平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

君たちに明日はない

2010-03-06 01:01:29 | 荒谷建設C

http://www.nhk.or.jp/dodra/kimiasu/(君たちに明日はない|NHK土曜ドラマ)
「みどころ」から転載***

主人公は、リストラ請負会社に勤める面接官・村上真介。
真介は、不景気にあえぐ瀕死の会社に乗り込んで社員面接を行い、
希望退職という名目で相手を退職に追い込むプロ。

真介の面接相手は、“リストラ”という決定的な人生の危機に遭遇し、
激しく動揺し、自己を見つめ直し、究極の選択を迫られる。

「仕事」とは何か、「会社」とは何か。そして、「働く」とは何か?
人が働くことの意味を問い直し、日本の職場に、明るい「明日」を探したい。


ここまで***

おもしろいドラマだった。見逃した人は再放送をみてください。
このドラマはディテールが実に良くできている。
特に感心したのは、社員を3つのランクに分けているところだ。
A:辞めてもらっては困る社員
B:辞めても辞めなくてもどちらでもよい社員
C:辞めさせなければならない社員
これはリストラを合理的に行うための秘密の裏技だ。
リストラに関わった者でなければ知らないはずだが、
ドラマの原作者は仕組みをよく知っていて、細部まで丁寧に描いている。

ランク分けとリストラの関係であるが、リストラの対象になるのはもちろんCランクに属す社員だ。
Aランクの社員は会社の宝だから、会社は絶対にやめさせない。
Bランクの社員の立場は微妙だ。ドラマでは彼らをGPと呼んでいた。
Gray Positionの略語なのだそうだ。

ところで、6年前、わが社でも希望退職に偽装した整理解雇が行われた。
40歳以上の社員全員が対象で、ドラマと同じように3つのランクに分類された。
面接官は各部署の部長が担当した。
事業本部から回ってきたランク表にしたがって、Cランクの社員に対し執拗な勧奨を行った。
そして退職に追い込んだ。

私はリストラを全否定しない。
やむを得ない場合もあると思っている。
会社が倒れてしまっては元も子もないからだ。
だが、リストラは、社員に経済的にも精神的にも大きな痛手を負わせるものであるため、
ルールは厳格に守られなければならない。
希望退職は、文字通り社員の「希望」に委ねるべきだ。
希望者数が足りないときは、役員から率先して辞めればよい。
ところが、わが社では一人の役員も辞めていない。
それどころか、役員報酬のカットもしていない。
自分の血は一滴も流さずに、社員の首をはねたのである。
私は、以前からこのことをブログに書こうと思っていたが、なかなか書けなかった。
番組を観て気が変わった。
いずれ機会をみて一部始終を書くつもりだ


勤務中ですが…

2010-03-02 16:29:27 | 雑談
私の集中力は5分間が限界だ。いま、プログラムを作っているところだが、ちょっとやっては休み、ネットをみたり、コーヒーを飲みに行ったり、トイレに立ったり、仕事をしている時間は、1日のうちの半分にも満たないかもしれない。もともと、飽きっぽい性格なのだ。だから、何をやっても長続きしない。

昔からそうだ。大学は土木工学科に入学したのだが、1年で飽きて、2年生のときに建築学科に転科した。建築学科は製図が大変で、転科した年度は1年生と2年生の2年分の製図をやる羽目になり、それが原因で極度の近視になった。

卒業後は、大手メーカーの子会社に入社したが、8年目で、配属された部署の仕事がいやになり、退職覚悟で配属替えを社長に直訴したところ「良く申し出た」と意欲を買われ、解析業務を行う部署に転属となった。それまでは親会社の設計部門の仕事をやっていたが、以後研究部門の仕事をすることになった。

研究部門の仕事は、研究者の支援が主な仕事で、プログラム作成技術が必須である。それまでプログラムなど作ったことが無かったので、務まるかなと思ったら、案の定たいそう苦労した。仕事はOJTで覚えるものだが、未経験者なので客がつかない。だからいつまでたっても技術が身に着かない。

配属替えのとき、私は32歳になっていた。コンピュータ関連の仕事では、32歳の新人は相手にされないらしい。理論には自信があるのだぞ!と威張っても、理論をプログラム化して解析してなんぼの世界に空威張りは通用するはずもない。それでも、同僚に馬鹿にされながら、こつこつと実績を積んで、ようやく固定客もついて技術も伸び、客から信頼されるようになり、飽きっぽいけれど向上意欲旺盛な私は、さらに精進を重ね会社になくてはならない人材になりました。

と思ったのも束の間、またしても飽きっぽい性格が災いし、フラーッと退職。技術士他の資格をたよりの、やってみりゃ何とかなるさ式の未経験分野への転職と相成った。そのとき46歳。ところが世の中甘くない。四年目でリストラ候補にリストアップ。危うくリストラされるところを、運が良かったのか悪かったのか、会社に残ることができた。今もいつ谷底へ転落するかもしれないスリル満点の崖っぷち生活を続けている。

さて、仕事をするか。