平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

田中正造(再掲)

2011-12-31 22:09:10 | 田中正造
福島第一の爆発により福島県の東半分は生物の生息に適さない荒野になった。この状況は、明治に起きた足尾鉱毒事件に酷似している。
明治政府は殖産興業を重視し被害民の訴えを黙殺した。政治活動に絶望した田中正造は衆議院議員を辞しその3ヶ月後に天皇に直訴した。
直訴状は社会主義者幸徳秋水が書いた。田中正造は、天皇の読むものだからと文章をもって名のある幸徳秋水に執筆を依頼した。
田中正造は幸徳秋水の書いた格調高い文章に手を加えた。「黄茅白葦満目惨憺ノ荒野トナレルアリでは文章にならぬじゃないか
」と、幸徳秋水は嘆いた。鉱毒地は広い。害毒の激烈なところもあれば、希薄なところもある。直訴と言う以上、その区別を明らかにしなければならない。
「嘘をついちゃいけねえ」、田中正造はこういった。

謹奏
                              
草莽ノ微臣田中正造誠恐誠惶頓首頓首謹ミテ奏ス 伏シテ惟ルニ臣田間ノ匹夫敢テ規ヲ踰エ法ヲ犯シテ
鳳駕ニ近前スル其罪実ニ万死ニ当レリ 而モ甘ンジテ之ヲ為ス所以ノモノハ洵ニ家国民生ノ為ニ図リテ 一片ノ耿々竟ニ忍ブ能ハザルモノアレバナリ 伏シテ望ムラクハ
陛下深仁深慈臣ガ狂愚ヲ憐ミテ 少ラク乙夜ノ覧ヲ垂レ給ハンコトヲ

伏シテ惟ルニ東京ノ北四十里ニシテ足尾銅山アリ 其採鉱製銅ノ際ニ生ズル所ノ毒屑毒水 久シク澗谷ヲ埋メ渓流ニ注ギ渡良瀬川ニ奔下シ沿岸皆其毒ヲ被ラザルナシ 而シテ鉱業ノ発達スルニ従ッテ流毒益々多ク 加フルニ此年山林ヲ濫伐シ水源ヲ赤土トナセルガ故ニ河身変ジテ洪水頻リニ臻リ 毒流四方ニ犯濫シテ毒屑ノ浸潤セル茨城栃木群馬埼玉四県及ビ其下流ノ地数十万町歩ニ達シ 魚族斃死シ田園荒廃シ数十万ノ人民産ヲ失ヒ業ニ離レ飢テ食無ク病デ薬無ク老幼ハ溝壑ニ転ジ壮者ハ去ッテ他国ニ流離セリ 如此ニシテ廿年前ノ肥田沃土ハ今ヤ化シテ黄茅白葦満目惨憺ノ荒野トナレリ

臣夙ニ鉱毒ノ禍害ノ滔々底止スル所ナキト民人ノ疾苦其極ニ達セルヲ見テ憂悶手足ヲ措クニ処ナシ 嚮ニ選レテ衆議院議員トナルヤ第二議会ノ時其状ヲ具シテ政府ニ質ス所アリ 爾後毎議会ニ於テ大声疾呼其極救ノ策ヲ求ムル茲ニ十年 而モ政府ノ当局ハ常ニ言ヲ左右ニ托シテ絶テ之ガ適当ノ措置ヲ施スナシ 而シテ地方牧民ノ職ニアルモノ亦恬トシテ省ミズ 甚シキハ即チ人民ノ窮苦ニ堪ヘズ 群起シテ其保護ヲ請願スルヤ有司ハ警官ヲ派シテ之ヲ圧抑シ誣テ兇徒ト称シテ獄ニ投ズルニ至ル 而シテ其極ヤ現時ニ在テハ国庫収ムル所ノ租税数十万円ヲ減ジ 人民ノ公民ノ権利ヲ奪ハルゝモノ算ナクシテ町村ノ自治全ク頽廃セラレ飢餓疾病及ビ毒ニ中リテ死スルモノ年々多キヲ加フ

陛下不世出ノ質ヲ以テ列聖ノ余烈ヲ紹ギ 徳四海ニ溢レ威八紘ニ展ベ億兆昇平ヲ謳歌セザルナシ 而モ
輦轂ノ下ヲ去ル甚ダ遠カラズシテ 数十万無告ノ窮民空シク雨露ノ沢ヲ希フテ昊天ニ号泣スルヲ見ル 嗚呼是レ聖代ノ一汚点ニアラズト謂ワンヤ 而シテ其責ヤ実ニ政府当局ノ怠慢曠職ニシテ上ハ陛下ノ聡明ヲ壅蔽シ下ハ家国民生ヲ以テ念トナサヾルニ因ラズンバアラズ 嗚呼四県ノ地亦
陛下ノ一家ニアラズヤ 四県ノ民亦
陛下ノ赤子ニアラズヤ 政府当局ガ
陛下ノ地ト人トヲ把テ此悲境ニ陥ラシメテ豪モ省ミルナキモノ 是レ臣ノ黙視スル能ハザル所ナリ

伏シテ惟ルニ政府当局者ヲシテ能ク其責ヲ竭サシメテ 以テ陛下ノ赤子ヲシテ日月ノ光被セシムル所以ノ途他ナシ 渡良瀬ノ水源ヲ清ムル其一ナリ 破壊セル河身ヲ修築シテ其天然ノ旧ニ復スル其二ナリ 激甚ナル毒土ヲ除去スル其三ナリ 沿岸無量ノ天産ヲ復活スル其四ナリ 頽廃セル多数町村ヲ恢復スル其五ナリ 加毒ノ鉱業ヲ止メ而シテ毒水毒屑ノ流出ヲ根絶スル其六ナリ

此処ニシテ数十万生霊ノ死命ヲ救ヒ居住相続ノ基ヲ回復シ其人口ノ減耗ヲ防遏シ且ツ我日本帝国憲法及ビ法律ヲ正当ニ実行シテ各其権利ヲ保持セシメ更ニ将来国家ノ基礎タル無量ノ勢力及ビ富財ノ損失ヲ断絶スルヲ得ベケン也 若シ然ラズシテ長ク毒水ノ横流ニ任セバ臣ハ恐ル其禍ノ及ブ所将ニ測ル可カラザルモノアランコトヲ

臣歳六十一 而シテ労病日ニ迫ル念フニ余命幾許モナシ 唯万一ノ報効ヲ期シテ一身ヲ以ッテ利害ヲ計ラズ故ニ鉄鉞ノ誅ヲ冒シテ以テ聞ス 情切ニ事急ニシテ涕泣言フ所ヲ知ラズ
伏シテ望ムラクハ
聖明矜察ヲ垂レ給ハンコトヲ 臣痛絶呼号ノ至リニ任フルナシ

明治三十四年十二月十日
                                      草莽微臣田中正造誠恐誠惶頓首頓首


注) ① 直訴状の文章および直訴状の写真は、荒畑寒村:谷中村滅亡史、新泉社、から引用した。
   ② 直訴状は幸徳秋水の書いた原文である。

民衆のために生命財産を擲った田中正造のような政治家が現代に現れんことを切望しつつ、今年の更新を終了する。
来る年が皆様にとって良き年でありますように。

ボンクラーズ(2)

2011-12-31 17:47:32 | 将棋
ボンクラーズから目が離せない。
Zu_jyuvaさんは強い。
ボンクラーズに2連勝した。
ボンクラーズのレートが3364から3304に一気に急落、
その後、R3000台の人に2回勝ってR3315まで戻した。
いま、White Mistさんと対戦中。
この人のレートも高い。R3051だ。
R3000以上の人はおそらくプロか奨励会員だろう。
R2500~2600台の常連さんよりたしかに強い。
今日は強豪ばかり挑戦してくる。
ボンクラーズがいくら強いといっても勝ち続けるのはたいへんだ。
あっ、White Mistさん投了、
レートがR3320に上昇した。
おっ、妻が「大掃除」「大掃除」と叫んでいる。
「わかった、今行く」
妻を怒らせると怖いので、観戦しばし中断。
居間の掃除をしてきます。

ベテルギウス

2011-12-25 19:29:34 | 天文


オリオンの肩で脈打つべテルギウス(平ねぎ)

オリオン座は冬を代表する星座だ。
オリオン座の右肩にべテルギウスはある。
おおいぬ座シリウスと、こいぬ座プロキオンで、冬の大三角を形成している。
そのベテルギウスが、2012年に、超新星爆発するのではないかと危惧されている。

ベテルギウスは、脈動変光星であり、膨張と収縮を繰り返してきた。
最近の観測では、15年間に15%も収縮し、収縮が加速化しているらしいのだ。

ベテルギウスは、太陽の1000倍の直径を持ち、太陽の20倍の質量を持つ赤色超巨星である。
このような巨大な恒星が爆発するとどうなるか。
地球に影響を与えるのか。

ベテルギウスは地球から640光年離れている。
しかし、この程度の距離では爆発の影響から免れることはできない。
何らかの影響を受ける。

地球上の総ての生物が死滅するという悲観的な見方もあれば、99.9%大丈夫という楽観的な見通しもある。
いずれにせよ、人類がいまだ経験したことの無い出来事である。
起きてみなければ何とも言えないというのが本当のところだろう。


ボンクラーズ圧勝

2011-12-22 00:01:00 | 将棋


「米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ プロ棋士対コンピュータ 将棋電王戦」のプレマッチが昨夜19時から行われた。
結果はボンクラーズの圧勝。米長会長には全く良いところが無かった。
手合い違いだったかもしれない。少なくとも角一枚は違うように見えた。
ボンクラーズが勝つだろうと予想していたが、ここまでの大差とは思わなかった。
会長の敗着は2手目△6二玉。ボンクラーズの勝着は3手目▲6八飛。3手で勝負がついた。
それ以降、会長には勝機は一度も訪れなかった。
29手目の▲7五歩が見えていなかったようだが、それ以前に勝負がついていたのだから関係ない。
ボンクラーズはやはり強い。しかし、それよりも米長会長の衰えぶりが目立つ一戦だった。
何度戦っても同じことだ。ボンクラーズは、会長には荷が重過ぎる。
1月14日の本番では、活きのよい若手を代打に出すのが賢明ではないか。

子どもを突然死から守れ!

2011-12-21 00:35:22 | 原発震災


ユーリ・バンダシェフスキー教授 : チェルノブイリ事故による物質で汚染されたベラルーシの諸地域における非ガン性疾患

引用ここから

セシウム137の影響が最も激しく現れるのは、成長中の生体の心臓血管系である。
小児の心筋における10Bq/kg以上の放射性セシウムの蓄積は、電気生理学的な諸
プロセスの異常をもたらす。1986年以降に生まれ、セシウム137による地表汚染
が15ci/km2(訳注:55万5千Bq/m2)以上蓄積する地域で継続的に暮してきた
人々には、心臓血管系の深刻な病理的変異を反映する症状と心電図異常が現れる。
学齢期の児童では、放射性核種セシウム137の取り込みにより、心拍の障害を
もたらす心筋の電気生理的な障害が引き起こされる。生体内の放射性核種と不整脈
の間には明らかな相関関係が見受けられた。

ここまで

ユーリ・バンダシェフスキー教授のチェルノブイリ事故に関する研究によれば、
セシウム137を体内に取り込んだ小児には心臓疾患が多い。
添付図は体内セシウム濃度と不整脈のない子ども数の割合を示す。
高々12~26Bq/kgで、半数以上の子どもに心電図異常が起きている。

日本の規制値は甘い。
子どもの許容摂取量は厳しく設定されなければならない。

キッコーマン醤油

2011-12-20 12:13:43 | 原発震災
我が家は昔からキッコーマン醤油です。
キッコーマン醤油しか使いません。
ところで、キッコーマンと言えば千葉県野田市。
隣の流山市や柏市にはかなりの量の放射性物質が降り注いでいます。
キッコーマン醤油は大丈夫だろうか、と心配になり電話で確認しました。
電話に出てきたのは感じのよい若い女性。

キ 「キッコーマンお客様相談センターでございます」
私 「私はキッコーマン醤油を愛用している者です」
キ 「いつもご利用ありがとうございます」
私 「キッコーマン醤油は野田市で作っているのですか?」
キ 「北海道、千葉県、兵庫県の3ヶ所で作っております」
私 「千葉県は野田市ですか?」
キ 「はい、そうでございます」
私 「原料の産地はどこですか?」
キ 「アメリカ産とカナダ産を使っています」
私 「へー、そうですか。すこし安心した。水はどうしていますか?」
キ 「地下水を使っています」
私 「北海道と兵庫県は問題ないと思うけれど、野田市の水は大丈夫ですか?」
キ 「水質検査をして社内基準をクリアする水のみを使っています」
私 「社内基準は公表しているのですか」
キ 「公表はしておりません」
私 「国の基準より厳しいのですか?」
キ 「詳しいことは存じません。申し訳ありません」
私 「どのような基準かHPに公表すべきだと思いますよ」
キ 「貴重なご意見ありがとうございます。担当の者に伝えておきます」

このような内容でした。

福島で米を作るな!

2011-12-15 12:35:58 | 原発震災
「食べて応援」は幻想だ! 「買い叩かれている」福島の農家がブログで「現実」暴露
「米がね、業者にクソ安く買いたたかれてるんスよ それが食品会社やら、外食産業に流れ込んでるんですよ」「直聞き情報として1俵8000円提示 中通りの伝聞情報として、1俵5000円提示 野菜だって似たようなもんでしょう 今日1玉98円の白菜を見ましたよ」
「わかりますかね 農家儲かってねーっすよ 足元見られてケツの毛毟(むし)られてるのが現実ですわ まあ彼らは大抵こんなことを言ってたりしますね『私共は復興を支援しております。食べて応援しましょう!』ふところ温まってるのはテメー等だけだクソったれ」(農家の婿のブログ)


クソったれはお前だ!危険な場所で米を作るな!
米を作れば市場に必ず出回る。加工米や飼料米になって、巡り巡って消費者の口に入る。
放射性セシウムの本当の怖さは発がんではない。
心臓なのだ。心臓に蓄積し、突然死を誘発する。それが怖いのだ。
東京の福島アンテナショップでは、福島の農産物がよく売れているらしい。
食べて復興支援をするのだそうだ。
食いたい奴は食え。そして、善行を積んだことに満足して死ね。
だが、わしらは、被曝してまで応援したくない。福島の農産物などまっぴらだ。
作るから市場に流通するのだ。
福島県の東半分は無人地域にして、居住、農業生産活動を禁止すべきだ。
食の安全を守るには、それしか方法がない。