで以来、原発反対の立場です。大飯再稼働にも反対です。彼の軽率な行動が原発推進派を利する結果になることを最も心配しています。

小野俊一 > いちゃもんをつけるな!(3)

2012-06-14 12:20:18 | 小野俊一


沈下について説明します。
沈下には3通りの組合せがあります。

① 地殻変動なし + 地盤の変形あり
② 地殻変動あり + 地盤の変形なし
③ 地殻変動あり + 地盤の変形あり

特に断りのない限り地盤沈下と呼ばれるものは①です。圧密沈下などがこれに該当します。

プレート移動によって地殻が下方に変位する場合は②です。
貼付画像は、掛川に対する御前崎の地殻変動量の経年変化を示しています。
1962年から2006年までのあいだに23cm程度沈下しています。
時間をかけてゆっくり変動するので地盤の変形を伴いません。

3.11の地震で見られた地盤の沈下は③です。
地殻変動と地盤の変形が混在しています。
小野氏は、沈下量が大きいので、大変だ大変だと騒いでいます。
彼は、沈下が地殻変動と地盤の変形で構成されていることに思いが至らず、沈下量の大きさだけをみて大騒ぎをしています。

福島第一原発の敷地で50cm沈下しても、そのほとんどは地殻変動によるものです。構造物には悪影響を及ぼしません。
仮に、液状化などの地盤の変形による沈下が原発敷地内で生じたとしても、原発の重要施設は岩着されているので、その影響をほとんど受けません。

拙ブログをいつも読んでくださる方には、この辺のことは自明の理だと思います。

意志は固く頭は柔らかく

かくありたいものです。
彼の場合、意志についてはなんとも言えませんが、頭は硬岩級のかたさです。
打音検査に使うハンマーで叩くとチンチンと心地よい音がするしょう。

参考URL
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/gaikyo/monthly200605/200605tokai_omaezaki.html(気象庁|平成18年5月 地震・火山月報(防災編))

小野俊一 > いちゃもんをつけるな!(2)

2012-06-13 20:56:49 | 小野俊一
書き込み禁止にされたので、自宅から書き込みました。

ブロックされているようなので、自宅から書いています。アク禁サイトに書き込むのは勇気がいるものです。勇気に免じて最後まで読んでください。「自分のブログに書け、いちゃもんをつけるな」は、そのようにします。ブログには先生のことを書かせていただきます。今後二度とここに書き込まないことを約束します。

どうしたらわかってもらえるだろうか、と思い検索をしていたら経産省と安全・保安院の中間報告書をみつけました。
http://www.meti.go.jp/press/2011/02/20120216003/20120216003-2.pdf
8頁目を抜粋します。
>2.2.3地殻変動量 国土地理院によれば、女川原子力発電所が位置する牡鹿半島の電子基準点「牡鹿」で約1.2mの地盤沈下し、水平方向の変動量(東南東)は約5.3mと報告されている。また、東北電力の報告によると、GPS測量による地形解析を実施した結果、地震地殻変動により敷地は1m程度沈下したが、その変動量は敷地内で上下・水平方向に一様であり、地盤の傾斜は生じなかったとしている。

私は妥当な結果だと思います。経産省や安全・保安院は信用できない、と思われるのなら、建築学会、土木学会または技術士会に訊いてみられるとよいです。はっきりすると思います。
先生のお考えが正しければ問題ありません。しかし、間違っている場合は、先生の意図に反して公衆を騙すことになります。誤った考えが流布することになります。建設部門技術士として無視できないと考え、余計なお節介とは思いつつしつこく書き込みした次第です。


その答えがこれです。



彼には不同沈下と一様沈下の区別がつかないのですね。
アンカーがめちゃめちゃになって配管が破断した……うーん、わからん、何を言ってるのだろう。
それと、私は配管が破断していないとは言っていません。
揺れの継続時間が長かったので、低サイクル疲労で破断したと思っています。

そして、



免震装置は沈下抑制のためにあると思っているようです(爆)

この人物はまともじゃないです。
いい大人なのに、なんであのような物言いをするのでしょう。
すこし腹がたってきました。

小野俊一 > いちゃもんをつけるな!(1)

2012-06-12 18:18:32 | 小野俊一
熊本市幼稚園-『フクシマの真実と内部被曝』(45分)


小野俊一氏は、東京電力の元社員で本店の原子力部門や福島第一第二原発に勤務した経歴を持つ医師です。彼のブログ「院長の独り言」は、いまやたいへんな人気を集めています。原発技術者としての視点と医師としての視点を融合させて書かれた記事が斬新で、私もブックマークに登録し毎日閲覧していました、今朝までは…。さて、貼付動画には、小野氏による『フクシマの真実と内部被曝』と題する講演が収録されています。熊本市の幼稚園で5月31日に行われたようです。この中で、彼はこのように語っています。



だからね、福島の場所ではね。50cmの地盤沈下が起きて、2.3m東へずれているんです(上図)。きれいにずれていればね、もちろん大丈夫でしょうけど。ちょっと考えただけで、配管がめちゃくちゃになっているのは当たり前なんです。だからね、これは政府は認めていないけど、地盤沈下してるんです。だからもし原発で地震があったら、揺れるだけじゃなく地盤沈下するんだから絶対持たないんです。大飯もそう。

これは間違いです。黙っていようかと思ったのですが、間違いを正すのは専門家の義務と思い、コメント欄につぎのような書き込みをしました。

先生の発信される情報はたいへん有益でいつも参考にさせていただいています。さて、先生のご講演の中で、地盤沈下を問題視されている箇所がありました。先生が指摘しておられる沈下は、施設全体を含む広域的な沈下ではないかと思われます。そうであれば、構造物や設備に障害がおきることはありません。地盤沈下で問題になるのは不同沈下です。構造物や設備の場所ごとに沈下量が異なる場合は、構造物や設備に沈下に伴う応力が発生し部材が損傷する可能性があります。しかし、一様に沈下する場合にはなにも問題は生じません。3.11の地震では、震源と福島第一の距離が離れているため、液状化が発生しない限り原発施設内で不同沈下が起きることは考えられません。なお、津波よりも先に振動で配管が壊れたのではないかというご指摘はそのとおりだと思います。

どうです。隅々まで気を配った模範的なコメントでしょう。内容も妥当だし、私も初めて訪れるサイトでは、このような気配りができるのです。彼のブログのコメント欄は承認制になっていて、私のコメントは無事承認されました。承認されたということは、彼は私のコメントを読んでいるわけで、「解かってもらえたんだな」と安心していました。

ところが、それから10日後の6月9日に行われた講演会でも、同じことを言っているのです。その講演会は大盛況で、彼はブログにこう書いています。「参加者は主催者の見込みを大幅に上回る100名以上。入場できずに帰られた方もいるとお聞きしました」

彼に公衆を騙そうとする意図はないのでしょう。しかし、悪意の有無に関わらず結果的にデマが拡散していくのは好ましくありません。そこで、今朝、再度コメントを書きました。

ご指摘の沈下や水平移動は問題ないと思います。理由は5月31日の記事のコメント欄に書いたとおりです。それと、先生は地盤沈下という用語を使っておられますが、厳密には地盤の沈下ではありません。地殻変動です。地殻変動と地盤の沈下は似ているようで全然違います。地殻の上に載っているのが地盤です。地盤を支持しているのが地殻です。地殻変動の場合、地盤を載せたまま一様に変位します。原発施設も一様に変位します。したがって、配管に応力は発生しません。地殻変動による傾斜はあります。でも、その傾斜はたとえば水平距離10kmに対し10cm程度の相対変位量であり、フラットと言ってもよい量です。問題になるようなものではありません。圧密沈下や液状化などの地盤変状は局所的現象です。地殻変動は極めて広域的な現象です。分けて考えなければいけません。地殻変動が問題になるのなら、仙台市の地下埋設物はズタズタに破断しているはずです。都市の地下には、ガス管、水道管などの埋設物が網の目のようにはりめぐらされています。それらが全壊したという話を聞かないことから明らかです。先生の影響力は大きいのです。ご講演の際は間違いのない情報を発信されるよう希望します。

このコメントも言葉遣いに配慮し、内容も前回より解りやすくしたつもりです。彼は東大工学部出身ですから、ここまで噛み砕いて書けば勘違いに気付いてくれるだろうと期待していたら、Twitterに私のコメントに対する回答を見つけました。



びっくりしました。まるでヤクザです。それに、なんという度量の狭さでしょう。批判的なコメントを書かれるのが嫌なら、コメント欄を設けなければよいのです。私は、コメント欄があったから見解を書きました。しかも、失礼の無いように言葉遣いには十分配慮しています。このような返事をもらう謂れはありません。

つぎのツイートには、過去記事のURLが書かれています。



これを読め!ということなのでしょう。
http://onodekita.sblo.jp/article/45208039.html(福島原発で地盤沈下☆☆☆☆☆☆)

読みました。感想をいうと、彼はレベルが相当低いです。おそらく、材料力学も構造力学もほとんど理解できていないはずです。ましてや、振動論や、地震応答解析など、チンプンカンプンでしょう。こんな東大出身者もいるのですね。技術レベルは低いのにプライドだけは人一倍高いのは困ったものです。
彼は思いこみの激しい人物です。思い込んだら命がけです。このような人は自然科学には不向きです。医師としての資質も疑わざるを得ません。

参考URL
http://www.gsi.go.jp/chibankansi/chikakukansi40005.html (GPS連続観測から得られた電子基準点の地殻変動)