追記 2019.09.26
「エネルギー一定則は大間違い」というタイトルだったのですが大間違いをしたのは私の方でした。
エネルギー一定則は、悔しいけれど、おかしくはないです。
最初に書いた内容を大幅に変更して再UPします。
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現行の構造物の耐震設計の中核にエネルギー一定則があります。
建築のいわゆる新耐震(昭和56年制定)とよばれる設計法にこの考え方が初めて導入されました。
すこし遅れて土木も建築に倣いました。今日はこのことについて書きます。
つぎの画像は、柴田明徳先生の「最新耐震構造解析,森北出版,1981」のエネルギー一定則のページをスキャニングしたものです。
この本は名著です。私はボロボロになるまで何度も読みました。
この考え方を最初に思いついたのはN.M.Newmarkです。
N.M.NewmarkはNewmarkβ法のあのニューマークです。
ニューマークが言うのだから正しいのだろうとみんな飛びついたのでしょうね。
その論文はグーグルスカラーを使ってダウンロードできます。
これがその論文です。暇を持て余している人は読んでみてください。
図4.28と同じ計算をしてみましょう。
波はEl Centro(NS)です。
いまどきこんな波は使いません。
80年前にとれた古代波ですから。
私も30年くらい前にはEl Centro(NS)、Taft(EW)、八戸(NS)をよく使っていました。
いまならK-NETやKiK- netからよい波がいくらでもダウンロードできます。
また、設計には断層モデルによる模擬波を使います。
でも、これもいいかげんなものですけどね。
どちらがそれらしく見えるかの違いで五十歩百歩です。
それはさておき、El Centro(NS)はこんな波です。
■ 加速度波形
■ 変位応答スペクトル
私が計算したらこうなりました。
解き方を説明します。
一番上の式は運動方程式です。
両辺をmで割ると2番目の式になります。
復元力は非線形なので、線形項と非線形修正項に分けます。
線形項を左辺に移項すると、非線形項は右辺だけになります。
追記 2019.09.29
このようなやり方は多自由度系のときに有効で、1自由度系の場合は、
2番目の式をそのまま解く方が簡単です。
ここで、ω=√(k/m)です。
左辺を変えずに右辺だけ収束計算すればよいので効率的です。
時間について離散化して数値積分します。
そのやり方は次のとおりです。
右辺2項は未知数なので収束計算が必要です。
これらの計算をプログラムを作って行います。
複雑な処理を必要としないので簡単なプログラムです。
追記 2019.09.26
簡単なプログラムなのに大間違いをしていました
エネルギー一定則は、なぜそうなるのかわからないけれど、そのような傾向にあることは分かりました。