平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

年末雑感

2009-12-31 14:34:00 | 政治問題
COP15は、外交上の強制力を持たない「留意する」という言葉で交渉を終えた。鳩山首相の思いつき数値目標「CO2の25%削減」は宙に浮いたままとなった。こうなることを見越してハッタリをかますほど、鳩山首相の頭はよいとは思えないから、まさに棚ボタ式の僥倖だ。日本にはまだ少しばかりツキが残っているのかもしれない。2012年までの3年間で官民合わせて総額1兆7500億円を拠出する約束は、25%削減に比べると安くついたというべきだろう。それにしても民主党は面白い政党だ。一方では、1億円単位で歳出カットを行いながら、他方では1兆円単位で国富を海外に放出する。このいびつなバランス感覚は自民党政権時代には見られなかったものだ。
来年は、定住外国人に地方参政権を付与する法案が通常国会に上程される。この法案が成立すれば、韓国が虎視眈々と狙っている対馬は、韓国に実効支配され、竹島化するおそれがある。民主党が政権の座に居続けるかぎり、日本国を弱体化させる法案が何本も通るだろう。だがこのような政党を選んだのは国民だ。私たちは何が起きても自業自得と諦めるしかない。
かつて中国の李鵬首相は、オーストラリア首相との会談で「日本など20年後(2015年)には消えてなくなる」と語ったが、民主党政権による今の日本の政治の動きを見ると、この予言はあながち荒唐無稽とはいえない。将来のことを思うと気が重いのであるが、日本国が少しでも永く地球上に在り続けることを祈りつつ、今年の更新を終了する。

富士山遭難事故について思うこと

2009-12-21 19:19:40 | 自然科学全般

冬型の気圧配置が発達しているときの富士山の東側には近づいてはならない。
これは、風工学を少しでもかじったことのある者にとっては常識である。
遭難した3人は、御殿場口登山道から富士山に入っていったが、このコースは、風工学的には最悪のコースである。
リーダーの片山右京氏は、冬季の富士山でどのような風が吹いているか、知らなかったのではないか。
知っていたら、西風が卓越している富士山に東側から接近するような無謀なことはしなかったはずだ。
富士山の周りではどのような風が吹いているのか。
これを風洞試験で確かめた研究者がいる。
乱流研究で世界的に知られている佐藤浩氏である。
彼は富士山に見立てた頂角90度の円錐模型を風洞の中に入れ(添付画像:図1)、模型の周囲の風の分布を詳しく測定した。
その結果が、添付画像:図5、添付画像:図6である。
図5は、西風が吹くときの山の表面の流れを、真上から見おろした形で表している。
南半分が省略されているが、西風なので北半分と同じである。
この図をみると、東西軸に対して30度傾いた中腹辺りに渦が認められる。
佐藤氏は風速分布を丁寧に計測し、富士山の周りの流れ場の三次元構造(アーチ状の渦:図6)をつきとめた。
このアーチ状の渦の軸は、図5の渦の中心で山腹に接している。
竜巻が地表に接しているようなものであり、この付近にテントを張るのはたいへん危険である。
図7の×印は、過去に風による遭難があった位置を示しており、図5の渦中心と概ね一致している。
なお、斜線の部分は、強い西風が吹いているときにはこの中に入ってはならないという警告を示す危険ゾーンである。
このように、西風が吹く冬季には、東西軸から30度南北に振れた中腹辺りに強い渦が発生するため、この領域には絶対に近づいてはならないのだ。
彼らはそれを知らずに危険地帯に入って行った。
片山右京氏は、来年1月、南極の最高峰に登頂する予定を組んでいて、富士登山はそのトレーニングだったらしい。
南極の山に比べたら富士山など大した山ではないという油断があったのではないか。
富士山は日本人にはポピュラーな山で、夏場にはハイキング気分で登ることができる。
しかし、冬場には魔の山に変貌する。
彼らが冬季の富士山の恐ろしさを知っていれば避けることができた事故であり、まったく残念なことである。

引用文献)佐藤浩他:東京大学公開講座28流れ、東京大学出版会、1979


面白い話が無いという話

2009-12-13 15:09:18 | 雑談
私 「実は、書くネタがなくて困っている」
妻 「…」
私 「マンネリ化するんだよね」
妻 「…」
私 「何か面白い話、無いかな」
妻 「話題提供しようか」
私 「面白かったら記事にしよう、面白くなかったらボツだ」
妻 「きのう、バスの中でこんなことがあった」
私 「…」
妻 「バスがバス停に近づいたとき、運転士さんの左側の席に腰掛けてた人が、『私、降ります、降ります』と言って、騒ぎだした」
私 「…」
妻 「そのとき運転士さんはどうしたと思う?」
私 「わからん」
妻 「『うるさい!黙れ!』って怒鳴ったのよ、可笑しいでしょ」
私 「ほう、面白いな、その話もらった」

というわけで、久しぶりの更新ですが、
読み返してみるとちっとも面白くない。
面白い話って無いものですね。