平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

いまさら地球温暖化(2)

2012-03-26 16:21:44 | 地球温暖化


http://sankei.jp.msn.com/world/news/120323/erp12032320010014-n1.htm
世界気象機関(WMO)は23日、2001~10年までの10年間の世界平均気温が1961~90年の平均より0・46度高い14・46度と推定され、1850年以来「最も高温な10年間」だったと発表した。
うち9年間の年平均気温は過去10番以内に入っており、地球温暖化が深刻になっていることが裏付けられた。11年も南米ペルー沖の海面水温が低くなる「ラニーニャ現象」が続いていたにもかかわらず11番目の暑さ。WMOは温暖化対策が「待ったなし」の状態だと警告、国際社会の協調を訴えた。
平均気温の上昇は特に1971年以降が顕著。1881年から2010年まで10年ごとの平均気温は平均0・06度上昇しているのに対し、1971年以降の10年ごとの平均気温は平均0・166度も上昇。過去最も高温だった年は2010年で、05年が2位となっている。(共同)


2001~2010年は1850年以来「最も高温な10年間」だった、ということですが、こんなことは当たり前田の何とやらです。世界平均気温は、19世紀半ばから右肩上がりに高くなっているので、最近の10年間の平均気温が過去最高になるのは当然です。読者を煽ることが目的とは言え、こんなつまらないことを記事にしてはいけません。
図は気象庁HPからコピペしたものです。図をみると、地球はCO2が急増する(1940代)遥か以前から、ほぼ直線的に温暖化しているのがわかります。直線的な変動の上に数十年単位の変動が乗っています。紛うことのない自然現象のグラフです。直線的に見えるのは周期が非常に長いからですが、その長さは前回のピークが中世温暖期であると仮定すると概ね千年です。千年周期ですから、100年~150年区間を取り出すと直線状に見えるのです。気候変動は長いタイムスパンで評価しなければ本質を見失ってしまいます。直近40年の観測データから気候変動の原因を同定するのは不可能です。

SUKUYAKI塾の蔓延を憂う

2012-03-25 14:59:37 | 技術士

技術士試験は決して難しい試験ではない。地道に努力すれば必ず合格できる試験である。
努力を惜しんで安易に他人の支援を受けてはならない。技術力向上は自らの不断の努力でなされるものだ。
多少時間がかかろうとも誰の助けも当てにせず自力で合格を勝ち取れ。そのように願ってやまない。
さて、ここからはSUKIYAKI塾の弊害について述べる。
SUKIYAKI塾のいけないところは、レベルの低さが伝染することだ。
これまで何度挑戦しても落ちていたのに、合格したら急に偉くなったように錯覚して講師を志願し、
無料支援に惹かれて集まった馬鹿な受験生を指導する。
これは、技術士全体のレベルダウンにつながる。
低レベルの者に教えてもらった者は低レベルになるのだ。
将棋界では、師匠は弟子を教えない。
筋悪がうつり師匠を超えることが出来なくなるからだ。
米長邦雄の師匠は佐瀬勇次という人だったが、この人はあまり強くなかったので、米長を一度も指導しなかった。
米長は指導してもらわなかったことを感謝している。
師匠の筋悪がうつらなくて良かったと言っている。
人に教える前にすることが山ほどあるだろう。
やっとのことで合格したのだから、まだまだ力不足なのだ。
そのことを謙虚に受け止めて、まず自らの資質の向上を図れ。
他人にかまけている暇はない。
自分を磨け。
そのことに全力を注げ。
分相応のことをしろ。
レベルの低さを伝染させる行為は慎むべきだ。


いまさら地球温暖化(1)

2012-03-02 16:57:36 | 地球温暖化
30年以上前に買ったブルーバックスからの引用です。

1978年から79年にかけての日本の冬は、各地とも異常な暖冬で、水源地付近の積雪量は、例外になく少なかった。ところが、アメリカやヨーロッパでは、同じ時期に非常な暖冬に見舞われたところが多く、日本とは正反対の状況を呈した。一体全体、地球は暖かくなりつつあるのか、それとも、寒くなりつつあるのか。これについては近年、いろいろと論議がたたかわされているが、地球全体、とくに北半球全体としては、どうやら寒くなりつつあるのに、東京、ニューヨーク、ロンドンなどの世界の大都市では、必ずしも寒くなっておらず、一昔前に比べると、むしろ、かなり暖かくなっているようである。
ところで、これから21世紀に向けて、地球の気温がどのように変化していくのかについて、ほぼ同じ時期に、まったく相反する二つの見解が出されたことがあった。
1969年10月21日、ブリュッセルで開かれていたNATO(北太平洋条約機構)議員会議の最終日にあたって、当時、ニクソン米大統領の都市問題担当顧問で、アメリカ都市問題会議事務局長をつとめていたダニエル・モイニハンは、年とともに深刻化しつつある都市公害などによる環境悪化が人類死滅の危機を招きつつあることを報告した。その際、石油や石炭などの化石燃料の使用量が現状のままで増え続けていくとすると、大気中の炭酸ガスの量は西暦2000年までに25%も増え、そのために気温は摂氏4度ほど上昇して、両極の氷の一部が融解して、海面が3メートル上昇するだろうという計算があることを紹介した。そして、このような破局的危機を防止するためにも、いまこそ全世界の人間は有効な手段を急いで講じるべきだと警鐘を乱打したのであった。
日本の著名な地球化学者である三宅泰雄博士(当時は東京教育大学教授)も、モイニハンよりは少し遅れて、基本的にはモイニハンと同一の見解を発表した。すなわち、同博士によると、西暦2000年までに、10-20パーセント程度の炭酸ガスの増加が見込まれ、そのために気温が0.5-1度くらい上昇するのではないかという推定が成り立つが、気温上昇のために両極の氷がかりに10パーセントほど融解したとすると、海面は7メートル近く上昇するという計算になり、したがって、もし、そんなことになると、海岸近くにある東京、ニューヨークやロンドンなどの世界の大都市の多くは、いずれも水没してしまうだろうとされている。


二人の科学者が西暦2000年における世界平均気温と海面の平均高さを予測しています。二人とも大外れです。地球の平均気温は4℃も上昇していないし、東京も水没していません。彼らの失敗は30年後を予測したことです。検証可能な近未来を予測してしまったので、嘘がばれてしまったのです。
江守正多氏らは、その点は実に巧妙で、絶対にばれることのない100年後を予測しています。100年後に生きている者はいないので、外れても誰からも文句は言われない。そして、温暖化脅威を煽り続ければ一生飯が食える、というわけです。楽な人生ですが、彼らはそれで満足なのでしょうか。

【参考文献】
生越忠:日曜日の地球科学-実は危険な日本列島-、ブルーバックス、講談社、1979